JP2012024679A - 気体中の水分除去方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】目的とする空間中の水分率の制御を熱エネルギーを使うことなく実施しつつ水分を除去し,気体状態の水分子は潜熱エネルギーを持つがこれを顕熱エネルギーとして回収し,水分の除去速度と除去後の水分率の到達可能域を大気中の水分率での制限を緩和し、かつ水分を除去すべき空間部が大気に隣接していない位量の場所でも適用される気体中からの水分除去方法を提供する
【解決手段】高湿で湿った気体より水分を除去する装置において、筒状の多孔性平膜モジュールの内部に湿った高温の気体(気体A)を流す回路を有し、該筒状平膜の外側を該気体より絶対湿度の低い気体(気体B)を流す回路を形成する二重筒で構成された装置で、多孔性の平膜は親水性高分子材料で構成されかつ、該膜の内部を2種の不織布が混在し、不織布を構成する繊維は相互に交絡していることを特徴とする装置であり水分の平膜透過機構が拡散の寄与が中心であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は 気体中に含まれる水分を、膜を利用して除去する方法に関する。より詳しくは気体の持つ運動エネルギーを膜を回転させるエネルギーとして回転による遠心力を利用し、より効率的に水分を除去する技術に関する膜を回転可能によるために膜に強度を持たせるために2枚の不織布を再生セルロース膜内部に包理することを特徴とする膜による水分の除去方法。
多層構造膜において気体に接する側の膜表面の平均孔径を大気に接する面の平均孔径より小さくすることにより水分子の気体からの取込みを容易にし、かつ膜から大気への脱着が容易で、かつ大気から湿った気体へ向けての微粒子の移動が阻止される。また平膜を気体と大気とに接する面積を大きくすることによって水分子の除去速度を大きくすることは可能である。これを実現するために膜をプリーツ状にする。親水性高分子膜を再生セルロース不織布で重ね合せ水分の共存下で折り込むと形態保持が容易であるが乾燥後の膜としての強度に問題点を残す。(特許文献1)
産業界での乾燥工程、家庭での洗濯後の乾燥は製品としてあるいは生活用品の使用可能状態にするのに不可欠な工程である。生活空間などにおいて快適な居住の閉空間を完成するのに調湿による除湿などの水分除去は不可欠な要求である。気体中からの水分除去の方法としては気体の露点以下に温度を下げて水蒸気を液体の水として系外へ除去する方法が一般的である。除去後の気体を再び加熱することになる。この方法では冷却用と加熱用との両者の機能を持つ装置が必要である、電気エネルギーによって除湿をするこの方法での除湿は閉空間用に適する。
小規模での水分除去方法として乾燥剤を利用する方法がある。吸湿剤として再生利用が可能なシリカゲル、ゼオライトや塩化カルシウムなどの固体乾燥剤あるいは活性炭などで調湿することが可能である。乾燥剤を用いれば小規模で閉鎖系で空気中の湿度を0%まで低下させることは可能であり、湿度の低い状態からさらに低い湿度に下げることができ特別な装置を必要としない簡便な除湿方法である。ただし蒸発潜熱はほとんど回収されないし、除湿量は乾燥剤の重量以下であり、また乾燥剤の再生には熱エネルギーが必要である。
従来より提案された高分子膜を利用した水分の除去は膜を介した水分子の溶解拡散機構を利用している。(特許文献2)除去対象の気体中の水分子は膜に溶解し、膜を構成する高分子素材の自由体積を利用して水分子は拡散する。膜への溶解度はヘンリー則に従うと考えられており、気体中の水分子の場合には水蒸気圧が膜への溶解をもたらす駆動力である。水分子の膜中での拡散の見掛けの活性化エネルギーは15Kcal/mole以上である。拡散係数は10−10〜10−12cm/sと小さく、そのため水分除去の工業的規模での適用に際しては大きな膜間差圧と膜面積とを必要とする。この方法は気体を構成するすべての成分分子に対しても適用されるので気体構成する分子に対して開放系といえる。そのためこの方法での水分移動では気体分子の持つ熱エネルギーを系外へ消失する。
平均孔径が10nm以上で空孔率が30%以上の高分子多孔膜の素材を親水性高分子で作製し、これでシート状物を作製する。このシート状物の片側に気体Aを流し、もう一方の側に気体Aよりも絶対湿度が低い気体あるいは大気(この気体を気体Bと略称)を流して気体A中の水分を気体B中へ輸送させる方法が提案された(特許文献2)。すなわち気体Aと気体Bとの流動量の和,シート状物に負荷される膜間差圧、シート状物の厚さ,シート状物の平均孔径と空孔率、シート状物の面積の6種の特性値間で一定の条件を満足させれば、気体Aより水分を除去し、しかも気体Aの持つエンタルピーの消失を極小化できる。この技術はシート状物を介して気体Aあるいは気体Bの体積の流れ(バルク流れ)の速度が気体Aと気体Bとの流れ速度の和の一定比率以下でなくてはならないことを指摘している。
特許文献3の技術を実際に工業的規模で実施した場合に膜を介した水分の移動の律速は気体B側の膜面での水分子の蒸発速度にあることが明らかとなった。水分の蒸発速度を高めるための工夫が特許文献4に与えられた。すなわち特許文献2の問題点を解消する技術として気体Bに接する膜面に凹凸の激しい構造体を配することにより水分の膜移動速度が上昇し、蒸発潜熱の一部が回収されたこの技術において膜の孔特性を設計し一部の物質に対しては閉鎖系を作ることは可能である。例えば、気体中の成分分子にとっては膜を介しての出入は自由(拡散、対流等の出入)で、特定された大きさ以上の微生物や微粒子に対しては膜を介した移動は不可能である閉鎖系が完成する。しかしこの技術では(イ)気体Bとしては常に大気でありこの空気が自然の流れにまかせられそのため水分の移動速度の制御が出来なく、しかも大気の温度や湿度の影響も強く受ける。すなわち膜を介した水分の移動速度は時間差、日差、季節差が生じ、回収される気体A中の水分濃度は制御されていない。(ロ)気体Bの体積が気体Aの体積より大きく設計しなくてはならないため本技術を実現させた装置として大型化され、かつ大気に接する膜面積が大きくなり装置形状が制限される。(ハ)膜の裏面(気体Bに接する側の膜面)の構造が複雑なため膜モジュールの作製が困難である。(ニ)湿熱空気の持つ顕熱エネルギー(温度、圧力や運動エネルギーの形での流体としての速度など)は利用されていない、等の問題点を持つ。
扉の開閉の頻度が少なく空気の流れのない室内においても大気温度の日間変動に伴なって室内の相対湿度が高まり、露点以下となり水滴が生じる場合もある。電源ボックス内、変電室内、あるいは山間部での電源関連施設内での水滴の発生は絶縁性の低下など電気的トラブルの原因ともなり得る。水滴発生の防止策として高温の発熱体を設置する。一時的な対策としてこの方法は効果を発揮するが大気の流れのない空間内では絶対湿度は高まっており、空間温度の低下に伴って水滴が生じる。この水滴発生を防止の基本策は水分を室内から外気へ移動させることである。密閉に近い状態にある空間部内での水分除去は遠隔地にある無人の施設にとっては重要な技術課題であるが現在まで有効な解決手段はない。
特開 2010−131486 特開 昭54−152679号 特公 平4−13006号 特公 第3891808
本発明では膜を介した水分の時間内の移動量(移動速度)の制御が可能な装置でかつ下記の課題を解決しようとする。すなわち(1)多孔性多層構造を持つ再生セルロース膜に強度を持たせ、膜の形状をプリーツ型にしたり膜の力学的変形や応力への抵抗性を持たせ、(2)気体A中の水分を熱エネルギーを使うことなく除去し、(3)気体Aの水蒸気が持つ潜熱エネルギーを顕熱エネルギーの形で回収し、(4)気体Aおよび気体B中の成分分子(酸素、窒素、炭酸ガス、水)に対しては膜を介して移動が可能な開空間であるが気体中に分散する粒子(ウイルス、細菌、マイコプラズマ等の感染性微粒子やナノ微粒子)に対しては気体Aと気体B間での相互の移動ができない閉空間をつくり、(5)利用とする膜として作製の容易な構造体という5種の課題である。
膜を備え付けた回転体の風速は市販されている換気扇で660から111600m/時間であり、膜厚10〜500μmの再生セルロース膜だけでは回転体に働く遠心力が強く破壊する。そのため、膜の強度を待たせる必要性がある。
気体(本発明では気体A)中の水分を熱エネルギーを使うことなく系外へ除去する方法として、吸着剤(吸湿剤も含む)による方法と膜を介した除去とがある。吸着剤を用いる場合には閉空間内の水分除去には適するが水分を吸着した吸着剤より水分を除去するのに熱エネルギーを要するために吸着剤を繰り返し使用を前提とする限り結果的には熱エネルギーを使うことになる。一方、膜を介して水分を除去する技術では水分移動の駆動力として圧力差が利用される。この場合には膜の平均孔径が大きくなると圧力差によって発生する膜濾過によって水分を系外へ移動されることになる。膜濾過での水分子の系外への移動は同時に気体中の他の成分分子(酸素や窒素など)も系外へ流出される。大気の成分分子の流出は気体の持つ熱エネルギーの流失になる。そのため膜濾過機構による物質輸送の寄与を可能な限り少なくする必要がある。
膜の平均孔径を5nm以下にすることにより、膜中での水分子を溶解拡散機構にもとづく輸送が期待できる。この方法では水分子のみを系外へ除去することも、膜素材の選択により可能となるが物質移動速度の絶対値が小さすぎるため工業的には利用できない。溶解拡散機構に基づく水分の膜除去技術では、水分子の透過の選択性を高め、しかも水分子の膜移動速度を高める新しい膜透過機構を加える必要がある。
気体中(本発明では気体A中)の水分子の持つ潜熱エネルギーとは液体状態にある水分子が蒸発して気体の水分子(水蒸気)に変化するのに際し、蒸発熱を得て気相の水分子となる。したがって気相の水分子は液相の水分子に比較して蒸発熱の分だけエンタルピーは増加している。この増加分が潜熱エネルギーである。潜熱エネルギーを顕熱エネルギーとして変換し、これを回収するには再び相変化を起こさせ、そこで発生するエネルギーを温度上昇の形で顕熱エネルギーとする必要がある。この顕熱エネルギーを気体A中に蓄える方法を検討する必要がある。
気体中の成分分子(酸素や窒素で水分子以外の成分)に対しては開空間で、気体中に分散する微粒子(感染性の微生物あるいはナノサイズの無機粒子で水の微粒子を除く)に対しては閉空間にするためには両空間を隔てる膜に特別な孔構造を持たせるか、あるいは物質を移動させるための駆動力に特種な工夫がいる。特別な孔構造としては孔径分布が非常に鋭いかあるいは層状構造で表現される多層構造膜のいずれかが物質(微粒子)の除去の点では最適と考えられる。ここで多層構造膜とは、膜の縦断面を透過型電子顕微鏡で観察した際、厚さ約0.2μmの薄膜の積層構造が観察される膜である。この薄膜の積層数が20以上である膜を多層構造膜と定義される。水に対して特別な性質を持たせるには膜を構成する素材も特定しなくてはならない。
膜を介しての水分子の除去速度を高めるには特許文献4に述べるように膜の裏面側に特別な構造体を持たせる必要性が明らかにされている。このように膜の構造体としての最適設計の他に膜の裏面での水の蒸発速度を高める必要がある。水の蒸発速度を高めるには膜表面で生じる境膜の厚みを薄くし、外部からの熱エネルギーの供給速度が高まれば膜を介した熱エネルギーの消失を極小化することも可能であろう。この種の工夫については現在まで具体的な提案はない。
膜を介した水分の移動速度を制御できれば気体A中の水分濃度(したがって湿度)を制御することが可能となる。膜を介した水分の移動の機構が明らかになれば原理的には水分の移動速度を制御できる。例えば水分移動が膜内部での拡散機構のみでなされる場合には水分の移動速度は利用した膜の特性Pmと膜の表面での水分濃度差△Cと気体Aおよび気体Bの温度の平均Tavを用いて(1)式で表現される。
水分の移動速度=Pm・△C・Tav (1)
Pmは膜面積Aと膜の水分拡散係数Dと膜厚dを用いると
Pm=D・(A/d) (2)
(1)で表現される水分の移動速度を実際に実現するための膜のモジュール化と水分除去のための回路を含めた装置化とか重要であるが現在までにそのような提案は見当らない。
本発明では膜を備え付けた回転体の風速は660から111600m/時間であり、膜厚10から500μmの膜が直接風圧を受けた場合には支持体がない限り膜は破壊される。2種の繊維の相互に交絡した2枚の不織布を埋込む形で複合化することで膜としての強度を持たせる。繊維を交絡させることによって複合化膜としての一体化が保たれ、かつ膜の表裏への水分子の輸送速度が高まる。膜と馴染み易い親水性の再生セルロース不織布を使用する事で膜の強度が増し、また疎水性のポリエチレンテレフタレート不織布を使用する事で遠心力による力を抑制する事ができることが本発明の第1の特徴である。
2種の繊維で構成される不織布としては親水性繊維(例えば銅安法再生セルロース、ビスコース法セルロース、ポリビニールアルコール、ポリアミド)で構成される不織布と疎水性繊維(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニール、アセチルセルロース)で構成される不織布が適する。
本発明では乾燥機より出てくる湿度(絶対湿度)が高い気体(気体A)より水分を制御された速度で除去し、気体Aの温度をほとんど低下させない気体Aとして乾燥機の出口からの気体、電源室内の気体、動物舎の気体、密閉された室内(ビルの室内)の気体、乗物内の気体、溶室内の気体、台所内の気体などである。気体Aに接する気体Bの流速は制御されている。
本発明方法の第2の特徴は、気体Aの持つ運動エネルギーを利用して親水性多孔性平膜を装着した円筒状回転体を回転させる点である。この回転により生じる遠心力により膜中の孔壁に生じた液体の水が気体Bに向った移動を加速させる。この作用を実現する膜モジュールは平膜モジュールの内部に気体Aを流す回路を有し、さらに平膜は筒状に設置されその外側を気体Bが存在する。平膜を回転させる機構を取り入れるとさらに安定に水分除去が可能となる。気体Bを円筒状の筒内に流れる回路を設けると二重筒にすることにより顕熱として大気中に消失するエネルギーを小さくできる。
本発明方法の第3の特徴は膜を介した水分の輸送機構として孔拡散、表面拡散、および溶解拡散の3種の拡散機構を利用する点にある。本発明ではさらに濾過機構を加えてエネルギーの回収率を高めることも可能である。たとえば気体B側の圧力が気体A側の圧力よりわずかに高め気体Bの一部が気体Aに混入させる。この顕熱を気体Bの加熱に効率的に利用できる。
孔拡散とは膜の孔中での分子の拡散で、その拡散係数はほぼ分子量の1/2乗に反比例する。孔拡散は膜の平均孔径が約500nm以下8nm以上でかつ気体の圧力が低いほど起りやすい。表面拡散は膜中の孔壁表面に水分子が吸着し、吸着後の水分子が二次元的液体面を形成し、この液体面での拡散を意味し、平均孔径が5〜80nmの膜で起りやすい。溶解拡散とは多孔膜を形成する素材高分子に水分子が溶解し、溶解した水分子の素材高分子実体内部での拡散を意味する。拡散の活性化エネルギーは15Kcal/mole以上である。孔拡散による水分子の移動速度は空孔率に比例し、表面拡散による水分子の移動速度は単位膜面積当りの孔数および平均孔径に比例し、溶解拡散による水分子の移動速度は(1−空孔率)に比例する。これらの拡散により水分子の膜中での拡散速度が早くなる。拡散機構を利用することにより気体中の熱エネルギーを使うことなく水分子を除去できる。
本発明では気体Bから気体A中への物質移動を圧力差を駆動力として起こさせることも可能である。この濾過による物質移動は膜表面で起る吸着熱の発生を効率良く気体Aの顕熱エネルギーとして回収するのに利用する。濾過による物質移動速度は拡散による水分子の移動速度に匹敵する程度に設定する。両者の水分子以外の物質移動の方向は逆である。濾過による移動速度は膜間差圧△Pに比例する。この際の△Pは気体Bの圧力と気体Aの圧力の差である。
拡散機構(孔拡散、表面拡散、溶解拡散)にもとづく膜中での物質移動は濾過機構に比較して(イ)微粒子による孔の目詰まりがない,(ロ)微粒子の除去性能が大,(ハ)物質移動に必要なエネルギーを加える必要がない(すなわち水分の除去に必要なエネルギーが極小化できる)等の特徴を持つが、一方では物質移動速度が小さい問題点を持つ。本発明で利用される膜中での水分移動の機構は拡散であるため、水分除去に限れば原理上△Pの負の値は不要である。
本発明方法の特徴を生かす装置としては平膜の膜面積を大きくするプリーツ型で、2枚の交絡した不織布で親水性不織布と疎水性不織布を使用する事で回転に対する強度と加工(折りたたみ等)における強度を保ち、しかも拡散のために△Pに耐える支持体を必要としない膜モジュールである。気体Aおよび気体Bの流れに伴う圧力損失を少なくする膜モジュールが望ましい。平膜円筒モジュールの内筒には6〜12角形の星型に折りたたまれた平膜が設置されている。内筒部分に風車の機構を持つ羽根を加えることにより気体Aの流れの力で内筒を回転させることも可能である。
本発明方法の第4の特徴は、潜熱回収と水分除去の中心的機能を持つ膜として親水性多孔性平膜を用いる点にある。親水性とは溶解度パラメータの水素結合の成分量が8(cal1/2cm−3/2)以上である物質を意味する。例えばセルロース(再生セルロースを含む)、ポリビニールアルコールなどである。多孔性とは空孔率が30%以上で膜の表裏面を電子顕微鏡で観察した場合に5nm以上の孔の存在が認められる膜である。平膜とは膜厚10μm〜1mmで膜平面として幅1cm以上でかつ長さ1cm以上の大きさを持つ膜で形態的に平面状の膜を意味する。本発明で利用される膜は複合化された膜である。すなわち平均孔径を異にする平膜や不織布等の2種以上の組み合せで構成される。2種以上の組合せにより膜間差圧の負荷も可能となり、さらに微粒子に対する閉空間の完全度が高まる。
親水性膜は空気中の水分を吸着し吸着熱を発生する。吸着によって空気中の水分濃度は低下し同時に吸着熱によって空気の温度および膜表面の温度が上昇する。すなわち潜熱を顕熱に変えるのが吸着である。膜の機能として拡散による吸着水分子の輸送がある。この輸送により定常的に系外へ水を除去する。水分の吸着性能は膜の素材を水分子との間の親和力の結果でもある。製膜の容易さと親水性の強さとから再生セルロースが特に望ましい。セルロースの場合、相対湿度が60%の気体に対してセルロース1kg当り約300kJの微分吸着熱が発生する。除湿剤は相対湿度が低い状況下でも水分子と強く結合し、閉空間内での湿度低下の効果は強い。しかし水の脱着には逆に加熱等の大きなエネルギーを加えなくてならないし、除湿剤1g当たりの吸湿水分率は3%以下である。
平膜の平均孔径は500nm以下10nm以上で空孔率は30%以上であり、特に60%以上90%以下が望ましい。力学的強度を不織布が分担するため高い空孔率を実現できる。気体B側の膜面の平均孔径(電子顕微鏡観察で決定)が湿った高温の気体Aに接する膜表面の平均孔径より大きく、親水性高分子の材料として再生セルロースでかつ再生セルロース不織布と再生セルロース多孔膜との複合体であることが膜間差圧を負荷する場合には微粒子除去性を高め、また、疎水性のポリエチレンテレフタレート不織布を使用する事で膜の変形を防ぐ事が好ましい。
平膜として結晶化度は30%以下では親水性がより高まる。また膜厚を100μm以上にすることにより平均孔径を異にする2種の膜を重ね合わせることが容易となる。また多孔膜の孔構造としては多層構造膜にすることにより、孔の目詰りに対する水分の輸送速度の低下の程度を緩和されるし、また平膜の微粒子除去性能を高める。ここで多層構造膜とは膜の断面を透過型電子顕微鏡で観察した際に幅約0.2μmの筋状物が膜表面に沿って存在することによって確認できる膜である。この筋が膜厚方向で20本以上観察される膜を多層構造膜と定義する。
二重筒で構成させた装置で膜間での圧力勾配をわずかに加え平膜の表裏面に強制的に気体Aと気体Bとを流すことによって回収される気体A中の湿度を制御することが可能となる。ただし制御される湿度としては、気体Bとして大気を利用すると大気中の湿度以下にすることは不可能である。この欠点をなくするには水分除去の気体Aおよび膜による水分移動前の気体Bを乾燥剤で吸着処理すれば良い。
気体Bの吸着処理の方法として例えば金属塩の飽和水溶液が利用できる。飽和状態にある水溶液の気相内の水蒸気圧は一定に保持される。利用できる塩の種類としては目標とする気体A中の湿度によって定められる。例えば塩化カルシウムの6水塩の飽和水溶液では25℃ではその水溶液からの水蒸気圧で達成される相対湿度は29%である。もし気体Aに接する側に塩化カルシウムの6水塩の飽和水溶液であれば気体Aの湿度を25℃での相対湿度29%に到達できる。該水溶液に太陽熱やボイラ等の排熱の低温度(50℃付近)
の熱源を供給して水分を蒸発すれば該水溶液は連続的に利用できる。
本発明方法および装置によって(1)極小化されたエネルギーを用いて除湿が可能となり乾燥空気のリサイクルと回収された気体中の水分濃度と水分除去速度を制御することが可能となり、(2)蒸発潜熱を顕熱としてエネルギー回収が可能となり、(3)大気に平膜が直接接する必要がなくなり、(4)気体A中の水分濃度を大幅に低下でき、(5)除湿工程の小型軽量化が達成され、(6)大気中の炭素ガス、酸素、窒素に対しては充分な換気が自然になされ、ウイルスや細菌等の感染性微粒子に対しては隔離状態となる。
酢酸セルロース(水酸基の酢酸による置換度2.4)をメタノールとアセトン混合液に溶解後、公知の方法でミクロ相分離を起こし、その後苛性ソーダでケン化せて再生セルロース多孔性平膜を作製する。この多孔性平膜は多層構造で構成される。平膜の平均孔径はレトロウイルスやマイコプラズマの移動を防止する目的で80nmに設定し、空孔率は80%に膜厚を400μmとするミクロ相分離を再生セルロース不織布内で起こさせれば再生セルロース不織布を埋込んだ複合膜が得られる。あらかじめ再生セルロース不織布とポリエステル不織布とをエンボス加工を行い、両不織布の繊維を交絡させておく。この交絡した不織布をミクロ相分離用溶液中に浸漬し、その後ミクロ相分離を起こさせると本発明の複合化膜が得られる。図1に示す二重円筒のモジュールの内筒部分を該平膜2を多重に折りまげて装着する。この際平膜の内側を再生セルロース不織布で重ね合せて装置すると膜としての力学的強度を増すことができる。平膜はモジュールの両端に包埋剤8で埋込まれ円筒状平膜の内部11には気体Aの流れ6用の空間部が確保されている。包埋剤8によって内筒の円形状枠7も平膜と同時に埋め込まれている。
図1の内筒は図2の円筒状外筒に固定される。図2には外筒の横断面図と外筒の下側より観察した正面図を示す。円筒の筒面1の両端にはつば状のひざし10と10´とを持つ。10および10´は複数の外筒を連結するために締め付け具4と共に必要である。締め付け具4によって複数の外筒は連結されるが10と10´との間にはパッキング用Oリング3を挿入し、円形状枠7と7´間には変形可能なゴムあるいはスポンジのパッキングを挿入する。つば状物質10´のより内筒側には気体Bの流路13の連結のために空間部9が確保されている。図3に2台の二重内筒装置を直列に連結した部分の断面図を示す。
気体Aを流路12を通し内筒内の空間部11を流入させ平膜2の膜表面に接触させる。気体Bを流路13を通して平膜2の膜裏面に接触させる。この際気体Bの圧力は気体Aよりわずかに大きくする。この膜間差圧△Pとしては(3)式を満足させる。
△P≦1×10−4・d/(Pr・r ・A) (3)
ここで△Pの単位はmmHg,Jは気体Aの流速(ml/min),dは平膜の厚さ(cm),Prは空孔率(%)Aは平膜の有効濾過面積(cm)である。rは平膜の孔半径(平均)である。
公知の方法(上出、真鍋、松井、坂本、梶田、高分子論文集、34巻、205頁(1977)で酢酸セルロース(平均置換度2.40,平均重合度205)の多孔膜の作製用溶液中に、交絡させたポリエステル不織布と再生セルロース不織布を0.6m/分で浸漬させ、その後ミクロ相分離を起こさせ、複合体膜を作製した。この膜を0.1規定の苛性ソーダ水溶液(25℃)中に浸漬し、ケン化反応を行い再生セルロースの多孔性で多層構造膜を作製した。水の濾過速度法で決定した平均孔径は80nm、空孔率85%、不織布部分を除去した多孔膜部分の膜厚400μmの孔特性を持つ乾燥した膜を作製した。乾燥法はアセトン/水系の溶媒置換法であった。
図1に示す内筒を8角の星型に膜を折り込み、内筒の星の角部分の直径を8cmにして有効膜面積を0.20mとした内筒の長さは60cmであった。膜の両端を円筒状枠と共にウレタン樹脂で包埋した。ただし円筒の全体の形の維持のための枠(図1の7,7´と6)をアルミニウムの作製し、この枠の両端7,7´をウレタン樹脂内に同時に包埋された。この内筒を10個をポリ塩化ビニールで作製した外筒(図2)10個によって図3に示すパッキング3,5を用いて直列に連結する。外筒の連結部を締め付け金具によって固定する。外筒間のパッキングのためには耐熱性を持つOリングを用い内筒間のパッキングには耐熱性を持つスポンジ状の素材(例、発泡状のポリウレタン)が適する。
気体Aとして温度80℃における相対湿度80%の気体を大気圧より0.2気圧高い圧力(絶対値としての圧力は1.2気圧)で加圧状態で内筒内を20リットル/分で流した。気体Bとして大気の温度15℃で相対湿度30%でこの気体Bを外筒内を80リットル/分で流した圧力は0.05気圧であった。装置の出口での気圧Aは温度75℃で30%となり湿度としては半分以下となった。したがって本装置の水分除去速度は3.5g/分であった。
一般的な産業において乾燥工程を必要とする分野すべてに適用できる。乾燥に必要なエネルギーコストを本技術によって低下させることも可能である。しかも得られた気体の湿度が制御できるようになるので室内における住空間の快適性設計に利用できる。その他病院などでの感染源の隔離、動物実験施設、家庭のバスルームや乾燥機に設置される。
本発明の2重円筒形状を持つ一単位装置の内部を構成する内筒の外観図 外筒の断面図(上)と下部から観た本装置の概略図 本発明装置(単位)を2個連結した際の断面図
1:外筒:両末端につば状のリムを有する
2:2枚の不織布で複合化された平膜
3:複数の装置を連結する際の外筒間を密閉に連結するためのパッキング
4:外筒間を連結するための締め付け具
5:内筒間を連結する際に気体Aと気体Bとの混合を防止するためのスポンジ状パッキング
6:内筒の円形状枠を支える支持棒
7,7´:円筒を形成する円形状枠
8:複合化平膜と外枠(6,7,7´)とを埋め込むための包理剤(ウレタン樹脂など)
9:気体Bの流路連結用の空間部
10:外筒の出口部ある締め付け用のツバ状のリム
10´:外筒の出口部にある締め付け用のツバで10よりも内部のツバの幅が広い
11:内筒の内部の気体Aの流路
12:気体Aの流れの方向
13:気体Bの流れの方向
14:内側の再生セルロース膜と2枚の不織布で構成された複合体膜を抑える支持棒

Claims (4)

  1. 多孔性多層構造再生セルロース膜が交絡した2枚の不織布を包む埋込む形で複合化することで膜としての強度を持たせることで、絶対湿度が大気中(温度T)の絶対湿度より高い湿った気体(温度T)より膜を介して反対側の絶対湿度がより低い大気中へ水分を除去する際に気体の流れの力を利用して親水性多孔性平膜を装着した円筒状回転体を回転することにより、遠心力を利用し膜を介して孔拡散、表面拡散および溶解拡散の3種の機構のいずれかまたはすべてを利用して水分を大気中に移動させることを特徴とした水分除去方法。
  2. 請求項1において2枚の不織布の組合せとしては下記のA群の不織布とB群の不織布とからそれぞれ1種選定することを特徴とする水分除去方法。
    A群:銅安法再生セルロース、ビスコース法セルロース、ポリビニールアルコール、ポリアミド、B群:ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、アセチルセルロース、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニール、
  3. 請求項1において、強度を持たせるための不織布としては疎水性のポリエチレンテレフタレート(PET)不織布と該不織布と繊維が交絡するもう一方の不織布として親水性の再生セルロース不織布を使用することを特徴とする水分除去方法。
  4. 請求項1において、多孔性多層構造再生セルロース膜として、平均孔径10nmから500nm、空孔率60から90%以下で、絶対湿度の高い気体に接する膜面の平均孔径が大気に接する面の平均孔径より小さいことを特徴とする水分除去方法。

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