JPH041283Y2 - - Google Patents

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JPH041283Y2
JPH041283Y2 JP3381285U JP3381285U JPH041283Y2 JP H041283 Y2 JPH041283 Y2 JP H041283Y2 JP 3381285 U JP3381285 U JP 3381285U JP 3381285 U JP3381285 U JP 3381285U JP H041283 Y2 JPH041283 Y2 JP H041283Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本考案は、エンジンの動弁機構に組込まれる油
圧式ラツシユアジヤスタの改良に関するものであ
る。
(従来技術) 従来からエンジンの動弁機構においては、騒音
の低減を図るとともに、バルブラツシユの調整作
業を不要にして整備を容易にするため、カムと
吸,排気弁のバルブステムとの間等に、自動的に
バルブラツシユをゼロの状態に調整することので
きる油圧式ラツシユアジヤスタを組込んだものが
知られている。この油圧式ラツシユアジヤスタ
は、特開昭56−83508号公報に示されるように、
バケツトの内部に、ホルダに摺動可能に保持され
たボデイ(上記公報においていうプランジヤ)
と、このボデイに嵌入されて上端がバケツトの上
端壁に当接するプランジヤ(上記公報においてい
うピストン)とが装備され、このプランジヤ下方
のボデイ内に高圧室が形成され、この高圧室内に
リターンスプリングが装備されるとともに、プラ
ンジヤ内に、高圧室にチエツク弁を介して連通す
る内側リザーブ室が形成され、さらにその周囲に
外側リザーブ室が形成されている。そして、上記
リターンスプリングおよび高圧室内の油圧によ
り、バルブラツシユをゼロとした状態でカムの回
転に応じて吸,排気弁を作動し、高圧室内が低圧
となると上記内側リザーブ室からリターンスプリ
ングを介してオイルが補給されるようにしてお
り、またバケツトの上端壁には上記両リザーブ室
を連通する連通路が設けられ、バケツトの周壁に
は外側リザーブ室の周辺下方部に開口するオイル
導入口が設けられることにより、オイルポンプか
ら送給されたオイルが外側リザーブ室を経て内側
リザーブ室に供給かされるようになつている。ま
た上記公報では示されていないが、オイル中に混
入した空気が内側リザーブ室内に溜つたときこれ
を排出することができるように、内側リザーブ室
の上端に開口する空気抜き孔をバケツト上端壁に
設けたものもある。
ところで、このような油圧式ラツシユアジヤス
タにおいては、油圧式ラツシユアジヤスタが押し
下げられて吸,排気弁を開いた状態でエンジンが
停止すると、上記高圧室内のオイルが次第にリー
クして高圧室が押し縮められ、その後エンジンが
始動されて吸,排気弁が閉弁状態となつたときに
上記高圧室が元の状態に拡張されるに伴つて比較
的多量のオイルが高圧室に吸入される。この場合
に従来では、エンジンが停止している間に、上記
空気抜き孔から上記連通路を通して外側リザーブ
室内に空気が侵入しつつ、外側リザーブ室内のオ
イルが上記オイル導入口から流出してしまい、そ
の後に上記にように比較的多量のオイルが高圧室
に吸入されるとき、外側リザーブ室内の空気も内
側リザーブ室を経て高圧室内に吸入されてしまう
おそれがある。そしてこのように空気が高圧室に
吸い込まれてしまうと、この空気の伸縮性によ
り、吸,排気弁のリフト量や開閉タイミングが適
正値からずれてしまうとともに、吸,排気弁の作
動時に異音が発生するという問題がある。
(考案の目的) 本考案はこのような事情に鑑み、エンジンが停
止したときに外側リザーブ室からオイルが流出す
ることを防止することにより、エンジン始動時に
高圧室内に空気が吸い込まれることを防止するこ
とのできるエンジンの油圧式ラツシユアジヤスタ
を提供するものである。
(考案の構成) 本考案は、バケツト内のホルダに摺動可能に保
持させたカツプ状のボデイの底壁とこのボデイに
嵌入したプランジヤの下端部との間に、リターン
スプリングを備えた高圧室を形成し、上記プラン
ジヤ内に、上記高圧室にチエツク弁を介してオイ
ルを補給する内側リザーブ室を形成するととも
に、その周囲のバケツト内に外側リザーブ室を形
成し、この両リザーブ室を上記プランジヤの上端
と上記バケツトの上端壁との間に設けた連通路を
介して連通させ、上記バケツトに、上記外側リザ
ーブ室の周辺下方部に開口するオイル導入口と、
上記内側リザーブ室の上端部に開口する空気抜き
孔とを設けたエンジンの油圧式ラツシユアジヤス
タにおいて、上記ボデイの上端が上記バケツトの
上壁に当接する状態となつたときに上記連通路を
遮蔽するシール部材をボデイの上端に設けたもの
である。
つまり、吸,排気弁を開いている状態でエンジ
ンが停止したとき、高圧室内のオイルが次第にリ
ークしてボデイが押し上げられることによりボデ
イの上端がバケツトの上端壁下面に当接する状態
となるが、この状態となつたときに上記シール部
材で上記連通路を遮蔽して空気の侵入口をなくす
ことにより、外側リザーブ室内のオイルが流出す
ることを防止するようにしたものである。
(実施例) 第1図は油圧式ラツシユアジヤスタ10を備え
た動弁機構の一例を示しており、この図に示す動
弁機構は直接駆動式オーバヘツドカムとなつてい
る。すなわち、シリンダヘツド1には、燃焼室2
に開口する吸気用および排気用のポート(一方は
図示省略)3が形成されるとともに、上記ポート
3を開閉する弁(吸気弁または排気弁)4が装備
され、この弁4はバルブスプリング5によつて閉
弁方向である上方に付勢されており、またシリン
ダヘツド1上には、カムシヤフト6に取付けられ
たカム7が弁4に対応する位置に配置されてい
る。そして、シリンダヘツド1の上部のガイド孔
8に摺動可能に収容された油圧式ラツシユアジヤ
スタ10が上記カム7と弁4のバルブステム4a
の上端との間に配置され、カム7がこの油圧式ラ
ツシユアジヤスタ10を介して弁4を開閉作動す
るようになつている。上記油圧式ラツシユアジヤ
スタ10には、上記ガイド孔8の壁面に開口した
オイル供給通路9からオイルが供給されるように
なつている。
第2図および第3図は、上記油圧式ラツシユア
ジヤスタ10の具体的構造を、後述するように異
なる状態においてそれぞれ示している。これらの
図に示すように油圧式ラツシユアジヤスタ10
は、下方に開口したバケツト11の内部に、カツ
プ状のボデイ12とプランジヤ13とを備えてい
る。上記ボデイ12は、バケツト11内に設けら
れたホルダ14に上下摺動可能に保持され、この
ボデイ12の上端近傍部に取付けられたスナツプ
リング15により、ボデイ12がホルダ14から
離脱することが防止されている。また上記プラン
ジヤ13は、有底円筒状に形成され、ボデイ12
に対して相対的に摺動可能に嵌入され、上端がバ
ケツト11の上端壁11aに当接している。ボデ
イ12の底壁とプランジヤ13の下面との間には
高圧のオイルを貯える高圧室16が形成されてお
り、またボデイ12およびプランジヤ13の周囲
に、これらとバケツト11およびホルダ14によ
つて環状の外側リザーブ室17が形成されるとと
もに、高圧室16の上方のプランジヤ13内に、
高圧室16にオイルを補給する内側リザーブ室1
8が形成されている。
上記プランジヤ13の底壁には、高圧室16と
内側リザーブ室18とを連通する連通孔19が形
成され、この連通孔19の高圧室16側に、チエ
ツクボール20a,チエツクボールスプリング2
0bおよびリテーナ20cからなるチエツク弁2
0が設けられている。上記高圧室16内にはリタ
ーンスプリング21が設けられ、このリターンス
プリング21により、ボデイ12が弁4のバルブ
ステム4a上端に押し付けられる一方、プランジ
ヤ13を介してバケツト11の上端壁11aがカ
ム7に押し付けられるようになつている。また、
プランジヤ13の上端とバケツト11の上端壁1
1aとの間には、上記両リザーブ室17,18を
連通する連通路22が設けられ、この連通路22
は、バケツト11の上端壁11a下面を部分的に
プランジヤ13の内部に亘つて切欠することによ
り形成されている。
上記バケツト11の周壁には上記外側リザーブ
室17に開口するオイル導入口23が設けられて
おり、図外のオイルポンプによつてオイル供給通
路9に送られたオイルがガイド孔8の周面所定箇
所に開口したオイル供給口24から上記オイル導
入口23を通して外側リザーブ室17内に供給さ
れるようになつている。上記オイル供給口24
は、このオイル供給口24から外部にオイルが溢
れ出ることのないように、油圧式ラツシユアジヤ
スタ10が押し下げられたときにもバケツト11
の上端より上方にずれることのない位置に設けら
れ、これとの関係で上記オイル導入口23の開口
位置は外側リザーブ室17の周辺の下方部となつ
ている。上記バケツト11の上端壁11aの中央
部には、内側リザーブ室18の上端に開口する空
気抜き孔25が設けられている。
また、ボデイ12の上端には、このボデイ12
の上端がバケツト11の上端壁11a下面に当接
する状態となつたときに上記連通路22を遮蔽す
るシール部材26が設けられている。このシール
部材26は、オイルシール用として適当な素材に
より環状に形成されてボデイ12の上端に取付け
られ、上面がバケツト11の上端壁11aに対向
したシール面となつている。これに対してバケツ
ト11の上端壁11a下面における外側リザーブ
室17への上記連通路22の開口部分は、上記シ
ール部材26の上面に対応する範囲より外側に、
はみ出さないように形成されている。
この油圧式ラツシユアジヤスタ10の作用を次
に説明する。
エンジン作動中は、第2図に示すように、バケ
ツト11の上端およびボデイ12の下端がカム7
およびバルブステム4aの上端に当接するととも
に、ボデイ12の上端がバケツト11の上端壁1
1a下面から離間した状態で、カム7の回転に伴
つて油圧式ラツシユアジヤスタ10が上下動し、
高圧室16内の油圧によりカム7から加えられる
力をバルブステム4aに伝えて弁4を開閉作動す
る。そして、このエンジン作動中には、オイルポ
ンプによつて圧送されたオイルがオイル導入口2
3から外側リザーブ室17内に送り込まれ、さら
に連通路22を通して内側リザーブ室18に送ら
れることにより、この両リザーブ室17,18が
オイルで満たされるとともに、このオイル中に混
入した空気は前記空気抜き孔25から外部に排出
されるため、リザーブ室17,18に空気が溜る
ことが防止される。
第3図に示すように、油圧式ラツシユアジヤス
タ10がカム7のノーズ7aにより押し下げられ
て弁4を開いた状態でエンジンが停止したとき
は、バルブスプリング5からボデイ12に加えら
れる力により、高圧室16内のオイルがボデイ1
2とプランジヤ13との間の摺動間隙を通して次
第にリークし、上記ボデイ12の上端がバケツト
11の上端壁11a下面に当接する状態になるま
で上記ボデイ12が押し下げられて高圧室16が
縮められる。そして、その後にエンジンが始動さ
れることにより油圧式ラツシユアジヤスタ10が
カム7のベースサイクルに当接する上昇位置とな
つたとき、リターンスプリング21により上記高
圧室16が拡張されて第2図の状態に復帰するに
伴い、比較的多量のオイルが高圧室16内に吸入
される。本考案では特にこのような場合に、エン
ジン停止中に上記外側リザーブ室17内のオイル
が流出することが防止され、これによつてエンジ
ン始動時に上記高圧室16内に空気が吸入される
ことが防止される。つまり、オイルポンプからの
オイルポンプの送給が停止されるエンジン停止中
には、上記オイル導入口23とは別に上記外側リ
ザーブ室17への空気侵入経路があると外側リザ
ーブ室17内のオイルが上記オイル導入口23か
ら流出してしまうが、本考案では、上記の状態に
ボデイ12が押し上げられたときに、外側リザー
ブ室17と内側リザーブ室18との間の連通路2
2が前記シール部材26により遮蔽されることに
より、空気侵入経路が塞がれることとなるため、
上記オイル導入口23からのオイルの流出が防止
される。従つてこの状態でのエンジン停止中も外
側リザーブ室17内にオイルが満たされた状態が
保たれ、その後のエンジン始動時に高圧室16内
に空気が吸入されることが確実に防止される。
なお、油圧式ラツシユアジヤスタ10がカム7
のベースサイクルに当接した上昇位置にある状態
(弁4が閉じられている状態)でエンジンが停止
したときは、ボデイ12の上端がバケツト11の
上端壁11aから離間しているので上記連通路2
2は塞がれないが、この状態ではバケツト11の
上面中央部に当接したカム7のベースサイクルが
当接するので、このカム7を利用して上記空気抜
き孔25を塞ぐようにすれば、外側リザーブ室1
7への空気の侵入が防止されてオイルの流出を防
止することができる。
なお、上記実施例では直接駆動式オーバヘツド
カムに適用した場合を示したが、本考案の油圧式
ラツシユアジヤスタ10は、ロツカーアーム式の
動弁機構においてロツカーアームの先端と弁4の
バルブステム4aとの間に装備するようにしても
よい。
(考案の効果) 以上のように本考案の油圧式ラツシユアジヤス
タは、吸,排気弁を開いている状態でエンジンが
停止してボデイが押し上げられたとき、ボデイの
上側に設けたシール部材により、外側リザーブ室
と内側リザーブ室との間の連通路を遮蔽して外側
リザーブ室への空気の侵入を阻止し、これによつ
て高圧室内のオイルの流出を防止しているため、
その後のエンジン始動時に高圧室内に空気が吸い
込まれることを防止し、上記高圧室への空気の侵
入に起因した吸,排気弁のリフト量や開閉タイミ
ングのずれ、および吸,排気弁作動時の異音の発
生を確実に防止することができるものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の油圧式ラツシユアジヤスタを
装備した動弁機構の一例を示す概略断面図、第2
図は本考案の油圧式ラツシユアジヤスタの実施例
を示す断面図、第3図はこの油圧式ラツシユアジ
ヤスタがカムにより押し下げられたままでエンジ
ンが停止しているときの状態を示す断面図であ
る。 4……弁(吸気弁または排気弁)、7……カム、
10……油圧式ラツシユアジヤスタ、11……バ
ケツト、12……ボデイ、13……プランジヤ、
14……ホルダ、16……高圧室、17……外側
リザーブ室、18……内側リザーブ室、20……
チエツク弁、21……リターンスプリング、22
……連通路、23……オイル導入口、25……空
気抜き孔、26……シール部材。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. バケツト内のホルダに摺動可能に保持させたカ
    ツプ状のボデイの底壁とこのボデイに嵌入したプ
    ランジヤの下端部との間に、リターンスプリング
    を備えた高圧室を形成し、上記プランジヤ内に、
    上記高圧室にチエツク弁を介してオイルを補給す
    る内側リザーブ室を形成するとともに、その周囲
    のバケツト内に外側リザーブ室を形成し、この両
    リザーブ室を上記プランジヤの上端と上記バケツ
    トの上端壁との間に設けた連通路を介して連通さ
    せ、上記バケツトに、上記外側リザーブ室の周辺
    下方部に開口するオイル導入口と、上記内側リザ
    ーブ室の上端部に開口する空気抜き孔とを設けた
    エンジンの油圧式ラツシユアジヤスタにおいて、
    上記ボデイの上端が上記バケツトの上壁に当接す
    る状態となつたときに上記連通路を遮蔽するシー
    ル部材をボデイの上端に設けたことを特徴とする
    エンジンの油圧式ラツシユアジヤスタ。
JP3381285U 1985-03-08 1985-03-08 Expired JPH041283Y2 (ja)

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JP3381285U JPH041283Y2 (ja) 1985-03-08 1985-03-08

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Publication Number Publication Date
JPS61149706U JPS61149706U (ja) 1986-09-16
JPH041283Y2 true JPH041283Y2 (ja) 1992-01-17

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