JPH04121905U - ゴミ投入室 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 回収の際に手間がかからず、省スペースで厨
芥の腐敗による臭気の発生を防ぐ。 【構成】 高層建物の各階に、ゴミを収納するゴミコン
テナ１の設置スペースＳを密閉状に区画する区画壁体２
を設ける。この区画壁体２の上部パネル１０上に、設置
スペースＳへ冷気を供給する冷凍機３を載置する。この
供給された冷気が、ゴミコンテナ１内のゴミを低温に保
ち、厨芥の腐敗の進行を抑える。ゴミコンテナ１は、定
時などに昇降機５により搬出されて、ゴミ集積場所に集
められて処理される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、高層建物などの各階に設けられるゴミ投入室に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、高層住宅や事業所用ビルなどの建物においては、各階で発生するゴミを 回収するために、既存のエレベータを利用して運ぶか、或いはダストシュートに 直接投入するようにしていた。このため、エレベータ内やダストシュートが汚水 で汚れたり臭気が発生する、或いはダストシュートへのゴミ投入に伴う騒音が生 ずる、などの問題があった。

【０００３】 このような課題に対して本出願人は、各階にゴミコンテナを配置してゴミをス トックしておき、これを昇降機によって自動的に搬出入するシステムを開発し、 出願した（実願平２−１２５０９８号、他）。このゴミ搬送システムにより、清 潔で効率の良いゴミ回収が達成されるものである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、飲食店など大量の厨芥（生ゴミ）が出るテナントを有するビルなど においては、その厨芥を一般のゴミと一緒に回収しておくと、収集されるまでに 腐敗が進んで悪臭が発生してしまうという問題があった。このため近来にあって は、その厨芥は別に設けた冷蔵室に保管しておいて、収集車が来たときに他のゴ ミと合わせて積み出すようになってきている。

【０００５】 しかしながらこのような回収方式では、厨芥を冷蔵室に出し入れするという余 計な手間がかかると共に、ビル内のゴミ集積場所以外に、一時保管の冷蔵室のた めのスペースが必要となる。すなわち、上記提案のゴミ搬送システムを適用して ゴミ回収の自動化を図っても、清潔で効率の良いゴミ回収を行うという特長が損 なわれてしまう。

【０００６】 そこで本考案は、上記事情に鑑み、回収の際に手間がかからず、省スペースで 厨芥などの腐敗を防ぐことのできるゴミ投入室を提供すべく創案されたものであ る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

本考案は、高層建物などの各階に設けられ、ゴミを収納するゴミコンテナの設 置スペースを密閉状に区画する区画壁体と、この区画壁体の内方に冷気を供給し てゴミコンテナ内のゴミを冷却する冷気供給手段とを備えたものである。

【０００８】

【作用】

上記構成によって、区画壁体は、各階においてゴミコンテナを設置させ、回収 時まで保管する。冷気供給手段は、区画壁体内に冷気を供給して、ゴミコンテナ 内に収納されたゴミのうちの厨芥が腐敗するのを抑える。

【０００９】

【実施例】

以下、本考案の実施例を添付図面に従って説明する。

【００１０】 図１乃至図３は、本考案に係わるゴミ投入室の一実施例を示したものである。

【００１１】 このゴミ投入室は、高層建物の各階に設けられ、ゴミを収納するゴミコンテナ １の設置スペースＳを密閉状に区画する区画壁体２と、この区画壁体２の内方に 冷気を供給してゴミコンテナ１内のゴミを冷却する冷気供給手段たる冷凍機３と により主として構成されている。またこのゴミ投入室に隣接して昇降路４が設け られており、ゴミコンテナ１を搬出入するための昇降機５が昇降移動するように なっている。

【００１２】 ゴミコンテナ１は、上部が全面的に開口された箱体で成り、本実施例にあって は三台整列されて配置されている。すなわち、三種類のゴミ（例えば厨芥を含む 可燃ゴミ，不燃ゴミ，ビンなどの再生ゴミ）を分別して収納できるようになって いる。またこの設置スペースＳの床部にはローラコンベア６が設けられ、昇降路 ４に通じるコンテナ出入口７までゴミコンテナ１を順送りすると共に、空になっ たゴミコンテナ（図示せず）を前詰めにセット出来るようになっている。

【００１３】 区画壁体２は、各階の一画にコンクリート壁８で仕切られた小室（ゴミ投入室 ）９内に設けられており、断熱性を有するパネルにて成形されている。本実施例 にあっては、ゴミコンテナ１の開口上部から所定の間隔を隔てて覆う上部パネル １０と、コンテナ出入口７を除く側方にコンクリート壁８に張り付けられるよう に形成された側部パネル１１とで構成されている。またコンクリート壁８及び側 部パネル１１の一部には開閉口１２が形成され、利用者がゴミ投入の際に開閉で きるようになっている。またこの開閉口１２の位置では、上部パネル１０の一部 １３が展開可能に形成され、利用者がいずれかのゴミコンテナ１内にゴミ投入が できるようになっている。これら開閉口１２及び展開口（１３）は、いずれも冷 気が過度に漏れない程度に、気密保持できるように形成されている。

【００１４】 冷凍機３は、ユニットとして上部パネル１０上に載置され、区画壁体２内の設 置スペースＳに直接、5 〜10℃程度の冷気を供給できるように連通されている。 従ってこの設置スペースＳは、冷蔵室としても形成されていることになる。

【００１５】 また昇降機５の底部には移載フォーク１４が設けられ、コンテナ出入口７に向 かって伸縮自在に形成されている。そして設置スペースＳ内に伸びるフォーク片 １５の先端が、各ゴミコンテナ１の下部に形成されたフォーク挿入部１６に係合 することで、ゴミコンテナ１を昇降機５内に搭載できるようになっている。さら にコンテナ出入口７には、昇降機５の昇降・停止と同期して作動される上げ戸１ ７が設けられている。

【００１６】 次に本実施例の作用を説明する。

【００１７】 高層建物で出るゴミを回収するに際して、各階の利用者は、区画壁体２の内方 に設置されたゴミコンテナ１内に、厨芥を含めたゴミを随時投入する。これと並 行して冷凍機３が作動され、区画壁体２の内方に冷気を供給して、その室温を5 〜10℃に保つ。これでゴミコンテナ１に収納されているゴミのうち、厨芥の腐敗 の進行が阻まれる。

【００１８】 そして夜間などの定時において、昇降機５が各階に昇降・停止して、その移載 フォーク１４により、実入りのゴミコンテナ１をローラコンベア６と協動して順 次搬出し、建物の地下などに設けられたゴミ集積場所まで降ろすと共に、空のゴ ミコンテナを持ち上げて、設置スペースＳ内に送り込み、ゴミ投入可能な状態に セットする。ゴミ集積場所においては、降ろしたゴミコンテナ１の中身を貯留排 出装置（図示せず）等に開け、ゴミ収集車に受け渡す。

【００１９】 このように、ゴミコンテナ１を密閉状に囲む区画壁体３と、この区画壁体２の 内方に冷気を供給する冷凍機３とを備えて、ゴミコンテナ１ごと冷却するように したので、ゴミコンテナ１内の厨芥の腐敗の進行を防ぐことができ、臭気の出な い清潔なゴミ回収が可能になる。すなわち厨芥を一時保管する冷蔵室のためのス ペースを別に設ける必要がないと共に、ゴミをゴミ集積場所に集めるまでに余計 な手間が掛からない効率の良いゴミ回収とすることができる。

【００２０】 そして昇降機５及びローラコンベア６によりゴミコンテナ１を搬出入するよう にしたので、上記構成のゴミ投入室の作用効果と相俟って、清潔で効率の良い自 動搬送が実現される。

【００２１】 また本実施例にあっては、冷凍機３を作動させるための機構に関しては省略し たが、各階のゴミ投入量（厨芥の量）等に応じて、各階の冷凍機３の運転を管理 するようにしてもよい。このような制御により、冷却のためのエネルギを節約で きる。また厨芥が少ないと予想される階には、冷凍機３のない通常のゴミ投入室 を設け、その他の階にのみ本考案のゴミ投入室を設けるようにしてもよい。

【００２２】 なお本実施例にあっては、区画壁体２によってゴミコンテナ１の設置スペース Ｓ全体を区画するようにしたが、厨芥が投入されるゴミコンテナ１のみを囲むよ うにしても構わない。場合によっては、小室９全体を冷やすようにしても構わな い。またゴミ投入室における利用者の出入口（開閉口１２）や、ゴミの投入口（ 展開口１３）の配置などは、上記図示例に限るものではなく、ゴミ投入室の環境 ，設置条件などに応じて適宜選択されるものである。

【００２３】

【考案の効果】

以上要するに本考案によれば、次のような優れた効果を発揮する。

【００２４】 ゴミを収納するゴミコンテナの設置スペースを密閉状に区画する区画壁体と、 その内方に冷気を供給してゴミコンテナ内のゴミを冷却する冷気供給手段とを備 えたので、厨芥などを一時保管するための冷蔵室が不要になると共に回収に余計 な手間が掛かることがなくなり、省スペースで効率がよく、臭気の発生のないゴ ミ回収ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係わるゴミ投入室の一実施例を示した
側断面図である。

【図２】図１の平面断面図である。

【図３】図１のＡ−Ａ線矢視断面図である。

【符号の説明】

１ ゴミコンテナ ２ 区画壁体 ３ 冷凍機（冷気供給手段）

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 高層建物などの各階に設けられ、ゴミを
   収納するゴミコンテナの設置スペースを密閉状に区画す
   る区画壁体と、該区画壁体の内方に冷気を供給してゴミ
   コンテナ内のゴミを冷却する冷気供給手段とを備えたこ
   とを特徴とするゴミ投入室。