JP2011041921A - 空気脱湿装置、気体脱湿装置、および気体脱湿方法 - Google Patents

空気脱湿装置、気体脱湿装置、および気体脱湿方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 省エネルギーであり、高効率に水分を除去でき、吸着材料の回収率を低減し得る安価な脱湿装置を提供する。
【解決手段】 吸入スタック1、フィルタ2、加圧装置3、水洗装置4、加圧装置5、分離膜モジュール6、吸着器7で構成されている。吸入スタック1とフィルタ2、フィルタ2と加圧装置3、加圧装置3と水洗装置4、水洗装置4と加圧装置5、加圧装置5と分離膜モジュール6、分離膜モジュール6と吸着器7は、それぞれ空気配管10、11、12、13、14、15により接続されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、省エネルギーかつ安価であり、高効率に水分を除去できる気体脱湿装置および気体脱湿方法に関する。特に計装機器、製品乾燥等に用いられる空気に対して好適な気体脱湿装置および気体脱湿方法に関する。
計測装置、計測制御装置などの計装機器は、その精度が高く求められるため、これに用いられる空気は、不純物や水分が含まれない純度の高いものが要求される。また、カーボンブラックやシリケートなどの水分を吸着しやすい製品を製造する分野においては、製品乾燥に用いる空気は、極度に水分量が少ないものであることが要求される。例えば、空気の乾燥程度を示す指標として露点が用いられることがあるが、計装機器に用いられる空気は、概ね露点が−10〜−50℃のものが、カーボンブラックやシリケートなどの製品乾燥に用いられる空気は、概ね露点が−50℃以下のものが使用される。なお、露点とは大気圧下の露点を意味し、以後、特筆しないかぎり露点とは大気圧下での露点を意味する。
従来、このような空気の脱湿は水洗により不純物を除去した後、クーラー等の冷却機で露点以下に冷却することにより水分を除去し、その後、PSA等の吸着器により更に水分を除去する方法が用いられていた。
しかしながら、前記の従来技術においては、以下の複数の問題があった。
(i)エネルギー消費量および水分除去効率の問題
冷却機による冷却は、エネルギーを多大に消費する上、水分除去効率が十分ではなかった。
(ii)吸着器内のPSA等の吸着材料の回収率の問題
前記冷却機による水分除去効率が十分でないことから、吸着器に用いられる吸着材料に負荷がかかり、劣化しやすくなっていた。そのため再利用できる吸着材料の回収率が向上しないという問題があった。
(iii)装置全体のコストの問題
冷却機の使用、冷却によるエネルギーコスト、吸着材料の回収率の低さなどから、装置全体として高コストであった。
一方、上記の脱湿技術とは別に、水分除去を除湿のレベルで行う技術分野において、中空糸分離膜を用いて空気を乾燥させる方法、および装置が特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、一般の気体作動機器に用いられる、中空糸膜の束からなる分離膜モジュールを内蔵する除湿装置を効率的に使用するシステムが開示されている。このシステムでは、加圧空気は当該除湿装置を経て除湿された後、気体作動機器に使用される。作動機器で用いられた空気はさらにパージガスとして使用されている。
特許文献2には、発電所などの施設の所内で使用される、圧縮空気中の湿分を除去する除湿装置を備えた圧縮空気供給装置が開示されている。この装置では、空気圧縮機から供給された空気は、冷却器および気水分離器、空気貯槽を経て、中空糸分離膜型の除湿装置で除湿された後、計装用の圧縮空気配管路に供給されている。
特開2000−189743号公報 特開2000−334253号公報
上述のように、水洗、冷却、吸着器を用いた従来の水分除去方法においては、複数の問題があった。一方、特許文献1,2に開示される除湿装置は中空糸分離膜を用いたものであるが、計装機器によっては、不純物、水分が更に少ない空気を必要とするものもあり、システムとしてはさらに高効率が求められる場合があった。また、前述の通りカーボンブラックやシリケートなどの製品乾燥に用いられる空気は、計装機器用途のものよりさらに低い露点のものが使用されるので、特許文献1、2に開示される除湿装置では脱湿技術の分野においては十分な水分除去が担保できなかった。
特許文献1、2の発明を用いて上述の製品乾燥空気用途のレベルにまで水分除去を行おうとすると、中空糸膜に過度な負担がかかる、多数の中空糸分離膜を用いることによって高コストになる、多大な膜面積が必要となる、などの可能性がある。
また、中空糸分離膜は、それ自体、露点の低い乾燥空気を製造するための脱湿装置への適用には、以下の課題を有していた。
(i)高圧条件下において長期間使用すると、硬直・収縮する可能性がある。
(ii)一般に中空糸分離膜は加水分解する性質がある。
(iii)空気の含水率が低い場合、特に露点−20℃程度以下の環境では、その水分除去性能が急激に下がる傾向がある。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、空気脱湿装置として、無機分離膜、特にゼオライトを含む無機分離膜を用いることが、従来技術のあらゆる課題を解決できるものとして有効であることを見出した。すなわち、特許文献1,2における中空糸膜では、低い露点であることを有する製品乾燥用空気を製造する空気脱湿装置に用いるにはさらに改善の余地があったが、ゼオライト分離膜などを用いることによってこれを改善することが可能となった。
また、本発明者らは、気体脱湿装置の構造についても検討した結果、水洗工程、冷却工程、吸着器を経る水分除去方法について、冷却工程の冷却機の代わりに分離膜を用いることにより上記の問題を全て解決できることを見出した。すなわち、水洗装置、分離膜、吸着器(または冷凍機)を備えた気体脱湿装置および気体脱湿方法の有効性を見出した。
なお、上述の様に、特許文献1,2は除湿装置に分離膜を用いるという技術で完結しており、これ以上の課題については示唆もない。従って、冷却工程の冷却機の代わりに分離膜を用いることを目的として前述の水洗、冷却、吸着器を経る従来の水分除去方法に組み入れる動機付けは存在しない。さらに、当然のことながら水洗、冷却、吸着器を経る従来の水分除去方法のどの部分に分離膜を組み入れるかを想到し得るものではない。
さらに本発明者らは、この気体脱湿装置および気体脱湿方法においても分離膜として、無機分離膜を用いることがさらに有効であることを見出した。
以上の検討によりなされた本発明の要旨は、以下の通りである。
〔1〕 無機分離膜を有することを特徴とする空気脱湿装置。
〔2〕 前記無機分離膜がゼオライトを含む膜であることを特徴とする前記〔1〕に記載の空気脱湿装置。
〔3〕 前記分離膜に含まれるゼオライトが、A型、Y型、X型、モルデナイト型、MFI型のいずれか1以上のゼオライトである前記〔2〕に記載の空気脱湿装置。
〔4〕 前記無機分離膜が、支持体を含む2層以上の構造を有する前記〔1〕〜〔3〕に記載の空気脱湿装置。
〔5〕 気体を水洗する水洗装置(a)と、前記水洗装置(a)により水洗された気体が通過するように設けられた分離膜(b)と前記分離膜(b)を通過した気体の水分を除去
する吸着器(c1)および冷凍機(c2)のいずれかまたは両方を有することを特徴とする気体脱湿装置。
〔6〕 前記水洗装置(a)と前記分離膜(b)の間に加圧装置(d)を有する前記〔5〕に記載の気体脱湿装置。
〔7〕 前記分離膜(b)が無機分離膜であることを特徴とする前記〔5〕または〔6〕に記載の気体脱湿装置。
〔8〕 前記吸着器(c1)または冷凍機(c2)を通過した気体の一部を、スイープガスとして前記分離膜(b)の透過側に通過させる気体配管(e)を有する前記〔5〕〜〔7〕に記載の気体脱湿装置。
〔9〕前記気体配管(e)が加圧装置を有する前記〔8〕に記載の気体脱湿装置。
〔10〕 前記分離膜(b)の透過側を真空にする手段(f)を有する前記〔5〕〜〔7〕に記載の気体脱湿装置。
〔11〕 (A)前記気体を水洗する工程と、(B)前記水洗工程で水洗された気体を分離膜に通過させる工程と、(C)前記(B)工程で分離膜に透過された気体に含まれる水分を吸着または冷凍により除去する工程を有することを特徴とする気体脱湿方法。
〔12〕 前記(B)工程において、前記分離膜により前記水洗された気体の水蒸気量を30g/m以下とする前記〔11〕に記載の気体脱湿方法。
〔13〕前記(A)工程と前記(B)工程の間に、前記前記水洗工程で水洗された気体を加圧する工程を有する前記〔11〕または〔12〕に記載の気体脱湿方法。
本発明によれば、省エネルギーであり、高効率に水分を除去でき、吸着材料の回収率を低減し得る安価な気体脱湿装置および気体脱湿方法を提供することができる。本発明は、特に、不純物や湿度の管理が重要である計装機器や露点の低いこと(即ち水分含有量が極度に少ないこと)が要求される製品乾燥空気の製造等に用いられる空気の脱湿に対して高い効果を奏する。
本発明の気体脱湿装置の一例を表す概略図である。 本発明の気体脱湿装置の一例を表す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内であれば、種々に変更して実施することができる。
まず、第一の本発明の空気脱湿装置は、無機分離膜を有することが大きな特徴である。また、第二の本発明の気体脱湿装置は、前記気体を水洗する水洗装置(a)と、前記水洗装置(a)により水洗された気体が透過するように設けられた分離膜(b)と、前記分離膜(b)に透過された気体の水分を除去する吸着器(c1)および冷凍機(c2)のいずれかまたは両方を、有することを特徴とする。以下、本発明の空気脱湿装置、気体脱湿装置、および気体脱湿方法の詳細を説明する。
[1]無機分離膜
前述の通り、第一の本発明の空気脱湿装置は、無機分離膜を有することが大きな特徴である。また、第二の本発明の気体脱湿装置においても分離膜(b)は無機分離膜を用いることが好ましい。無機分離膜は、従来技術の中空糸分離膜と比べると、以下の点で有効である。
(i)高圧条件下においても安定である。
(ii)加水分解する問題がない。
(iii)空気の含水率が低い場合においても水分除去性能が低下するといった問題もない。
(iv)耐熱性が高いため、通常80℃以上、好ましくは100℃以上のいわゆる熱風空気を脱湿する場合においても有効である。
(v)化学的に安定なため、化学物質を含むガスの乾燥にも用いることができる。
このような無機分離膜としては、シリカ膜、炭素膜などを挙げることができるが、化学的、強度的安定性、親水性などの諸特性を総合的に鑑みた実用性、および経済性等の観点からゼオライト含む膜(ゼオライト膜)が好ましい。
なお、従来、ゼオライト膜は脱湿用途としては空気(気体)と水蒸気の分離性能が比較的低いという理由から、実用性がなく、脱湿装置に用いるには不向きと考えられていた。しかしながら、本発明者の検討の結果、以下の通り十分な実用性を備えていることが分かった。また、以下に示す第二の本発明の脱湿装置に組み込むことで、よりその実用性を高めることができることが分かった。
従来、ゼオライト膜が脱湿装置という分野に用いられるには不向きであると考えられていた理由は、1)ゼオライトは、その孔の大きさの性質から、窒素、酸素などのガス分子を吸着、透過させる性質を持ち、2)さらにガスの通路となるゼオライト結晶間の間隙(粒界)が比較的大きく、水蒸気のみならず空気も漏れる虞があると考えられていたためである。
しかしながら、本発明者らは、種々の実験により、水洗工程後に分離膜が設置されていると、予想に反して空気の漏れがないことを見出した。この理由は明らかではないが、以下のように推察される。すなわち、
(i)水洗工程を経た空気は飽和水蒸気を含む。
(ii)親水性ゼオライトは水の吸着量が大きい。
(iii)吸着した水分子はゼオライト孔やゼオライト結晶間の間隙に吸着し、それらの孔・間隙は水分子で充填され、
(iv)その結果、水で充填された孔・間隙を空気が透過することが阻害、阻止され(吸着水分子によるブロック効果)、水蒸気と空気が高い効率で分離される。
(v)同時に、ゼオライト膜による分離工程で、空気が飽和水蒸気を含むため、比較的多量の水蒸気がゼオライト膜を透過することとなる。
(vi)この吸着水分子によるブロック効果は、供給湿り空気中の水分圧が高いほど効果的に働くので、水洗工程後、さらに高圧力条件下のプロセスで行うことで高い効果を奏する。
このような観点から、ゼオライト膜を用いる場合は、親水性ゼオライト膜が好ましく、例えばA型、Y型、X型、モルデナイト型、MFI型など種々のものを単独で、または組み合わせて用いることができる。
ゼオライト膜の選択としては、水分の吸着力の高さによる脱湿性能、および経済性の観点からは、A型ゼオライトを用いることができるが、脱湿性能を総合的に鑑み、A型、Y型、X型、モルデナイト型、MFI型をその目的に応じて選択することが好ましい。なお、MFI型はアルミナ成分に富むものが好ましく、Si/Al比が通常2以上であり、通常100以下、好ましくは50以下、更に好ましくは20以下である。
ゼオライト膜は、通常支持体を含む2層以上の構造を有する。支持体としては、多孔質のものを用いるのが好ましく、通常ゼオライト分離膜に用いる種々のものを用いることができる。
支持体の形状は特に限定されず、管状、平板状、ハニカム状、中空糸状、ペレット状等、種々の形状のものを使用できる。例えば管状の場合、多孔質基体の大きさは特に限定されないが、実用的には長さ2〜200cm程度、内径0.5〜2cm、厚さ0.5〜4mm程度である。
また、支持体は、単層からなるもの(いわゆる対称膜)、基層と下地層からなる2層構造の多孔質基体(いわゆる非対称膜)のいずれを用いてもよい。さらに3層以上の構造の多孔質基体を用いることも可能である。
材料としては、通常セラミックス、有機高分子又は金属からなるものを用いることができるが、高圧条件にも耐えられる強度の高いセラミックスなどの材料からなるものが好ましい。セラミックスとしては、ムライト、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア等が好ましい。中でも化学的に安定なアルミナなどを用いるのが好ましい。
[2]気体脱湿装置および気体脱湿方法
次に、第二の本発明の気体脱湿装置について説明する。第二の本発明の気体脱湿装置は、前記気体を水洗する水洗装置(a)と、前記水洗装置(a)により水洗された気体が透過するように設けられた分離膜(b)と、前記分離膜(b)を通過した気体の水分を除去する吸着器(c1)および冷凍機(c2)のいずれかまたは両方を、有することを特徴とする。
また、脱湿効率向上の観点から、前記水洗装置(a)と前記分離膜(b)の間に加圧装置(d)を有することが好ましい。
また、同様に脱湿効率向上の観点から、前記吸着器(c1)または冷凍機(c2)を通過した空気の一部を、スイープガスとして前記分離膜(b)に通過させる気体配管(e)を有することが好ましい。さらに、前記気体配管(d)が加圧装置を有することが好ましい。また、前記気体配管(e)、加圧装置に代えて、分離膜の透過側を真空にする手段(f)を有していてもよい。以下、実施形態の一例を挙げて詳述する。
図1は、本発明の気体脱湿装置の実施形態の一例を表す概略図である。本実施形態は、空気の脱湿装置として説明がなされているが、空気以外の気体についても用いることができ、本発明の要旨を損なわない範囲で当業者の設計変更による部分的な修正・変更・追加は可能である。
本実施形態の空気脱湿装置は、図1に示すように、吸入スタック1、フィルタ2、加圧装置3、水洗装置4、加圧装置5、分離膜モジュール6、吸着器7で構成されている。吸入スタック1とフィルタ2、フィルタ2と加圧装置3、加圧装置3と水洗装置4、水洗装置4と加圧装置5、加圧装置5と分離膜モジュール6、分離膜モジュール6と吸着器7は、それぞれ空気配管10、11、12、13、14、15により接続されている。吸着器7は、乾燥製品空気として各部に供給されるための空気配管16、およびスイープガスとして分離膜モジュール6に供給されるための空気配管17に接続されている。
まず、吸入スタック1に取り込まれた大気は空気配管10を通ってフィルタ2を通り、ゴミなどの不純物が除去される。不純物が除去された空気は空気配管11を経て加圧装置3に供給される。
加圧装置3は、空気を圧縮・貯蔵し、空気配管12を通って水洗装置4以降の各部位に空気を供給するための装置である。加圧装置1における空気の圧力は、通常0.2MPa以上、好ましくは0.5MPa以上であり、通常10MPa以下、好ましくは5MPa以下である。
加圧装置3から送り出された空気は、空気配管12を経て水洗装置4に供給される。水洗装置4は、空気中に含まれる二酸化炭素や埃などの不純物を水に溶解させ、空気中から除去する装置である。このような水洗装置4としては、通常、シャワー装置等を挙げることができる。また、水洗装置4の後に、ミストセパレータ(図示せず)を設置してミストを除去することは、脱湿効率の観点から好ましい。
水洗装置4から取り出された空気は、空気配管13を経て加圧装置5に供給される。加圧装置5は、加圧装置3と同様の目的の他に、分離膜モジュール6に供給される前に、空気の露点を下げる目的で設置される。これにより、分離膜モジュール6の分離膜の負担を少なくし、効率的に空気を脱湿することができる。加圧装置5における空気の圧力は、通
常0.2MPa以上、好ましくは0.5MPa以上であり、通常10MPa以下、好ましくは5MPa以下である。
加圧装置5から送り出された空気は、空気配管14を経て分離膜モジュール6に供給される。分離膜モジュール6は、水洗装置4を経て水蒸気を含んだ空気から当該水蒸気を除去するために用いられる。分離膜モジュール6は、分離膜から構成されるものであり、通常管状の分離膜を複数並列に、または直列に、または並列と直列を組み合わせてモジュール化して用いられる。分離膜は、空気から水蒸気を分離できるものであれば特に限定はないが、前述した通り、種々の観点から無機分離膜を用いることが好ましい。
なお、分離膜モジュール6の前後に冷却機(図示せず)が設けられていてもよい。すなわち、冷却機と分離膜モジュール6の併用により、水分除去効果をさらに高めることができる。
このようにして分離膜モジュールを通過する工程において、空気の水蒸気量を通常30g/m以下、好ましくは10g/m以下とする。
分離膜モジュール6を透過した空気は、空気配管15を経て吸着器7に供給される。吸着器7は、分離膜モジュール6においてある程度水分除去ができた空気の水分をさらに低減させるために用いられる。かかる吸着器7を最終段階で設置することにより、精度の要求される計装機器に用いることが可能な水分含量の少ない空気を得ることができる。吸着器7に用いられる吸着材料としては、通常ゼオライト、活性炭、シリカゲル、モレキュラーシーブ、ガラス、高分子化合物、金属等が用いられる。中でも再生利用、長期間の使用などの観点から、ゼオライト、シリカゲルが好ましい。吸着剤の使用については、吸着剤の再生利用の観点から、PSA(圧力スウィング吸着)、TSA(熱スウィング吸着)などを用いることができる。
吸着器7は、再生利用されるものであるので、連続的に動作させるためには、複数の吸着器7を並列に接続し、使用バッチ、再生バッチを設けてメリーゴーランド式に交替させて用いることが好ましい。
吸着器7から取り出した空気は空気配管16を通り、製品乾燥用の空気として所定の場所に供給されるか、各計装機器に供給される。
また、吸着器7から取り出した空気の一部をスイープガスとして空気配管17を通って分離膜モジュール6の分離膜の透過側に供給されることも好ましい。
分離膜の透過側とは、例えば分離膜が管状である場合は、管内部がこれに該当する。スイープガスとして分離膜の透過側(例えば管内部)を通過した空気は、分離膜モジュール6で吸着された水分を含んで(スイープして)、分離膜モジュール6の系外に出される。これにより、分離膜モジュールの水分除去効率を高めることができる。また、空気配管17に加圧装置を設けることにより、分離膜モジュール6を通過する空気と分離膜の管内部を通過するスイープガスとの圧力差を大きくすることができ、これを利用して効率的に運転することができる。また、このような圧力差を設けることができる観点からも、分離膜として無機分離膜を用いることが好ましく、支持体、およびゼオライト膜で構成される無機分離膜は更に好ましい。
また、分離膜モジュール6の分離膜の透過側にスイープガスを供給する手段に代えて、分離膜の透過側を真空にする手段(図示せず)を有していてもよい。これにより、透過側の蒸気圧を低くして、水透過の駆動力を実現することができる。このような手段としては、例えば真空ポンプなどの減圧装置等を挙げることができる。この場合においても、前記スイープガスを供給する手段と同様、圧力差を設けることができる観点から、分離膜として無機分離膜を用いることが好ましく、支持体、およびゼオライト膜で構成される無機分離膜は更に好ましい。
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、それらは本発明の説明を目的とするものであって、本発明をこれらの態様に限定することを意図したものではない。
[1]実験方法
長さ1m、外径1.6cm(内径1.2cm)の多孔質のアルミナ支持管の表面にA型ゼオライト膜を結晶成長させた分離膜(膜面積468cm)を用いて脱湿を行った。実験装置の模式図を図2に示す。実験は空気のかわりとして、模擬ガスとして窒素ガスを用いた。
高圧窒素ボンベ203から0.7MPaGの圧力に制御した窒素ガスをバブリング用水容器204を用いて水222と接触させ、大気圧露点−7.3℃の湿度の高い窒素ガスをつくり、膜エレメントモジュール206に供給した。供給する窒素ガス流量は、流量制御バルブ221で、毎分5Lから25Lの間で制御された。膜エレメントモジュール206の供給側223の出口には背圧弁227を設置し圧力を0.6MPaGに制御した。
供給した湿り窒素ガスの湿度は膜分離を行わない状態で、一方、膜分離を経た乾燥製品窒素ガスの湿度は分離を行った状態で、モジュール製品出口で湿度計228により測定した。膜エレメントモジュール206の透過側225は真空ポンプ231を用いて5torr以下の真空度を実現した。分離膜224を透過した水蒸気226は、冷媒を用いたトラップ230で液化、捕集された。捕集された水は秤量され、分離膜224の透過流束が決定された。窒素ガスの供給側223から透過側225への透過量は、透過側225を大気圧として、分離膜224を透過する窒素ガス流量をガスフローメーターで測定した。
[2]実験結果
20℃の室温で行った脱湿分離実験の製品窒素生産量、製品窒素湿度、および製品大気圧露点を表1に示す。製品生産量が25L/分の時、製品の大気圧露点は−13.2℃であ
り、製品生産量が減少するに従い製品の大気圧露点は低下(より低い湿度)に製品精度が向上し、生産量が5L/分の時、製品の大気圧露点は−21.3℃であった。これら一連の透過実験において、透過側への窒素ガスの透過は3cc/分以下であった。
なお、上記実施例は、実験用に規模を比較的小さなものとしているが、実用に用いられる大型プラントへの設計時において、吸着器やその他構成要件を修正・変更・追加等することにより、その性能を向上させることが可能であり、大気圧露点が−50℃以下の気体を製造する装置を提供することが可能である。
Figure 2011041921
本発明は、上述の様に、省エネルギーであり、高効率に水分を除去でき、吸着材料の回収率を低減し得る安価な脱湿装置を提供するものであり、特に、露点が通常−10℃以下、好ましくは−20℃程度以下、更に好ましくは−50℃以下の気体を製造する脱湿技術の分野において産業上の利用可能性が極めて高い。なお、脱湿の対象となる気体としては、空気の他、天然ガスやエチレン等の有機物を含むガスなどを挙げることができる。
1 吸入スタック
2 フィルタ
3 加圧装置
4 水洗装置
5 加圧装置
6 分離膜モジュール
7 吸着器
10〜17 空気配管
203 高圧窒素ボンベ
204 バブリング用水容器
206 膜エレメントモジュール
212 窒素の流れ方向
221 供給窒素の圧力レギュレーターと流量制御バルブ
222 水
223 供給側
224 ゼオライト分離膜
225 透過側
226 膜透過水蒸気および膜透過窒素
227 背圧弁
228 湿度計
230 冷媒トラップ
231 真空ポンプ

Claims (13)

  1. 無機分離膜を有することを特徴とする空気脱湿装置。
  2. 前記無機分離膜がゼオライトを含む膜であることを特徴とする請求項1に記載の空気脱湿装置。
  3. 前記分離膜に含まれるゼオライトが、A型、Y型、X型、モルデナイト型、MFI型のいずれか1以上のゼオライトである請求項2に記載の空気脱湿装置。
  4. 前記無機分離膜が、支持体を含む2層以上の構造を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気脱湿装置。
  5. 気体を水洗する水洗装置(a)と、
    前記水洗装置(a)により水洗された気体が通過するように設けられた分離膜(b)と
    前記分離膜(b)を通過した気体の水分を除去する吸着器(c1)および冷凍機(c2)のいずれかまたは両方を
    有することを特徴とする気体脱湿装置。
  6. 前記水洗装置(a)と前記分離膜(b)の間に加圧装置(d)を有する請求項5に記載の気体脱湿装置。
  7. 前記分離膜(b)が無機分離膜であることを特徴とする請求項5または6に記載の気体脱湿装置。
  8. 前記吸着器(c1)または冷凍機(c2)を通過した気体の一部を、スイープガスとして前記分離膜(b)の透過側に通過させる気体配管(e)を有する請求項5〜7のいずれか1項に記載の気体脱湿装置。
  9. 前記気体配管(e)が加圧装置を有する請求項8に記載の気体脱湿装置。
  10. 前記分離膜(b)の透過側を真空にする手段(f)を有する請求項5〜7のいずれか1項に記載の気体脱湿装置。
  11. (A)前記気体を水洗する工程と、
    (B)前記水洗工程で水洗された気体を分離膜に通過させる工程と
    (C)前記(B)工程で分離膜に透過された気体に含まれる水分を吸着または冷凍により除去する工程を
    有することを特徴とする気体脱湿方法。
  12. 前記(B)工程において、前記分離膜により前記水洗された気体の水蒸気量を30g/m以下とする請求項11に記載の気体脱湿方法。
  13. 前記(A)工程と前記(B)工程の間に、
    前記前記水洗工程で水洗された気体を加圧する工程
    を有する請求項11または12に記載の気体脱湿方法。
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