JP2822606B2 - 燃料衝突拡散式エンジン - Google Patents
燃料衝突拡散式エンジンInfo
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ピストンに設けた突出部に噴射ノズルか
ら噴射される燃料を直接衝突させる燃料衝突拡散式エン
ジンに関する。
ら噴射される燃料を直接衝突させる燃料衝突拡散式エン
ジンに関する。
従来、エンジンの燃焼室としては、直接噴射式及び副
室式によって代表されている。
室式によって代表されている。
直接噴射式燃焼室は、燃料噴射ノズルより噴射された
燃料の噴射エネルギー及び燃焼室内に形成されるスワー
ル及びスキッシュ流によって燃料と空気との混合を達成
し、可燃性混合気を形成している。しかしながら、該直
接噴射式燃焼室は、スワール生成のため、吸気効率が低
下するという問題を有しており、また、燃料の噴霧微粒
化及び貫徹力をアップさせるため、燃料噴射ノズルを高
圧化、高噴射率化に構成しなければならず、構造が複雑
になるという問題を有している。
燃料の噴射エネルギー及び燃焼室内に形成されるスワー
ル及びスキッシュ流によって燃料と空気との混合を達成
し、可燃性混合気を形成している。しかしながら、該直
接噴射式燃焼室は、スワール生成のため、吸気効率が低
下するという問題を有しており、また、燃料の噴霧微粒
化及び貫徹力をアップさせるため、燃料噴射ノズルを高
圧化、高噴射率化に構成しなければならず、構造が複雑
になるという問題を有している。
また、副室式燃焼室は、副室内に形成される高スワー
ルによって燃料油滴と空気との混合を達成し、可燃性混
合気を形成している。該副室式燃焼室は、副室内に高ス
ワールを形成し、また主室と副室との総和の伝熱面積が
増大して熱損失が増加するという問題があり、更に、主
室と副室とを連通する連絡孔による絞り損失が増加する
という問題を有している。
ルによって燃料油滴と空気との混合を達成し、可燃性混
合気を形成している。該副室式燃焼室は、副室内に高ス
ワールを形成し、また主室と副室との総和の伝熱面積が
増大して熱損失が増加するという問題があり、更に、主
室と副室とを連通する連絡孔による絞り損失が増加する
という問題を有している。
そこで、上記問題点を解決するために、燃料の衝突噴
流を利用した直接噴射式衝突拡散層状給気式、いわゆ
る、OSKA式の燃焼室を持つエンジンが開示されている。
このOSKA式エンジンは、ピストンに形成した凹部即ちキ
ャビティの底部中央から突出する衝突部を設け、該衝突
部の周囲に凹状の燃焼室を形成し、燃料噴射ノズルから
噴射された液状燃料を衝突部に衝突させ、燃料噴流の衝
突部への衝突作用によって衝突面を起点として燃料の拡
散、微粒化等を達成し、燃料と空気との良好な混合を達
成させるものである。上記のような燃焼室を有するエン
ジンでは、燃料噴射ノズルの単孔ノズルから噴射された
燃料をピストンヘッドの衝突部の平らな衝突面に衝突さ
せて円盤状に拡散させ、次いでピストンの上昇によって
生じるスキッシュ流によって燃料をキャビティの下方に
押し込められながら、該燃料と空気とを混合して混合気
を形成するものである。
流を利用した直接噴射式衝突拡散層状給気式、いわゆ
る、OSKA式の燃焼室を持つエンジンが開示されている。
このOSKA式エンジンは、ピストンに形成した凹部即ちキ
ャビティの底部中央から突出する衝突部を設け、該衝突
部の周囲に凹状の燃焼室を形成し、燃料噴射ノズルから
噴射された液状燃料を衝突部に衝突させ、燃料噴流の衝
突部への衝突作用によって衝突面を起点として燃料の拡
散、微粒化等を達成し、燃料と空気との良好な混合を達
成させるものである。上記のような燃焼室を有するエン
ジンでは、燃料噴射ノズルの単孔ノズルから噴射された
燃料をピストンヘッドの衝突部の平らな衝突面に衝突さ
せて円盤状に拡散させ、次いでピストンの上昇によって
生じるスキッシュ流によって燃料をキャビティの下方に
押し込められながら、該燃料と空気とを混合して混合気
を形成するものである。
また、特開昭62−195408号公報には、燃料噴流の衝突
反射拡散によるディーゼルエンジンが開示されている。
該ディーゼルエンジンは、燃料噴射ノズルの噴孔を起点
とし、燃料噴流がキャビティ内の噴流衝突面に達する間
を第1期とし、衝突面による偏向された燃料部がキャビ
ティ壁面に到達する間を第2期とし、更に壁面に達した
燃料が蒸発気化する間を第3期とし、各期間の燃焼反応
を起生せしめるものであり、ノズルよりの燃料噴流をキ
ャビティ内の衝突面に衝突させ、衝突反作用によって任
意の方向に燃料の拡散分布をなし得るように衝突面形状
を多角面形状に構成したものである。
反射拡散によるディーゼルエンジンが開示されている。
該ディーゼルエンジンは、燃料噴射ノズルの噴孔を起点
とし、燃料噴流がキャビティ内の噴流衝突面に達する間
を第1期とし、衝突面による偏向された燃料部がキャビ
ティ壁面に到達する間を第2期とし、更に壁面に達した
燃料が蒸発気化する間を第3期とし、各期間の燃焼反応
を起生せしめるものであり、ノズルよりの燃料噴流をキ
ャビティ内の衝突面に衝突させ、衝突反作用によって任
意の方向に燃料の拡散分布をなし得るように衝突面形状
を多角面形状に構成したものである。
更に、特開昭62−240419号公報には、直噴式ディーゼ
ルエンジンが開示されている。該直噴式ディーゼルエン
ジンは、ピストン頂面に形成したキャビティの内周壁面
に液状燃料を付着するように燃料噴射弁からの燃料噴射
を圧縮着火が行われる以前に完了させたものである。キ
ャビティの内周壁面の燃料衝突壁は、平坦な円形中央
部、該円形中央部の中心に形成されたほぼ円錐状の突
起、及び前記円形中央部から放射状に延びる傾斜面を備
えている。
ルエンジンが開示されている。該直噴式ディーゼルエン
ジンは、ピストン頂面に形成したキャビティの内周壁面
に液状燃料を付着するように燃料噴射弁からの燃料噴射
を圧縮着火が行われる以前に完了させたものである。キ
ャビティの内周壁面の燃料衝突壁は、平坦な円形中央
部、該円形中央部の中心に形成されたほぼ円錐状の突
起、及び前記円形中央部から放射状に延びる傾斜面を備
えている。
ところで、上記OSKA型の燃焼室を備えたピストンを用
いた燃料衝突拡散式エンジンは、単孔ノズルから噴射さ
れた燃料を衝突させる衝突面はピストンヘッドの平らな
衝突面であり、燃料が該衝突面に衝突して円盤状に拡散
するが、ピストンの上昇行程によって燃焼室内へのスキ
ッシュ流が発生し、該スキッシュ流によって薄膜円盤状
の燃料と空気と良好な混合気を生成して燃焼状態を良好
にするものである。しかしながら、上記燃料衝突拡散式
エンジンは、燃焼室は副室式の燃焼ではなく、直接噴射
式で燃料を燃焼させるものであり、NOxの発生を抑制す
るには問題を有しているものである。
いた燃料衝突拡散式エンジンは、単孔ノズルから噴射さ
れた燃料を衝突させる衝突面はピストンヘッドの平らな
衝突面であり、燃料が該衝突面に衝突して円盤状に拡散
するが、ピストンの上昇行程によって燃焼室内へのスキ
ッシュ流が発生し、該スキッシュ流によって薄膜円盤状
の燃料と空気と良好な混合気を生成して燃焼状態を良好
にするものである。しかしながら、上記燃料衝突拡散式
エンジンは、燃焼室は副室式の燃焼ではなく、直接噴射
式で燃料を燃焼させるものであり、NOxの発生を抑制す
るには問題を有しているものである。
また、前掲特開昭62−195408号公報に開示された燃料
噴流の衝突反射拡散によるディーゼルエンジン及び特開
昭62−240419号公報に開示された直噴式ディーゼルエン
ジンについても、上記公報に開示されたものと同様に、
副室式燃焼室を採用してNOxの発生を抑制するという対
策は講じられたものではない。しかも、副室での燃料噴
射を良好にするための衝突面の形状を考慮しているもの
ではない。
噴流の衝突反射拡散によるディーゼルエンジン及び特開
昭62−240419号公報に開示された直噴式ディーゼルエン
ジンについても、上記公報に開示されたものと同様に、
副室式燃焼室を採用してNOxの発生を抑制するという対
策は講じられたものではない。しかも、副室での燃料噴
射を良好にするための衝突面の形状を考慮しているもの
ではない。
この発明の目的は、上記の課題を解決することであ
り、シリンダヘッドに副室を形成し、ピストンヘッドに
頂面から上方に突出する突出部を設け、該突出部の頂面
を凹状衝突面に形成すると共に、該衝突面に対して液状
燃料を噴射する燃料噴射ノズルを副室に配置し、副室に
突入した衝突面に燃料噴射ノズルから燃料を噴射し、そ
の噴射した液状燃料を衝突させて、円盤状に均一に拡散
させ、該円盤状燃料フィルムに副室へ流入するスキッシ
ュ流と交差させて良好な混合気を生成して着火燃焼させ
る燃料衝突拡散式エンジンを提供することである。
り、シリンダヘッドに副室を形成し、ピストンヘッドに
頂面から上方に突出する突出部を設け、該突出部の頂面
を凹状衝突面に形成すると共に、該衝突面に対して液状
燃料を噴射する燃料噴射ノズルを副室に配置し、副室に
突入した衝突面に燃料噴射ノズルから燃料を噴射し、そ
の噴射した液状燃料を衝突させて、円盤状に均一に拡散
させ、該円盤状燃料フィルムに副室へ流入するスキッシ
ュ流と交差させて良好な混合気を生成して着火燃焼させ
る燃料衝突拡散式エンジンを提供することである。
この発明は、上記目的を達成するため、次のように構
成されている。即ち、この発明は、シリンダヘッドに形
成した副室、該副室を主室に連通する前記シリンダヘッ
ドに形成した連絡孔、ピストンヘッドの頂面から突出し
且つピストン上死点付近で前記連絡孔を通って前記副室
に突入して前記連絡孔を環状通路に形成する凹状衝突面
を備えた突出部、及び前記衝突面に液状燃料を噴射する
噴口を前記副室に開口する燃料噴射ノズル、を有する燃
料衝突拡散式エンジンに関する。
成されている。即ち、この発明は、シリンダヘッドに形
成した副室、該副室を主室に連通する前記シリンダヘッ
ドに形成した連絡孔、ピストンヘッドの頂面から突出し
且つピストン上死点付近で前記連絡孔を通って前記副室
に突入して前記連絡孔を環状通路に形成する凹状衝突面
を備えた突出部、及び前記衝突面に液状燃料を噴射する
噴口を前記副室に開口する燃料噴射ノズル、を有する燃
料衝突拡散式エンジンに関する。
更に、この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、前記副
室の容積をピストン上死点における圧縮端全容積の60%
以下に構成したものである。
室の容積をピストン上死点における圧縮端全容積の60%
以下に構成したものである。
また、この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、前記突
出部は可及的に短く形成され、前記副室から前記主室へ
噴出する二次混合時には、前記連絡孔は直ちに開口部面
積が増大して上死点後小さいクランク角内で火炎は前記
主室へ吹き出して拡散するものである。
出部は可及的に短く形成され、前記副室から前記主室へ
噴出する二次混合時には、前記連絡孔は直ちに開口部面
積が増大して上死点後小さいクランク角内で火炎は前記
主室へ吹き出して拡散するものである。
この発明による燃料衝突拡散式エンジンは、上記のよ
うに構成され、次のように作用する。即ち、この燃料衝
突拡散式エンジンは、ピストンヘッドの頂面から突出し
た凹状衝突面を備えた突出部を、ピストン上死点付近で
連絡孔を通って副室に突入させ、その状態で前記連絡孔
を環状通路に形成するので、該環状通路は実質的に副室
の連絡孔即ち開口部を形成することになる。その状態で
燃料噴射ノズルから副室に突入した凹状衝突面に液状燃
料を噴射するので、液状燃料は凹状衝突面に沿って円錐
状フィルムとなって副室内に拡散し、該円錐状フィルム
の燃料と主室から副室へのスキッシュ流の空気とは良好
な混合気を生成することができる。
うに構成され、次のように作用する。即ち、この燃料衝
突拡散式エンジンは、ピストンヘッドの頂面から突出し
た凹状衝突面を備えた突出部を、ピストン上死点付近で
連絡孔を通って副室に突入させ、その状態で前記連絡孔
を環状通路に形成するので、該環状通路は実質的に副室
の連絡孔即ち開口部を形成することになる。その状態で
燃料噴射ノズルから副室に突入した凹状衝突面に液状燃
料を噴射するので、液状燃料は凹状衝突面に沿って円錐
状フィルムとなって副室内に拡散し、該円錐状フィルム
の燃料と主室から副室へのスキッシュ流の空気とは良好
な混合気を生成することができる。
特に、衝突面を凹状に形成することによって、衝突面
に衝突した噴流は副室の内部側へと円錐状燃料フィルム
となって噴霧される。従って、ピストンに設ける突出部
の長さを短くすることができ、ピストンの頂面を形状上
好ましい面に形成することができる。また、突出部の長
さを可及的に短く構成できることによって、該突出部は
上死点後直ちに連絡孔から下方へはなれるので、連絡孔
の開口部面積が直ちに大きくなり、副室から主室への火
炎の吹き出しを、上死点後、小さいクランク角内で発生
させることができる。小さいクランク角での吹き出し
は、燃料当量比を急激に低下させると共に、燃焼温度を
低下させNOxの発生を抑制でき、エンジン性能の劣化を
防止することができる。しかも、副室へスキッシュ流で
流入する空気と円盤フィルム状の燃料との良好な混合を
実現して、副室で燃料リッチで主たる燃焼をさせて、NO
xの発生を抑制することができる。
に衝突した噴流は副室の内部側へと円錐状燃料フィルム
となって噴霧される。従って、ピストンに設ける突出部
の長さを短くすることができ、ピストンの頂面を形状上
好ましい面に形成することができる。また、突出部の長
さを可及的に短く構成できることによって、該突出部は
上死点後直ちに連絡孔から下方へはなれるので、連絡孔
の開口部面積が直ちに大きくなり、副室から主室への火
炎の吹き出しを、上死点後、小さいクランク角内で発生
させることができる。小さいクランク角での吹き出し
は、燃料当量比を急激に低下させると共に、燃焼温度を
低下させNOxの発生を抑制でき、エンジン性能の劣化を
防止することができる。しかも、副室へスキッシュ流で
流入する空気と円盤フィルム状の燃料との良好な混合を
実現して、副室で燃料リッチで主たる燃焼をさせて、NO
xの発生を抑制することができる。
以下、図面を参照して、この発明による燃料衝突拡散
式エンジンの実施例を説明する。
式エンジンの実施例を説明する。
第1図はこの発明による燃料衝突拡散式エンジンを示
す概略図である。
す概略図である。
第1図に示すように、この燃料衝突拡散式エンジン
は、シリンダブロック9、該シリンダブロック9に固定
された吸気ポート6及び排気ポート7を備えたシリンダ
ヘッド3、シリンダヘッド3に形成した副室2、シリン
ダブロック9に形成したシリンダ14内を往復運動するピ
ストン15、並びにシリンダヘッド3の下面部、シリンダ
14及びピストン15のピストンヘッド部13で構成される主
室1を有している。吸気ポート6には吸気弁16が配置さ
れ、また、排気ポート7には排気弁17が配置されてい
る。
は、シリンダブロック9、該シリンダブロック9に固定
された吸気ポート6及び排気ポート7を備えたシリンダ
ヘッド3、シリンダヘッド3に形成した副室2、シリン
ダブロック9に形成したシリンダ14内を往復運動するピ
ストン15、並びにシリンダヘッド3の下面部、シリンダ
14及びピストン15のピストンヘッド部13で構成される主
室1を有している。吸気ポート6には吸気弁16が配置さ
れ、また、排気ポート7には排気弁17が配置されてい
る。
この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、ピストン15
は、例えば、アルミニウム等の金属材料から成り、ピス
トン15のピストンヘッド部13には副室2に突入可能な突
出部5が形成されている。また、シリンダヘッド3に形
成した副室2は、シリンダヘッド下面に形成された絞り
部分8に形成した開口部即ち連絡孔10を通じてシリンダ
側の主室1に連通している。この燃料衝突拡散式エンジ
ンにおいて、副室2の容積はピストン上死点における圧
縮端全容積の60%以下、特に40%〜60%に構成すること
によって、良好な副室式燃焼を行うことができる。
は、例えば、アルミニウム等の金属材料から成り、ピス
トン15のピストンヘッド部13には副室2に突入可能な突
出部5が形成されている。また、シリンダヘッド3に形
成した副室2は、シリンダヘッド下面に形成された絞り
部分8に形成した開口部即ち連絡孔10を通じてシリンダ
側の主室1に連通している。この燃料衝突拡散式エンジ
ンにおいて、副室2の容積はピストン上死点における圧
縮端全容積の60%以下、特に40%〜60%に構成すること
によって、良好な副室式燃焼を行うことができる。
また、この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、ピスト
ンヘッド部13の突出部5は、例えば、ピストン上死点付
近の位置で副室2内に突入するように構成され、その長
さは可及的に短く形成されている。シリンダヘッド3に
形成した副室2の中央部位には、連絡孔10の方向に燃料
を噴射するように噴口11を開口して燃料噴射ノズル4が
配置されている。また、燃料噴射ノズル4は、ピストン
ノズル等の単孔ノズルから成り、ピストンヘッド3の副
室2内に噴口11を開口した状態に取付けられ、しかも、
燃料噴射ノズル4の噴口11から噴射された燃料が液状で
突出部5の衝突面12の中央部に衝突するように構成され
ている。
ンヘッド部13の突出部5は、例えば、ピストン上死点付
近の位置で副室2内に突入するように構成され、その長
さは可及的に短く形成されている。シリンダヘッド3に
形成した副室2の中央部位には、連絡孔10の方向に燃料
を噴射するように噴口11を開口して燃料噴射ノズル4が
配置されている。また、燃料噴射ノズル4は、ピストン
ノズル等の単孔ノズルから成り、ピストンヘッド3の副
室2内に噴口11を開口した状態に取付けられ、しかも、
燃料噴射ノズル4の噴口11から噴射された燃料が液状で
突出部5の衝突面12の中央部に衝突するように構成され
ている。
この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、ピストンヘッ
ド部13に形成した突出部5の頂面は凹み面に形成され、
該凹み面は燃料噴射ノズル4から噴射される液状燃料を
衝突させる凹状衝突面12を形成している。この突出部5
は、ピストン15の上死点付近で絞り部分8に形成した連
絡孔10から副室2に突入可能に構成されている。
ド部13に形成した突出部5の頂面は凹み面に形成され、
該凹み面は燃料噴射ノズル4から噴射される液状燃料を
衝突させる凹状衝突面12を形成している。この突出部5
は、ピストン15の上死点付近で絞り部分8に形成した連
絡孔10から副室2に突入可能に構成されている。
特に、突出部5の衝突面12を凹状に形成することによ
って、衝突面12に衝突した噴流は副室2の内部側へと円
錐状燃料フィルムとなって噴霧される。従って、ピスト
ン15に設ける突出部5の長さを短く形成しても十分に副
室2内に燃料を噴霧できる。しかも、突出部5を短く形
成することによって爆発行程でピストン15の下向きの移
動に応じて連絡孔10の開口部面積を直ちに大きくでき、
副室2から主室1への火炎の吹き出しを、上死点後、小
さいクランク角内で発生させることができる。小さいク
ランク角での火炎の吹き出しは、エンジン性能の劣化を
防止することができる。しかも、副室2へスキッシュ流
で流入する空気と円錐状燃料フィルムとの良好な混合を
実現して、副室2で燃料リッチで主たる燃焼をさせて、
NOxの発生を抑制することができる。
って、衝突面12に衝突した噴流は副室2の内部側へと円
錐状燃料フィルムとなって噴霧される。従って、ピスト
ン15に設ける突出部5の長さを短く形成しても十分に副
室2内に燃料を噴霧できる。しかも、突出部5を短く形
成することによって爆発行程でピストン15の下向きの移
動に応じて連絡孔10の開口部面積を直ちに大きくでき、
副室2から主室1への火炎の吹き出しを、上死点後、小
さいクランク角内で発生させることができる。小さいク
ランク角での火炎の吹き出しは、エンジン性能の劣化を
防止することができる。しかも、副室2へスキッシュ流
で流入する空気と円錐状燃料フィルムとの良好な混合を
実現して、副室2で燃料リッチで主たる燃焼をさせて、
NOxの発生を抑制することができる。
なお、この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、主室1
と副室2とを連通する連絡孔10を形成する絞り部分8の
シリンダヘッド3は、図示していないが、耐熱性に富ん
だ窒化珪素(Si3N4)等のセラミック材料或いは耐熱金
属材料から製作することが好ましい。また、図示してい
ないが、ピストンヘッド部13及び突出部5は、一体構造
に構成でき、例えば、耐熱性に富んだ窒化珪素(Si
3N4)等のセラミックスから製作できるものである。
と副室2とを連通する連絡孔10を形成する絞り部分8の
シリンダヘッド3は、図示していないが、耐熱性に富ん
だ窒化珪素(Si3N4)等のセラミック材料或いは耐熱金
属材料から製作することが好ましい。また、図示してい
ないが、ピストンヘッド部13及び突出部5は、一体構造
に構成でき、例えば、耐熱性に富んだ窒化珪素(Si
3N4)等のセラミックスから製作できるものである。
この燃料衝突拡散式エンジンにおいて、ピストン15の
上昇によって発生する副室2へのスキッシュ流は、矢印
のように、副室2に流入する。ピストン15が上昇して突
出部5が副室2内に、例えば、ピストン上死点±30゜の
位置で突入し、上死点近傍で燃料噴射ノズル4から燃料
が噴射された場合には、燃料噴射ノズル4の噴口11から
噴射された液状燃料は、突出部5の凹状突出面12に衝突
し、凹状表面に沿って円錐状燃料フィルムを形成して副
室2へ拡散する。そこで、副室2への空気のスキッシュ
流と円錐状燃料フィルムとは、直交状態に交差し、空気
と燃料の混合が促進され、次いで着火燃焼する。
上昇によって発生する副室2へのスキッシュ流は、矢印
のように、副室2に流入する。ピストン15が上昇して突
出部5が副室2内に、例えば、ピストン上死点±30゜の
位置で突入し、上死点近傍で燃料噴射ノズル4から燃料
が噴射された場合には、燃料噴射ノズル4の噴口11から
噴射された液状燃料は、突出部5の凹状突出面12に衝突
し、凹状表面に沿って円錐状燃料フィルムを形成して副
室2へ拡散する。そこで、副室2への空気のスキッシュ
流と円錐状燃料フィルムとは、直交状態に交差し、空気
と燃料の混合が促進され、次いで着火燃焼する。
それ故、この燃料衝突拡散式エンジンは、燃料の衝突
によって燃料をフィルム状に拡散させるOSKA式燃焼と共
に、副室式燃焼を行うようになり、両者の効果を兼ね備
えるエンジンを構成することができる。
によって燃料をフィルム状に拡散させるOSKA式燃焼と共
に、副室式燃焼を行うようになり、両者の効果を兼ね備
えるエンジンを構成することができる。
この発明による燃料衝突拡散式エンジンは、上記のよ
うに構成されており、次のような効果を有する。即ち、
この燃料衝突拡散式エンジンは、シリンダヘッドに形成
した副室、該副室を主室に連通する前記シリンダヘッド
に形成した連絡孔、ピストンヘッドの頂面から突出し且
つピストン上死点付近で前記連絡孔を通って前記副室に
突入して前記連絡孔を環状通路に形成する凹状衝突面を
備えた突出部、及び前記衝突面に液状燃料を噴射する噴
口を前記副室に開口する燃料噴射ノズルを有するので、
該環状通路は実質的に前記副室の連絡孔即ち開口部を構
成することになる。その状態で、前記燃料噴射ノズルか
ら前記副室へ突入した状態の前記凹状衝突面に液状変料
を噴射するので、液状燃料は前記凹状衝突面に沿って円
錐状フィルムとなって前記副室内に拡散し、該円錐状フ
ィルムの燃料と前記主室から前記副室へのスキッシュ流
の空気とは良好な混合気を生成することができる。
うに構成されており、次のような効果を有する。即ち、
この燃料衝突拡散式エンジンは、シリンダヘッドに形成
した副室、該副室を主室に連通する前記シリンダヘッド
に形成した連絡孔、ピストンヘッドの頂面から突出し且
つピストン上死点付近で前記連絡孔を通って前記副室に
突入して前記連絡孔を環状通路に形成する凹状衝突面を
備えた突出部、及び前記衝突面に液状燃料を噴射する噴
口を前記副室に開口する燃料噴射ノズルを有するので、
該環状通路は実質的に前記副室の連絡孔即ち開口部を構
成することになる。その状態で、前記燃料噴射ノズルか
ら前記副室へ突入した状態の前記凹状衝突面に液状変料
を噴射するので、液状燃料は前記凹状衝突面に沿って円
錐状フィルムとなって前記副室内に拡散し、該円錐状フ
ィルムの燃料と前記主室から前記副室へのスキッシュ流
の空気とは良好な混合気を生成することができる。
特に、衝突面を凹状に形成することによって、衝突面
に衝突した噴流は前記副室の内部側へと円錐状燃料フィ
ルムとなって噴霧される。従って、ピストンに設ける前
記突出部の長さを短くすることができる。前記突出部を
短く形成すると、ピストンの上死点後、ピストンの下降
によって前記連絡孔から前記突出部が直ちに離れるの
で、前記連絡孔の開口部面積は直ちに大きくなり、火炎
の吹き出し易い状態になる。即ち、ピストンの頂面を形
状上好ましい面に形成することができると共に、前記副
室から前記主室への火炎の吹き出しを、上死点後、小さ
いクランク角内で発生させることができる。小さいクラ
ンク角での吹き出しは、燃料当量比を急激に低下させる
と共に、燃焼温度を低下させ、前記主室での二次燃焼
は、NOxの発生領域を直ちにクリヤーしてNOxの発生を抑
制し、エンジン性能の劣化を防止することができる。し
かも、前記副室へスキッシュ流で流入する空気と円盤フ
ィルム状の燃料との良好な混合を実現して、前記副室で
燃料リッチで主たる燃焼をさせるので、NOxの発生を抑
制することができる。
に衝突した噴流は前記副室の内部側へと円錐状燃料フィ
ルムとなって噴霧される。従って、ピストンに設ける前
記突出部の長さを短くすることができる。前記突出部を
短く形成すると、ピストンの上死点後、ピストンの下降
によって前記連絡孔から前記突出部が直ちに離れるの
で、前記連絡孔の開口部面積は直ちに大きくなり、火炎
の吹き出し易い状態になる。即ち、ピストンの頂面を形
状上好ましい面に形成することができると共に、前記副
室から前記主室への火炎の吹き出しを、上死点後、小さ
いクランク角内で発生させることができる。小さいクラ
ンク角での吹き出しは、燃料当量比を急激に低下させる
と共に、燃焼温度を低下させ、前記主室での二次燃焼
は、NOxの発生領域を直ちにクリヤーしてNOxの発生を抑
制し、エンジン性能の劣化を防止することができる。し
かも、前記副室へスキッシュ流で流入する空気と円盤フ
ィルム状の燃料との良好な混合を実現して、前記副室で
燃料リッチで主たる燃焼をさせるので、NOxの発生を抑
制することができる。
また、この燃料衝突拡散式エンジンは、前記副室の容
積をピストン上死点における圧縮端全容積の60%以下に
構成したので、最も好ましい副室式燃焼を行わせること
ができ、NOxの発生を抑制できる。
積をピストン上死点における圧縮端全容積の60%以下に
構成したので、最も好ましい副室式燃焼を行わせること
ができ、NOxの発生を抑制できる。
更に、この燃料衝突拡散式エンジンについては、燃料
を前記副室で燃焼させるように前記突出部の前記衝突面
が前記副室に位置する時即ち上死点近傍で噴射し、前記
突出部の前記衝突面に噴射された液状燃料は前記衝突面
に沿って半径方向外向きに拡散して常に良好な円錐状燃
料薄膜を形成し、該円錐状燃料薄膜は前記副室へのスキ
ッシュ流と交差して空気と燃料の良好な混合を実現し、
確実に前記副室内で燃料リッチで燃焼し、NOxの発生を
抑制すると共に、燃焼効率の向上を図ることができる。
を前記副室で燃焼させるように前記突出部の前記衝突面
が前記副室に位置する時即ち上死点近傍で噴射し、前記
突出部の前記衝突面に噴射された液状燃料は前記衝突面
に沿って半径方向外向きに拡散して常に良好な円錐状燃
料薄膜を形成し、該円錐状燃料薄膜は前記副室へのスキ
ッシュ流と交差して空気と燃料の良好な混合を実現し、
確実に前記副室内で燃料リッチで燃焼し、NOxの発生を
抑制すると共に、燃焼効率の向上を図ることができる。
第1図はこの発明による燃料衝突拡散式エンジンの一実
施例を示す説明図である。 1……主室、2……副室、3……シリンダヘッド、4…
…燃料噴射ノズル、5……突出部、8……絞り部分、10
……連絡孔、11……噴口、12……凹状衝突面、13……ピ
ストンヘッド部、15……ピストン。
施例を示す説明図である。 1……主室、2……副室、3……シリンダヘッド、4…
…燃料噴射ノズル、5……突出部、8……絞り部分、10
……連絡孔、11……噴口、12……凹状衝突面、13……ピ
ストンヘッド部、15……ピストン。
フロントページの続き (72)発明者 関山 恵夫 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内 (72)発明者 佐々木 洋士 神奈川県藤沢市土棚8番地 株式会社い すゞセラミックス研究所内 (56)参考文献 特開 昭47−11401(JP,A) 特開 昭56−32034(JP,A) 特開 昭46−5001(JP,A) 特公 昭45−11641(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02B 1/00 - 23/10
Claims (3)
- 【請求項1】シリンダヘッドに形成した副室、該副室を
主室に連通する前記シリンダヘッドに形成した連絡孔、
ピストンヘッドの頂面から突出し且つピストン上死点付
近で前記連絡孔を通って前記副室に突入して前記連絡孔
を環状通路に形成する凹状衝突面を備えた突出部、及び
前記衝突面に液状燃料を噴射する噴口を前記副室に開口
する燃料噴射ノズル、を有する燃料衝突拡散式エンジ
ン。 - 【請求項2】前記副室の容積をピストン上死点における
圧縮端全容積の60%以下に構成した請求項1に記載の燃
料衝突拡散式エンジン。 - 【請求項3】前記突出部は可及的に短く形成され、前記
副室から前記主室へ噴出する二次混合時には、前記連絡
孔は直ちに開口部面積が増大して上死点後小さいクラン
ク角内で火炎は前記主室へ吹き出して拡散する請求項1
に記載の燃料衝突拡散式エンジン。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13982290A JP2822606B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 燃料衝突拡散式エンジン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13982290A JP2822606B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 燃料衝突拡散式エンジン |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0436017A JPH0436017A (ja) | 1992-02-06 |
JP2822606B2 true JP2822606B2 (ja) | 1998-11-11 |
Family
ID=15254280
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13982290A Expired - Lifetime JP2822606B2 (ja) | 1990-05-31 | 1990-05-31 | 燃料衝突拡散式エンジン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2822606B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2819055B2 (ja) * | 1990-07-07 | 1998-10-30 | 株式会社いすゞセラミックス研究所 | 副燃焼室式断熱エンジン |
-
1990
- 1990-05-31 JP JP13982290A patent/JP2822606B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0436017A (ja) | 1992-02-06 |
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