JPH04127949U - カラー受像管のシヤドウマスク固定装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 シャドウマスクを受像管内方側に挿設すると
きそのシャドウマスクによりスクリーンパネル内方面の
蛍光物質を損傷せずにそのシャドウマスクを簡便に挿設
し得るようにしたカラー受像管のシャドウマスク固定装
置を提供しようとする。 【構成】 シャドウマスク固定装置のフレームに複数個
の固定片を溶着し、それら固定片所定部位に夫々位置設
定片を形成し、シャドウマスクを受像管に挿設する場
合、それら位置設定片によりシャドウマスクがスクリー
ンパネル内方面に接触せずに、簡便に挿設されるように
カラー受像管のシャドウマスク固定装置が構成されてい
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案はカラー受像管のシャドウマスク固定装置に係るもので、詳しくは、シ ャドウマスクをパネルに挿設する場合、該シャドウマスクに因るスクリーンパネ ルの損傷を防止し挿設作業を容易に行い得るようにしたカラー受像管のシャドウ マスク固定装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、シャドウマスク型カラー受像管においては、図３に示したように、ス クリーンパネル１０、ファンネル２０及びネック部３０と、該ネック部３０内方 側に設置され電子ビームを走査する電子銃４０と、前記パネル１０の内方面側に 対抗して固定され前記電子銃４０から走査する３色の電子ビームを選択的に通過 させるシャドウマスク５０とにより構成されていた。且つ、前記シャドウマスク ５０においては、電子ビームが通過されるように複数個の微細な孔が形成された シャドウマスク有効部５１（図４）と、該シャドウマスク有効部５１の縁部位が ほぼ直角に後方向き折曲されてなるシャドウマスクスカート５２（図４）とによ り形成されていた。又、そのシャドウマスク５０を受像管内方側に挿設させるた めのシャドウマスク固定装置においては、前記シャドウマスクスカート５２に溶 着されそのシャドウマスク５０を受像管内方側に固定支持するフレーム６０と、 該フレーム６０の四方側偶部に夫々溶着され前記シャドウマスク５０を前記パネ ル１０の内方面から所定間隔離れて対抗支持させるようになる複数個の固定片７ ０と、それら固定片７０に夫々嵌合孔８０（図４）が穿孔形成されそれら嵌合孔 ８０に嵌合されるように前記パネル１０のパネルスカート１１内方面に夫々突設 された複数個のパネルピン１２とにより構成されていた。

【０００３】 そして、このように構成された従来シャドウマスク固定装置を利用し、シャド ウマスクを受像管内方側に挿入固定させる過程を説明すると次のようであった。 図４に示したように、前記シャドウマスク５０の偶部位に溶着された固定片７０ を内方側にやや圧力を加えて変位させ、パネル１０の内方面向きに挿し入れて、 それら固定片の嵌合孔８０と前記各パネルスカート１１のパネルピン１２とを互 いに相合させると、それらパネルピン１２が各嵌合孔８０に嵌合されてシャドウ マスク５０がパネル１０の内方面に対抗され、所定間隔を置いて固定されるよう になっていた。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

然るに、このように構成された従来カラー受像管のシャドウマスク固定装置に おいては、各固定片７０に形成された各嵌合孔８０とパネルスカート１１に突設 された各パネルピン１２とが夫々シャドウマスクのフレーム６０の四方側偶部に 形成されているため、そのシャドウマスク固定装置を利用してシャドウマスク５ ０を受像管内方側に挿入固定する場合、固定片７０を内方側向き加圧しながら挿 入した後、前記４個の嵌合孔８０と４個のパネル１２とを夫々互いに相合させ、 それら固定片７０に加えた圧力を除去してそれら嵌合孔８０に各パネルピン１２ を嵌合させなければならないが、図５に示したように、シャドウマスク固定装置 がやや傾いて挿入される場合は、それら嵌合孔とパネルピンとが互いに相合され ず、嵌合されなくなるので、シャドウマスクの挿設動作が極めて煩雑になるとい う不都合な点があった。且つ、シャドウマスク固定装置が誤ち挿入されシャドウ マスクがパネルの内方面に接触されると、該パネルの内方面に塗布された蛍光物 質が損傷されるという不都合な点があった。又、手動で作業をするとき、各固定 片７０に一々圧力を加え、シャドウマスク固定装置の四方側縁部位を一点一点パ ネルスカート１１の内方側面に平行に合わせて挿入すべきであるため、作業の能 率が低下されるという不都合な点があった。

【０００５】 それで、このような問題点を解決するため本考案者達は研究を重ねた結果、次 のようなカラー受像管のシャドウマスク固定装置を提供しようとするものである 。

【０００６】 本考案の目的は、シャドウマスクを受像管内方側に挿入固定するとき、そのシ ャドウマスクによりスクリーンパネル内方面の蛍光物質を損傷させる憂いを防止 し、シャドウマスクの固定作業を簡便に行い得るようにしたカラー受像管のシャ ドウマスク固定装置を提供しようとするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段および作用】

そして、このような本考案の目的は、シャドウマスク固定装置のフレームに複 数個の固定片を溶着し、それら固定片所定部位に夫々位置設定片を形成し、シャ ドウマスクを受像管内方側に挿入固定する場合、それら位置設定片によりシャド ウマスクがスクリーンパネル内方面に接触することなく、各固定片の嵌合孔が各 パネルスカートのパネルピンに簡便に嵌合されるようにシャドウマスク固定装置 を構成することにより達成される。

【０００８】

【実施例】

以下、本考案の実施例に対し図面を用いて詳細に説明する。本考案に係るシャ ドウマスク固定装置においては、図１に示したように、シャドウマスクスカート ５２の縁部位に溶着されそのシャドウマスクを支持するフレーム６０と、該フレ ーム６０の四方側偶部位に夫々溶着され前記シャドウマスク５０がパネル１０（ 図２）の内方面に所定間隔を置いて対抗されるように支持する固定片７０と、そ れら固定片７０の所定部位に夫々穿孔形成された嵌合孔８０（図２）に対抗され 前記パネル１０のパネルスカート１１（図２）内方面四方側偶部に夫々突設され たパネルピン１２（図２）と、前記各固定片７０に溶着又はリベット結合され前 記各嵌合孔８０が前記各パネルピン１２に簡便に嵌合されるように案内する各位 置設定片７４とにより達成されている。且つ、前記各固定片７０においては、前 記フレーム６０の四方側偶部に夫々溶着される固定部７１と、それら固定部７１ と一体に折曲形成され前記シャドウマスクスカート５２と前記パネルスカート１ １内方面との間で伸縮し得るように弾性を有してなる各傾斜部７２と、それら傾 斜部７２と一体に下方向き折曲形成され所定部位に前記嵌合孔８０が夫々穿孔形 成された各締結部７３とを具備して構成されている。又、それら締結部７３に夫 々穿孔形成された前記各嵌合孔８０の下方側所定部位に前記位置設定片７４が前 述したように夫々溶着又はリベット結合されることによりシャドウマスクと該シ ャドウマスクに固定されたシャドウマスク固定装置とを一緒に受像管内方側に挿 入固定するとき、前記各位置設定片７４が前記各パネルピン１２に掛止されてそ のシャドウマスク固定装置の誤ち挿入を防止し各嵌合孔８０を各パネルピン１２ に簡便に嵌合し得るようになっている。

【０００９】 このように構成された本考案に係るカラー受像管のシャドウマスク固定装置の 作用を説明すると次のようである。図２に示したように、シャドウマスク５０の 有効面５１をパネル１０の内方面に大略平行に維持させ、シャドウマスク固定装 置をそのパネル１０の内方側にやや力Ｆ０を加えながら押し入れると、前記パネ ルピン１２により前記各固定片７０の傾斜部７２が収縮されて締結部７３が内方 向きに変形され、シャドウマスク固定装置がパネル１０の内方側に移動しながら そのパネル１０内方側の４個のパネルピン１２が夫々４個の嵌合孔８０に嵌合さ れる。次いで、各パネルピン１２が各嵌合孔８０に嵌合されると、それらパネル ピン１２により前記各固定片７０に加えられた圧力が解除され、それら固定片７ ０の傾斜部７２の弾性復元力により各固定片７０が原状に復帰され、シャドウマ スク固定装置によりシャドウマスクが受像管内方側に容易に固定される。即ち、 シャドウマスク固定装置をパネル１０の内方側にやや力Ｆ０を加えながら押し入 れるだけで、そのシャドウマスク固定装置が各嵌合孔８０下方側の位置設定片７ ０により各パネルピン１２に掛止され案内されるようになっているため、シャド ウマスク５０の有効面５１を従来のようにパネル１０の内方面に正確に平行に維 持させることなく、大略平行に押し入れても各位置設定片７４が各パネルピン１ ２に掛止され案内されてそれら嵌合孔８０が各パネルピンに嵌合されるようにな る。従って、従来シャドウマスク固定装置においては、各固定片７０を強制的に 変位した状態でシャドウマスク固定装置をパネル１０の内方側に挿入しながら各 嵌合孔８０と各パネルピン１２との相合位置を探し、それら嵌合孔８０を各パネ ルピン１２に嵌合していたが、本考案のシャドウマスク固定装置においては、各 位置設定片７４により各固定片７０がパネルピン１２に夫々掛止され案内される ようになっているため、各固定片７０を強制的に変位せずにシャドウマスク固定 装置を大略パネル１０内方側に押し入れるだけで、各パネルピン１２に各嵌合孔 ８０を嵌合しそのシャドウマスクを受像管内方側に固定し得るようになる。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案に係るカラー受像管のシャドウマスク固定装置に おいては、パネルスカートの内方側の固定片に位置設定片を固設して該位置設定 片によりシャドウマスク固定装置を受像管内方側に挿入固定する場合の動作を掛 止案内させるようになっているため、受像管内方側にシャドウマスク固定装置を 挿入固定するとき、固定片を強制に変位することなく迅速簡便に挿設させて作業 能率を向上し得る効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るシャドウマスク固定装置を示した
一部縦断面図である。

【図２】本考案に係るシャドウマスク固定装置の固定方
法説明図である。

【図３】従来カラー受像管の概略縦断面図である。

【図４】従来シャドウマスク固定装置の固定方法説明図
である。

【図５】従来シャドウマスク固定装置の誤ち挿入固定状
態を示した例示図である。

【符号の説明】

１０…パネル １１…パネルスカート １２…パネルピン ２０…ファンネル ３０…ネック部 ４０…電子銃 ５０…シャドウマスク ５１…シャドウマスク有効部 ５２…シャドウマスクスカート ６０…フレーム ７０…固定片 ７１…固定部 ７２…傾斜部 ７３…締結部 ７４…位置設定片 ８０…嵌合孔

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 カラー受像管のシャドウマスク固定装置
   であって、シャドウマスク（５０）のシャドウマスクス
   カート（５２）に一体型に形成されそのシャドウマスク
   （５０）を支持するフレーム（６０）と、該フレーム
   （６０）の四方側偶部位に夫々溶着されパネル（１０）
   の内方側から所定間隔離れた位置に前記シャドウマスク
   （５０）をそのパネル（１０）内方面に対抗して固定支
   持させる各固定片（７０）と、それら固定片（７０）所
   定部位に夫々穿孔形成された各嵌合孔（８０）に互いに
   嵌合されるように前記パネル（１０）のパネルスカート
   （１１）内方面に夫々突設された各パネルピン（１２）
   と、前記各固定片（７０）の所定部位に形成され前記各
   嵌合孔（８０）が前記各パネルピン（１２）に容易に嵌
   合されるように案内する各位置設定片（７４）と、によ
   り構成されてなることを特徴とするカラー受像管のシャ
   ドウマスク固定装置。
2. 【請求項２】 前記各固定片（７０）は、それら固定片
   （７０）を前記フレーム（６０）に夫々溶着させるため
   の各固定部（７１）と、それら固定部（７１）と一体に
   折曲形成され前記パネルスカート（１１）側に弾性を加
   え得るようになる各傾斜部（７２）と、それら傾斜部
   （７２）と一体に夫々下方向き折曲形成され所定部位に
   夫々前記嵌合孔（８０）が穿孔形成されてなる各締結部
   （７３）と、それら締結部（７３）の各嵌合孔（８０）
   の下方側にそれら締結部（７３）と一体型に形成され前
   記各パネルピン（１２）に前記各嵌合孔（８０）が容易
   に嵌合されるように案内する前記各位置設定片（７４）
   と、を具備してなる請求項１記載のカラー受像管のシャ
   ドウマスク固定装置。