JPH0412301Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この考案は、開口端部外周に突起段部を有する
パイプを接続する管継手に関する。

［従来の技術］ パイプを接続する管継手のロツク手段として、
数多くの形式が知られているが、施錠ボールを用
いた機構、その他の種々の機構のほとんどがロツ
ク手段をパイプの外周面に圧接させる形式である
ため、この種の管継手が使用できるパイプは、少
くともその開口端部の形状が管継手に挿入される
範囲で同心円のものに限定される。

［考案が解決しようとする問題点］ この考案は利用範囲が同心円のパイプに限定さ
れてしまうという上記問題点を解決するため、利
用範囲を広げた管継手を提供することを目的とす
るものである。

［問題点を解決するための手段］ この考案は上記目的を達成するための手段とし
て、開閉自在なチヤツクに係止させて開口端部外
周に突起段部を有するパイプを着脱自在に接続す
る管継手において、主体たる筒体の内周にはパイ
プ内径への挿入部を有するパイプ接続筒をスプリ
ングにより前方に付勢させるとともに前記チヤツ
クの一端に当接させて脱落しないように摺動自在
に嵌合し、また外周には前記チヤツクを収納する
すり割り部と、このすり割り部の一端にボールを
求遠心方向に移動自在に収納する収納部を形成し
たチヤツクホルダーを嵌合し、該チヤツクホルダ
ーの外周にはスプリングにより前方に付勢させて
スリーブを嵌合し、該スリーブが該スプリングの
弾発力によつて前進したとき前記チヤツクの前端
部が求心方向に押圧されて回動し閉止状態となつ
て前記パイプ接続筒と協働して開口端部外周に突
起段部を有するパイプを接続し、且つ前記スリー
ブを前記スプリングの弾発に抗して後方に摺動し
たとき前記チヤツクの後端が前記ボールによつて
求心方向に押圧されて前記チヤツクの前端部が遠
心方向に回動して開口状態になるようにするとと
もに、パイプ接続筒がスプリングの弾発力により
前進してチヤツクの前端部の求心方向への回動を
阻止し開口状態を保持するようにした構成を採用
するものである。

［作用］ パイプを接続するときは、スリーブをスプリン
グの弾発力に抗して後退させる。この操作によつ
てチヤツクの後端がボールによつて求心方向に押
圧され、他方チヤツクの先端部側に対する求心方
向への押圧が解除されてチヤツクは開かれる。チ
ヤツクが開かれると、筒体内に嵌合したパイプ接
続筒がスプリングの弾発力により前進し前記チヤ
ツクの閉動を阻止しチヤツクの開口状態を保持す
る。この状態で開口端部外周に突起段部を有する
パイプをパイプ接続筒に挿入して該パイプ接続筒
を筒体内に押し込むと、パイプ接続筒によるチヤ
ツクの開口状態の保持が解除される。これによ
り、スプリングの弾発力に抗して後退していたス
リーブが該スプリングの弾発力により自動的に前
進し、前記チヤツクの後部に対する押圧力が解除
されるとともにチヤツクの先端部がスリーブの先
端部で求心方向に押圧されて閉じ、その先端がパ
イプの開口端部外周の突起段部に係止してパイプ
接続筒からパイプが抜け出るのを防止し、同時に
パイプはスプリングの弾発力により前方に付勢さ
れているパイプ接続筒によつて前記係合方向に押
圧されることにより、パイプの完全接続状態が維
持される。

また、パイプを分離するときは、スリーブをス
プリングの弾発力に抗して後退させる。この操作
によつてチヤツクの後端がボールによつて求心方
向に押圧され、他方チヤツクの先端部側に対する
求心方向への押圧が解除されてチヤツクは開か
れ、接続されているパイプの突起段部から外れ
る。チヤツクが開かれると同時に筒体内に嵌合し
たパイプ接続筒がスプリングの弾発力により前進
し、パイプは押し出されて分離する。

そして、前記前進したパイプ接続筒は前記開口
したチエツクの閉動を阻止しチヤツクの開口状態
を維持する。

［実施例］ 以下、この考案を図面に示す実施例に基づいて
詳細に説明するが、この考案は実施例に限定され
るものではない。

図面において、１は管継手の主体たる筒体、３
は開口端部外周に突起段部２を有するパイプであ
り、前記筒体１の内部には、前記パイプ３内に密
に挿入されるパイプ挿入部４と、該挿入部４の後
方にパイプ３の開口端部に当接する段部５と、該
段部５の後方に傾斜面６を有するパイプ接続筒７
を、前記パイプ挿入部４を前記筒体１の前部に突
出させて摺動自在に嵌合する。前記傾斜面６は先
端部が小径で後方に向つて大径となる傾斜面で、
パイプ接続筒体７の中央部分に形成され、後記チ
ヤツク１４に内接するように形成されている。

８はパイプ挿入部４に設けたＯリングであり、
パイプ３の内周面をシールする。９は筒体１とパ
イプ接続筒７との間に介装されたスプリングで、
パイプ接続筒７の前記傾斜面６が後記チヤツク１
４に内接するよう付勢している、１０は筒体１の
内周面とパイプ接続筒７との間をシールするＯリ
ングである。

１１は筒体１の外周面部に嵌合固定した筒状の
チヤツクホルダーであり、その大径後部１２が筒
体１に嵌合固定され、前部主体部には点対称位置
に軸方向に平行の２条のすり割り部１３を有して
いる。１４はチヤツクホルダー１１のそれぞれの
すり割り部１３に回動可能に嵌合したチヤツクで
あり、その先端部は筒体１の前方に向けて突出
し、その先端には求心方向に折曲されて筒体１に
接続されるパイプ３の突起段部２に係止するフツ
ク１５が形成されている。このチヤツク１４は筒
体１の外周面に形成した係合溝１６に係合突部
（支点）１７を係合し、あわせてチヤツク１４の
軸方向への移動を規制する。１８はチヤツク１４
の内側中央近傍に位置し前記パイプ接続筒７の傾
斜面６と接触する傾斜面で、この傾斜面１８には
スプリング９により付勢されたパイプ接続筒７の
傾斜面６が圧接し、パイプ３を接続していない状
態ではパイプ接続筒７を前方に向けて押圧するス
プリング９の弾発力により該接続筒７が前進し
て、前記傾斜面６が前記傾斜面１８に圧接してチ
ヤツク１４を第２図に示すように開いた状態で保
持するようになつている。１９はチヤツク１４の
外側に形成したスリーブ係止用の段部、２０はチ
ヤツク１４を嵌合しているチヤツクホルダー１１
の外周に軸方向に摺動自在に嵌合したスリーブで
ある。このスリーブ２０は前記段部１９に係合す
るまで前進し、このとき、チヤツク１４が、すべ
てが平行状態に、若しくは、概ね平行状態になる
ようになつている。

スリーブ２０の内周面には後部に凹部２１が形
成され、この凹部２１に隣接した中央部には凸部
２２が形成されており、また、スリーブ２０の最
前部には前記チヤツク１４の段部１９に係合する
チヤツク押圧部２３が求心方向に向けて形成され
ている。２４はチヤツクホルダー１１の小径外周
部２５に、前記スリーブ２０に挟持されるように
嵌合されたカラーであり、このカラー２４とスリ
ーブ２０の押圧部２３との間にスリーブ２０を前
方に向けて付勢するスプリング２６が介装されて
いる。２７は前記スリーブ２０が前進位置にある
ときにスリーブ２０の前記凹部２１に係合し、当
該スリーブ２０が後退位置にあるときにはスリー
ブ２０の凸部２２と係合するボールで、スリーブ
２０軸方向に往復させることによつて、チヤツク
１４の求遠心方向への動きをさせるためのボール
であつて、前記チヤツクホルダー１１のすり割り
部１３の一端である大径後部１２側内に形成され
た収納部２９に求遠心方向に移動自在に嵌合され
ている。２８はボール２７の前記凸部２２から凹
部２１への移動をスムーズに行なうために両者２
１，２２間に設けた傾斜面部である。

次に、実施例の作用を説明する。

チヤツク１４，１４が第１図に示す接続状態に
あるとき、スリーブ２０をスプリング２６の弾発
力に抗して後方（同図左方）へ移動させると、ス
リーブ２０の先端押圧部２３がチヤツク１４の央
段部１９から離反し、チヤツク１４先端部の求心
方向に対する拘束を解く一方、スリーブ２０の凹
部２１と凸部２２との間に形成した傾斜面部２８
でボール２７を求心方向へ押圧したときにチヤツ
ク１４は後部の係合突部１７を支点として回動
し、ついで、スリーブ２０の凸部２２がボール２
７に接する状態になるとチヤツク１４，１４はボ
ール２７，２７に押圧されて開口する。この過程
で、チヤツク１４の傾斜面部１８が広がるため、
パイプ接続筒７はスプリング９の弾発力によつて
前記傾斜面部１８に沿つて前進してチヤツク１４
の傾斜面部１８の先端部とパイプ接続筒７の傾斜
面６の後端部が押圧した状態になり、スリーブ２
０はチヤツク１４の後段部１９に係合保持される
のでパイプ３の接続待機状態となる（第２図）。

この状態にて、開口端部に突起段部２を有する
パイプ３をパイプ接続筒７のパイプ挿入部４に挿
入し、つづいて、パイプ接続筒７をスプリング９
の弾発力に抗して押し込むと、チヤツク１４に対
するパイプ接続筒７の押圧力が開放されるため、
スリーブ２０がスプリング２６の弾発力により自
動的に前進し、凸部２２により求心方向に押圧さ
れていたボール２７が、その押圧力から開放され
て凹部２１と係合するのと同時に、スリーブ２０
の先端部に形成した前記押圧部２３がチヤツク１
４の段部１９に係合して求心方向に押圧する。こ
のときチヤツク１４，１４は係合突部１７を支点
として回動し、チヤツク１４の先端部に形成した
フツク１５が前記パイプ３の突起段部２に係止
し、パイプ３がパイプ接続筒７から抜け出すのを
阻止して、ここにパイプと完全な接続状態にな
る。

［考案の効果］ この考案によれば、パイプをパイプ挿入部に挿
入するワンタツチ操作のみで、スリーブとチヤツ
クの自動的な動きによつてチヤツクの先端部に形
成したフツクが挿入したパイプの開口端部外周の
突起段部に自動的に係止し、パイプの接続が簡単
且つ確実にできる。さらに、パイプ接続筒に設け
たパイプ挿入部を筒体内から突出させて設け且つ
パイプの突起に対して、端面方向から係合するも
のであるから、パイプが有する前記突起がパイプ
の軸心線に対して同心円でなくても、或はまた異
形であつても、場合によつては異形部（異径部）
をチヤツク位置からずらして接続することで完璧
な接続が可能となり、操作が簡単であり、作業性
が頗る良いといつた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す一部縦断側
面図、第２図はチヤツクを開いた状態を示す一部
縦断側面図、第３図は１のチヤツクをチヤツクホ
ルダーに装着した状態を示す一部切断斜視図であ
る。 １……筒体、２……突起段部、３……パイプ、
７……パイプ接続筒、９……スプリング、１１…
…チヤツクホルダー、１３……すり割り部、１４
……チヤツク、２０……スリーブ、２６……スプ
リング、２７……ボール、２９……収納部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 開閉自在なチヤツクに係止させて開口端部外周
   に突起段部を有するパイプを着脱自在に接続する
   管継手において、主体たる筒体の内周にはパイプ
   内径への挿入部を有するパイプ接続筒をスプリン
   グにより前方に付勢させるとともに前記チヤツク
   の一端に当接させて脱落しないように摺動自在に
   嵌合し、また外周には前記チヤツクを求遠心方向
   に回動可能に収納するすり割り部と、このすり割
   り部の一端にボールを求遠心方向に移動自在に収
   納する収納部を形成したチヤツクホルダーを嵌合
   し、該チヤツクホルダーの外周にはスプリングに
   より前方に付勢させてスリーブを嵌合し、該スリ
   ーブが該スプリングの弾発力によつて前進したと
   き前記チヤツクの前端部が求心方向に押圧されて
   回動し閉止状態となつて前記パイプ接続筒と協働
   して開口端部外周に突起段部を有するパイプを接
   続し、且つ前記スリーブを前記スプリングの弾発
   に抗して後方に摺動したとき前記チヤツクの後端
   が前記ボールによつて求心方向に押圧されて前記
   チヤツクの前端部が遠心方向に回動して開口状態
   になるようにするとともに、パイプ接続筒がスプ
   リングの弾発力により前進してチヤツクの前端部
   の求心方向への回動を阻止し開口状態を保持する
   ようにした管継手。