JP3151817B2 - 複合多孔膜 - Google Patents

複合多孔膜

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は,有機重合体からなる平膜状の複合多孔膜に
関するものであり,限外濾過膜として,および/または
複合逆浸透膜や気体分離膜の支持膜として有用な複合多
孔膜に関する。
[従来の技術] 近年,複合多孔膜は電子工業用等の超純水の製造,工
業排水処理,食品工業における精製・濃縮,血液の浄化
等に限外濾過膜として利用されている。
複合多孔膜の形態は,大別して,中空糸と平膜に分類
できる。従来の平膜は,繊維で構成される支持体の片面
に多孔膜を形成させた2層構造からなり,その多孔膜の
表面に逆浸透分離あるいは気体分離を行うための分離活
性層を積層させることで,複合逆浸透膜や気体分離膜の
支持膜としても利用されている。これら平板状の複合多
孔膜は,原液側流路材及び透過液側流路材と組合わせ
て,スパイラル型分離素子やプレート・アンド・フレー
ム型分離素子として利用されている。
複合多孔膜は透水性能,機械的強度,耐熱,耐薬剤性
の優れたものが要求され,数ある素材の中でも,ポリス
ルホン系多孔膜(例えば,特公昭50−22508),ポリア
クリロニトリル系多孔膜(例えば,特公昭60−3940
2),酢酸セルロース系多孔膜(例えば,特公昭52−153
98)などが注目され,実用化されている。
ところで,クリーンな環境が要求される半導体製造業
において,そのプロセス材料である超純水や精製ガスの
純度は,半導体の集積度の増加に伴い,年々高純度のも
のが要求されてきている。
その対策として,例えば超純水製造システムの場合,
最近,2次純水システム(通称,サブシステム)の最終末
端フィルターとして汎用されている限外濾過膜を用いた
液体分離装置に替わり,より有機物の排除性能を有する
複合逆浸透膜を用いた液体分離装置を,ユースポイント
の直前で使用することが検討されている。
この場合,複合逆浸透膜を用いた液体分離装置への要
求特性として,分離性能もさることながら,装置自身か
らのイオン性物質やTOC成分の溶出や微粒子の発生が起
こらないことが重要である。しかしながら,複合逆浸透
膜を用いた液体分離装置で,一般に汎用されているスパ
イラル型液体分離素子(例えば,特公昭61−36965号な
ど)を適用した場合,特に素子自身から微粒子が多量に
発生するため,実用化されるには至っていない。
そこで,スパイラル型液体分離素子に使用されている
部材の中で,どの部材が微粒子の発生源となっているの
か鋭意検討し,その結果,複合逆浸透膜の支持膜であ
る,平膜状の複合多孔膜のうちの繊維で構成される支持
体から,多量に微粒子が発生していることが判明した。
一般に汎用されている複合逆浸透膜を用いたスパイラル
型液体分離素子では,分離活性層にて溶質の分離が行わ
れ,溶質を排除した水(すなわち透過水)は分離活性
層,支持膜である多孔膜層,繊維で構成される支持体を
透過し,透過液側流路材に沿って流れ,孔を有する集水
パイプに集められて装置の外に取出されるのであるが,
分離活性層で原液中の微粒子を排除した後,繊維で構成
される支持体から,分離活性層で排除した以上に微粒子
が脱落して,透過水中の微粒子数を増加させていた。
すなわち,2層構造からなる平板状の複合多孔膜の場
合,限外濾過膜や逆浸透膜および気体分離膜のいずれに
ついても上述したように繊維で構成される支持体から多
量の微粒子が発生し,これら分離膜を高純度精製を目的
とするところへ適用しても,逆に処理水あるいは処理ガ
スの純度を悪化させる問題を有していた。
[本発明が解決しようとする課題] 本発明は,上記のごとき従来技術の欠陥を改善するた
め,微粒子発生源である,平膜状の複合多孔膜の中の繊
維で構成される支持体の両面に多孔膜を形成させること
により,該支持体からの微粒子の脱落を防止すること
で,超純水やガスの高純度精製に実用可能な平板状の複
合多孔膜を提供せんとするものである。
[課題を解決するための手段] 本発明は,上記目的を達成するために下記の構成を有
する。
(1)繊維で構成される支持体の両面に多孔膜を形成さ
せた,少なくとも3層構造からなる平膜状の複合多孔
膜。
(2)多孔膜は有機重合体からなり、かつ、表層に孔径
が0.1μm以下である緻密層を有することを特徴とする
特許請求の範囲第1項記載の複合多孔膜。
(3)少なくとも片面の多孔膜が、ポリスルホン系重合
体からなることを特徴とする特許請求の範囲第1項また
は第2項記載の複合多孔膜。
(4)特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の複
合多孔膜の、少なくとも片側の多孔膜の表面に、逆浸透
分離が可能な分離活性層を形成させたことを特徴とする
複合逆浸透膜。
(5)特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記載の複
合多孔膜の、少なくとも片側の多孔膜の表面に、気体分
離が可能な分離活性層を形成させたことを特徴とする気
体分離膜。
以下,本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられる多孔膜は,繊維で構成される支持
体上に製膜可能な有機重合体であればいずれであっても
よいが,その中でも,ポリスルホン系,酢酸セルロース
系,ポリアクリロニトリル系,ポリオレフィン系,ポリ
ビニルアルコール系,ポリアミド系,ポリイミド系など
の従来から複合多孔膜として用いられている有機重合体
が好ましく,さらには,孔径の制御が容易で寸法安定性
に優れ,複合逆浸透膜や気体分離膜の支持膜としても汎
用されているポリスルホン系重合体であることがより好
ましい。
本発明の複合多孔膜は,繊維で構成される支持体の両
面に多孔膜を形成させたものであり,原液側に位置する
多孔膜と透過液側に位置する多孔膜が,上述した有機重
合体の中の少なくとも1種類以上から選ばれるものであ
り,それらが同一の有機重合体であっても異種の有機重
合体の組み合わせであっても差支えない。原液側と透過
液側の多孔膜は,その多孔膜の特性と複合多孔膜の用途
を考慮して選定される。
また,本発明の複合多孔膜には複合逆浸透膜や気体分
離膜の支持膜としての機能がある。複合逆浸透膜や気体
分離膜の中で,分離を支配する分離活性層の厚みは,一
般に1μm以下と極めて薄いため強度に乏しい。そのた
め種々の分離用途に対し実用的な強度をもたせるため,
複合多孔膜をその支持膜として供している。この機能に
対して用いられる多孔膜は,孔径の制御,寸法安定性,
透水性能,機械的強度,耐熱性,耐薬剤性,分離活性層
との親和性等を考慮し,これらの要求項目を満足するも
のであれば,上述した重合体からなる多孔膜の中のいず
れであってもかまわないが,数ある多孔膜のうちポリス
ルホン系多孔膜を用いた複合多孔膜は,上記要求項目に
対し優れた特性を有し,従来から複合逆浸透膜や気体分
離膜の支持膜として汎用されており,本発明の複合多孔
膜においてもこのような用途に対して合致することか
ら,原液側,すなわち分離活性層を付与する側の多孔膜
にはポリスルホン系多孔膜が好適である。
ポリスルホン系多孔膜の素材であるポリスルホン系重
合体とは,その分子中に−SO2−の結合基を有するモノ
マーユニットからなる重合体であるが,該重合体の中で
も下記の(1)〜(8)式 で表されるモノマーユニットを,50モル%以上有する重
合体が挙げられ,この中でも(1)および(7)式に示
すモノマーユニットからなる重合体がより好適である。
本発明である複合多孔膜の中の繊維で構成される支持
体とは,繊維で形成されたシート状布であり,繊維の織
物,又は不織布などである。
かかる繊維の材質は,通常の合成繊維あるいは天然繊
維であり,具体的にはポリエステル,ナイロン,芳香族
ナイロン,ビニロン,アクリル,ポリプロピレン,ポリ
エチレン,レーヨン,アセテートなど不織布または織物
に加工できる繊維であればいずれであってもよいが,複
合多孔膜の製膜に用いられる有機溶媒に対し,十分な耐
溶剤性を有する繊維がより好ましい。繊維で構成される
支持体の厚みは,膜を長期間確実に支持するだけの強度
を有することを考慮して,0.05〜1mm,好ましくは0.1〜0.
2mmが望ましい。
本発明の複合多孔膜の製造方法は,基本的には従来か
ら2層構造の複合多孔膜で使用されている製造方法と同
様であるが,数ある製造方法の中でも湿式製膜法が好適
である。
湿式製膜法は,ジメチルホルムアミド,ジメチルスル
ホオキサイド,N−メチル−2−ピロリドン等の極性有機
溶媒に前述した有機重合体を通常10〜30%の濃度になる
よう溶解し、この溶液を繊維で構成される支持体の片面
に塗布した後,主に水中に浸漬して有機重合体溶液を該
支持体の片面に凝固させて,多孔膜を形成させるもので
ある。
本発明の場合,まず繊維で構成される支持体の片面に
上述した湿式製膜法で多孔膜を形成させる。この膜は透
過液側の多孔膜にあたる。この複合多孔膜は水中で巻き
取るため湿潤状態にあり,このまま反対側の面にも湿式
製膜を施した場合,塗布した有機重合体溶液が該支持体
に浸透することなく凝固してしまうため,極めて剥離し
やすい多孔膜が得られる。従って,充分な剥離強度を持
つ複合多孔膜を得るためには,2層構造の複合多孔膜を乾
燥して該支持体中の水分を除去してやる必要がある。乾
燥方法としては熱風乾燥機が好適であり,80〜120℃の熱
風で1〜10分間乾燥するのがよい。ついで乾燥した複合
多孔膜の裏側の面にも上述した湿式製膜法で原水側にあ
たる多孔膜を形成させる。この場合,有機重合体溶液の
塗布量が多すぎる,あるいは,塗布後の浸透時間が長す
ぎると裏側の多孔膜を溶解浸蝕するため,塗布量すなわ
ち多孔膜の厚みと浸透時間をある一定量以下にする必要
がある。逆にこれらの量が少なすぎると剥離が生じやす
くなる。この場合の多孔膜の厚みは20〜100μmであ
り,浸透時間は0.1〜1.5秒が好ましい。また乾燥した複
合多孔膜の裏側の面へ連続製膜する場合,多孔膜と接触
するガイドロールやバックアップロール等のロール群は
全てフリーロールにするか,あるいはテフロンライニン
グを施したロールを使用するなどして,多孔膜とロール
群との摩擦抵抗を走行に差支えのない程度まで和らげる
工夫を装置上なさねばならない。
上述した以外にも,有機重合体溶液を該支持体の両面
に塗布して,該支持体の両面に同時に多孔膜を形成させ
る方法もあるが,一般に膜厚の制御が困難となる。
上述した方法で得た多孔膜の表層は,内部に比べ緻密
化し,その表面に孔径が0.1μm以下の極微細な孔から
なる緻密層を有する。従って,本発明の複合多孔膜を湿
式製膜法で製造した場合は,原液側のみならず透過液側
の多孔膜の表層にも緻密層を有するので,繊維で構成さ
れる支持体からの微粒子の脱落を防止できるだけでな
く,製造時に透過液側の多孔膜の表面に微粒子が付着し
ても熱水洗浄等で簡単に除去でき,透過液側の清浄度を
極めて高く維持することが可能となる。ただし,本発明
ではこのような表面に緻密層を有する多孔膜に限定する
ものではなく,例えば,表層から内部に向かうにしたが
い緻密化するデプスタイプの製造の膜でも繊維で構成さ
れる支持体からの微粒子の脱落の防止に有効である。
本発明の複合多孔膜の厚みは,上述した以外にも被処
理液の透過速度および膜の強度,膜充填密度等を考慮し
て最適化される。ここで原液側および透過液側の多孔膜
の厚みは,10〜200μm,好ましくは,20〜100μmであるこ
とが望ましく,又,両多孔膜共に繊維で構成される支持
体に30〜100μm浸透していることが好ましく,更には
両者が繊維で構成される支持体の内部で接合しているこ
とが特に透過液側の多孔膜の剥離防止の点からより好ま
しい。透水性は高い方が好ましく,25℃で測定した水の
透過速度として0.1(Ton/m2・日・atm)以上,好ましく
は0.5(Ton/m2・日・atm)以上である。一般に,表面に
緻密層を有する多孔膜を乾燥するとバブルポイントによ
り透水性がなくなるが,本発明の複合多孔膜では乾燥す
る側の多孔膜を透過液側とすることでこれを防いでい
る。
本発明の複合多孔膜は,紙パルプ排液等の工業排水処
理や食品工業での分離精製,医療分野における血液浄
化,半導体分野での超純水製造などの限外濾過膜として
用いられる他,気体分離膜あるいは複合逆浸透膜の支持
膜として好適に用いられる等,多方面に利用できる。本
発明の複合多孔膜を支持膜として得られる平膜状の複合
逆浸透膜の分離活性層としては,架橋ポリアミド,架橋
ポリアラミド,架橋ピペラジン系ポリアミドなどが好適
であり,これらは公知の方法で積層できる。本発明の複
合多孔膜を用いて得られる複合逆浸透膜は,微粒子の脱
落が従来の複合逆浸透膜よりも極めて少なくなり,その
結果,該複合逆浸透膜を用いた液体分離装置を超純水製
造システムの中の最終末端フィルターに適用可能とな
る。
[実施例1] ロール巻きされた52cm幅のテトロンタフタに片面ずつ
ポリスルホン系多孔膜を湿式製膜し,タフタの両面に緻
密層を有するポリスルホン系複合多孔膜を得た。ポリス
ルホン重合体はUdel P3500(日産化学(株)製)を用
い,ジメチルホルムアミドを溶媒として15wt%のキャス
ト溶液に調整した。ブレードコータを用い一定厚みでキ
ャスト液を塗布し,凝固浴(純水)にて凝固させて,ま
ず片面にポリスルホン系多孔膜を製膜した後,熱風温度
を90℃に制御した熱風ノズル乾燥機でタフタに残存する
水分を除去し,再度同様の手順で裏面のタフタにポリス
ルホン系多孔膜を製膜した。
原液側のポリスルホン系多孔膜の厚みは40μm,タフタ
の厚みが150μm,透過液側のポリスルホン系多孔膜の厚
みが30μmであり,全体の厚みは220μmであった。こ
の膜の透水性能は,4.5(Ton/m2・日・atm)であった。
又,この膜の表面および断面をSEM観察した結果,両ポ
リスルホン系多孔膜層の表面共,緻密層が形成され,さ
らに両表面共平滑性があった。さらにタフタの内部で両
層が接合していることが観察された。このため片面だけ
のポリスルホン系多孔膜に比べ極めて剥離しにくい。さ
らにポリエチレングリコールの分離性能から,この膜の
分画分子量は約1万であった。
[実施例2] 実施例1に記述した製膜方法で透過液側のポリスルホ
ン系多孔膜の厚みを30μmに固定し,原液側のポリスル
ホン系多孔膜の厚みの異なるポリスルホン系複合多孔膜
を製膜し,各々の膜の透水性能を測定した。第1表は,
その結果であり,原液側のポリスルホン系多孔膜が厚く
なるにつれ,透水性能は低下し,特に,原液側のポリス
ルホン系多孔膜の厚みが100μmを越すと,透過側ポリ
スルホン層の溶解浸蝕が激しくなり透水性能は激減し
た。
[実施例3] 実施例1で製膜したポリスルホン系複合多孔膜を用い
て,4インチ径のスパイラル型限外濾過膜分離素子(第2
表中記号A)を製作し,超純水サブシステムの最終末端
フィルターに設置して,80℃の熱水滅菌を行った後の透
過水中の微粒子数の立ち上がり特性を測定した。運転条
件は透過水量4/分,回収率50%で行ない,微粒子数
はレーザー散乱微粒子カウンター(富士電機(株)製)
で0.11μmまでのものを測定した。その結果を第2表に
示す。運転開始後約10時間で微粒子数は1個/ml以下と
なった。次に比較例として,タフタの片面のみに製膜し
たポリスルホン系複合多孔膜を用いた4インチ径のスパ
イラル型限外濾過膜分離素子(第2表中記号B)につい
て,先と同じ条件で80℃の熱水滅菌後の透過水中の微粒
子数の測定を実施した。その結果を先と同様,第2表に
示す。表中Bのスパイラル型液体分離素子の微粒子数
は,40時間運転後に3個/mlで安定した。本発明のように
繊維で構成される支持体からの微粒子の脱落を防止する
ことでスパイラル型液体分離素子の微粒子数を大きく低
減できる。
[実施例4] 実施例1で製膜したポリスルホン系複合多孔膜上に,
特開昭62−121603号公報の実施例1に記載の架橋ポリア
ラミド系からなる分離機能膜層を付与して,複合逆浸透
膜を製膜し,これを用いて4インチ径のスパイラル型逆
浸透膜分離素子(第3表中記号C)を製作し,一般に汎
用されている4インチ径のスパイラル型逆浸透膜分離素
子(第3表中記号D)とで,80℃の熱水滅菌後の透過水
中の微粒子数の立ち上がり特性の比較を,実施例3と同
様の方法で実施した。
その結果を第3表に示す。本発明のポリスルホン系複
合多孔膜を用いて製作したスパイラル型逆浸透膜分離素
子は,約20時間で微粒子数は1個/ml以下に到達した。
逆に,表中記号Dのスパイラル型逆浸透膜分離素子は,1
00時間運転後も微粒子数は15個/mlであった。
[本発明の効果] 以上説明したように,本発明の複合多孔膜は,従来の
平膜の微粒子発生源である繊維で構成される支持体の両
面に多孔膜を形成することにより,支持体からの微粒子
の脱落を防止でき,又,その両表面に緻密層を有するこ
とから,両表面に付着している微粒子を熱水等で簡単に
洗浄できる。さらに,複合逆浸透膜の支持膜としても従
来の複合多孔膜が,(多孔膜/繊維で構成される支持
体)の2層構造であるのに対し,本発明の複合多孔膜
は,(多孔膜/繊維で構成される支持体/多孔膜)の3
層構造からなるゆえ強度的にも優れ,具体的には膜折れ
やしわが起こりにくく,又,支持体内部で両多孔膜が接
合しているので剥離強度も優れている。以上のことか
ら,本発明の複合多孔膜を支持膜とすることで複合逆浸
透膜分離素子を超純水サブシステムの最終末端フィルタ
ーに適用することが可能となり,限外濾過膜よりも有機
物やシリカ,イオン性物質等ではるかに優れた複合逆浸
透膜の分離性能を長期間にわたって最大限発揮すること
が可能となり,その結果,超純粋の水質をさらに高品質
なものにすることが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−71802(JP,A) 特開 昭62−160121(JP,A) 特開 昭62−121603(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01D 69/10 B01D 71/68 C02F 1/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】繊維で構成される支持体の両面に多孔膜を
    形成させた、少なくとも3層構造からなる平膜状の複合
    多孔膜。
  2. 【請求項2】多孔膜は有機重合体からなり、かつ、表層
    に孔径が0.1μm以下である緻密層を有することを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の複合多孔膜。
  3. 【請求項3】少なくとも片面の多孔膜が、ポリスルホン
    系重合体からなることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項または第2項記載の複合多孔膜。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記
    載の複合多孔膜の、少なくとも片側の多孔膜の表面に、
    逆浸透分離が可能な分離活性層を形成させたことを特徴
    とする複合逆浸透膜。
  5. 【請求項5】特許請求の範囲第1〜3項のいずれかに記
    載の複合多孔膜の、少なくとも片側の多孔膜の表面に、
    気体分離が可能な分離活性層を形成させたことを特徴と
    する気体分離膜。
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