JPH04124216A - 成形性の良好な高炭素薄鋼板の製造方法 - Google Patents

成形性の良好な高炭素薄鋼板の製造方法

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JPH04124216A
JPH04124216A JP2243372A JP24337290A JPH04124216A JP H04124216 A JPH04124216 A JP H04124216A JP 2243372 A JP2243372 A JP 2243372A JP 24337290 A JP24337290 A JP 24337290A JP H04124216 A JPH04124216 A JP H04124216A
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steel
cementite
graphite
winding
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JP2243372A
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Kiyoshi Fukui
清 福井
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、炭素含有量の高い鯛でありながら、フェラ
イト中のセメンタイトを黒鉛化することにより軟鋼板並
の強度−伸び特性を有し、複雑な形状への成形加工が可
能であり、しかも成形加工後は簡単な熱処理によって高
い強度と優れた耐摩耗性を発揮し得る高炭素鋼板を、特
別な設備を必要とすることなく安定に製造する方法に関
するものである。
(従来の技術) 一般にベアリング受皿等の絞り成形を必要とする小物容
器、乗用車などの車両部品等、硬度や耐摩耗性が要求さ
れる部材用の高炭素鋼板は、セメンタイトを球状化処理
した状態で出荷され、所望形状に成形加工された後に熱
処理が施され硬化させて使用されることが多い。
しかしながら、高炭素鋼板ばセメンタイトが球状化処理
された状態であっても軟鋼板よりは相当に硬く、その加
工性あるいは冷間圧延性は到底軟鋼板並みにはならない
ため、複雑な形状への加工あるいは圧下率の大きな冷間
圧延では割れが発止するといつた不都合がある。このた
め冷間圧延においては圧延途中での中間焼鈍が必要とな
り、冷間圧延の回数も増加してプロセスの煩雑化と製造
コストの高騰という問題があった。
上記の問題の解決策として、熱間圧延の工程で効率的に
軟質化させる方法が従来から強く望まれている。高炭素
鋼の軟質化をセメンタイトの球状化処理によりて行うこ
とが、例えば、r鯛の熱処理技術J朝倉書店・鉄鋼工学
講座、9頁、または「鉄鋼材科学」実数出版、349真
に提唱されている。しかし、球状化焼鈍を行った材料で
も、その強度は40〜80kgf/−−1に達し、冷間
圧延性、成形加工性にはまだ多くの問題が残されている
そこで、本発明者らはこの種の鋼中の第二相であるセメ
ンタイトを黒鉛化してその体積率を減少させるとともに
その硬度を下げることを目的として様々な観点から研究
を重ね、鋼板の組成等に関する検針を行うてきた。その
成果は、特開昭60−52551号公報、同63−31
7629号公報に提案したとおりであるが、鋼中のセメ
ンタイトの黒鉛化は、熱延板を冷間圧延した後に焼鈍を
実施することにより得られるもので、そのプロセスが煩
雑なものとなっていた。また、熱延板を焼純することに
よる黒鉛化については特開昭64−25946号公報に
示されるように、鋼中のSiの増大が必要とされている
が、そうするとSlの固溶硬化の影響があって、引張り
強さを40kgf/ms’以下に低げるのは困難である
(発明が解決しようとする課B) 本発明の目的は、鋼中のS+含有量をむやみに高めるこ
となく、また、冷間圧延の工程を経ることなく、熱間圧
延とその後の焼鈍だけで鋼中のセメンタイトを黒鉛化し
、フェライトと黒鉛および一部セメンタイトからなる組
織を有する加工性の良好な高炭素薄鋼板を製造する方法
を捷供することにある。
(11IIを解決するための手段) 本発明は、素材となる鯛の化学組成と、熱間圧延、その
後の冷却、巻取りおよび焼鈍の各条件をそれぞれ適正に
選定しその総合効果によって上記の目的を達成したもの
であって、その要旨は下記のとおりである。
■ 素材鋼の組成 本発明方法で用いる素材鋼は、下記(a)〜(d)の4
種類に大別できる。(本明細書において成分含有量につ
いての「%」は「重量%」を意味する。)(a)   
   C: 0.30〜1.10%、S(: 0.20
%以下、 Mn:  0.10〜0.50%、 sol、^l  : 0.05〜1.00%、Fθおよ
び不可避的不純物:残部、で、不純物としてのPが0.
020%以下、Sが0.020%以下、Nが0.013
%以下である高炭素鋼。
(bl  上記(a)の成分の外に、さらにNi : 
2.00%以下とB : 0.0003〜0.0050
%の1種または2種を含む高炭素鋼。
(C)  上記(a)の成分の外に、さらにCa : 
0.001〜0.01%を含む高炭素鋼。
(6)上記(a)の成分の外に、さらにNi : 2.
00%以下とB : 0.0003〜0.0050%の
1種または2種と、Ca :  0.001〜0.01
%を含む高炭素鋼。
そして、本発明の加ニー熱処理工程は、下記■から■を
特徴としている。
■ 圧延仕上温度が600〜900℃の範囲になるよう
に熱間圧延を行う。
■ 熱間圧延終了後、400〜650℃の温度域まで5
〜40’C/secの冷却速度で冷却して巻取る。
■ 巻取り後600℃〜^c1変態点の温度域で均熱す
る焼鈍を行う。
本発明は、上記(a)から(d)までの素材のそれぞれ
を上記■〜■を特徴とする工程で処理するのであるが、
特に大きな特徴は下記の点にある。
(1)鋼中のP量を、通常の許容上限値(JISでは0
.030%以下)よりも低い0.020%以下に制限し
たこと、これによって、鋼中のセメンタイト界面での炭
素の拡散が促進され、600℃〜Ac+変態点の温度域
に均熱した際、鋼中のフェライト・セメンタイト界面で
の熱膨張特性の差異によって生じる空隙等に黒鉛が析出
し得るとともに、鋼中のMn量を0.50%以下へ低減
するとセメンタイトから鋼中への炭素の拡散が促進され
、均熱中のセメンタイトの分解が速まって、黒鉛析出の
際の黒鉛粒成長が促進される。
(2)  Stt有量を0.20%以下としたこと。
鋼中のSt含含量量高いと黒鉛化は促進されるが、フェ
ライト中の固溶Siが増大することにより熱延板の強度
が上昇し、その結果、加工性がわるくなる。
(3)Stに替わる黒鉛化促進元素として0.05〜1
.00%のsol、 Al4あるいは更に2.00%を
上限とするNiおよびo、ooi〜0.01%のCaを
添加すること。
(4)熱間圧延後600℃〜^c、変態点の温度域で均
熱する焼鈍を行うことによりセメンタイトの黒鉛化が生
じさせること、この均熱時間の増大とともに黒鉛化が進
む。
(5)熱間圧延において圧延仕上温度を600〜900
℃の範囲とし、熱間圧延終了後、400〜650℃の温
度域まで5〜b 取りを実施することによって、(4)の黒鉛化をさらに
促進すること。
以下、本発明の各要件について詳しく説明する。
(作用) まず、本発明方法の素材となる鯛の化学組成の限定理由
を説明する。
C:0.30〜1.10% C含有量が低いほど綱の伸び、加工性は向上する。しか
し、成形加工の後、熱処理を施して強度、耐摩耗性、さ
らには疲労強震を向上させるには、ある程度以上のCが
必要となる6本発明は、製品に加工されてから焼き入れ
−焼き戻し、あるいはオーステンパー等の熱処理を施さ
れた後の材料強度が100kgf/vw’以上となる鯛
を製造することを前提としている。この強度を得るため
に、C含有量の下限を0.30%とした。一方、製品に
は充分な靭性をも持たせる必要がある。C含有量が1.
10%を超えると熱処理後の硬度上昇は飽和し、靭性は
劣化する傾向があるから、C含有量の上限は1.10%
とするのがよい。
Si: 0.20%以下 前述のとおり、Siはセメンタイトの黒鉛化には有効な
成分であるが、0.20%を超えて含有させるとフェラ
イトの固溶硬化が顕著となり加工性が劣化するからその
上限を0.20%とする。
Mn: 0.10〜0.50% Mnは、セメンタイトを安定化し、焼鈍均熱中のセメン
タイトの分解を抑制するとともに、黒鉛の析出をも著し
く阻害する。従って、本発明ではMn含有量の上限を0
.50%とした。しかし、Mnは材料の焼き入れ性を高
め、かつ鋼中のSとMnSを形成してSの害を艙き靭性
を向上させる等の効果があることから、一定量以上の添
加は必要である。従って、Mnの含有量は0゜10〜0
.50%とする。
sol、^J! j 0.05〜1.00%so1. 
Affiは、の含有量が多いほど黒鉛の析出は容易にな
る。この効果を注がすため、本発明ではAlをsol、
AIとして0.05%以上含有させることとした。しか
し、過剰の5offi、Aj!は鋼中の酸化物の析出等
の弊害をもたらすので、その上限を1.00%とした。
本発明の素材鋼の一つは、上記の成分の外、残部はF@
と不可避不純物からなるものである。不純物のうち、特
にp、S、N (i素)は、下記の範囲に抑えなければ
ならない。
P:0.020%以下 Pは、セメンタイト・フェライト界面に偏析してCの移
動を抑制するとともに、鋼中の空隙に黒鉛が析出するの
を著しく阻害する。従って、Pはできるだけ低くするこ
とが望ましい、許容上限債は0.020%であるが、好
ましくは0.012%以下とする。
S:0.02(1%以下 Sの含有量も低い方が望ましい、鋼中のSは、共存する
Mnと結合してMnSを形成するが、特に高炭素薄鋼板
においては、このMnSの存在が製品の靭性を左右する
からである。前記のようにMn含有量に上限をもうけた
上で、Sの含有量についても0.020%以下に抑える
ことが必要であるが、好ましくは0.007%以下とす
る。
N:0.013%以下 Nは、鋼中に不可避的に含有される不純物元素であるが
、その含有量が0.013%を紹えると鋼の伸びの劣化
が激しくなるから、その含有量は0.013%以下に抑
える必要がある。
本発明の素材鋼としては、前記の成分の外に、さらにN
iおよびBの1種以上、もしくはCa、またはNiおよ
びBの1種以上とCaとを含むものがある。これらの成
分の作用と含有量の適正範囲は下記のとおりである。
Ni: 2.00%以下 Niは、Skとともに黒鉛化を促進する元素であるが別
はどのフェライトに対する固溶硬化はなく、鯛の軟質化
を引き出すのに有効な元素である。そこて黒鉛化の促進
を目的として必要に応じて添加する。しかし、過剰の添
加はフェライトの固溶硬化と材料コストの上昇を招くか
ら、その含有量の上限を2.0θ%とする。
B: 0.0003〜o、aoso% Bは熱処理後の靭性を改善するとともに、焼入れ性を増
大させる成分であるから、必要に応じ一定量添加するこ
ととする。これらの効果を得るのに有効なり含有量の最
低値は0.0003%である。
方、Bがo、ooso%を超えると、熱延時あるいは熱
処理時にFaBを形成し靭性に対し悪影響を及ぼすから
、その含有量の範囲を0.0003〜o、ooso%と
する。
Ca:  0.001〜0.01% 鋼中へのCaの添加は、鋼中の固溶酸素を低減する効果
およびAj!酸化物を低減する効果を有している。特に
本発明の素材鋼の場合、黒鉛化促進のためson!、A
ji量を多くしているから、鋼中のへ2系酸化物の増大
が懸念される。また、Sに関しても、本発明では前記の
ようにMn添加量を抑制する必要があるため、鋼中の固
溶Sを下げるのが難しのでCa系硫化物としてSを固定
するのが好ましい。
このような効果を特に必要とする場合にCaを添加する
のである。その添加に際しては、含有量が0.001%
以上となるようにする必要がある。一方、過剰の添加は
コスト上昇を招くとともに鋼中のCa系酸化物、硫化物
が増大して靭性の低下を招くから、含有量の上限は0.
010%とする。
次に、製造プロセスについて説明する。
■熱延仕上げ温度 熱間圧延の仕上温度は冷却後のパーライト組織に対して
大きな影響を与えるから、600〜900℃の範囲とし
なければならない、仕上温度が900℃を超えると、圧
延終了後の冷却過程において冷却速度を増大させる必要
があり、この時、巻取温度を低めにすると、パーライト
組織が過度に微細となり熱延後の焼鈍前に必要な酸洗工
程等において板が破断するおそれがある。
熱延仕上温度が低くなってフェライト域に入ると、−旦
析出したパーライト組織は析出後圧延により破砕される
ことになり、鋼中に空隙が形成され黒鉛化に非常に適し
た状態となる。しかし、仕上温度を600℃よりも低く
すると、圧延機能力の限界から製品板厚に制約を設けな
けれならなくなるから、仕上温度の下限は600°Cと
する。
■仕上後の冷却速度 鋼中の黒鉛組織は、熱延板製品の熱処理特性を向上させ
るために、ある程度微細化する必要がある。このために
は熱延終了後の冷却速度を大きくしてパーライト組織を
微細化するのがを効である。
例えば800〜900℃で15分均熱した後焼入れした
際に、鋼中の黒鉛をすべてCとして固溶させるには黒鉛
の大きさは10μm以内に抑える必要があり、そのため
にはパーライトのラメラ−間隔を0.1.crs以内と
することが望ましい、この条件を満足させるためには、
熱延終了後、巻取りまでの冷却速度を5℃/sec以上
とする必要がある。この冷却速度が大きいほど組織の微
細化には効果的であるが、冷却速度が過度に大きくなる
と、熱延板の硬度が増大し熱延後の酸洗工程等での曲げ
変形により破断が生じる危険がある。このような危険を
避けるため、冷却速度の上限を40℃/secとする。
0巻取り温度 巻取り温度が高い場合には、巻取り後に変態を生じて非
常に粗いセメンタイトが形成されパーライト組織の微細
化ができない0次に述べる熱延板焼鈍後に得られる黒鉛
組織を微細にするためには、巻取り温度を低くしておく
必要がある。多数の試験結果から、この温度が、650
″C以下であればパーライトは安定した微細化組織とな
り、焼鈍に要する時間も短時間で済むことがわかった。
650℃を超える巻取り温度では、パーライトは粗大化
しその球状化に要する時間も長くなる。
巻取り温度が低すぎる場合、本発明の素材鋼のC含有率
が高いために、熱延板の靭性が低下する。
この靭性低下防止のために、巻取り温度の下限は400
℃とするのが望ましい。
■焼鈍の均熱温度 焼鈍における均熱温度は、鋼中のセメンタイトを黒鉛と
して析出させるために600℃以上でなければならない
、しかし、均熱温度が^C3変態点を超えると、パーラ
イトが分解しオーステナイトへ変化してしまう、黒鉛化
率は均熱する温度と時間により変えることができる。製
品鋼板に所定の軟質性を付与するには黒鉛化率を40%
以上とするのが好ましい、40%以上とするには、 均熱温度(℃)×均熱時間(h )−10000〜30
000を満足するように温度と時間をきめるとよい。
この時、均熱温度が高いほどその積の値を低く取ること
が可能である。
以上に説明した本発明方法によって製造される熱延鋼板
は、フェライト地に黒鉛が析出した組織を有し、強度が
低く、加工性に冨むものである。
この熱延鋼板は、使用者側で所定の製品形状に加工され
た後、焼入れ一焼戻しやオーステンパー等の熱処理が施
されて、高強度で耐摩耗性に優れた製品となる。
(実施例1) 第1表に示すような本発明の条件を満たす組成および製
造方法のNcLA1〜A9と、製造方法が本発明の条件
を満足しないNaA10〜A12、およびSilMn量
が本発明で定める範囲から外れる)4[LA13〜A1
5について熱延−巻取りの後、24時間均熱する焼鈍(
均熱温度も第1表に示す)を行い、黒鉛化の状況および
機械的性質を調べた。その結果を第1表および第1図に
示す、このとき黒鉛化の指標として示す黒鉛化率はセメ
ンタイトの黒鉛析出後の度合いを用いて以下のように計
算したものである。
第1表および第1図に明らかなように、C含有量が0.
35%レベルのA1〜A3ではh量の増大にともない焼
鈍後の析出黒鉛量は減少しており、これによりTS(引
張り強さ)の増大、EL(伸び)の減少が見られる。さ
らに、0,65%Cレベルおよび1.00%Cレベルで
も同様の傾向を示す、しかしいずれの鋼種も本発明の範
囲内であれば40%以上の黒鉛化率を示しておりTSも
50kgF/−一3以下に抑えられる。このとき、0.
004〜o、oos%のCaの添加は黒鉛の析出を促進
し、TSを低減、ELを増大し、成形性を向上させる。
またA16〜A1BではStの含有量が本発明範囲を超
えており、第1図内で比較すると0.35%Cレベルで
の本発明範囲内の鯛と比べてTSで5kgF/薯s”以
上高くなっており、Si添加によるフェライト硬化の影
響を大きく受けていることがわかる。この傾向はC量の
多少に影響は受けない。
製造条件の影響としては、A20では焼鈍温度が高すぎ
るために、焼鈍後の黒鉛析出がないことからTSが高く
伸びが小さくなっている。またA19では焼鈍温度が低
すぎるため黒鉛の析出が少なく、やはりTSが高く伸び
が小さくなっている。さらにA21では熱延後の冷却速
度が小さすぎ、黒鉛の析出が遅れることからAl05A
llに比較すればTSは低く、ELは高めとなるものの
、本発明範囲内の鋼種と比較すると成形性は不十分であ
る。
(実施例2) 第2表に示すように、本発明で定める組成および製造条
件のNIIBI−B9と、Pの含有量が高すぎるBIO
〜B13について、実施例1と同じ焼鈍を行い、前述の
黒鉛化率を用いた黒鉛化の状況および機械的性質を調査
した。その結果を第2表および第2図に示す。
炭素量が0.35%、0.65%の各レベルにおいて、
Pが減少すると黒鉛化率は増大し、TSは減少、ELは
増大する。またCa添加をしていないものについては黒
鉛化が阻害され、TSが増大していることから、CaW
&加の成形性向上効果が明らかである。しかし、Pの含
有量が0.020%を超えたBIO−B13ではCa添
加にもかかわらず、黒鉛化は著しく阻害され丁Sが50
kgf/■−1以上へ上昇し、一方、ELは30%以下
へ減少して、成形性が劣化していることが明らかである
(実施例3) 第3!I!は、NiとBの効果を調べた結果を示すもの
である。焼鈍条件は実施例1および実施例2と同じであ
る。
C1〜C3の0.48%CレベルではNiの増大にとも
ない黒鉛化率は増大する。しかし機械的性質としてはM
iによる固溶硬化の影響からTSの減少幅、伸びの増大
幅共に小さく、成形性向上への効果はPの低減によるそ
れと比較してそれはと著しいものではない、またC4〜
C6の0.75%CレベルにおけるNi、 Bによる機
械的性質の推移についても01〜C3と同様の傾向でN
iの黒鉛化促進効果は認められるが、その固溶硬化によ
り成形性の向上幅は比較的小さい、比較例のCBのよう
にNi量が2.0%を超えると100%黒鉛化している
にもかかわらずTSは40kgf/am”を上回る。ま
たAj!についてはCIOに示すように0.05%を下
回るものでは黒鉛化の度合いは比較的小さい、C7のよ
うにAl量が増大すると黒鉛化は促進され、しかも、S
i、 Xiはどのフェライトの固溶硬化作用が認められ
ない。
Bの含有量が本発明で定める範囲を超えるとFeB等を
形成して硬質化が問題になるのであるが、C8に示すよ
うにB含有量が50ρρlを超えると強度の上昇と共に
伸びの低下を示しており、成形性を著しく阻害している
ことが明らかである。
(実施例4) 本発明で定める組成範囲にある0、59’−0,67%
C調について、加工条件の影響を調査した。第4表にそ
の結果を示す。
D1〜D4は熱延仕上温度の影響をみたものである。仕
上温度が600℃を下回るD3では仕上ミルの荷重限界
を超過し、ハウジング等の設備面に悪影響をもたらした
。また、D4では仕上げ温度が高すぎることから冷却速
度の増大を余儀なくされ、その結果、熱延板での強度が
増大し酸洗工程での破断が生じた。
D5〜D8は熱延仕上後の冷却速度の影響を見たもので
ある。D5のように冷却速度が40°C/seeを超え
た場合、前記のD4と同様、熱延板での強度が増大する
ことで酸洗工程での破断が生じた。
またD8のように冷却速度が小さすぎる場合はセメンタ
イトが粗大化しており、炭素の拡散移動に時間がかかる
ことから黒鉛の析出に非常に長い時間を要する。
つぎに巻取り温度の影響について検討したD9〜D12
では、D9のように巻取り温度が高すぎると巻取り後に
変態を生じ、前述のD8のようにセメンタイトが粗大化
することから黒鉛の析出に長時間を要する。これに対し
、D12のように巻取り温度が400℃を下回った場合
、鋼中にベイナイトが形成され熱延板強度が過度に上昇
し、酸洗工程での破断を生じる。
さらに、焼鈍温度の条件についてはD13のようにAc
、変態点以上の温度で均熱するとセメンタイトから周囲
のオーステナイトへCが固溶し黒鉛の析出は生じ得ない
、また、D16のように焼鈍温度が600℃を下回る場
合には、Cの析出に非常に長い時間を要する。
(以下、余白) (発明の効果) 本発明は、組織がフェライトと黒鉛およびセメンタイト
からなる高炭素薄鋼板を製造する新しい方法を提供する
ものである。この方法によって製造される熱延鋼板は、
強度が低く伸びが大きいので、自動車用部品、その他の
製品への成形加工性が容易であり、熱延板において上記
の組織となっていることがら冷間圧延も容易である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、素材鋼の?In含有量と、黒鉛化率および機
械的性質(EL、 TS)との関係を示す図である。 第2図は、同じくP含有量と、黒鉛化率および機械的性
質(EL、 TS)との関係を示す図である。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C:0.30〜1.10%、Si:0
    .20%以下、Mn:0.10〜0.50%およびso
    l.Al:0.05〜1.00%を含有し、残部はFe
    および不可避的不純物からなり、不純物としてのPが0
    .020%以下、Sが0.020%以下、Nが0.01
    3%以下である高炭素鋼を、圧延仕上温度600〜90
    0℃で熱間圧延し、400〜650℃の温度域まで5〜
    40℃/secの冷却速度で冷却して巻取り、巻取り後
    600℃〜Ac_1変態点の温度域で均熱することを特
    徴とするフェライトと黒鉛およびセメンタイトからなる
    金属組織を有する成形性の良好な高炭素薄鋼板の製造方
    法。
  2. (2)重量%で、C:0.30〜1.10%、Si:0
    .20%以下、Mn:0.10〜0.50%、sol.
    Al:0.05〜1.00%、さらにNi:2.00%
    以下とB:0.0003〜0.0050%のいずれか1
    種または2種を含有し、残部はFeおよび不可避的不純
    物からなり、不純物としてのPが0.020%以下、S
    が0.020%以下、Nが0.013%以下である高炭
    素鋼を圧延仕上温度600〜900℃で熱間圧延し、4
    00〜650℃の温度域まで5〜40℃/secの冷却
    速度で冷却して巻取り、巻取り後600℃〜Ac_1変
    態点の温度域で均熱することを特徴とするフェライトと
    黒鉛およびセメンタイトからなる金属組織を有する成形
    性の良好な高炭素薄鋼板の製造方法。
  3. (3)重量%で、C:0.30〜1.10%、Si:0
    .20%以下、Mn:0.10〜0.50%、sol.
    Al:0.05〜1.00%およびCa:0.001〜
    0.01%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物
    からなり、不純物としてのPが0.020%以下、Sが
    0.020%以下、Nが0.013%以下である高炭素
    鋼を圧延仕上温度600〜900℃で熱間圧延し、40
    0〜650℃の温度域まで5〜40℃/secの冷却速
    度で冷却して巻取り、巻取り後600℃〜Ac_1変態
    点の温度域で均熱することを特徴とするフェライトと黒
    鉛およびセメンタイトからなる金属組織を有する成形性
    の良好な高炭素薄鋼板の製造方法。
  4. (4)重量%で、C:0.30〜1.10%、Si:0
    .20%以下、Mn:0.10〜0.50%、sol.
    Al:0.05〜1.00%、Ca:0.001〜0.
    01%、さらにNi:2.00%以下とB:0.000
    3〜0.0050%のいずれか1種または2種を含有し
    、残部はFeおよび不可避的不純物からなり、不純物と
    してのPが0.020%以下、Sが0.020%以下、
    Nが0.013%以下である高炭素鋼を圧延仕上温度6
    00〜900℃で熱間圧延し、400〜650℃の温度
    域まで5〜40℃/secの冷却速度で冷却して巻取り
    、巻取り後600℃〜Ac_1の温度域で均熱すること
    を特徴とするフェライトと黒鉛およびセメンタイトから
    なる金属組織を有する成形性の良好な高炭素薄鋼板の製
    造方法。
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