JPH04128580U - シングルレバー式湯水混合水栓 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 湯水混合水栓の操作レバーが一気に全開又は
全閉とならないように、その動きを抑制する。 【構成】 水栓本体と、操作レバーの操作力伝達機構と
の間に、操作レバーの動きを途中で抑制するための係合
部材を設ける。 【効果】 操作レバーが一気に全開とならないので、吐
出水が強い水勢で吐出されてその跳ね返り水が飛散する
ということがなくなる。また操作レバーが一気に全閉と
ならないので、ウォーターハンマーが発生するというこ
ともない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、一つの操作レバーで吐出水の温度と吐出流量とを調節するようにし たシングルレバー式の湯水混合水栓に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

湯と水とを混合して所定温度の温水をつくり、これを吐出させるようにした湯 水混合水栓にあっては、温度調節と流量調節との二つの機能が必要である。而し て、湯水混合水栓にあっては、これらの温度調節と流量調節とを一つの操作レバ ーで行うシングルレバー式と、二つの操作ハンドルで行うツーハンドル式とがあ る。本考案はシングルレバー式に関するものである。

【０００３】 従来のシングルレバー式の湯水混合水栓を示せば、図４の縦断面図に示す通り である。同図に示すように、このシングルレバー式の湯水混合水栓１は、水栓本 体２の内部に固定ディスク弁体３と可動ディスク弁体４とを有している。可動デ ィスク弁体４は、操作レバー５に連結されている。温度調節及び流量調節は、前 記操作レバー５を上下方向（図４の鎖線参照）及び左右方向へ操作して可動ディ スク弁体４を固定ディスク弁体３に対して相対的に移動させ、両ディスク弁体３ 及び４の湯孔及び水孔の開口面積を調節することで行っている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、前記従来のシングルレバー式の湯水混合水栓１にあっては、操作レ バー５の操作が上下方向及び左右方向へ回動させるだけの単純なものであるため 、使用者が意図しない場合であっても極めて容易に且つ急激に全開及び全閉状態 となることがあった。

【０００５】 急激に全開状態となった場合は、吐水口６から非常に強い水勢で吐出水が吐出 され、洗面器等の鉢内面へ衝突してその跳ね返り水が周囲に飛散し、衣服を濡ら したり、洗面カウンター７及び床面を汚したりする等の欠点があった。また急激 に全閉状態となった場合は、供給水の通路が一気に閉塞されるので、所定の流速 で流れていた供給水が逃げ場を失い、閉塞部分において衝撃（ウォーターハンマ ー）を発生させるという欠点があった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

本考案は従来の前記課題に鑑みてこれを改良除去したものであって、急激に全 開及び全閉状態となることのないシングルレバー式の湯水混合水栓を提供せんと するものである。

【０００７】 而して、前記課題を解決するために本考案が採用した手段は、一つの操作レバ ーで吐出水の温度と、吐出流量とを調節するようにしたシングルレバー式の湯水 混合水栓において、水栓本体と操作レバーの操作力伝達機構との間に、操作レバ ーの開閉動作の動きを抑制する係合部材を設けたことを特徴とするシングルレバ ー式湯水混合水栓である。

【０００８】

【作用】

水栓本体と、操作レバーの操作力伝達機構との間には、凸部又は凹部等の係合 部材が設けられている。そのため、操作レバーを操作すると、その動作途中にお いて、前記係合部材と操作力伝達機構とが接触し、操作レバーの操作の動きを抑 制するようになる。従って、操作レバーを一気に全開又は全閉状態へ操作するこ とがなくなり、急激に吐出水が強い水勢で吐出されたり、ウォーターハンマーが 発生したりすることがない。

【０００９】

【実施例】

以下に、本考案の構成を図面に示す実施例に基づいて説明すると次の通りであ る。なお、従来の場合と同一符号は同一部材である。

【００１０】 図１は本考案の第１の実施例に係るものであり、同図の（ａ）は湯水混合水栓 ８の全体を示す縦断面図であり、同図の（ｂ）はその部分拡大図である。同図に 示すように、この第１の実施例にあっては、水栓本体２の上部側外周面の前面及 び後面に、凸部９及び１０を形成している。この水栓本体２の上部側は、操作レ バー５に一体形成されたキャップ１１と嵌合する部分である。 ところで、前記凸部９は、操作レバー５が全閉になる直前において、キャップ １１の下端面１２と接触するように、その位置と大きさとが決められている。ま た前記凸部１０は、操作レバー５が全開になる途中において、キャップ１１の下 端面１２と接触するように、その位置と大きさとが決められている。

【００１１】 従って、この湯水混合水栓８において、操作レバー５を閉塞状態から全開させ るべく操作した場合は、その動作の途中でキャップ１１の下端面１２が凸部１０ と接触するようになり、操作レバー５の動作を抑制する。そのため、一気に全開 状態となることはなく、予期しない状態で必要以上に強い水勢で吐出水が吐出さ れ、跳ね返り水により衣服又は洗面カウンター７等が濡れるということはない。 而して、前記キャップ１１の下端面１２と凸部１０とが接触した位置から、操 作レバー５を更に全開方向へ操作した場合は、キャップ１１の下端面１２が、前 記凸部１０を乗り越えるようになり、可動ディスク弁体４を全開状態にすること ができる。

【００１２】 また操作レバー５を開状態から全開させるべく操作した場合は、閉塞動作の終 端側でキャップ１１の下端面１２が凸部９と接触するようになり、閉塞動作が抑 制される。そのため、供給湯水が水栓内に一気に閉じ込められるということはな くなり、ウォーターハンマーが発生することはない。更に、この状態から操作レ バー５を閉塞させるべく操作した場合は、キャップ１１の下端面１２が凸部９を 乗り越え、可動ディスク弁体４を閉塞状態にすることができる。

【００１３】 図２は本考案の第２の実施例に係るものであり、同図の（ａ）は湯水混合水栓 １３の全体を示す縦断面図、同図の（ｂ）はその部分拡大図である。同図に示す ように、この第２の実施例は、水栓本体２の上部側外周面の前面及び後面に凸部 １４及び１５を突出形成している。またキャップ１１の内面側には、前記凸部１ ４及び１５に対向する位置に、凸部１６及び１７を突出形成している。 この実施例にあって、操作レバー５を全開及び全閉状態へ操作した場合は、そ の動作の途中において、水栓本体２側の凸部１４又は１５と、キャップ１１の内 面側の凸部１６又は１７とが接触し、その開閉動作を抑制するようになる。この 抑制による効果は、前記第１の実施例の場合と同じである。

【００１４】 図３は本考案の第３の実施例に係るものであり、同図の（ａ）は湯水混合水栓 １８の全体を示す縦断面図、同図の（ｂ）はその部分拡大図である。この第３の 実施例にあっては、水栓本体２の上部側の外周面の前面及び後面に、彎曲部２１ を形成した板バネ１９を取り付けている。またキャップ１１の内面側には、前記 板バネ１９の彎曲部２１と対向する位置に凹部２０を形成している。 この第３の実施例で、操作レバー５を全開及び全閉状態へ操作した場合は、そ の動作の途中において、板バネ１９の彎曲部２１がキャップ１１の凹部２０へ嵌 り込み、操作レバー５の開閉動作を抑制するようになる。もちろん、この抑制に よる効果は、前記第１及び第２の実施例の場合と同じである。

【００１５】 ところで、本考案は上述した実施例に限定されるものではなく、適宜の変更が 可能である。例えば、操作レバー５の開閉動作をその途中において抑制するため の凸部及び凹部は、複数個を設けるようにし、開閉動作を段階的に抑制するよう にすることも可能である。また前記凸部及び凹部は、その他の係合部材であって もよく、しかもその設置位置は操作レバー５の操作力が伝達される系路の途中で あれば自由に設定することが可能である。更に、シングルレバー式湯水混合水栓 の種類及び設置位置等も適宜の変更が可能である。

【００１６】

【考案の効果】

以上説明したように本考案にあっては、シングルレバー式湯水混合水栓の水栓 本体と、操作レバーの操作力伝達機構との間に、その開閉操作を抑制する係合部 材を設けたから、操作レバーの開閉動作の途中において、操作レバーの動きが前 記係合によって抑制され、操作レバーが意図しない状態で全開又は全閉状態へ一 気に操作されるということがない。それ故、急激に吐出水が強い水勢で吐出され てその跳ね返り水により衣服が濡れたり、洗面カウンター及び床面等が汚れる等 のことがなく、また流路内を流れる水流が急激に逃げ場を失ってウォーターハン マーを発生させるということもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例に係るものであり、図
（ａ）は湯水混合水栓の全体を示す縦断面図、図（ｂ）
はその部分拡大図である。

【図２】本考案の第２の実施例に係るものであり、図
（ａ）は湯水混合水栓の全体を示す縦断面図、図（ｂ）
はその部分拡大図である。

【図３】本考案の第３の実施例に係るものであり、図
（ａ）は湯水混合水栓の全体を示す縦断面図、図（ｂ）
はその部分拡大図である。

【図４】従来の湯水混合水栓を示す縦断面図である。

【符号の説明】

２…水栓本体 ５…操作レバー ８…湯水混合水栓 ９…凸部 １０…凸部 １１…キャップ １２…キャップの下端面 １３…湯水混合水栓 １４…凸部 １５…凸部 １６…凸部 １７…凸部 １８…湯水混合水栓 １９…板バネ ２０…凹部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 一つの操作レバーで吐出水の温度と、吐
   出流量とを調節するようにしたシングルレバー式の湯水
   混合水栓において、水栓本体と操作レバーの操作力伝達
   機構との間に、操作レバーの開閉動作の動きを抑制する
   係合部材を設けたことを特徴とするシングルレバー式湯
   水混合水栓。