JPH04124423A - 副燃焼室式断熱エンジン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、少なくとも副燃焼室及び主燃焼室が外部に対
して断熱されている副燃焼室式断熱エンジンに関する。

（従来の技術） 従来のエンジンでは、シリンダ内において燃料の燃焼に
より発生した熱エネルギの内の大半が、機械エネルギに
変換されることな（、排気ガス及び冷却水によって外部
へ排出されている。

該排出されるエネルギの内、排気ガスと共に排出される
ものは、ターボチャージャ等により回収し再生すること
ができるが、冷却水によって排出されるものは、車内暖
房の熱源程度にしか利用されず、殆どの部分は大気中へ
と放熱され、回収されていない。

そこで、燃焼室内壁を断熱材にて形成し、燃焼室内部か
ら外部へ伝達される熱エネルギ量を抑制し、冷却水によ
り失われていた熱エネルギを排気ガスと共に排出し、タ
ーボチャージャ等により回収される熱エネルギ量を増加
させることにより、エンジンの熱効率を向上させる断熱
エンジンの提案が多数されており、例えば特願昭６３−
１９５７１７号として既に出願されている。

（発明が解決しようとする課題） 燃焼室内壁を断熱材にて形成していない、従来のいわゆ
る冷却エンジンでは、燃料噴射ノズルから噴射された燃
料飛沫は液滴状態のまま燃焼室内の渦流中を移動し、燃
料は該移動中に液滴表面から徐々に蒸発しながら、燃料
蒸気は渦流内に均一に分散し混合される。

ところが、上記の燃焼室内壁を断熱材にて形成した断熱
エンジンでは、燃焼室内部温度は冷却エンジンの燃焼室
内温度より数百度も高温となるため、燃料噴射ノズルか
ら噴射された燃料は直ちに蒸発し気体となり、燃焼室内
を貫通する力を失い燃焼室内部の渦流速に支配される回
転流と同一速度の渦流の強制流内に分散し燃料と空気混
合を促す剪断力が発生せず、従って燃料蒸気が充分に拡
散せず、部分的に高濃度の混合気が生成されることにな
る。

更に、該不完全混合状態の混合気が主燃焼室に噴出する
際には、副燃焼室と主燃焼室とを連通する噴孔が絞りと
なり、かつ上記理由により副燃焼室内での燃焼が遅延し
圧力上昇速度が低くなるため、副燃焼室から主燃焼室へ
の噴出速度が低速となり、主燃焼室内圧力は急速に上昇
することがなく、いわゆる等容燃焼の比率が低下する。

従って、副燃焼室内温度は高温状態が継続され、また主
燃焼室での燃焼期間は延長される。

すると、エンジンの性能が低下するばかりでなく排気ガ
ス中に含有される有害物質の排出量も増加するという問
題がある。

本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、断熱エン
ジンの燃焼室内での燃料蒸気と空気との混合を良好に行
ない、かつ副燃焼室を含め燃焼室全体の温度を低温度に
抑制することのできる副燃焼室式断熱エンジンを提供し
ようとするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明によれば、内部に渦流が形成される副燃焼室を有
し、少なくとも該副燃焼室及び主燃焼室が外部に対して
断熱されている副燃焼室式断熱エンジンにおいて、燃焼
室のほぼ中央に配設された噴射ノズルを多噴孔とし外周
に向けられた噴霧の衝突部を平面としその衝突噴霧の反
射燃料が燃焼室外周に向かうような角度とした上記副燃
焼室の内周面の一部分に突設され上記渦流の回転軸と平
行な平面と、上記副燃焼室に設けられ上記平面に対し噴
射燃料を所定角度で衝突せしめ渦流の回転方向に沿って
反射分散させる燃料噴射ノズルと、ピストンのヘッド面
中央部に設けられ該ピストンの上死点付近にて上記副燃
焼室と主燃焼室との連通口である噴孔の開口面積を狭窄
する突起とを有することを特徴とする副燃焼室式断熱エ
ンジンを提供できる。

（作用） 本発明の副燃焼室式断熱エンジンでは、副燃焼室の内壁
に該副燃焼室の中心軸に対して所定角度傾斜している斜
面を設け、噴霧された燃料の飛沫を該斜面に衝突させ拡
散させる。そして、該衝突拡散が充分に行なわれるまで
、ピストンヘッド部に設けられた突起にて噴孔を閉鎖し
、不完全混合状態の混合気が主燃焼室側へ噴出すること
を防止する。更には、均一に混合された混合気が主燃焼
室へと噴出する際には、−気に噴孔を開放し絞り抵抗な
しに混合気を噴出させ、該混合気と主燃焼室内部の空気
との混合、すなわち二次混合を良好に行なうと共に、副
燃焼室内の圧力を急速に低下させ燃焼温度を抑制する。

（実施例） 以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。

第１図は、本発明によるエンジンの構造を示す断面図で
ある。

１はエンジンボディであり、該エンジンボディ１の内周
面にはセラミック等の断熱材からなるシリンダスリーブ
１１が配設されている。

尚、エンジンボディ１とシリンダスリーブ１１との間に
は空隙層が設けられ、断熱構造となっているため断熱性
はより向上されている。

該エンジンボディ１の上部には、主燃焼室１２と外部と
を連通ずる吸気管路及び排気管路には、各々吸気バルブ
２１及び排気バルブ２２が配されており、該吸気管路及
び排気管路と主燃焼室との間を開閉制御している。また
、排気管路の内周面はチタン酸アルミニウム等の断熱材
からなる排気ライナ２３にて被覆されており、該排気管
路を断熱している。

そして、該エンジンボディ１の上部には、更に上記シリ
ンダスリーブ１１と同様のセラミック材等により形成さ
れた副燃焼室３が設けられている。

尚、該副燃焼室３も上記シリンダスリーブ１１と同様に
断熱構造となっている。

そして、該副燃焼室３には該副燃焼室３内部に燃料を噴
射する燃料噴射ノズル３１が配設されている。

また、該副燃焼室３には上記主燃焼室１２と該副燃焼室
３とを連通する噴孔３２が設けられている。

該噴孔３２には上記シリンダスリーブ１１内を摺動する
ピストン４のピストンヘッド部に設けられた突起４１が
、該ピストン４の上死点近傍位置にて上記噴孔３２内部
に侵入し、該噴孔３２の開口部面積を狭窄する。

次に、上記副燃焼室３の詳細な構造について説明する。

第２図は、第１図におけるＸ−ｘ断面図を示している。

３３は該副燃焼室３を形成する隔壁であり、円筒形状に
形成されている。そして、該隔壁３３の円筒部内周面に
は４個の突起３４が突設されており、該突起３４の各々
には斜面３５が設けられている。該斜面３５の表面は炭
化珪素及び窒化珪素の少なくとも一方をＰＶＤ法もしく
はＣＶＤ法あるいはプラズマ溶射法にて被着させ、金属
酸化物の含有量がきわめて微量、例えば２％以下である
セラミックからなる被覆層にて被覆している。

上記のごとく斜面３５を金属酸化物を含有しないセラミ
ックからなる被覆層にて被覆することにより、該斜面３
５の燃料に対する濡れ性を低下させ、該斜面３５に燃料
が付着することを防止する。

該斜面３５は副燃焼室３の中心軸に対して所定角度傾斜
している。従って、Ｂに示す燃料噴射ノズル３１から噴
射された燃料は、斜面３５に衝突し反射され空気と燃料
との混合を一気に実現させ、Ｃに示すように隔壁３３の
内周に添った拡散流となり、Ａに示すスキッシュ流が形
成する渦流内に分散し混合気を形成する。

次に、上記構成によるエンジンの作動について説明する
。

第３図は、燃料噴射時における副燃焼室近傍部分の拡大
断面図である。

第４図は、上死点経過後約３０度位相角が進行した状態
を示す図である。

第５図は、更に位相角が進行した膨張行程途中状態を示
す図である。

圧縮行程の進行に伴ないピストン４が上昇すると、主燃
焼室１２内部の空気は噴孔３２を介して副燃焼室３へと
流入し副燃焼室３内部にて渦流を形成する。

ピストン４が更に上昇すると、第３図に示すごとく上死
点近傍位置にて突起４１が噴孔３２に進入し、該噴孔３
２の開口面積を狭窄し閉鎖する。

すると、副燃焼室３へ流入するスキッシュ流の流速は増
速され、Ｄに示すごとく副燃焼室３へと流入する。

該状態にて、燃料噴射ノズル３１から副燃焼室３の斜面
３５へと燃料が噴射される。該斜面３５に衝突した燃料
は内壁面に沿って反射し、高温状態にある斜面３５から
の熱伝達を受け、共に直ちに気化し副燃焼室３内にて燃
料蒸気と空気との混合が完了する。

該混合された混合気の一部は燃焼を開始するため、副燃
焼室３内部の圧力は上昇する。

すると、第４図に示すごとく混合気の残りの部分は、Ｅ
に示すように噴孔３２と突起４１との隙間から徐々に主
燃焼室１２へと噴出する。該噴出する混合気は主燃焼室
１２に残留している空気により燃焼し、主燃焼室１２各
部へと拡散する。

ピストン４が更に下降し、第５図に示すように突起４１
が噴孔３２から離脱すると、副燃焼室３内の未燃焼混合
気は該噴孔３２から主燃焼室１２へと一気に噴出する。

よって、燃焼の大部分は、初期においては濃混合気であ
る副燃焼室３内で、そして後期においては主燃焼室１２
内にて行われると共に、ピストン４は下降中であるため
主燃焼室１２の内部圧力は余り上昇せず、よって燃焼温
度を低温度に抑制することができる。

以上から明らかなように、本発明によるエンジンでは、
副燃焼室３という小空間にて燃料の衝突拡散により混合
気を生成し、壁面から伝達される熱エネルギにより混合
気の気化を促進し、また混合気が副燃焼室３内に滞留す
る時間を延長することにより均一な混合気を生成し、更
に主燃焼室１２への噴出を一気に行うことにより燃焼温
度を抑制し、かつ燃焼の大部分を主燃焼室１２内にて行
うという特徴を有している。

以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、本発
明の精神から逸れないかぎりで、種々の異なる実施例は
容易に構成できるから、本発明は前記特許請求の範囲に
おいて記載した限定以外、特定の実施例に制約されるも
のではない。

（発明の効果） 以上説明したように、本発明によれば、副燃焼室の内壁
に該副燃焼室の中心軸に対して所定角度傾斜している斜
面を設け、噴霧された燃料の飛沫を該斜面に衝突させ、
衝突拡散が充分に行なわれるまで、ピストンヘッド部に
設けられた突起にて噴孔を閉鎖し、不完全混合状態の混
合気が主燃焼室側へ噴出することを防止するので、均一
な混合気を生成することができる。

更には、均一に混合された混合気が主燃焼室へと噴出す
る際には、−気に噴孔を開放し絞り抵抗なしに混合気を
噴出させ、該混合気と主燃焼室内部の空気との混合、す
なわち二次混合を良好に行なうと共に、副燃焼室内の圧
力を急速に低下させ燃焼温度を抑制するので、窒素酸化
物等の発生を抑制することができる。

そして、燃焼の大部分が主燃焼室１２内にて行われるた
め、エンジン効率等の性能を向上させることができる。

尚、燃料が衝突する斜面３５の燃料に対する濡れ性を低
下させているので、該斜面３５に燃料が付着することが
なく衝突分散が良好に行われる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明によるエンジンの構造を示す断面図、
第２図は、第１図におけるＸ−ｘ断面図、第３図は、燃
料噴射時における副燃焼室近傍部分の拡大断面図、第４
図は、上死点経過後約３０度位相角が進行した状態を示
す図、第５図は、更に位相角が進行した膨張行程途中状
態を示す図である。 １・・・エンジンボディ、３・・・副燃焼室、４・・・
ピストン、 ３４・・・突起、 ３５・・・斜面。

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. （１）内部に渦流が形成される副燃焼室を有し、少なく
   とも該副燃焼室及び主燃焼室が外部に対して断熱されて
   いる副燃焼室式断熱エンジンにおいて、上記副燃焼室の
   内周面上に突設され該副燃焼室の略中心部に設けられた
   多噴孔ノズルの噴霧に対向すると共に上記渦流の回転軸
   と平行な平面と、上記副燃焼室に設けられ上記平面に対
   し噴射燃料を所定角度で衝突せしめ渦流の回転方向に反
   射分散させる突起面とを有することを特徴とする副燃焼
   室式断熱エンジン。
2. （２）上記平面の表面は金属酸化物含有量が所定値以下
   であるセラミックからなる被覆層にて被覆されてること
   を特徴とする請求項（１）記載の副燃焼室式断熱エンジ
   ン。
3. （３）上記被覆層はＰＶＤ法もしくはＣＶＤ法により被
   着された炭化珪素及び窒化珪素の少なくとも一方からな
   ることを特徴とする請求項（２）記載の衝突拡散エンジ
   ン。