JPH0412094Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は農業等分岐用水路、上下水道排水路、
原子力発電の取水路などを流過する汚水中、海水
中に浮遊または水面に浮上する塵芥のほかに水路
底を押し流されてくる砂、小石、木片、金属等の
沈降する塵芥等を効果的に捕捉することができる
除塵装置に関するものである。

「従来の技術」 従来この種塵芥回収若しくは除去装置としては
種々のものがあり、例えば実公昭54−37160号は、
水路に固止的に配設した多数のレーキを有する塵
芥掻上装置の前面に昇降自在のバケツトを設け
た、いわゆる沈降流過物を確実に回収すると共
に、塵芥掻上装置の破損事故をなくすようにした
バースクリーンの考案であり、同54−38784号で
は、水路に固止的に傾斜して設けられたスクリー
ンと、このスクリーンのスクリーン溝と係合する
上下動可能なスクレーパを設けてなるスクリユー
型除塵装置が提案されている。また特公昭58−
27000号では、水路に係留されるケーシングに微
生物を活性化させる回転羽根を有する攪拌室と、
用水路の流れに直交する複数の細目スクリーンか
らなる濾過室及びスカム回収室とを設けてなる小
河川の簡易水質浄化装置であり、更に特開昭56−
62586号では、可撓性の羽根板を有する同質のベ
ルトと、尾根形状の隆起が形成された水の層に僅
か浸漬されるシユートからなる浮遊材料を回収す
るための装置であり、その実施態様としてシユー
トが水の層の表面に対して傾斜状にスライドでき
る装置が開示されています。更に又特開昭56−
65674号では多数のバケツト付濾過部材を有する
エンドレスキヤリアをスプロケツトに捲装してな
る発明であり、これら公知の技術はいずれもバケ
ツト若しくはこれに類似する回収部材を有するエ
ンドレスキヤリアを駆動装置を介して回収し、水
面上へ搬送し、ついで搬出する構造である。

「考案の解決しようとする問題点」 以上概説した従来の技術は、いずれも水路に対
してある傾斜角度で固定的に支持されており、そ
の水流、水位とか塵芥等の量、種類によつてその
傾斜角度を可変とすることは不可能であつた。た
だし前記特開昭56−62586号等では、水面に対し
てシユートの高さが調節可能に構成されている
が、その傾斜角度は一定となつており、本考案の
目的とする傾斜角度を可変とする構造とは違つて
おります。またバケツト等を有するエンドレスキ
ヤリアを駆動装置を介して回動し、塵芥等を捕捉
して水面上へ搬送する構造であるがため、微小な
ものから比較的大きなもの、或は柔軟なもの、滑
りやすいもの等種々の塵芥等に対してすべて効率
よく捕捉除去することが困難であること。更にこ
れらには付帯設備を有すること例えば軸受等の特
殊な部材を必要とし、或はバケツト及びその取付
機構が必要となること等があり問題のある処であ
る。

「問題点を解決するための手段」 上記に鑑み本考案は、用水路、排水路、取水路
等の水路にスクリーンを揺動自在に設け、このス
クリーンの揺動を司るスクリーン巻上装置の水路
の両側壁肩部に設け、このスクリーン巻上装置を
介してスクリーンを水流等に対して任意に設定で
きるように構成すると共に、スクリーンに堆積さ
れた塵芥等をスクリーンの降下と水流等を介して
バケツト装置に回収し、ついでこのバケツト装置
を吊上げ、走行等をなしコンベヤ若しくは塵芥車
等へ塵芥等を落し込み搬出するようにしたもので
ある。

「作用」 水路１の両側壁１ａに設けた例えばみぞ形鋼で
なるガイドレール等の支持装置５に遊嵌された転
子４を自動若しくは手動で降下させて、第１，２
図に示すように最下部に位置させスクリーン３の
先端部３ａが水路１の底面に設置される。この場
合スクリーン３の先端部３ａの前方に整流板１０
を設けるようにするとよい。ついでスクリーン３
の後端部３ｂを水路１の両側壁肩部１ｂに載置さ
れた基台１２間に軸支したドラム軸１３の巻上ド
ラム１４に捲装されたロープ１６等のスクリーン
巻上装置１７を介して上昇させ、水流、水位等に
対応して適宜の傾斜角度を保持しつつ第２図イの
如くその後端部３ｂが水面Ａより突出するように
設定する。この設定は自動システムとすることも
可能である。このように設定し、ある時間を経過
することにより塵芥等がスクリーン３の後部に堆
積される同図イの如くなる。そこでバケツト２４
をチエーンブロツク２３、ガイドレール１８等か
らなるバケツト装置２０を作動させて、バケツト
２４ガイドレール１８を介して水面下に降下させ
る。この降下位置はセンサーを介してなすように
するとよい。このようにバケツト２４が水面下の
所定位置に設定されたならば、こんどはスクリー
ン巻上装置１７を弛緩すると、スクリーン３がそ
の先端部３ａを支点として揺動され水面下に没す
ると（センサーを設置するとよい）、堆積された
塵芥等は水流又は水圧により前記バケツト２４へ
押し流されもつてバケツト２４に収納され同図ロ
の如くなる。ついでスクリーン３を巻上装置１７
を介して上昇させ、前記の如く所定位置に設定す
る（センサーを設置するとよい）。そうしたらこ
んどはバケツト２４をチエーンブロツク２３を介
してガイドレール１８に沿つて水面上に上昇さ
せ、その後搬送装置２６を介して（ガイドレール
１８の折曲部１８ａにガイドされ）バケツト２４
を転向させ、コンベヤ２７、車両２８等をもつて
搬送する。これらの操作を繰り返して塵芥等の回
収、除去、搬出等をなすのである。

「実施例」 図面は本考案の一実施例を示すものであり、１
は水路で、この水路１の両側壁１ａにはその肩部
１ｂに達する例えばみぞ形鋼でなるガイドレール
等の支持装置５が埋設等して設けられている。３
は水流方向に長尺物例えば山形鋼、平鋼、半截パ
イプ形鋼、みぞ形鋼、Ｈ形鋼等を多数並設したい
わゆるやな形式のもの、パンチングプレート、網
体等よりなるスクリーンで、このスクリーン３の
先端部３ａ両側に設けた転子４が前記支持装置５
に遊嵌されている。これによりスクリーン３が水
流方向に対しては固定的に、スクリーン３の先部
を水面方向に対しては上下動可能となるよう構成
してある。６は水路１の両側壁肩部１ｂに設けた
基台で、この基台６には後述する巻上ドラム用の
ドラム軸７が軸支されている。そして望ましくは
この支持装置５に手動若しくは自動のスクリーン
巻上ドラム８を軸支し、この巻上ドラム８でロー
プ９を介して転子４を昇降させるとよい。１０は
スクリーン３の先端に設けた整流板である。１２
は水路１の両側壁肩部１ｂに設置された基台で、
この基台１２間に差し渡されたドラム軸１３には
巻上ドラム１４が固止されており、この巻上ドラ
ム１４とスクリーン３の後端部３ｂ両側に設けた
滑車１５との間にはロープ１６が捲装されてい
る。これら基台１２、ドラム軸１３、巻上ドラム
１４等でスクリーン巻上装置１７が構成される。
そしてモータ１９でドラム軸１３、巻上ドラム１
４を回転させることによりロープ１６を巻取り、
巻戻してスクリーン３の後部を昇降させ、もつて
その傾斜角度を可変とする。１８は水路１の両側
壁１ａに埋設等して設けたガイドレールで、その
上部半部は水路１より延設され後述するフレーム
２１に至つており、かつその上部折曲部１８ａが
水流方向に折曲されている。２０はバケツト装置
であつて、この一例ではバケツト装置２０は水路
１の側壁肩部１ｂ間に設置されたフレーム２１
と、このフレーム２１に設けた走行レール２２
と、チエーンブロツク２３及びバケツト２４等で
構成されている。そしてこのバケツト装置２０を
構成するバケツト２４の両側面に設けた転子２４
ａがガイドレール１８に遊嵌されており、この転
子２４ａを介してバケツト２４がガイドレール１
８に沿つて昇降又は転向するようにしてある。ま
たバケツト２４は図示のように水路１の全幅と略
同一とされ、前面及び上面開放で、山型鋼を並設
した籠型や網体、パンチングプレート等で構成さ
れており、塵芥等を確実に回収できるようにして
ある。尚バケツト装置２０はその他走行クレー
ン、護岸近傍に設置するタワークレーン、油圧昇
降装置等とバケツト２４との組合せでも可能であ
る。２６は搬送装置で、この一例ではフレーム２
１に設けたチエーンブロツク２３と、コンベヤ２
７とで構成されており、チエーンブロツク２３と
ガイドレール１８の折曲部１８ａを介してバケツ
ト２４を図面上横方向へ移行し、所定位置に達し
たならばコンベヤ２７上へ塵芥等を落下せしめる
ようにしてある。また走行クレーン２２を延長し
て車輌等２８へこれらを落下せしめてもよい。更
にクレーン等で適宜場所へ旋回等して、これらを
落下せしめることもできる。また前記バケツト装
置２０と搬送装置２６とを各種制御方法を介して
自動化することも可能であり、更には前記各装置
に一体若しくは別体に荷重検出装置により塵芥の
集積状況を検出するとか、水位検出装置により水
位を検出しスクリーン３の傾斜角度を適正化する
等して全自動システムとすることも可能である。
尚例えば第３図に示すように、本考案の揺動自在
のスクリーン３を水位の途中までとし、その下方
には例えば同傾斜で固定式スクリーン３ｃを設け
る等して、各種の水路１ｃに対応し種々の組合せ
設計変更もできる。

「考案の効果」 本考案は以上詳述したように、水路に揺動自在
に設置されたスクリーンと、このスクリーンの後
端近傍に設置するバケツト装置及び搬送装置とを
設け、スクリーンの上昇で塵芥等を捕捉し、その
降下で塵芥等を水流又は水圧を利用してバケツト
へ押し流すように構成したのでその捕捉、回収に
原則として何らの付帯設備を要さず、しかも確実
にこれらの捕捉、回収等ができるし、スクリーン
が揺動自在であるので、水流とが水位その他塵芥
等の種類など対応して適切な処置ができ除塵効果
の確立性、能率性が達成される。更に構造簡単
で、故障少く、低コストで提供できるし、その据
付け作業も比較的簡易である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は一部
欠截の正面図、第２図は作用状態を示す説明図、
第３図はその他の一例を示す概略図である。 １……水路、３……スクリーン、４……転子、
５……支持装置、６……基台、７……ドラム軸、
８……巻上ドラム、９……ロープ、１２……基
台、１３……ドラム軸、１４……巻上ドラム、１
７……スクリーン巻上装置、１８……ガイドレー
ル、１９……モータ、２０……バケツト装置、２
１……フレーム、２４……バケツト、２６……搬
送装置、Ａ……水面。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 用水路、排水路、取水路等の水路に揺動自在
   に設けたスクリーンと、このスクリーンの後部
   の昇降を司る前記水路の側壁肩部に載置された
   スクリーン巻上装置と、このスクリーンを水流
   方向に対しては固定的にすると共に、その先部
   を水面方向に上下動可能とした支持装置と、前
   記スクリーンの後端に近接して設けたバケツト
   装置と、このバケツト装置のバケツトを転向さ
   せる搬送装置とを設けてなる用水路等水路の除
   塵装置。 支持装置に巻上手段を付設してなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の用水路等水路の除
   塵装置。