JPH04125073U - 電動機駆動による抵抗溶接機の電極位置制御装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 適正な電極ストロ―クを維持させることによ
って、溶接速度の変化がないような電動機駆動による抵
抗溶接機の電極位置制御装置を提供しようとするもので
ある。 【構成】 電動機１によって駆動される抵抗溶接機であ
って、電動機の回転に連動するパルス発信器９が制御回
路中に配置されており、該発信器からのパルス数によっ
て電極４の位置が制御されるような電動機駆動による抵
抗溶接機の電極位置制御装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、直流もしくは交流の電動機により駆動される抵抗溶接機の電極の位 置を制御する装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、直流もしくは交流の電動機により駆動される抵抗溶接機の電極の位置を 制御する装置として、図２に示すようなものがある。

【０００３】 即ち、図２において、２１はシリンダ２２の後端に設置された電動機であり、 該電動機の回転軸２３にはねじが刻設されている。また、先端に電極２４が取付 けられ後端に前記回転軸２３のねじと螺合するナット２５を固定したロッド２６ は、前記シリンダ２２に回転不能で前後進可能に配設されている。２７は一端に 電極２８が取付けられ他端が前記シリンダ２２に固定された固定ア―ムである。

【０００４】 前記シリンダ２２にはロッド２６の後退位置を制限するリミットスイッチ２９ が設けられており、該リミットスイッチ２９により制御器３０が作動して前記電 動機２１を制御する。

【０００５】 ワ―ク３１に電極２８を当接させた状態で電動機２１を駆動し回転軸２３を回 転させると、ナット２５によってロッド２６は前進し電極２４がワ―ク３１に当 接し、溶接作業を行う。

【０００６】 溶接が終了すると電動機２１を駆動し回転軸２３を逆回転させることによりロ ッド２６は後退し、所望の位置にロッド２６が後退したときリミットスイッチ２ ９に当接し、それにより制御器３０が作動して電動機２１の駆動を停止させる。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】 ところで、抵抗溶接機における電極は、溶接するたびに加圧時の衝撃や高加圧 力下における電極自身の発熱もしくは高温になったワ―クからの熱伝導等により 摩耗もしくは変形をおこすものである。

【０００８】 このように電極が摩耗もしくは変形をおこす場合に上記のような従来技術のも のにおいては、ロッドの移動位置をリミットスイッチで制限しているため、両電 極が摩耗もしくは変形をおこして短くなるにしたがって両電極の開放時の間隔は 次第に大きくなる。

【０００９】 両電極の開放時の間隔が大きくなると、それだけワ―クの加圧操作に時間が掛 かることになり、溶接速度が落ちる、という問題がある。

【００１０】 本考案は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり 、その目的とするところは、適正な電極ストロ―クを維持させることによって、 溶接速度の変化がないような電動機駆動による抵抗溶接機の電極位置制御装置を 提供しようとするものである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案における電動機駆動による抵抗溶接機の電 極位置制御装置は、電動機の回転に連動するパルス発信器を制御回路中に配置し 、該発信器からのパルス数によって電極の位置を制御することを特徴とする、も のである。

【００１２】

【作用】

上記のように構成された制御装置であるので、開放時の両電極の間隔に見合っ たパルス数を予め制御器に設定しておき、溶接が終了して電動機の駆動により電 極が開放に向ったときに加圧点からパルスを計数し、前記設定パルスと一致した 時点で制御器により電動機の駆動を停止させる。

【００１３】

【実施例】

図１を参照してこの考案の実施例について説明をする。 図において、１はシリンダ２の後端に設置された電動機であり、該電動機の回 転軸３にはねじが刻設されている。また、先端に電極４が取付けられ後端に前記 回転軸３のねじと螺合するナット５を固定したロッド６は、前記シリンダ２に回 転不能で前後進可能に配設されている。７は一端に電極８が取付けられ他端が前 記シリンダ２に固定された固定ア―ムである。

【００１４】 前記電動機１には該電動機の回転に連動するパルス発信器９が設けられており 、該パルス発信器９からの信号により制御器１０が作動して前記電動機１を制御 する。

【００１５】 以上のような構成からなる制御装置であるので、ワ―ク１１に電極８を当接さ せた状態で電動機１を駆動し回転軸３を回転させると、ナット５によってロッド ６は前進し電極４がワ―ク１１に当接し、溶接作業を行う。

【００１６】 溶接が終了すると電動機１を駆動し回転軸３を逆回転させることによりロッド ６は後退する。この後退を開始する時点，即ち加圧時点から電動機の回転に連動 するパルスを計数する。制御器１０には開放時の両電極の間隔に見合ったパルス 数が予め設定してあるので、前記計数したパルスが設定パルスと一致した時点で 制御器１０により電動機１の駆動を停止させる。従って、電極４の後退は電動機 の回転に連動するパルスによって制御されることになる。

【００１７】 なお、上記の制御を溶接するたびに行っておけば、常に適正な電極ストロ―ク を維持することが可能であり、溶接速度も変化しない。そして、ワ―ク１１の板 厚が変わると開放時の電極間隔もその影響を受けるが、予め板厚がわかっていれ ば事前に設定パルス数を修正するとよい。

【００１８】

【考案の効果】 本考案は、電動機の回転に連動するパルス発信器からのパルス数によって電極 の位置を制御するので、常に適正な電極ストロ―クが維持されて溶接速度の変化 がないような電動機駆動による抵抗溶接機となる。

【００１９】 そして、従来技術のようなリミットスイッチ等を使用しないで済むので、シス テムがより単純化され、故障等の事故も少なくなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る電極位置制御装置を適用した電動
機駆動による抵抗溶接機の断面図である。

【図２】従来例の断面図である。

【符号の説明】

１ 電動機 ４ 電極 ９ パルス発信器 １０ 制御器

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電動機によって駆動される抵抗溶接機に
   おいて、電動機の回転に連動するパルス発信器を制御回
   路中に配置し、該発信器からのパルス数によって電極の
   位置を制御することを特徴とする電動機駆動による抵抗
   溶接機の電極位置制御装置。