JPH04121917U - コンベア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 被搬送物５の位置決めの際にコンベアＡに過
大な負荷が作用するのを防止し、テーブル上の被搬送物
５の抜取りを円滑に行う。 【構成】 搬送ベルト３と係止片４は大きく搬送方向に
移動した後に僅かに逆戻りする。搬送ベルト３が逆戻り
を開始した直後に位置決めピン２７を被搬送物５に挿入
すると、その挿入によつて被搬送物５が逆方向にずれて
も係止片４と干渉して搬送ベルト３を強制的に逆戻りさ
せることがないため、コンベアＡに過大な負荷は作用し
ない。また、テーブル６上の列をなす被搬送物５の抜取
りを搬送ベルト３が逆戻りを開始した直後に行うと、被
搬送物５の列は係止片４による押圧から解放されるた
め、両側の被搬送物５、５との間で大きな摩擦抵抗を生
じさせることなく被搬送物５を円滑に抜き取ることがで
きる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、インデツクス装置を用いることによつて被搬送物を間欠的に移動さ せつつ搬送するようにしたコンベアに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

インデツクス装置を用いることによつて被搬送物を間欠的に移動させつつ搬送 するようにしたコンベアの一例としては、少なくとも２個のプーリの間に掛け渡 した無端状の搬送ベルトに被搬送物を載置し、カムを備えた入力軸の回転にとも なつてカムと係合するカムフオロアを備えた出力軸が一方向への回転と停止とを 繰り返すようにしたインデツクス装置の出力軸の回転力をプーリの少なくとも一 つに伝達するようにしたものが知られている。かかるコンベアは、インデツクス 装置の出力軸に連動してプーリが回転するのにともなつて搬送ベルトが移動する ことにより、被搬送物を一定ストロークずつ移動させながら搬送するようになつ ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来は、コンベアの終端に接続したテーブル上に移送した被搬 送物を、互いに当接して列をなした状態で、搬送ベルトの終端に載置されている 被搬送物で押すことにより滑らせながら移動させる場合において、その列の途中 の被搬送物を抜き取ろうとしたときに、その被搬送物が搬送ベルトの終端の被搬 送物による押圧によつて両側の被搬送物の間で挟圧されていて被搬送物同士の間 に大きな摩擦抵抗が生じるため、被搬送物を円滑に抜き取ることができなくなる ことがあるという欠点があつた。

【０００４】 また、一般には、搬送ベルトに各被搬送物が搬送方向と逆方向に相対移動する のを阻止するための複数の係止片が設けられていることが多く、このようなコン ベア上において位置決めピンを被搬送物に挿入してその位置決めを行おうとする 場合には、位置決めピンの挿入にともなつて被搬送物が搬送方向と逆方向に移動 することがあるが、被搬送物は係止片への係止によつて搬送ベルトに対する搬送 方向と逆方向への相対移動が阻止されていることから、被搬送物の移動にともな つて搬送ベルトが搬送方向と逆方向に強制的に移動させられることとなり、コン ベアに過大な負荷が作用するという不具合があつた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するための手段として、少なくとも２個のプーリの 間に掛け渡した無端状の搬送ベルトに被搬送物を載置し、カムを備えた入力軸の 回転にともなつてカムと係合するカムフオロアを備えた出力軸が一方向に大きく 回転した後に僅かに逆回転する動作を繰り返すようにしたインデツクス装置の出 力軸の回転力をプーリの少なくとも一つに伝達するようにした構成とした。

【０００６】

【考案の作用及び効果】

本考案は上記構成になり、インデツクス装置の出力軸に連動してプーリが回転 するのにともない、搬送ベルトが搬送方向に大きく移動した後に僅かな距離だけ 逆方向に戻るという動きを繰り返す。これにともない、被搬送物が搬送ベルトと ともに搬送方向に大きく移動した後に僅かな距離だけ逆方向に戻りつつ間欠的に 一定ストロークずつ搬送される。

【０００７】 コンベアの終端に接続したテーブル上に移送した被搬送物を、互いに当接して 列をなした状態で、搬送ベルトの終端に載置されている被搬送物で押すことによ り滑らせながら移動させる場合には、搬送ベルトとともにその終端の被搬送物が 搬送方向と逆方向に戻る間に抜取りを行う。この間は、テーブル上の被搬送物の 列が搬送ベルトの終端の被搬送物による押圧から解放されるから、抜き取る被搬 送物とその両側の被搬送物との間に大きな摩擦抵抗が生じることはなく、被搬送 物の抜き取りを円滑かつ確実に行うことができる。

【０００８】 また、搬送ベルトに各被搬送物が搬送方向と逆方向に相対移動するのを阻止す るための複数の係止片が設けられているコンベア上において、位置決めピンを被 搬送物に挿入してその位置決めを行おうとする場合には、搬送ベルトが搬送方向 と逆方向に戻り始めると同時に位置決めピンが挿入されるようにする。位置決め ピンが挿入される間に係止片は搬送ベルトとともに搬送方向と逆方向に移動する から、位置決めピンの挿入にともなつて被搬送物が搬送方向と逆方向に移動して も、被搬送物が係止片と干渉して搬送ベルトを強制的に逆戻りさせるのを回避し 、コンベアに過大な負荷が作用するのを防止することができる。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の一実施例を添付図面に基づいて説明する。 本実施例のコンベアＡは、駆動プーリ１と従動プーリ２との間に、外面に板状 の係止片４を一定間隔で突成してなる無端状の搬送ベルト３を掛け渡し、詳しく は後述するインデツクス装置１０によつて駆動プーリ１を回転させることにより 搬送ベルト３を所定のストロークずつ間欠的に図１の右方向に移動させるように したものである。コンベアＡの始端においては、搬送ベルト３の上面に、被搬送 物５が、その搬送方向の後面を係止片４の前面に当接させることにより搬送ベル ト３に対する搬送方向と逆方向への相対移動不能な状態で載置されるようになつ ている。コンベアＡの終端には搬送ベルト３と同じ高さのテーブル６が接続され ており、コンベアＡの終端において搬送ベルト３からテーブル６上に移送された 被搬送物５は、搬送ベルト３の係止片４で押されることにより、互いに当接して 列をなした状態でテーブル６上を滑りつつ移動するようになつている。

【００１０】 次に、インデツクス装置１０について説明する。 ハウジング１１には、図３及び図４の時計方向に一定速度で回転駆動される入 力軸１２が支持されているとともに、入力軸１２と平行な出力軸１３が回転自由 に支持されている。入力軸１２には、軸線方向に間隔を空けた鍔状の第１のカム 板１４ａと第２のカム板１４ｂとからなるカム１４が一体に回転するように形成 されている。一方、出力軸１３には、３枚の支持板１５の対応する２枚の間にお いて出力軸１３と平行な軸１７に回転自由に支持されたローラ１８からなる３個 の第１のカムフオロア１６ａと３個の第２のカムフオロア１６ｂが、出力軸１３ と同心円上において６０°間隔で交互に配置して出力軸１３と一体に回転するよ うに取り付けられている。

【００１１】 入力軸１２のカム１４は、両カム板１４ａ、１４ｂの半径寸法が互いに同一で ある円弧形の停止部２０と、カムフオロア１６ａ、１６ｂが嵌合する複数の溝２ ２を両カム板１４ａ、１４ｂの外周に形成した順方向駆動部２１と、停止部２０ の時計方向の側の近傍に形成した逆方向駆動部２４とからなる。この逆方向駆動 部２４は、第１のカム板１４ａが、出力軸１３を時計方向に押す側から第１のカ ムフオロア１６ａに当接する状態を保ち、かつ、入力軸１２の回転にともなつて カムフオロア１６ａに当接する部分の半径寸法が次第に大きくなるような形状を なしているとともに、第２のカム板１４ｂが第２のカムフオロア１６ｂと干渉し ないような形状をなしている。

【００１２】 また、出力軸１３には図１に示すように出力用プーリ２５が固着されており、 出力軸１３の回転力は、出力用プーリ２５と駆動プーリ１との間に掛け渡された 歯付きベルト２６を介すことによつて駆動プーリ１に伝達されるようになつてい る。

【００１３】 本実施例は上記構成になり、インデツクス装置１０においては、入力軸１２が 図３及び図４の時計方向に一定速度で回転すると、図４（Ａ）に示すようにカム １４の停止部２０と第１のカムフオロア１６ａ及び第２のカムフオロア１６ｂと が当接する間は出力軸１３の回転が停止する。この後、図３に示す状態を経て、 図４（Ｂ）に示すように順方向駆動部２１の溝２２に第１のカムフオロア１６ａ と第２のカムフオロア１６ｂが交互に嵌合することにより出力軸１３が図の反時 計方向に回転し、図４（Ｃ）に示すように入力軸１２の図４（Ａ）に示す状態か らの回転角度が３６０°に達するより前に出力軸１３の回転角度が３６０°を僅 かに越える。

【００１４】 この状態から入力軸１２の回転角度が３６０°に達するまでの間は、第１のカ ムフオロア１６ａと第２のカムフオロア１６ｂがカム１４の逆方向駆動部２４に 係合する。この間は、第１のカム板１４ａが出力軸１３を時計方向に押す側から 第１のカムフオロア１６ａに当接する状態を保ち、かつ、第１のカム板１４ａの カムフオロア１６ａに当接する部分の半径寸法が入力軸１２の回転にともなつて 次第に大きくなることから、出力軸１３が僅かな角度Ｘだけ逆戻りするように時 計方向に回転し、図４（Ａ）に示す状態となる。

【００１５】 以上の作動によつて回転駆動される出力軸１３の回転力は歯付きベルト２６を 介すことにより駆動プーリ１に伝達される。駆動プーリ１の回転にともない、搬 送ベルト３は、係止片４の配列間隔よりも僅かに大きい寸法を搬送方向に移動し て図１に鎖線で示す位置に達した後に僅かに逆戻りして図１に実線で示す位置で 停止するのであつて、これを繰り返すことにより、搬送ベルト３は最終的に係止 片４の配列間隔と同じ寸法のストロークずつ間欠的に移動することとなる。

【００１６】 これにともない、コンベアＡの始端部においては、搬送ベルト３に載置された 被搬送物５が搬送ベルト３と一体となつて間欠的に移動しつつ搬送される。

【００１７】 コンベアＡの途中において、被搬送物５の上面に形成した位置決め孔５ａに位 置決めピン２７を挿入することにより被搬送物５の搬送ベルト３に対する位置決 めを行う際には、位置決めピン２７の挿入を、搬送ベルト３が図１に鎖線で示す 折り返し位置から逆戻りを開始した直後に行う。このときに、係止片４は搬送ベ ルト３とともに図１に実線で示す位置まで逆戻りするから、位置決めにともなつ て被搬送物５が搬送方向と逆方向にずれた場合でも、被搬送物５が係止片４と干 渉するのが回避されるのであつて、従来のように被搬送物５が係止片４を押す力 によつて搬送ベルト３が強制的に逆戻りするということがなく、コンベアＡに過 大な負荷が作用するのを防止することができる。

【００１８】 位置決めピン２７によつて位置決めされた被搬送物５は、コンベアＡ上におけ る図示しない加工や組付け等の工程を経た後に、コンベアＡの終端からテーブル ６上に移送され、係止片４で押されることによつて列をなして移動する。

【００１９】 このテーブル６上において列の途中の被搬送物５を抜き取る際には、その抜取 りを、搬送ベルト３が逆戻りを開始した直後に行う。搬送ベルト３が逆戻りする 間は、係止片４も逆戻りするために係止片４による被搬送物５の列に対する押圧 が解除され、隣り合う被搬送物５、５同士が強く押し付け合う状態から解放され る。したがつて、被搬送物５を抜き取るときにはその両側の被搬送物５、５との 間で大きな摩擦抵抗が生じることがなく、抜取りを円滑に行うことができる。

【００２０】 本考案によれば、インデツクス装置として、上記実施例において説明したカム 機構に限らず、バレルカム機構やグロボイダルカム機構等の他のカム機構を用い ることが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の一部切欠側面図である。

【図２】インデツクス装置の断面図である。

【図３】図２のＡ−Ａ線断面図である。

【図４】インデツクス装置の作動をあらわす側面図であ
る。

【符号の説明】

Ａ：コンベア １：駆動プーリ ２：従動プーリ ３：
搬送ベルト ５：被搬送物 １０：インデツクス装置
１２：入力軸 １３：出力軸 １４：カム １６ａ、１
６ｂ：カムフオロア

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも２個のプーリの間に掛け渡し
   た無端状の搬送ベルトに被搬送物を載置し、カムを備え
   た入力軸の回転にともなつて前記カムと係合するカムフ
   オロアを備えた出力軸が一方向に大きく回転した後に僅
   かに逆回転する動作を繰り返すようにしたインデツクス
   装置の前記出力軸の回転力を前記プーリの少なくとも一
   つに伝達するようにしたことを特徴とするコンベア。