JPH04126524U - 床ずれ防止用マツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 汗や体臭などを長期にわたって吸収できるよ
うにして、交換頻度少なく良好に使用できる脱臭マット
を提供する。 【構成】 弾性と通気性を有する表側の生地１の内側に
活性炭素材製シート３を設け、寝たきり老人や重症患者
といった寝起きの困難な人の汗などの湿度成分や体臭な
どの臭気成分を活性炭素材製シート３で吸着する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、寝たきり老人とか重症患者などのように、寝起きが困難な人に好適 に使用できる床ずれ防止用マットに関する。

【０００２】

【従来の技術】

上述のように寝たままでマットを長時間使用すると、汗や体臭が染み込んで不 快感が高くなったり、また、その高湿度のために床ずれを助長する問題があり、 従来では、マットを頻繁に交換することにより、上述の問題を解消するようにし ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、マットを頻繁に交換することは、寝起きの困難な人を頻繁に移 動することになり、場合によっては病状をより悪化することにもなりかねず、一 方、看護する側の人間にとって、寝起きの困難な人を一人では移動しづらく、過 度の負担を強いられることになる欠点があった。

【０００４】 本考案は、このような事情に鑑みてなされたものであって、請求項１に係る考 案の床ずれ防止用マットは、汗や体臭などを長期にわたって吸収できるようにし て、交換頻度少なく良好に使用できる床ずれ防止用マットを提供することを目的 とし、また、請求項２に係る考案の床ずれ防止用マットは、マットと体の間に空 気層を形成し、床ずれを効果的に防止するとともに良好に再生できるようにする ことを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

請求項１に係る考案の床ずれ防止用マットは、上述のような目的を達成するた めに、弾性と通気性を有する表側の生地の内側に活性炭素材製シートを設けて構 成する。

【０００６】 弾性と通気性を有する表側の生地の材料としては、塩化ビニリデン、塩化ビニ ル、ポリエステル、ウレタンフォーム、天然繊維、高密度繊維など、各種の材料 が使用できる。 また、活性炭素材製シートとしては、粒状活性炭や活性炭素繊維が適用され、 粉の飛散を防止する上では、活性炭素繊維を使用するのが好ましい。 活性炭素繊維としては、レーヨン系、ポリアクリロニトリル（ＰＡＮ）系、セ ルロース系、フェノール樹脂系、石炭ピッチ系、石油ピッチ系などが使用でき、 通常、繊維直径が 2〜30μｍ程度、繊維長さが 0.5〜10mm程度、細孔半径が 8〜 20オングストローム程度の微細孔を有し、公称比表面積が 500〜3000ｍ²/g 程度 のものが使用できる。

【０００７】 また、請求項２に係る考案の床ずれ防止用マットは、上述のような目的を達成 するために、請求項１に係る考案の床ずれ防止用マットにおいて、活性炭素材製 シートの取り出し口を設けるとともに、表側の生地の外表面に凹凸を形成して構 成する。

【０００８】

【作用】

請求項１に係る考案の床ずれ防止用マットの構成によれば、マットを使用して いる人の汗などの湿度成分や体臭などの臭気成分を表側の生地を通して活性炭素 材製シートに吸着することができる。

【０００９】 また、請求項２に係る考案の床ずれ防止用マットの構成によれば、表側の生地 に形成した凹凸によって、マットを使用している人の体表面とマット面との間に 空気層を形成するとともに、皮膚を刺激して血行を良くすることができ、更に、 取り出し口を通じて活性炭素材製シートを取り出し、吸着した湿度成分や臭気成 分を天日乾燥や加熱蒸気などにより脱着除去して再生でき、また、活性炭素材製 シートを取り出した後の生地は、丸洗いするなどによって再生できる。

【００１０】

【実施例】

次に、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】 ＜第１実施例＞ 図１は、床ずれ防止用マットの第１実施例を示す一部切欠全体斜視図、図２は 断面図であり、表生地１ａとハニカム状生地１ｂとによって弾性と通気性を有す る表側の生地１を構成し、一方、同様に、表生地２ａとハニカム状生地２ｂとに よって弾性と通気性を有する裏側の生地２を構成し、その間に活性炭素材製シー ト３を介装する。あるいは、そのほぼ半分の部分において表側の生地１と裏側の 生地２との間に活性炭素材製シート３を介装し、一方、他の半分の部分において 、活性炭素材製シート３と厚みを等しくした状態でハニカム状生地４を介装し、 その全体をキルティング加工、または、熱融着加工するとともに、外周縁をバイ アス５によって縁取りする。

【００１２】 前記活性炭素材製シート３は公称比表面積1000ｍ² ／ｇのピッチ系活性炭素繊 維（Ａ−１０：株式会社アドール製）をフェルト状に加工して構成する。

【００１３】 上記構成により、汗や体臭などを、表側の生地１を通して活性炭素材製シート ３に吸収し、また、ハニカム状生地１ｂによって形成される空気層により汗を乾 燥しやすくするとともに、ハニカム状生地１ｂの突起により皮膚を刺激して血行 を良くし、床ずれを防止できるようになっている。特に、活性炭素材製シート３ をマットの半分に介装したときには、必要性の高い下半身部に活性炭素材製シー ト３を当てるのが望ましい。

【００１４】 上記床ずれ防止用マットを再生する場合は、その全体を天日乾燥するとともに 、水洗いなどにより丸洗いすれば良い。

【００１５】 ＜第２実施例＞ 図３は、床ずれ防止用マットの第２実施例を示す一部切欠全体斜視図、図４は 要部の断面図であり、高密度繊維６ａとハニカム状生地６ｂとによって弾性と通 気性を有する表側の生地６を構成し、一方、同様に、高密度繊維７ａとハニカム 状生地７ｂとによって弾性と通気性を有する裏側の生地７を構成し、その表側の 生地６と裏側の生地７の外周縁をバイアス８により縁取りして袋状に構成する。

【００１６】 図５の裏側から見た斜視図に示すように、裏側の生地７の中央部に、ファスナ ー９によって開閉可能な取り出し口１０を形成し、その内部に図６の斜視図に示 すように、第１実施例と同様の活性炭素繊維の不織布１１ａを通気性のあるトリ コット製の布１１ｂ，１１ｂで挟んでキルティング加工により一体化した活性炭 素材製シート１１を取り出し可能に収納する。上記取り出し口１０は幅方向端縁 側に設けても良い。

【００１７】 この構成により、活性炭素材製シート１１だけを取り出して天日乾燥や加熱蒸 気処理などにより再生処理し、一方、表裏の生地７，８は水洗いなどにより再生 処理し、それぞれに適した再生処理を行うことができる。

【００１８】 表側の生地６において、高密度繊維６ａを所定の区画でハニカム状生地６ｂに 熱溶着し、表側の生地６の外表面に凹凸１２…を形成し、その凹凸１２…によっ て体表面と表側の生地６の外表面との間に空気層を形成し、ハニカム状生地６ｂ によって形成される空気層との協働により、汗などを一層乾燥しやすく、また、 皮膚との接触部分を少なくして刺激を与え、血行を良くして床ずれを一層良好に 防止できるようになっている。

【００１９】 活性炭素材製シート１１の裏面側の所定箇所に、設定以上の湿度で色が変化す るシリカゲルなどによるインジケータ１３を付設し、その色変化に基づいて活性 炭素材製シート１１の交換時期を容易にかつ適切に知ることができるようになっ ている。

【００２０】 上述第１および第２実施例のいずれにおいても、再生処理は、需要者側で行う ことができるが、例えば、病院などでは、リース業者などのような専用の業者に よって行うようにしても良い。

【００２１】 また、上記実施例の表側の生地１，６それぞれに対して、通気性を損なわない 状態で溌水加工を施し、肌ざわりが良くなるようにしても良い。また、抗菌加工 を施すことが望ましい。

【００２２】

【考案の効果】

請求項１に係る考案の床ずれ防止用マットによれば、吸着特性に優れる活性炭 素材製シートに汗や体臭などに起因する湿度成分や臭気成分を吸着するから、汗 や体臭などを長期にわたって良好に吸収でき、その交換頻度が少なくて済み、使 用する人および看護する側の人のいずれにも負担が少なく良好に使用できる床ず れ防止用マットを提供できる。また、湿度成分を吸着することによって、マット と接触する皮膚の周囲の湿度を低下でき、床ずれならびにその進行を抑制できる 。

【００２３】 また、請求項２に係る考案の床ずれ防止用マットによれば、体表面とマット面 との間に空気層を形成するから、汗などを乾燥しやすくできるとともに血行を良 くすることができ、床ずれを効果的に防止できる。 更に、活性炭素材製シートを取り出して生地と分けることができるから、活性 炭素材製シートおよび生地それぞれに適した再生処理を施すことができ、床ずれ 防止用マット全体として良好に再生できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る床ずれ防止用マットの第１実施例
を示す一部切欠全体斜視図である。

【図２】図１の断面図である。

【図３】本考案に係る床ずれ防止用マットの第２実施例
を示す一部切欠全体斜視図である。

【図４】図３の要部の断面図である。

【図５】床ずれ防止用マットを裏側から見た全体斜視図
である。

【図６】活性炭素材製シートを裏側から見た斜視図であ
る。

【符号の説明】

１ 表側の生地 ３ 活性炭素材製シート ６ 表側の生地 １０ 取り出し口 １１ 活性炭素材製シート １２ 凹凸

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 弾性と通気性を有する表側の生地の内側
   に活性炭素材製シートを設けてあることを特徴とする床
   ずれ防止用マット。
2. 【請求項２】 請求項１の床ずれ防止用マットにおい
   て、活性炭素材製シートの取り出し口を設けるととも
   に、表側の生地の外表面に凹凸を形成してある床ずれ防
   止用マット。