JPH04115353U - 磁気ヘツド支持用ジンバルプレート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 磁気シールド効果の高い磁気ヘッド支持用ジ
ンバルプレートを提供する。 【構成】 磁気ヘッド支持用ジンバルプレート１１を、
上部プレート１１ａ，中間プレート１１ｂ，上部プレー
ト１１ｃからなる３層構造とする。上部プレート１１
ａ，下部プレート１１ｃは弾性変形可能なステンレス板
で、中間プレート１１ｂは高透磁率のＦｅＮｉ₃ 合金で
構成する。これにより、磁気ヘッド２を支持する磁気ヘ
ッド支持用ジンバルプレート１１にバネ性と磁気シール
ド効果を持たせる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は磁気ヘッド支持用ジンバルプレートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

図４は従来の磁気ヘッド支持用ジンバルプレート（以下、ジンバルと称する。 ）１を示す斜視図である。図４において、磁気ヘッド２はジンバル１の中央部３ に固定してある。ジンバル１は外側枠部４をキャリッジベース（図示せず）に配 設されたキャリッジ（図示せず）に固定される。

【０００３】 ジンバル１は、外側枠部４と連結部５ａ，５ｂにより連結され、また中央部３ と連結部６ａ，６ｂにより連結された中間枠部７を有する。連結部５ａ，５ｂと 連結部６ａ，６ｂとは略直行する構成とされている。ジンバル１は、ステンレス 材あるいはベリリウム・カッパー材からなる板厚５０μｍ〜０．２ｍｍの平板を プレス加工により打ち抜いて形成されており、各連結部が容易に捩じれ変形し得 る構成とされている。

【０００４】 これにより磁気ヘッド２は、モータ（図示せず）に駆動され回転する磁気ディ スク面（図示せず）に自在に摺接可能となり、磁気ディスクに記録再生すること が出来る。

【０００５】 なお８は、磁気ヘッド２と回路基板との信号の接続を行うためのフレキシブル ・ワイヤである。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら従来の構成によれば、磁気ヘッド２は非磁性体のステンレス平板 から成るジンバル１に固定されており、外部磁界による誘導起電力を発生しやす い欠点があった。

【０００７】 特に高密度の磁気ディスク装置では、ディスク駆動用のモータ・ノイズやＣＲ Ｔノイズ等の外部磁界による誘導ノイズが発生しやすい。このため、読み取りエ ラーや書き込みエラーが発生して信号が損なわれる問題があった。

【０００８】 上記の点に鑑み本考案では、磁気ヘッドが外部磁界による誘導ノイズを発生す ることのない磁気ヘッド支持用ジンバルプレートを提供することを目的とする。

【０００９】

【課題を解決するための手段】

上記の問題を解決するために本考案では、磁気ヘッドが磁気ディスク面に摺動 添接するよう配設された磁気ヘッド支持用ジンバルプレートにおいて、 磁気ヘッドを磁気ディスク面に摺動自在に支持する弾性変形可能なバネ部材と 、磁気ヘッドを外部磁界に対し磁気シールドする磁性材の積層構造として構成し た。

【００１０】

【作用】

上記構成の磁気ヘッド支持用ジンバルプレートは弾性変形可能であり、且つ磁 気シールド効果を有し、磁気ヘツドを外部磁界に対して磁気シールドする。

【００１１】

【実施例】

図１は、本考案の一実施例になる磁気ヘッド支持用ジンバルプレート１１の斜 視図である。同図中、図４と同一構成部分には同一符号を付し、その説明は省略 する。

【００１２】 図１において、磁気ヘッド２はジンバル１１の中央部１３に固定してある。ジ ンバル１１は外側枠部１４をキャリッジベース（図示せず）に配設されたキャリ ッジ（図示せず）に固定される。

【００１３】 ジンバル１１は、外側枠部１４と連結部１５ａ，１５ｂにより連結され、また 中央部１３と連結部１６ａ，１６ｂにより連結された中間枠部１７を有する。連 結部１５ａ，１５ｂと連結部１６ａ，１６ｂ は略直行する構成とされている。

【００１４】 上記のジンバル１１は、プレス加工により打ち抜き成形された上部プレート１ １ａ（バネ部材），中間プレート１１ｂ（磁性材），下部プレート１１ｃ（バネ 部材）がエポキシ樹脂系の接着剤により接着接合された積層構造とされている。 上部プレート１１ａおよび下部プレート１１ｃは非磁性体のステンレス板からな り、中間プレート１１ｂは強磁性体のＦｅＮｉ₃ 合金からなっている。上部プレ ート１１ａ，中間プレート１１ｂ，下部プレート１１ｃは、夫々の板厚を２０μ ｍとされている。

【００１５】 ＦｅＮｉ₃ 合金からなる中間プレート１１ｂは、およそ８５０〜１１００°Ｃ の温度で２時間程度磁気アニール処理されており、極めて大なる透磁率とされる 。上部プレート１１ａおよび下部プレート１１ｃはステンレス板からなり、バネ 性を持っている。

【００１６】 よって、連結部１５ａ，１５ｂと連結部１６ａ，１６ｂとは、ジンバル１１の 中央部１３に固定された磁気ヘッド２の動きに応じて捩じれ変形可能とされてい る。

【００１７】 図２は、本考案の一実施例を適用した磁気ディスク装置の要部の断面図である 。

【００１８】 図２においてジンバル１１は、外側枠部の部分をキャリッジ２１の先端の四角 形開口２２の下部に配設された段部２１ａに固定されて、四角形開口２２を塞ぐ ようにキャリッジ２１に取り付けてある。キャリッジ２１は板ばね２３を介して キャリッジベース２４に取り付けてある。

【００１９】 磁気ヘッド２は、キャリッジベース２４上の磁気ヘッド２５と対向しており、 スピンドル２６を回転中心として矢印Ａ方向に回転するフレキシブル磁気ディス ク２７を挟んでこれに添接している。

【００２０】 以上説明した通り本実施例によれば、磁気ヘッド２は、高透磁率で磁気シール ド効果が高く且つバネ性を有するジンバル１１を介して、キャリッジ２１に支持 される。よって、磁気ヘッド２は回転するフレキシブル磁気ディスク２７の表面 の状況に応じて撓むことが出来て、ディスク面に自在に摺接可能となる。

【００２１】 また、磁気ヘッド２はジンバル１１により磁気シールドされるので、ディスク 駆動用のモータ・ノイズや電源ノイズ、ＣＲＴノイズ等の外部ノイズによる誘導 ノイズを発生することがない。このため、読み取りエラーや書き込みエラーが発 生して信号を損うこともない利点がある。

【００２２】 尚、上記の実施例では、エポキシ樹脂系の接着剤により、高透磁率の磁性材と バネ性を有する金属部材とを接着接合した異種金属の積層構造としている。しか し、接合方法としてはこれにかぎるものでなく、スポット溶接により接合しても 同様の効果を得ることが出来る。また、上記実施例の様に異種金属の接合によら ずに、一体に積層されて結合した復号金属材料（クラッド材）を用いてジンバル １１を構成しても、その材料により磁気シールド効果とバネ性を共に得ることが 可能である。

【００２３】 図３は、本考案の他の実施例になる磁気ヘッド支持用ジンバルプレート３１の 斜視図である。

【００２４】 図３において、磁気ヘッド２はジンバル３１の中央部３３に固定してある。ジ ンバル３１は外側枠部３４をキャリッジベース（図示せず）に配設されたキャリ ッジ（図示せず）に固定される。

【００２５】 ジンバル３１は、外側枠部３４と連結部３５ａ，３５ｂにより連結され、また 中央部３３と連結部３６ａ，３６ｂにより連結された中間枠部３７を有する。連 結部３５ａ，３５ｂと連結部３６ａ，３６ｂ は略直行する構成とされている。

【００２６】 上記のジンバル３１は、プレス加工により打ち抜き成形された上部プレート３ １ａ（バネ部材），下部プレート３１ｂ（磁性材）がエポキシ樹脂系の接着剤に より接着接合された積層構造とされている。上部プレート３１ａは非磁性体のス テンレス板からなり、下部プレート３１ｂは強磁性体のＦｅＮｉ₃ 合金からなっ ている。上部プレート３１ａ，下部プレート３１ｂは、夫々の板厚を３０μｍと されている。

【００２７】 本実施例によっても、ジンバル３１は磁気シールド効果とバネ性を共に有して おり、前記実施例と同様の効果が得られる。

【００２８】 なお、上部プレート３１ａを強磁性体のＦｅＮｉ₃ 合金とし、下部プレート３ １ｂをステンレス板としても同様の効果が得られる。また、ジンバル３１を積層 構造とする方法としては、スポット溶接、クラッド材等によっても構わない。

【００２９】 また、本実施例では捩じれ変形可能に可動ヘッドを支持する磁気ヘッド支持用 ジンバルプレートについて本考案を適用したが、捩じれ変形可能な連結部を持た ず、磁気ヘッドを固定して支持する磁気ヘッド支持用ジンバルプレートについて 適用しても構わない。

【００３０】

【考案の効果】

上述の如く本考案によれば、磁気ヘッドがディスク駆動用のモータ・ノイズや ＣＲＴノイズ等の外部磁界による誘導ノイズを発生することなく、磁気ディスク 面に自在に摺接可能となる。このため、誘導ノイズによって読み取りエラーや書 き込みエラーが発生して信号を損うことなく、ディスクへの記録再生が行える特 長がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の斜視図である。

【図２】本考案の一実施例を適用した磁気ディスク装置
の要部の断面図である。

【図３】本考案の他の実施例の斜視図である。

【図４】従来の磁気ヘッド支持用ジンバルプレートを示
す斜視図である。

【符号の説明】

２ 磁気ヘッド １，１１，３１ 磁気ヘッド支持用ジンバルプレート １１ａ，３１ａ 上部プレート １１ｂ 中間プレート １１ｃ，３１ｂ 下部プレート

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 磁気ヘッドが磁気ディスク面に摺動添接
   するよう配設された磁気ヘッド支持用ジンバルプレート
   において、前記磁気ヘッドを前記磁気ディスク面に摺動
   支持する弾性変形可能なバネ部材と、前記磁気ヘッドを
   外部磁界に対し磁気シールドする磁性材の積層構造とし
   てなることを特徴とする磁気ヘッド支持用ジンバルプレ
   ート。