JPH04127090U

JPH04127090U - 補助駆動力付き自転車

Info

Publication number: JPH04127090U
Application number: JP4289691U
Authority: JP
Inventors: 良治江井
Original assignee: 本田技研工業株式会社
Priority date: 1991-05-13
Filing date: 1991-05-13
Publication date: 1992-11-19

Abstract

(57)【要約】【目的】ペダル踏力が大きい時はそれに応じた大きな
補助駆動力をペダル踏力に加え、ペダル踏力が小さい時
は小さな補助駆動力をペダル踏力に加え、人力を軽減す
る。【構成】一般の自転車に、ペダルクランク軸２の軸受
部７に設置されてペダル踏力を検出するストレインゲー
ジ式ロードセル９と、電動モータ１０と、電動モータ１
０の駆動用バッテリと、前記ロードセルの出力に比例し
た電力をバッテリからモータ１０へ供給制御するコント
ロールユニットとを備え、モータ１０の回転トルクが減
速機１４、電磁クラッチ１１を介してペダルクランク軸
２に伝達されモータ１０による補助駆動力がペダル踏力
に加えられる構成をなす。そしてペダル踏力と補助駆動
力は略同等であるか、補助駆動力の大きさは任意に調整
できるように構成されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、ペダル踏力に応じて、電動モータによる補助駆動力がペダル踏力に加えられる補助駆動力付き自転車に関する。

【０００２】

【従来の技術】

自転車は手軽な乗物として広く一般に使われているが、近年、無公害、省エネルギ、健康ブーム等によって、その人気はますます高まっている。しかしながら、自転車の動力源は自分自身の力だけであり、このため速度（特に巡行速度）が遅い、加速が悪い、上り坂に弱い等の点があり、一部のサイクリストやＭＴＢライダを除いて、近所への買物、通勤通学等の実用的な面を中心に使われているのが現状である。

【０００３】そこで、ペダル回転が重くなった時にモータ駆動がなされ、軽くなった時はモータ駆動は停止してペダル駆動して走行する自転車が提案されている（特開昭５７−７４２８５号参照）。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

本考案の目的は、負荷にかかわらず、ペダル踏力に応じた補助駆動力をペダル踏力に加えることにより、人力を補助し、人力を軽減できる自転車を提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案の構成はペダル踏力を検出するペダル踏力センサと、電動モータと、電動モータの駆動用バッテリと、前記センサの出力に比例した電力を前記バッテリから電動モータへ供給制御するコントロール手段と、前記モータの回転トルクが減速機を介してペダルクランク軸に伝達されモータによる補助駆動力がペダル踏力に加えられる補助駆動力付き自転車であって、ペダル踏力とモータによる補助駆動力が略同等、あるいはモータによる補助駆動力の大きさが任意に調整できることを特徴とする。そして、ペダル踏力センサはペダルクランク軸の軸受部に設置するのが好ましい。また、ペダルクランク軸に伝達されるモータによる補助駆動力を接離する電磁クラッチ等のクラッチ機構を介装するのがよい。

【０００６】

【作用】

図１において、ペダル１をＦ（ｋｇ）で踏んで走行している時、ペダルクランク軸２のトルクＴ（ｋｇｍ）はクランクアーム３の長さをｌ（ｍ）とすると、

【０００７】

【数１】Ｔ＝Ｆ×ｌ・・・・・となり、原動スプロケット４と従動スプロケット５との間に巻回されたチェーン６の張力Ｔ_C（ｋｇ）は原動スプロケット４の半径をｒ（ｍ）とすると、

【０００８】

【数２】Ｔ_C＝Ｔ／ｒ・・・・となる。この時、ペダルクランク軸２の右側軸受部７に発生する反力Ｗ（ｋｇ）は、チェーン６の中心線から右側軸受部７までの距離をＬ_r（ｍ）、左側軸受部８までの距離をＬ_l（ｍ）とすると、

【０００９】

【数３】Ｗ＝Ｔ_C×Ｌ_l／Ｌ_r＝Ｔ／ｒ×Ｌ_l／Ｌ_r・・・・・となり、右側軸受部７に設置されたロードセル９はこの反力Ｗ（ｋｇ）によって荷重され、それに見合った電圧ｘ（ｍＶ）を出力する。このロードセル９の出力電圧ｘ（ｍＶ）をアンプによってｙ（Ｖ）まで増幅し、モータ１０へ入力する。この時の増幅率Ａ＝ｙ／ｘをボリュームによって可変し、モータ１０による補助駆動力の大きさを任意に選択する。

【００１０】入力電圧ｙ（Ｖ）の時、モータ１０の出力トルクをＴ_M（ｋｇｍ）とすると、ペダルクランク軸２のトルクＴ_P（ｋｇｍ）は、減速比をＢとすると、

【００１１】

【数４】Ｔ_P＝Ｔ_M／Ｂ・・・・・となり、ペダル１の踏力によるトルクＴ（ｋｇｍ）ヘ加えられることになるので、この時のロードセル９にかかる荷重Ｐ（ｋｇ）は、、式から、

【００１２】

【数５】Ｐ＝｛（Ｔ＋Ｔ_P）／ｒ｝×Ｌ_l／Ｌ_r・・・・・となり、フィードバックループとなる。

【００１３】したがって、踏力Ｆ（ｋｇ）が一定の時、ロードセル９の荷重Ｐ（ｋｇ）を一定にするためには、Ｔ＞Ｔ_Pとなるように、アンプ増幅率Ａを設定する。

【００１４】Ｔ（ペダル１の踏力により発生するトルク）とＴ_P（Ｔを検出し、それによって制御されるモータ１０の駆動トルク）との関係は、

【００１５】

【数６】Ｔ_P＝ｋＴ（ｋは定数）・・・・・となる。そしてフィードバックループのＴ、Ｔ_P、Ｔ＋Ｔ_Pは次の様になる。

【００１６】

【表１】したがって、（Ｔ＋Ｔ_P）が一定になるためには、ｋ＜１が必要である。

【００１７】例えばｋ＝０．５の時、（Ｔ＋Ｔ_P）≒２Ｔとなり、ペダル踏力と略同等の補助駆動力が得られる。そして、ｋの値を変える（ボリュームによってアンプの増幅率Ａを変える）ことによって補助駆動力の大きさを任意の値に調整できる。

【００１８】モータ１０からの駆動トルクをペダルクランク軸２へ伝達するクラッチに電磁クラッチ１１を使用すると、電磁クラッチ１１はモータ１０に電圧が加えられる時、ＯＮするようにすれば、自力走行時にモータ１０を含む補助駆動力系の影響を完全になくすことができる。また、ブレーキレバーを握る時にもＯＮになるようにすれば、補助駆動力系の抵抗によるエンジンブレーキ効果およびモータ１０による回生ブレーキを利用することができるようになる。

【００１９】

【実施例】

図２に示す補助駆動力付き自転車は、一般の自転車に電動モータ、減速機、バッテリ、電磁クラッチ、ペダル踏力センサ、コントロールユニットを組み込んだもので、自転車のフレーム上部に電動モータ１０の駆動用バッテリ１２と、ペダル踏力センサ９の出力に比例した電力をバッテリ１２から電動モータ１０へ供給制御するコントロールユニット１３が固定され、中央下部のフレームの原動スプロケット４付近に電動モータ１０と減速機１４が設置されている。１５はハンドル部に設置された補助駆動力可変ボリュームである。各部品の重量、寸法等の一例を示すと、電動モータ１０は直流直巻、定格出力１５０Ｗ（０．１４ｋｇｍ／１０００ｒｐｍ）、バッテリ１２は１２Ｖ，３０Ａｈ、ペダル踏力センサ９はペダルクランク軸２の右側軸受部７に設置されたストレインゲージ式ロードセル、コントロールユニット１３は電機子電圧チョッパ制御、駆動系は電動モータ１０の回転軸からペダルクランク軸２の間の減速機１４が１対２０のギアトレインで、原動スプロケット４との間に電磁クラッチ１１が設けられ、ペダルクランク軸２と後車軸間は１対１〜１対３の５段変速チェーンドライブである。

【００２０】

【考案の効果】以上説明したように本考案の補助駆動力付き自転車によれば、ペダル踏力が大きい時はそれに応じた大きな補助駆動力がペダル踏力に加えられ、ペダル踏力が小さい時は小さな補助駆動力がペダル踏力に加えられるので、人力が軽減でき、体力のない老人等や遠距離ツーリング等に最適な自転車となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る補助駆動力付き自転車の駆動系と
ペダル踏力センサの構成説明図である。

【図２】本考案に係る補助駆動力付き自転車の外観を示
す側面図である。

【符号の説明】

１ペダル２ペダルクランク軸３クランクアーム４原動スプロケット５従動スプロケット６チェーン７右側軸受部８左側軸受部９ロードセル１０電動モータ１１電磁クラッチ１２バッテリ１３コントロールユニット１４減速機１５補助駆動力可変ボリューム

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】ペダル踏力を検出するペダル踏力センサ
と、電動モータと、電動モータの駆動用バッテリと、前
記センサの出力に比例した電力を前記バッテリから電動
モータへ供給制御するコントロール手段と、前記モータ
の回転トルクが減速機を介してペダルクランク軸に伝達
されモータによる補助駆動力がペダル踏力に加えられる
補助駆動力付き自転車であって、ペダル踏力とモータに
よる補助駆動力が略同等であることを特徴とする補助駆
動力付き自転車。
【請求項２】ペダル踏力を検出するペダル踏力センサ
と、電動モータと、電動モータの駆動用バッテリと、前
記センサの出力に比例した電力を前記バッテリから電動
モータへ供給制御するコントロール手段と、前記モータ
の回転トルクが減速機を介してペダルクランク軸に伝達
されモータによる補助駆動力がペダル踏力に加えられる
補助駆動力付き自転車であって、モータによる補助駆動
力の大きさが任意に調整できることを特徴とする補助駆
動力付き自転車。
【請求項３】ペダル踏力センサがペダルクランク軸の
軸受部に設置されていることを特徴とする請求項１又は
２記載の補助駆動力付き自転車。
【請求項４】ペダルクランク軸に伝達されるモータに
よる補助駆動力を接離する電磁クラッチ等のクラッチ機
構が介装されていることを特徴とする請求項１又は２記
載の補助駆動力付き自転車。