JPH04128531U - 等速ジヨイント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 連結部に発生する捩り振動をその締結ボルト
に関連する位置で吸収することにより騒音の発生を抑制
することができるようにした等速ジョイントの提供。 【構成】 第２の軸のコンパニオンフランジ２２を締結
するために設けた外輪２のボルト孔７に筒状の防振用ブ
ッシュ１０を介装した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、等速ジョイントに関し、特に、車両用プロペラシャフト等の第１シ ャフトと第２シャフトとの連結用に使用される等速ジョイントに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来のこの種等速ジョイントの構成としては、例えば、実公平１−１４８１２ ６号公報あるいは実公平１−１３５２３１号公報に開示されているようなものが ある。これらはいずれも内輪と外輪との間にボールケージによって保持される複 数のスチール・ボールを具え、外輪の両側にはグリースカバーが設けられていて 、駆動軸側から被駆動軸側に回転速度を変動させることなくトルクが伝達される ように構成されているものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような従来の等速ジョイントにあっては、いずれも等速ジ ョイントを介してプロペラシャフトを第２シャフトに連結するにあたり、等速ジ ョイントの外輪と第２シャフトのコンパニオンフランジとが周方向に配置された 複数の締結ボルトによって結合されるように構成されている。そこで、回転に伴 う前後方向の振動は等速ジョイント自体によって吸収されるものの、捩りに対し ての吸収機構としては格別に設けられていないために、捩り振動騒音や中速時の こもり音発生など捩り共振に起因する捩り振動の低減ができないという問題があ った。

【０００４】 本考案の目的は、上述したような従来の問題に着目し、その解決を図るべく、 捩り振動を吸収する手段によって騒音の発生等を抑制することのできるようにし た等速ジョイントを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】 かかる目的を達成するために、本考案は、第１の軸の端部が固定される内輪と 、第２の軸のコンパニオンフランジが複数の軸方向のボルトによって締結される 外輪とを有する等速ジョイントおいて、前記外輪の前記ボルト締結用の孔に筒状 の防振用ブッシュを介装したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】

本考案によれば、第１の軸と第２の軸とが連結される等速ジョイントの外輪と コンパニオンフランジとの締結用ボルト孔に介装した筒状の防振ブッシュによっ て第１の軸から第２の軸に回転力が伝達されるときに発生する回転方向の捩り振 動を吸収することができ、騒音の発生を抑制する働きが得られる。

【０００７】

【実施例】

以下に、図面に基づいて本考案の実施例を具体的に説明する。

【０００８】 図１の（Ａ）および（Ｂ）は本考案の一実施例を示す。ここで、１は本考案に よる等速ジョイント、２はその外輪、３は内輪、４はボールケージ、５はボール であり、内輪３および外輪２に設けられた複数のボール溝６にボール５が転動自 在に保持される。なお、本例では内輪３の内周面にスプライン３Ａが形成されて いて、これに後述するようにして第１のプロペラ軸がスプライン結合される。

【０００９】 ７は外輪２の周等分位置に穿設された軸方向のフランジ連結用のボルト孔であ り、これらのボルト孔７に図２に示すような防振ブッシュ１０が圧入嵌合される 。すなわち、防振ブッシュ１０は、外筒１１と外筒１１よりは両端がそれぞれ外 に向けて延在された内筒１２と、外筒１１、内筒１２間に介装したゴムなどの弾 性材料による振動吸収部材１３とで構成される。そして、このような防振ブッシ ュ１０の外筒１１を図１に示すようにして外輪２の各ボルト孔７にそれぞれ嵌着 させるようにする。 図３は上述の等速ジョイント１を用いて第１の軸と第２の軸とを連結した状態 を示す。すなわち、２１は等速ジョイント１の内輪３軸端をスプライン結合させ た第１軸、２２は第２軸のコンパニオンフランジ、２３は第１軸２１側のブーツ 、２４はブーツ２３と第１軸２１との間を弾性的に封止している封止部材、２５ は第２軸側に設けらたグリースカバーである。このようなプロペラ軸の連結にあ たっては、まず等速ジョイント１の第１軸２１側外輪２にブーツ２３や弾性封止 部材２４が、また、外輪２の第２軸側にはグリースカバー２５がそれぞれ圧入嵌 着される。その上、外輪２の各ボルト孔７に圧入固定されている防振ブッシュ１ ０ の内筒１２に第１軸２１側からワッシャ２６を嵌め合わせた植え込みボルト２ ７を差し込んでコンパニオンフランジ２２のねじ孔２２Ａに螺締させる。

【００１０】 なおこの場合、コンパニオンフランジ２２のねじ孔２２Ａ周囲には防振ブッシ ュ内筒１２の延在端部１２Ａが嵌着可能な環状の固定溝２２Ｂが設けられている 。そこで、図示のようなボルト２７による等速ジョイント１とコンパニオンフラ ンジ２２との締結状態では防振ブッシュ１０の内筒延在端部１２Ａを固定溝２２ Ｂに圧入嵌着させることができる。なおここで、ワッシャ２６にはスプリングワ ッシャを使用することが好ましい。そうすればボルト２７と防振ブッシュ１０と の間にも緩衝的な効果をもたらすことができる。

【００１１】 このようにして連結されたプロペラシャフトにおいては、第１軸２１からの回 転力がボルト２７および防振ブッシュ１０を介して第２軸のコンパニオンフラン ジ２２に伝達される。しかしてこの場合に発生し勝ちな高周波捩り振動に対して 、各ボルト孔７に介装された防振ブッシュ１０の振動吸収部材１３がこれを吸収 する役目を果たす。なお、振動吸収部材１３としては発生し易い捩り振動を想定 して最適の捩りばね定数が得られるようにその材質、寸法等を設定すればよい。

【００１２】 図４は本考案の他の実施例を示す。本例は、低トルク発生の車両プロペラシャ フトに好適なように防振ブッシュ１０を介して連結される連結部を３ヶ所とした ものである。かくして部品点数を少なくすることによりコストの低減を図ること ができる。なお、その他の構成および作用についてはこれまでに述べてきた実施 例と変わるところがないのでその説明を省略する。

【００１３】

【考案の効果】

以上説明してきたように、本考案によれば、外輪の前記ボルト締結用の孔に筒 状の防振用ブッシュを介装したので、等速ジョイントを介して互いに連結される プロペラシャフトの連結軸端間に生じる高周波系の捩り振動を連結孔に介装した 防振ブッシュにより吸収することができ、捩り振動騒音や中速時に発生し勝ちな こもり音の低減を簡単な構成で低減する効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を正面図（Ａ）およびそのＡ
−Ａ線断面図（Ｂ）として示す構成図である。

【図２】本考案にかかる防振ブッシュ単体を正面図
（Ａ）およびそのＢ−Ｂ線断面図（Ｂ）として示す構成
図である

【図３】本考案を適用したプロペラシャフトの連結部の
構成を示す断面図である。

【図４】本考案の他の実施例の構成を示す正面図であ
る。

【符号の説明】１ 等速ジョイント ２ 外輪 ３ 内輪 ７ ボルト孔１０ 防振ブッシュ １１ 外筒 １２ 内筒 １２Ａ 延在端部 １３ 振動吸収部材 ２１ 第１軸 ２２Ａ ねじ孔 ２２Ｂ 固定溝 ２６ ワッシャ ２７ 植込ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１の軸の端部が固定される内輪と、第
   ２の軸のコンパニオンフランジが複数の軸方向のボルト
   によって締結される外輪とを有する等速ジョイントおい
   て、前記外輪の前記ボルト締結用の孔に筒状の防振用ブ
   ッシュを介装したことを特徴とする等速ジョイント。