JPH04116427U - 水晶振動子 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ 水晶振動子の衝撃による周波数変化を防止す
る。 ［構成］ 水晶片の両端部を保持する一方のサポータの
一端不を金属ベース上に突出した一方のリード線に接続
して他端部を他方のリード線の外側に延出し、他方のサ
ポータの一端部を他方のリード線に接続して他端部を一
方のリード線の外側に延出し、各サポータの一端から他
端までの長さを大きくする。

Description

【考案の詳細な説明】

【００１】

【産業上の利用分野】

本考案は水晶振動子を利用分野とし、特に水晶片の主面を金属ベース上に対向 して保持するサポータに関する。

【００２】

【考案の背景】

水晶振動子は共振特性に優れることから、種々の電子機器に周波数あるいは時 間の基準源として有用されている。近年では、小型化を計るとともに、通信事情 等により周波数偏差が一段と厳しく、より高度のものが望まれている。

【００３】

【従来技術】

第３図乃至第５図は従来例を説明する図である。なお、第３図は水晶振動子の 断面図、第４図はサポータの図、第５図は水晶片の図である。 水晶振動子は金属容器１内に水晶片２を密閉封入して構成される。金属容器１ は金属ベース３と金属カバー４とからなり、両者のフランジ部５（ａｂ）を抵抗 溶接して封止される。金属ベース３は一対のリード線６（ａｂ）がガラス部７を 絶縁貫通して突出する。リード線６（ａｂ）の突出部には、平板状（金属板）の サポータ８（ａｂ）が取着される。サポータ８（ａｂ）は、一端部をリード線６ （ａｂ）にスポット溶接し、段部９の形成された他端部に、水晶片２の両端部を 電気的・機械的に接続する。水晶片２はＡＴカットの矩形状として両主面に励振 電極対１０を有し、両端外周部に引出電極１１を延出する。

【００４】

【従来技術の問題点】

しかしながら、上記構成のものでは、金属ベース３と金属カバー４との抵抗溶 接時時おける押圧力により、例えば第６図に示したように、金属ベース３が例え ば上下に変形し、サポータ８（ａｂ）を経由して水晶片２に歪を与える。したが って、封止前後では、応力感度特性等により発振周波数が変化する問題があった 。 このようなことから、例えば第７図に示したように、サポータ８の幅方向にく びれ部１２を設け、柔軟性をもたせて抵抗溶接時の衝撃を吸収しょうとしたもの がある。しかし、このものでは、柔軟性を大きくするにはくびれ部１２の幅を小 さくする必要がある。したがって、この場合にはくびれ部１２での機械的強度が 損なわれる問題があった。

【００５】

【考案の目的】

本考案は、衝撃による周波数変化を防止するとともに、サポータの機械的強度 を維持した水晶振動子を提供することを目的とする。

【００６】

【解決手段】

本考案は、水晶片を保持する一方のサポータの一端部を金属ベースの一方のリ ード線に接続してその他端部を他方のリード線の外側に延出し、他方のサポータ の一端部を他方のリード線に接続してその他端部を一方のリード線の外側に延出 し、各サポータの一端部から他端部までの長さを大きくしたことを解決手段とす る。以下、本考案の一実施例を説明する。

【００７】

【実施例】

第１図は本考案の一実施例を説明する水晶振動子の要部（特にサポータ）の図 である。なお、前従来例図と同一部分には同番号を付与し、その説明は簡略する 。

【００８】 水晶振動子は、前述同様、抵抗溶接にて封止される金属容器１内に、水晶片２ を密閉封入して構成される。そして、水晶片２は本考案の主をなす一対のサポー タ１３（ａｂ）により保持される。サポータ１３（ａｂ）は金属平板のプレス加 工からなり、平面形状をそれぞれ略Ｌ字状とする。そして、Ｌ字状の垂直部の上 端側（一端部）を突出して接合部１４とし、水平部（他端部）に段部１５を設け る。一方のサポータ１３ａは一端部８（接合部１４）を金属ベース３の一方のリ ード線６ａに接続して他端部（段部１５）を他方のリード線６ｂの外側に延出す る。また、他方のサポータ６ｂは一端部（接合部１４）を他方のリード線６ｂに 接続して他端部（段部１５）を一方のリード線６ａの外側に延出する。なお、図 中の黒丸印はスポット溶接の位置を示す。そして、各サポータ６（ａｂ）の段部 １５に水晶片２の両端外周部を導電性接着剤により電気的・機械的に接続した構 成とする。

【００９】 このようなものでは、各サポータ１３（ａｂ）をＬ字状とし、一端部を一方の リード線６ａに他端部を他方のリード線６ｂ側に延出したので、一端部から他端 部までの長さを大きくする。したがって、サポータ６（ａｂ）の柔軟性を増し、 抵抗溶接時の衝撃を吸収して封止前後の周波数変化を防止できる。また、従来例 のようにくびれ部を設けることもないので機械的強度をも維持する。 （他の事項） なお、上記実施例を示す第１図では、サポータ６（ａｂ）は直線的に描いて示 したが、例えば第２図に示したように各屈曲部を曲線状にしてもよく、その主旨 を逸脱しない範囲内で種々の変更を可能とするものである。

【０１０】

【考案の効果】

本考案は、水晶片を保持する一方のサポータの一端部を金属ベースの一方のリ ード線に接続してその他端部を他方のリード線の外側に延出し、他方のサポータ の一端部を他方のリード線に接続してその他端部を一方のリード線の外側に延出 し、各サポータの一端部から他端部までの長さを大きくしたので、衝撃による周 波数変化を防止するとともに、サポータの機械的強度を維持した水晶振動子を提 供できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例を説明する水晶振動子の要部
（特にサポータ）の図である。

【図２】本考案の他の実施例を説明する特にサポータの
平面図である。

【図３】従来例を説明する水晶振動子の断面図である。

【図４】従来例を説明するサポータの図である。

【図５】従来例を説明する水晶片の図である。

【図６】従来における欠点を説明する金属ベースの図で
ある。

【図７】他の従来例を説明するサポータの図である。

【符号の説明】

３ 金属ベース １３ サポータ １５ 段部

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金属ベース上に突出した一対のリード線
   に平板状の一対のサポータの一端部をそれぞれ接続して
   他端部に水晶片の両端部を電気的・機械的に接続し、該
   水晶片と前記金属ベースとの主面を対向させて保持した
   水晶振動子において、前記一方のサポータの一端部を前
   記一方のリード線に接続して該一方のサポータの他端部
   を前記他方のリード線の外側に延出し、前記他方のサポ
   ータの一端部を前記他方のリード線に接続して該他方の
   サポータの他端部を前記一方のリード線の外側に延出
   し、該サポータの一端部から他端部までの長さを大きく
   して前記水晶片を保持したことを特徴とする水晶振動
   子。