JPH04124413U - 振動ジヤイロ及びその支持装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各構成部材の材料の違いによる特性バラツキ
を軽減し、組み立て性の向上を図ること。 【構成】 振動子１は第１、第２のアーム部２、３と、
このアーム部２、３に一体的に連結されたベース部４と
から構成されている。ベース部４には支持アーム５が一
体的に形成され、その延長部にはおもり部６が一体的に
形成されている。尚、振動子１、支持アーム５、おもり
部６は同一材料から一体的に形成されている。これらの
振動ジャイロはおもり部６を取付部材７に緩衝材８を介
して支持されている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、振動シャイロ及びその支持装置に関し、特に音叉型振動子を取付部 材に固定した際の振動漏れを軽減可能な振動子取付構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、この種振動ジャイロは、例えば図４に示すように、エリンバなどの金 属部材よりなる第１、第２のアーム部Ａ，Ｂをベース部ＣにてＵ字状となるよう に一体的に連結した振動子Ｄと、ベース部Ｃの中央部分に固定した支持部材Ｅと 、第１、第２のアーム部Ａ，Ｂのそれぞれ異なった面に固定された駆動用、検出 用圧電素子とから構成されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする問題点】

この構成において、駆動用圧電素子に所定周波数の電圧を印加すると、第１、 第２のアーム部Ａ，Ｂは紙面に平行な方向に振動する。この状態で振動子Ｄに回 転が加わると、第１、第２のアーム部Ａ，Ｂの振動方向に対して直角の方向にコ リオリ力が作用する。このコリオリ力に対応する電圧が検出用圧電素子より検出 される。従って、この検出電圧を利用することによって、回転角を比較的容易に 測定することができる。 しかしながら、この振動ジャイロにおいて、支持部材Ｅは振動子Ｄのベース部 Ｃの背面中央部に形成した孔に挿入ないし溶接して固定されている関係で、組み 立てが面倒であるのみならず、量産性にも欠けるという問題がある。 その上、支持部材Ｅと材料ロットが異なることが多い上、溶接バラツキなどの ために、振動漏れが生じ、精度のよい回転角の測定を行なうことができないとい う問題もある。 それ故に、本考案の目的は、簡単な構成によって、組み立て性に優れ、かつ動 作時の振動漏れを効果的に減少できる振動ジャイロ及びその支持装置を提供する ことにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

従って、本考案は、上述の目的を達成するために、第１、第２のアーム部の一 端をベース部にて一体的に連結した振動子と、ベース部に一体的に形成した支持 アームと、支持アームの延長部に一体的に形成したおもり部とを具備したもので あり、振動子、支持アーム、おもり部が同一部材にて一体的に形成されたもので あり、さらには振動子のおもり部を取付部材に、両者間に緩衝材を介して支持し たものである。

【０００５】

【作用】

この構成によれば、振動子、支持アーム、おもり部が同一部材にて一体的に形 成されているので、組み立て性を効果的に改善できる。その上、振動漏れに起因 する測定精度の低下を防止できる。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の一実施例について１図を参照して説明する。 図において、１は例えばエリンバなどの金属にて形成された振動子であって、 例えば角柱上の第１のアーム部２、第２のアーム部３の一端をベース部４にてほ ぼＵ字状となるように一体的に連結して構成されている。 一方、第１、第２のアーム部２、３の同一投影面における外側面には第１、第 ２のアーム部２、３を振動させるための駆動用圧電素子（図示せず）が固定され ている。又、その駆動用圧電素子の固定されている面に隣接する面にはコリオリ 力を検出するための検出用圧電素子（図示せず）が固定されている。 又、ベース部背面部４ａには振動子１と同一材料よりなる支持アーム５が一体 的に形成されている。この支持アーム５の延長部には体積の大きい同一材料より なるおもり部６が一体的に形成されている。 尚、振動子１、支持アーム５、おもり部６は同一材料から一体的に形成されて いる。 この振動子１のおもり部６は取付部材７の孔に挿入され、両者間にはシリコン ゴムなどの緩衝材８を介して支持されている。

【０００７】 この構成において、駆動用圧電素子に所定の交流電圧を印加すると、第１、第 ２のアーム部２、３はそれを含む面に平行な面内で振動する。この状態において 、振動子１に回転力が加わると、上述の面に直角な方向にコリオリ力が作用し、 検出用圧電素子には、コリオリ力に対応する電圧が発生する。この検出電圧によ り、回転角を測定することができる。 ところで、１図に示す振動ジャイロに関し、有限要素法による振動シュミレー ションを行なった処、支持アーム５、おもり部６は図３に示すように、振動漏れ が小さいことが明らかである。 然るに、本考案では振動子１、支持アーム５、おもり部６が一体的に形成され ているので、組み立て上のバラツキによる振動漏れが少ない上、取付部材７に緩 衝材８を介して支持される関係で一層振動漏れを軽減でき、精度のよい回転角の 測定が可能となる。

【０００８】 図２は本考案の他の実施例を示すものであって、支持アーム５は第１、第２の アーム部２、３側のベース部４に一体的に形成されている。それの延長部にはお もり部６が一体的に形成されている。おもり部６の端面は取付部材７１に緩衝材 ８を介して支持されている。 尚、本考案は何ら上記実施例にのみ制約されることなく、例えば振動子は四角 柱の他、偏平上に構成することもできるし、コリオリ力の検出部を各アーム部端 に延長形成することもできる。又、おもり部は支持アームに比し外部面積が広い ことが望ましい。さらにはおもり部と取付部材との間に緩衝材を介在させる他、 ネジなどによる取付を併用することもできる。

【０００９】

【考案の効果】

以上のように、本考案によれば、振動子、支持アーム、おもり部が同一部材に て一体的に形成されているので、第１、第２のアーム部が振動しても、おもり部 から取付部材への振動漏れが少なく、回転角の測定精度を改善できる。 しかも、振動子、支持アーム、おもり部は同一材料からの切り出しなどによっ て一体的に形成されるので、生産性はもとより組み立て性も改善できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を示す斜視図である。

【図２】本考案の他の実施例を示す。

【図３】限定要素法を利用した振動のシュミレーション
図である。

【図４】従来例の斜視図である。

【符号の説明】

１ 振動子 ２、３ 第１、第２のアーム部 ４ ベース部 ５ 支持アーム ６ おもり部 ７、７１ 取付部材 ８ 緩衝材

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 第１、第２のアーム部の一端をベース部
   にて一体的に連結した振動子と、ベース部に一体的に形
   成した支持アームと、支持アームの延長部に一体的に形
   成したおもり部とを具備したことを特徴とする振動ジャ
   イロ。
2. 【請求項２】 上記振動子、支持アーム、おもり部が同
   一部材にて一体的に形成されていることを特徴とする請
   求項１記載の振動ジャイロ。
3. 【請求項３】 振動子のベース部におもり部を有する支
   持アームを一体的に形成してなる振動ジャイロと、取付
   部材とを具備し、上記振動ジャイロのおもり部を取付部
   材に、両者間に緩衝材を介して支持したことを特徴とす
   る振動ジャイロの支持装置。