JPH0411621Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は必要に応じて即席にて加熱を要する飲
食物とくに日本酒などを収容する発熱容器に関す
るものである。

［従来の技術］ 従来、この種の発熱容器は、紙管の中に金属製
容器を入れて、この両者の開口端部同士を巻締め
て固定し、金属製容器の外側に酒等を充填して蓋
をすると共に、金属製容器内に水入りのプラスチ
ツクフイルム製容器と生石灰を充填し、段ボール
シート等の吸水性シートをかぶせ、更に中央にピ
ン突き刺し用の孔とこの周囲に空気孔を有する蓋
をし、この蓋の中央の孔と空気孔からの透湿を防
ぐため、これらの孔を覆つて、プラスチツクフイ
ルムを全面でヒートシールして成るものであつ
た。

この発熱容器の使用に際しては、別添のピンに
より、金属製容器の蓋の中央の孔からこのピンを
挿入して水入り容器に穴を開け、しかる後、この
ピンを引き抜いて、水入り容器に開けられたピン
穴から水を排出して周囲の生石灰と反応発熱させ
る。反応の初期には急激な反応が生じるため水蒸
気が発生すると共に内圧が増大するが、水蒸気は
段ボールシートのピン穴や段ボールシートの周囲
を通り、蓋の中央の孔や空気孔を通つて発熱容器
外部に排出される。排出された水蒸気が例えば人
体等に触れるのを防ぐため、発熱容器にはオーバ
キヤツプが添付されている。

［考案が解決しようとする問題点］ この種の発熱容器では、反応によつて生石灰が
消石灰に変化すると共にその体積が膨張するが、
このため、金属製容器の蓋の中央の穴は塞がれて
しまうことがあつた。また空気孔は、プラスチツ
クフイルムが全面でヒートシールされているた
め、このフイルムが剥離し難く、このため、空気
孔からも水蒸気が排出され難い。このように予定
された機能が十分に働かない結果、金属製容器の
内圧が高まり、強度的に弱い部分が破壊されると
いう事故が生じていた。

本考案は水蒸気の排出を確実なものとして、こ
のような事故を防止し得る発熱容器を提供するこ
とを目的とする。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するため、本考案は、加熱を要
する酒等の飲料を収容し、必要に応じて内蔵する
金属製発熱反応容器内の反応により発熱させ、そ
の外周の被加熱物を加熱することのできる発熱容
器であり、内蔵する発熱反応容器内には水と反応
して発熱する物質と水を収容するプラスチツクフ
イルム製水容器を収納し、上記発熱反応容器の小
孔を有する蓋と発熱物質の間に吸水性シートが重
ねられてなる発熱容器において、上記発熱反応容
器の蓋は中心にピン突き刺し用の小孔を有し、そ
の外周に水蒸気を通す空気孔を設け、かつ上記蓋
の外面に、蓋にホツトメルト接着剤を介し孔閉塞
用フイルムを接着したことを特徴とする発熱容器
を提供する。

［作用］ 本考案の発熱容器では、反応初期の高温のため
にフイルムを接着したホツトメルト接着剤が70〜
90℃で溶融するので、内圧によりこれがはがれ、
その個所から水蒸気が外に逃れるようにしてある
から上述のような事故が生じない。

［実施例］ 本考案を以下、図示の実施例によつて説明す
る。

本考案の発熱容器の一例は第１図の断面説明図
に示されている。

第１図において、１は紙管、２はプルトツプ型
金属またはプラスチツクフイルムと金属箔のラミ
ネート体よりなる蓋、３は金属製の発熱反応容器
で、４はその金属製の蓋であり中心にピン突き刺
し用の小孔４１が設けられその周囲に空気孔４２
が設けられている。この蓋４の外面は小孔４１を
覆うプラスチツクフイルム１２でホツトメルト接
着剤１３により接着されている。この発熱反応容
器３はプラスチツクフイルム製水容器５と水と反
応して発熱する生石灰７を内蔵している。６は被
加熱物（例えば日本酒）である。８は断熱用ダン
ボール紙で中央に十字の切込みがある。このフイ
ルム１２の外面にはオーバーキヤツプ９が冠され
その中心にピン突き刺し用の小孔９１が設けられ
ている。１４はプラスチツクリングで紙管内に嵌
入されて蓋に接着されている。

加熱させるには別添のピン１１の鋭利な先端
で、プラスチツク製のオーバーキヤツプ９の小孔
９１を通して反応容器３の蓋４の中心にある小孔
４１にプラスチツクフイルム１２の上から突き刺
し反応容器３の中の水容器５のフイルムを破ると
水が外周の発熱物質、例えば生石灰７に浸透して
発熱反応を起させることにより発熱反応容器３の
外周の被加熱物質６を加熱することができるもの
である。すなわちピン１１を突き刺しには容器全
体を倒置してピンを突き刺し、上記のように数秒
で反応により発熱が起るから容器を正置して数分
すると酒の場合にお燗ができる。そこで蓋２を開
いて飲むことができる。

本考案においては発熱反応容器３の底４にピン
１１の突き刺し用小孔４１の他にその外方に水蒸
気を逃すための空気孔４２を少くとも１個、また
は複数個設け、孔のシール用のフイルム１２を底
４の外面を底４にホツトメルト接着剤１３を介し
て接着する。ホツトメルト接着剤１３はエチレン
−ビニルアセテート系のもので70〜90℃で溶融す
るものを使用する。接着剤が強すぎると反応時に
膨脹した消石灰（生石灰が水と反応して消石灰に
なり、この時に容積が増加する）がピンで刺した
穴を閉塞することがあり折角設けた空気孔４２か
ら外への水蒸気が出るのを妨げ内部が加圧状態と
なり大変危険である。この反応初期の発熱により
ホツトメルト接着剤が溶融してフイルムが剥がれ
るので、ピンで突き刺した穴が膨張した消石灰で
閉塞されても空気孔１３から外部に水蒸気を分散
して逃がすことができる。なお、加熱を起すため
に突き刺したピンはそのまま放置してもよく、ま
た引き抜いてもよい。

［効果］ 本考案は上述の構成となつているので発熱反応
容器の底にピンの突き刺し用の小孔の他に発生す
る水蒸気を逃すための空気孔があるので、反応初
期に高温となり膨張した消石灰が底の、ピンで開
いた穴を閉塞していてもホツトメルト接着剤が溶
融してフイルムが剥がれるので空気孔から噴出す
る水蒸気を分散して逃がすことができるので事故
を起すようなことがなくなつた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の発熱容器の断面説明図であ
る。 １……紙管、２……プルトツプ式の蓋、３……
発熱反応容器、４……発熱反応容器の底、４１…
…小孔、５……水容器、６……被加熱物、７……
生石灰、８……断熱用ダンボール、９……オーバ
ーキヤツプ、９１……小孔、１１……ピン、１２
……フイルム、４２……空気孔、１４……プラス
チツクリング、１３……ホツトメルト接着剤。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 加熱を要する酒等の飲料を収容し、必要に応じ
   て内蔵する金属製発熱反応容器内の反応により発
   熱させ、その外周の被加熱物を加熱することので
   きる発熱容器であり、内蔵する発熱反応容器内に
   は水と反応して発熱する物質と水を収容するプラ
   スチツクフイルム製水容器を収納し、上記発熱反
   応容器の小孔を有する蓋と発熱物質の間に吸水性
   シートが重ねられてなる発熱容器において、上記
   発熱反応容器の蓋は中心にピン突き刺し用の小孔
   を有し、その外周に水蒸気を通す空気孔を設け、
   かつ上記蓋の外面に、蓋にホツトメルト接着剤を
   介し孔閉塞用フイルムを接着したことを特徴とす
   る発熱容器。