JPH0412238B2 - - Google Patents
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- JPH0412238B2 JPH0412238B2 JP1432386A JP1432386A JPH0412238B2 JP H0412238 B2 JPH0412238 B2 JP H0412238B2 JP 1432386 A JP1432386 A JP 1432386A JP 1432386 A JP1432386 A JP 1432386A JP H0412238 B2 JPH0412238 B2 JP H0412238B2
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Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
Description
〔技術分野〕
この発明は無線綴による製本方法に関する。
〔背景技術〕
針金綴や糸綴にかわる製本方法として、接着剤
を使用する無線綴が広く行われるようになつてき
た。その中でも、EVA系ホツトメルト接着剤を
使用したものが、接着強度が良好で作業性(生産
速度)に優れていることから、一般化している。
このようなEVA系ホツトメルト接着剤を使用し
た無線綴としては、1タンク(接着剤貯蔵用)2
ロール(接着剤塗布用)の1シヨツト方式、すな
わち、1回の接着剤塗布によつて下固めと表紙の
くるみ(表紙の接着)を同時に行うものが一般的
である。しかし、最近では、接着強度をより向上
させるために、第1シヨツト、すなわち、本文の
下固めとして、紙への接着強度の高いエマルジヨ
ン系接着剤を使用し、第2シヨツト、すなわち、
表紙のくるみ用として、EVA系ホツトメルト接
着剤を使用する、という2シヨツトの方法が考え
られている。ところが、この方法では、第1シヨ
ツトとして作業性の悪いエマルジヨン系接着剤を
用いており、しかも、エマルジヨン系接着剤と
EVA系ホツトメルト接着剤との界面での接着力
が弱い、等の問題点がある。そこで、前記第1お
よび第2シヨツトの両方にEVA系ホツトメルト
接着剤を用いることとし、第1シヨツトには紙へ
の接着強度の高いEVA系ホツトメルト接着剤を
使用し、第2シヨツトには通常のEVA系ホツト
メルト接着剤を使用する方法が考えられた。この
方法によれば、前記問題は解決するが、このよう
なEVA系ホツトメルト接着剤は、いずれも、柔
軟性に欠けるものであるため、見開き性(本の開
き具合)がよくなく、場合によつては第6図のよ
うに、開いた本が勝手に閉じてしまう、いわゆ
る、ねずみとり現象の発生する恐れがある。そこ
で、このようなねずみとり現象を防ぎ、見開き性
を改善するために、EVA系以外のホツトメルト
接着剤、たとえば、エラストマーベースのものを
使用して、1シヨツトで製本する試みが種々なさ
れているが、いずれも、EVA系ホツトメルト接
着剤ほどの接着強度を得ることはできず、雑誌
等、長期間にわたつて使用しない、すなわち、接
着強度がそれほど必要でない分野おいて、実用化
されているのみである。 〔発明の目的〕 この発明は、以上の事情に鑑みてなされたもの
であつて、充分な接着強度と良好な見開き性を実
現できる製本方法を提供することを目的としてい
る。 〔発明の開示〕 以上の目的を達成するため、この発明は、丁合
いの完了した本文の背にEVA系ホツトメルト接
着剤を塗布して下固めを行つたあと、その上にス
チレンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤
を塗布して表紙のくるみを行う工程を含んでいる
製本方法を要旨としている。 以下に、この発明を、その一実施例をあらわす
図面にもとづいて、くわしく説明する。 まず、印刷,別丁の差し込み等所定の作業を経
て丁合いの完了した本文1を用意する〔第1図
a〕。 つぎに、この本文1の背に、必要に応じて線溝
(ガリ)2……を形成する〔第1図b〕。この線溝
2……は必ずしも必要なものではないが、このよ
うにすることで、接着面積を増し、接着強度を高
めることができる。接着強度を高める方法として
は、これ以外にも、本文1の背をグラインダー等
でこすつて粗化したり、カツターで傷をつけたり
する方法があげられる。 本文1の背にEVA系ホツトメルト接着剤3を
加熱溶融させて塗布し、本文の下固めを行う〔第
1図c〕。EVA系ホツトメルト接着剤3として
は、通常、この用途に用いられるものをそのまま
流用することができる。すなわち、EVA樹脂
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)20〜60重量部
(以下、「部」と記す)をベースポリマーとし、こ
れに、ロジン,ロジン変性物,石油樹脂,テルペ
ン系樹脂等の粘着付与樹脂20〜60部、マイクロク
リスタリンワツクス,パラフインワツクス,フイ
ツシヤートロプシユ法によるワツクス,ポリエチ
レンワツクス等のワツクス10〜40部や、可塑剤と
してのオイル0〜5部が配合されたもの等を使用
することができるのである。また、このような
EVA系ホツトメルト接着剤には、さらに、上記
の成分合計100部に対して、フエノール系,リン
系,イオウ系等の酸化防止剤0〜2部、あるい
は、樹脂の色を消して紙の色に近づけるための
TiO2,CaCO3等の顔料0〜10部等を配合するこ
ともできる。以上のような各成分が配合された
EVA系ホツトメルト接着剤3の好ましい物性と
しては、軟化点70〜110℃、溶融粘度1000〜
10000cPS/180℃の範囲があげられる。なお、こ
のようなEVA系ホツトメルト接着剤3は、前述
したように、柔軟性に欠けるものであるため、で
きるだけ薄く塗布することが好ましい。塗布の方
法も特に限定はされず、一般に行われている方法
を、そのまま用いることができる。 EVA系ホツトメルト接着剤3の上に、スチレ
ンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤4を
加熱溶融させて塗布し、表紙5のくるみ(接着)
を行う〔第1図d〕。ここでいうスチレンブロツ
クコポリマーとは、一般にスチレン系熱可塑性エ
ラストマーと言われているものであつて、ポリス
チレン相とゴム相とからなる柔軟性に富んだ樹脂
である。具体的な例としては、ポリスチレン
(S)相およびポリイソプレン()相よりなる、
いわゆる、スチレン/イソプレンブロツクコポリ
マーや、前記ポリイソプレン()相がポリブタ
ジエン(B)相にかわつたスチレン/ブタジエンブロ
ツクコポリマー、あるいは、前記ポリイソプレン
()相がポリオレフイン(エチレン,ブチレ
ン:EB)相にかわつたスチレン/エチレン−ブ
チレンブロツクコポリマー等があげられる。この
ようなスチレンブロツクコポリマー15〜40部をベ
ースポリマーとして、先のEVA系ホツトメルト
接着剤の場合と同様な種類の粘着付与樹脂30〜50
部,ワツクス10〜30部,オイル0〜5部等が配合
され、さらに、必要に応じて柔軟性を増すための
可塑剤(パラフイン系,ナフテン系,芳香族系
等)0〜20部や、EVA系ホツトメルト接着剤と
の接着性を高めるための改質剤としてのEVA樹
脂0〜15部が配合されたものが、この発明に好ま
しいものとしてあげられる。また、以上の各成分
100部に対し、酸化防止剤0〜5部および紙の色
に近づけるための顔料0〜10部等を配合してもよ
い。以上のような各成分が配合されたスチレンブ
ロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤4の好ま
しい物性としては、軟化点70〜120℃,溶融粘度
2000〜20000cPS/180℃の範囲内のものがあげら
れる。このようなスチレンブロツクコポリマー系
ホツトメルト接着剤を塗布する方法も特に限定は
されず、先のEVA系ホツトメルト接着剤と同様
の方法を用いることができる。たとえば、製本を
自動的に行う製本機械を用いる場合には、第3図
にみるように、接着剤の塗布装置(ロール式等)
を2台設置しておいて、1台をEVA系ホツトメ
ルト接着剤用に、もう1台をスチレンブロツクコ
ポリマー系ホツトメルト接着剤用に使用すればよ
いのである。図の装置を具体的に説明すると、丁
合いの完了した本文1は、その背を下に向けて、
図中矢印で示したように、左から右へ送られる。
そして、まず、溶融したEVA系ホツトメルト接
着剤3が貯蔵されたタンク6上にきたときに、こ
のタンク6内に設けられた塗布用のロール7によ
つて、その背に前記EVA系ホツトメルト接着剤
3が塗布されて下固めが行われる。次に、スチレ
ンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤4が
溶融貯蔵されたタンク8上に送られて、2つのロ
ール9,10によつてスチレンブロツクコポリマ
ー系ホツトメルト接着剤4が塗布され、表紙のく
るみが行われて次工程に送られる。なお、図中、
11,12,13は、ロール上の接着剤をかき落
とすためのドクターブレードであつて、このドク
ターブレード11,12,13とロール7,9,
10との間隔をかえることによつて、本文の背へ
の接着剤の塗布量を調節することができる。 以上のように表紙のくるみが完了したあと、仕
上げ等の工程を行つて、第2図にみるように本1
4が完成する。 以上のように、この発明は、紙への接着強度の
高いEVA系ホツトメルト接着剤3を極く薄く塗
布して本文の下固めを行つたあと、柔軟性の高い
スチレンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着
剤4で表紙くるみを行うようになつているため、
第5図にみるように、接着剤層が柔軟性に富んで
おり、見開き性が良好で、ねずみとり現象の発生
する恐れは少なくなる。そして、これらの接着剤
は、いずれも、ホツトメルトタイプであるため、
生産性が高い。しかも、本文の下固めには従来と
同じEVA系ホツトメルト接着剤を用いているた
め、充分な接着強度を有しており、長期間の使用
に耐えることができる。また、EVA系ホツトメ
ルト接着剤として、紙への密着性の高い高価なも
のを使用しても、それはわずかな量でよいため、
コストを高くすることなしに、より、接着強度を
強くすることもできるようになる。 つぎに、この発明の実施例について、比較例と
あわせて説明する。 (実施例 1〜5) 第1シヨツト用EVA系ホツトメルト接着剤と
して、第1表に示した配合のものを使用し、これ
を180℃に加熱溶融して、丁合いの完了した本文
の背に、極く薄く塗布して下固めを行つた。つぎ
に、第2シヨツト用スチレンブロツクコポリマー
系ホツトメルト接着剤として、第2表に示した配
合のスチレン/ブタジエンブロツクコポリマー系
のものを使用し、これを180℃に加熱溶融して先
のEVA系ホツトメルト接着剤層上に、厚み約0.7
mmになるように塗布し、表紙のくるみを行い、製
本を完了した。得られた本(B5判,厚み15mm)
に対し、以下の方法によつて製本強度の測定なら
びに見開き性の観察を行つた。結果を第3表に示
す。 製本強度の測定 テスターサービスセンター(株)製ページプルテス
ター(頁引つ張り試験機)を使用し、第4図に示
したように、本の一枚の紙葉を接着面と直角に引
つ張つて、この紙葉が破れるか、本から抜けたと
きの最高強度を測定し、製本強度とした。なおこ
のとき、環境温度20℃、引つ張り速度100mm/
minに設定し、結果はKgで表した。 見開き性の観察 環境温度20℃の条件下で、本を開いて平板上に
のせて放置し、ねずみとり現象の発生の有無を観
察した。 (比較例 1) 第1シヨツトおよび第2シヨツトの両方に
EVA系ホツトメルト接着剤を使用した以外は、
実施例1〜5と同様にして製本を行い、測定なら
びに観察を行つた。結果を同じく第3表に示す。 (比較例 2) EVA系ホツトメルト接着剤のみを用いて1シ
ヨツトで製本を行つた。 (比較例 3) スチレンブロツクコポリマー系ホツトメルト接
着剤のみを用いて1シヨツトで製本を行つた。 以上2つの比較例についても、前記実施例1〜
5と同様にして測定ならびに観察を行つた。結果
を同じく第3表に示す。
を使用する無線綴が広く行われるようになつてき
た。その中でも、EVA系ホツトメルト接着剤を
使用したものが、接着強度が良好で作業性(生産
速度)に優れていることから、一般化している。
このようなEVA系ホツトメルト接着剤を使用し
た無線綴としては、1タンク(接着剤貯蔵用)2
ロール(接着剤塗布用)の1シヨツト方式、すな
わち、1回の接着剤塗布によつて下固めと表紙の
くるみ(表紙の接着)を同時に行うものが一般的
である。しかし、最近では、接着強度をより向上
させるために、第1シヨツト、すなわち、本文の
下固めとして、紙への接着強度の高いエマルジヨ
ン系接着剤を使用し、第2シヨツト、すなわち、
表紙のくるみ用として、EVA系ホツトメルト接
着剤を使用する、という2シヨツトの方法が考え
られている。ところが、この方法では、第1シヨ
ツトとして作業性の悪いエマルジヨン系接着剤を
用いており、しかも、エマルジヨン系接着剤と
EVA系ホツトメルト接着剤との界面での接着力
が弱い、等の問題点がある。そこで、前記第1お
よび第2シヨツトの両方にEVA系ホツトメルト
接着剤を用いることとし、第1シヨツトには紙へ
の接着強度の高いEVA系ホツトメルト接着剤を
使用し、第2シヨツトには通常のEVA系ホツト
メルト接着剤を使用する方法が考えられた。この
方法によれば、前記問題は解決するが、このよう
なEVA系ホツトメルト接着剤は、いずれも、柔
軟性に欠けるものであるため、見開き性(本の開
き具合)がよくなく、場合によつては第6図のよ
うに、開いた本が勝手に閉じてしまう、いわゆ
る、ねずみとり現象の発生する恐れがある。そこ
で、このようなねずみとり現象を防ぎ、見開き性
を改善するために、EVA系以外のホツトメルト
接着剤、たとえば、エラストマーベースのものを
使用して、1シヨツトで製本する試みが種々なさ
れているが、いずれも、EVA系ホツトメルト接
着剤ほどの接着強度を得ることはできず、雑誌
等、長期間にわたつて使用しない、すなわち、接
着強度がそれほど必要でない分野おいて、実用化
されているのみである。 〔発明の目的〕 この発明は、以上の事情に鑑みてなされたもの
であつて、充分な接着強度と良好な見開き性を実
現できる製本方法を提供することを目的としてい
る。 〔発明の開示〕 以上の目的を達成するため、この発明は、丁合
いの完了した本文の背にEVA系ホツトメルト接
着剤を塗布して下固めを行つたあと、その上にス
チレンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤
を塗布して表紙のくるみを行う工程を含んでいる
製本方法を要旨としている。 以下に、この発明を、その一実施例をあらわす
図面にもとづいて、くわしく説明する。 まず、印刷,別丁の差し込み等所定の作業を経
て丁合いの完了した本文1を用意する〔第1図
a〕。 つぎに、この本文1の背に、必要に応じて線溝
(ガリ)2……を形成する〔第1図b〕。この線溝
2……は必ずしも必要なものではないが、このよ
うにすることで、接着面積を増し、接着強度を高
めることができる。接着強度を高める方法として
は、これ以外にも、本文1の背をグラインダー等
でこすつて粗化したり、カツターで傷をつけたり
する方法があげられる。 本文1の背にEVA系ホツトメルト接着剤3を
加熱溶融させて塗布し、本文の下固めを行う〔第
1図c〕。EVA系ホツトメルト接着剤3として
は、通常、この用途に用いられるものをそのまま
流用することができる。すなわち、EVA樹脂
(エチレン−酢酸ビニル共重合体)20〜60重量部
(以下、「部」と記す)をベースポリマーとし、こ
れに、ロジン,ロジン変性物,石油樹脂,テルペ
ン系樹脂等の粘着付与樹脂20〜60部、マイクロク
リスタリンワツクス,パラフインワツクス,フイ
ツシヤートロプシユ法によるワツクス,ポリエチ
レンワツクス等のワツクス10〜40部や、可塑剤と
してのオイル0〜5部が配合されたもの等を使用
することができるのである。また、このような
EVA系ホツトメルト接着剤には、さらに、上記
の成分合計100部に対して、フエノール系,リン
系,イオウ系等の酸化防止剤0〜2部、あるい
は、樹脂の色を消して紙の色に近づけるための
TiO2,CaCO3等の顔料0〜10部等を配合するこ
ともできる。以上のような各成分が配合された
EVA系ホツトメルト接着剤3の好ましい物性と
しては、軟化点70〜110℃、溶融粘度1000〜
10000cPS/180℃の範囲があげられる。なお、こ
のようなEVA系ホツトメルト接着剤3は、前述
したように、柔軟性に欠けるものであるため、で
きるだけ薄く塗布することが好ましい。塗布の方
法も特に限定はされず、一般に行われている方法
を、そのまま用いることができる。 EVA系ホツトメルト接着剤3の上に、スチレ
ンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤4を
加熱溶融させて塗布し、表紙5のくるみ(接着)
を行う〔第1図d〕。ここでいうスチレンブロツ
クコポリマーとは、一般にスチレン系熱可塑性エ
ラストマーと言われているものであつて、ポリス
チレン相とゴム相とからなる柔軟性に富んだ樹脂
である。具体的な例としては、ポリスチレン
(S)相およびポリイソプレン()相よりなる、
いわゆる、スチレン/イソプレンブロツクコポリ
マーや、前記ポリイソプレン()相がポリブタ
ジエン(B)相にかわつたスチレン/ブタジエンブロ
ツクコポリマー、あるいは、前記ポリイソプレン
()相がポリオレフイン(エチレン,ブチレ
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チレンブロツクコポリマー等があげられる。この
ようなスチレンブロツクコポリマー15〜40部をベ
ースポリマーとして、先のEVA系ホツトメルト
接着剤の場合と同様な種類の粘着付与樹脂30〜50
部,ワツクス10〜30部,オイル0〜5部等が配合
され、さらに、必要に応じて柔軟性を増すための
可塑剤(パラフイン系,ナフテン系,芳香族系
等)0〜20部や、EVA系ホツトメルト接着剤と
の接着性を高めるための改質剤としてのEVA樹
脂0〜15部が配合されたものが、この発明に好ま
しいものとしてあげられる。また、以上の各成分
100部に対し、酸化防止剤0〜5部および紙の色
に近づけるための顔料0〜10部等を配合してもよ
い。以上のような各成分が配合されたスチレンブ
ロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤4の好ま
しい物性としては、軟化点70〜120℃,溶融粘度
2000〜20000cPS/180℃の範囲内のものがあげら
れる。このようなスチレンブロツクコポリマー系
ホツトメルト接着剤を塗布する方法も特に限定は
されず、先のEVA系ホツトメルト接着剤と同様
の方法を用いることができる。たとえば、製本を
自動的に行う製本機械を用いる場合には、第3図
にみるように、接着剤の塗布装置(ロール式等)
を2台設置しておいて、1台をEVA系ホツトメ
ルト接着剤用に、もう1台をスチレンブロツクコ
ポリマー系ホツトメルト接着剤用に使用すればよ
いのである。図の装置を具体的に説明すると、丁
合いの完了した本文1は、その背を下に向けて、
図中矢印で示したように、左から右へ送られる。
そして、まず、溶融したEVA系ホツトメルト接
着剤3が貯蔵されたタンク6上にきたときに、こ
のタンク6内に設けられた塗布用のロール7によ
つて、その背に前記EVA系ホツトメルト接着剤
3が塗布されて下固めが行われる。次に、スチレ
ンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着剤4が
溶融貯蔵されたタンク8上に送られて、2つのロ
ール9,10によつてスチレンブロツクコポリマ
ー系ホツトメルト接着剤4が塗布され、表紙のく
るみが行われて次工程に送られる。なお、図中、
11,12,13は、ロール上の接着剤をかき落
とすためのドクターブレードであつて、このドク
ターブレード11,12,13とロール7,9,
10との間隔をかえることによつて、本文の背へ
の接着剤の塗布量を調節することができる。 以上のように表紙のくるみが完了したあと、仕
上げ等の工程を行つて、第2図にみるように本1
4が完成する。 以上のように、この発明は、紙への接着強度の
高いEVA系ホツトメルト接着剤3を極く薄く塗
布して本文の下固めを行つたあと、柔軟性の高い
スチレンブロツクコポリマー系ホツトメルト接着
剤4で表紙くるみを行うようになつているため、
第5図にみるように、接着剤層が柔軟性に富んで
おり、見開き性が良好で、ねずみとり現象の発生
する恐れは少なくなる。そして、これらの接着剤
は、いずれも、ホツトメルトタイプであるため、
生産性が高い。しかも、本文の下固めには従来と
同じEVA系ホツトメルト接着剤を用いているた
め、充分な接着強度を有しており、長期間の使用
に耐えることができる。また、EVA系ホツトメ
ルト接着剤として、紙への密着性の高い高価なも
のを使用しても、それはわずかな量でよいため、
コストを高くすることなしに、より、接着強度を
強くすることもできるようになる。 つぎに、この発明の実施例について、比較例と
あわせて説明する。 (実施例 1〜5) 第1シヨツト用EVA系ホツトメルト接着剤と
して、第1表に示した配合のものを使用し、これ
を180℃に加熱溶融して、丁合いの完了した本文
の背に、極く薄く塗布して下固めを行つた。つぎ
に、第2シヨツト用スチレンブロツクコポリマー
系ホツトメルト接着剤として、第2表に示した配
合のスチレン/ブタジエンブロツクコポリマー系
のものを使用し、これを180℃に加熱溶融して先
のEVA系ホツトメルト接着剤層上に、厚み約0.7
mmになるように塗布し、表紙のくるみを行い、製
本を完了した。得られた本(B5判,厚み15mm)
に対し、以下の方法によつて製本強度の測定なら
びに見開き性の観察を行つた。結果を第3表に示
す。 製本強度の測定 テスターサービスセンター(株)製ページプルテス
ター(頁引つ張り試験機)を使用し、第4図に示
したように、本の一枚の紙葉を接着面と直角に引
つ張つて、この紙葉が破れるか、本から抜けたと
きの最高強度を測定し、製本強度とした。なおこ
のとき、環境温度20℃、引つ張り速度100mm/
minに設定し、結果はKgで表した。 見開き性の観察 環境温度20℃の条件下で、本を開いて平板上に
のせて放置し、ねずみとり現象の発生の有無を観
察した。 (比較例 1) 第1シヨツトおよび第2シヨツトの両方に
EVA系ホツトメルト接着剤を使用した以外は、
実施例1〜5と同様にして製本を行い、測定なら
びに観察を行つた。結果を同じく第3表に示す。 (比較例 2) EVA系ホツトメルト接着剤のみを用いて1シ
ヨツトで製本を行つた。 (比較例 3) スチレンブロツクコポリマー系ホツトメルト接
着剤のみを用いて1シヨツトで製本を行つた。 以上2つの比較例についても、前記実施例1〜
5と同様にして測定ならびに観察を行つた。結果
を同じく第3表に示す。
【表】
【表】
この発明の製本方法は、以上のようであり、第
1シヨツトとして、紙への接着強度にすぐれた
EVA系ホツトメルト接着剤を用いて本文の下固
めを行い、その上に、第2シヨツトとして、柔軟
性にすぐれたスチレンブロツクコポリマー系ホツ
トメルト接着剤を用いて表紙のくるみを行うよう
になつているため、充分な接着強度と良好な見開
き性を実現することが可能となつている。
1シヨツトとして、紙への接着強度にすぐれた
EVA系ホツトメルト接着剤を用いて本文の下固
めを行い、その上に、第2シヨツトとして、柔軟
性にすぐれたスチレンブロツクコポリマー系ホツ
トメルト接着剤を用いて表紙のくるみを行うよう
になつているため、充分な接着強度と良好な見開
き性を実現することが可能となつている。
第1図a〜dはこの発明の一実施例の各工程を
あらわす斜視図、第2図はこの実施例によつて製
作された本の一例をあらわす斜視図、第3図はこ
の発明に使用される接着剤塗布用機械の一例を説
明する説明図、第4図は製本強度の測定法を説明
する説明図、第5図はこの発明によつて製本され
た本を見開いた状態をあらわす正面図、第6図は
従来の方法によつて製本された本を見開いた状態
をあらわす正面図である。 1……本文、3……EVA系ホツトメルト接着
剤、4……スチレンブロツクコポリマー系ホツト
メルト接着剤、5……表紙。
あらわす斜視図、第2図はこの実施例によつて製
作された本の一例をあらわす斜視図、第3図はこ
の発明に使用される接着剤塗布用機械の一例を説
明する説明図、第4図は製本強度の測定法を説明
する説明図、第5図はこの発明によつて製本され
た本を見開いた状態をあらわす正面図、第6図は
従来の方法によつて製本された本を見開いた状態
をあらわす正面図である。 1……本文、3……EVA系ホツトメルト接着
剤、4……スチレンブロツクコポリマー系ホツト
メルト接着剤、5……表紙。
Claims (1)
- 1 丁合いの完了した本文の背にEVA系ホツト
メルト接着剤を塗布して下固めを行つたあと、そ
の上にスチレンブロツクコポリマー系ホツトメル
ト接着剤を塗布して表紙のくるみを行う工程を含
んでいる製本方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1432386A JPS62173298A (ja) | 1986-01-25 | 1986-01-25 | 製本方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1432386A JPS62173298A (ja) | 1986-01-25 | 1986-01-25 | 製本方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62173298A JPS62173298A (ja) | 1987-07-30 |
JPH0412238B2 true JPH0412238B2 (ja) | 1992-03-03 |
Family
ID=11857865
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1432386A Granted JPS62173298A (ja) | 1986-01-25 | 1986-01-25 | 製本方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62173298A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US5152654A (en) * | 1990-10-04 | 1992-10-06 | Minnesota Mining And Manufacturing Company | Hot melt adhesive applicator |
JP5184152B2 (ja) * | 2008-03-11 | 2013-04-17 | 共同製本株式会社 | 書籍の製本方法及びその書籍 |
JP2009269377A (ja) * | 2008-05-12 | 2009-11-19 | Dainippon Printing Co Ltd | 製本方法及び製本装置 |
JP6030432B2 (ja) * | 2012-12-14 | 2016-11-24 | 株式会社トービ | シュリンクフィルム付台紙の製造装置 |
JP6065582B2 (ja) * | 2012-12-26 | 2017-01-25 | 大日本印刷株式会社 | 無線綴じ製本装置、糊塗布装置、ドクターブレード |
CN107163878A (zh) * | 2017-06-22 | 2017-09-15 | 合肥特丽洁卫生材料有限公司 | 一种仿布纸专用热熔胶配方 |
-
1986
- 1986-01-25 JP JP1432386A patent/JPS62173298A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62173298A (ja) | 1987-07-30 |
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