JPH041118Y2

JPH041118Y2 -

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Publication number: JPH041118Y2
Application number: JP1986117928U
Authority: JP
Priority date: 1986-07-31
Filing date: 1986-07-31
Publication date: 1992-01-14
Also published as: CA1293285C; US4801229A; JPS6323294U

Description

【考案の詳細な説明】〔産業上の利用分野〕本考案は運搬容器に係り、特に乗用車等の完成
車を自走方式で４台積付けることができるととも
に、完成車を積付けない場合には、一般の雑貨物
の運搬容器として用いることができる運搬容器に
関する。

〔従来の技術〕

従来この種の運搬容器としては、例えば特公昭
60−10952号公報に示されているように、コンテ
ナ本体の内方両側部適所に棚体を配設し、該棚体
の前端部をコンテナ本体のフロント側の端部に上
下回動自在に支承して棚体を適宜な機構を介して
一体的に水平状態からコンテナ本体のドア側の端
部に向かつて下向きに傾斜可能に構成し、さらに
これらの棚体の外側端縁を中心としてコンテナ本
体の内壁面に折たたみ可能に構成したものが一般
に知られている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

前記従来の運搬容器においては、上段側の完成
車の下端位置、すなわち棚体の完成車積付け面
が、下段側の完成車の天端位置よりも上方に位置
しているため、コンテナ本体の高さ寸法が通常の
コンテナよりも大幅に高くなり、船艙内あるいは
デツキ上に積付けた際に、コンテナの積付け段数
に制限が生じ、また通常のコンテナとの間に大き
な段差ができてしまい、上面側に大型の非コンテ
ナ貨物を複数のコンテナに跨がつて積付けたり、
あるいはコンテナを固縛する際に、不便であると
いう問題がある。

また、従来の運搬容器をトレーラに搭載して陸
上輸送する場合に、コンテナ本体の背丈が高いた
め、当該国の法規で定められた高さ制限に抵触す
るケースが多くなり、この場合には、他の輸送手
段に積み替えて輸送しなければならず、海上輸送
を含めた全体の輸送効率が極端に悪くなるという
問題もある。

また従来の運搬容器においては、傾斜状態の棚
体上に自走方式で完成車を積付けた後、棚体のコ
ンテナドア側の端部を大型のチエーンブロツク等
を用いて持ち上げる必要があるため、棚体周りの
構成が複雑になるとともに、重量物の持ち上げ作
業となるため作業が容易でなく、また通常のドラ
イコンテナとして使用する場合に、大型のチエー
ンブロツク等が邪魔になつて作業性が悪いという
問題がある。

また従来の運搬容器においては、通常のドライ
コンテナとして使用する場合に、棚体をコンテナ
本体の内側壁面に折たたむようにしているため、
棚体の折たたみ厚さの分だけ両側壁において、す
なわち棚体の折たたみ厚さの２倍分だけコンテナ
本体の有効幅が狭くなり、その分一般の雑貨物の
積付け量が少なくなるという問題がある。

本考案はかかる現況に鑑みなされたもので、４
台の完成車を自走方式により積付けることができ
るとともに、積付け後の重量物の昇降作業がなく
作業が容易であり、またトレーラに搭載して何等
支障なく陸上輸送することができ、しかも完成車
を積付けない場合には、積付け量の減少を最小限
に抑えて一般の雑貨物を積付けることができる運
搬容器を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案は、後端にドアを有して前後方向に長い
方形状をなすとともに、上下端の外面四隅部に、
コーナキヤステイングをそれぞれ有し、床面上に
２台の下段完成車が積付けられる容器本体と；こ
の容器本体の両側壁部にそれぞれ支持され、前記
両下段完成車に対し長手方向に位置をずらせて１
台の上段完成車を積付け保持する前方デツキと；
この前方デツキに上段完成車を自走させて積付け
るための前方デツキ案内機構と；少なくともフロ
ント側の端部が容器本体の両側壁部にそれぞれ支
持され、前記両下段完成車に対し長手方向に位置
をずらせて１台の上段完成車を積付け保持する後
方デツキと；この後方デツキに上段完成車を自走
させて積付けるための後方デツキ案内機構と；を
備え、前記両デツキの上段完成車積付け面の少な
くとも一部を、下段完成車の天端よりも下方に位
置させるとともに、これら両デツキを、昇降機構
により上動させて容器本体の天壁直下位置に収納
可能としたことを特徴とする。

〔作用〕

本考案に係る運搬容器においては、上段完成車
を積付けるための各デツキの積付け面の少なくと
も一部を、下段完成車の天端よりも下方に位置さ
せているので、上下段の完成車が上下方向に一部
オーバラツプして積付けられることになり、その
分運搬容器の高さ寸法を小さくできる。また両デ
ツキに積付けられる上段完成車は、各案内機構を
用いて自走方式で積付けられるので、積付け後に
両デツキを動かす必要がなく、作業性の向上が図
られる。また両デツキは、昇降機構により上動さ
せて容器本体の天壁直下位置に収納できるように
なつているので、積付け量の減少を最小限に抑え
て一般の雑貨物を積付けることができる。そして
この場合の昇降機構は、完成車を積付けない状態
で両デツキを昇降させることになるので、小型、
軽量、および構造の簡素化が可能となり、一般の
雑貨物を積付ける際に、これらが邪魔になること
がない。

〔実施例〕

以下本考案の第１実施例を図面を参照して説明
する。

第１図ないし第３図は、本考案に係る運搬容器
の一例としてのコンテナを示すもので、このコン
テナ１は、上下端の各四隅部にコーナキヤステイ
ング２を有するとともに長手方向一端にドア３を
有する箱形のコンテナ本体４を備えており、この
コンテナ本体４の床面５上には、第１図に示すよ
うに前部を向かい合わせて２台の下段完成車C₁，
C₂が積付けられるようになつている。

また、これら両下段完成車C₁、C₂の間の上方
位置には、第１図に示すように上段完成車C₃を
積付け保持する前方デツキ６が設置されており、
この前方デツキ６の上段完成車C₃の積付け面F₃
は、両下段完成車C₁，C₂の天端よりも下方に位
置し、上下段の相互の完成車C₁，C₂，C₃が上下
方向に一部オーバラツプして積付けられるように
なつている。そしてこれにより、コンテナ本体４
の高さ寸法を必要以上に高くすることなく完成車
を上下二段に積付けられるようになつている。こ
の前方デツキ６については、後に詳述する。

また前記コンテナ本体４のドア３側の端部空間
内には、第１図に示すように上段完成車C₄をド
ア３側に向かつて下り勾配で積付け保持する後方
デツキ７が設置されており、この後方デツキ７の
上段完成車C₄の積付け面F₄は、少なくとも下端
側が両下段完成車C₁，C₂の天端よりも下方に位
置し、上段完成車C₄の一部が両下段完成車C₁，
C₂と上下方向にオーバラツプして積付けられる
ようになつている。

この後方デツキ７は、上段完成車C₄の積付け
状態においては、第１図に実線で示すように急な
傾斜角度で設置され、上段完成車C₄を自走させ
て直接積付けることができるようになつている。
すなわち、後方デツキ７は、後方デツキ７上に上
段完成車C₄を自走させて積付けるための後方デ
ツキ案内機構を兼ねている。一方前記前方デツキ
６に上段完成車C₃を積付ける場合には、後方デ
ツキ７は第１図に鎖線で示すように緩やかな傾斜
角度で設置され、両デツキ６，７間に掛け渡され
る中間デツキ８とともに、前方デツキ６上に上段
完成車C₃を自走させて積付けるための前方デツ
キ案内機構９を構成するようになつている。これ
らについては、後に詳述する。

前記前方デツキ６は、第２図および第４図に示
すように前横梁１０と、後横梁１１と、これら両
横梁１０，１１の間を連結する梯子状の２個の連
結部材１２とを備えており、各連結部材１２の上
面には、網等の上面材１３が配されている。また
両連結部材１２は、第４図に示すように上段完成
車C₃が左ハンドルであることを想定して図中上
方に位置をずらせて配置されており、これによ
り、前方デツキ６上に自走方式で上段完成車C₃
を積付けたドライバが容易に降車できるようにな
つている。また第４図において下方側の連結部材
１２の下方位置には、前記ドライバの通路あるい
は上段完成車C₃を前方デツキ６上に固縛する作
業員の足場等として利用される補助デツキ１４が
設けられている。

前記各横梁１０，１１の両端部には、第５図に
示すように平面コ字状をなす案内金具１５がそれ
ぞれ設けられており、これら各案内金具１５は、
外壁１６ａおよび内壁（図示せず）とともにコン
テナ本体４の側壁１６を構成する支柱１６ｂに係
合され、前方デツキ６は、第２図に示すように２
組の前方デツキ昇降機構１７ａ，１７ｂを同時に
操作することにより、各支柱１６ｂ上端の収納位
置から各支柱１６ｂ中間のデツキ設置位置まで各
支柱１６ｂをガイドとして昇降するようになつて
いる。

前記各前方デツキ昇降機構１７ａ，１７ｂは、
第２図に示すように各横梁１０，１１の両端に一
端が連結された昇降ワイヤ１８と、この昇降ワイ
ヤ１８が巻き掛けられる滑車１９と、昇降ワイヤ
１８の他端を巻き取るウインチ２０とから構成さ
れており、前記滑車１９およびウインチ２０は、
明確には図示していないが前記側壁１６の壁厚内
に組付けられ、コンテナ１を通常のドライコンテ
ナとして使用する際に、各前方デツキ昇降機構１
７ａ，１７ｂが邪魔にならないよう考慮されてい
る。

また前方デツキ６の昇降をガイドする各支柱１
６ｂの側面には、第５図に示すようにその上端お
よび中間位置にピン挿入孔２１ａ，２１ｂがそれ
ぞれ設けられており、各ピン挿入孔２１ａ，２１
ｂと案内金具１５に設けた孔１５ａとを符号させ
てピン（図示せず）を挿入することにより、前方
デツキ６が前記収納位置とデツキ設定位置とに固
定されるようになつている。また前方ピン挿入孔
２１ｂの下方位置には、第５図に示すように各支
柱１６ｂにそつて下降してきた前方デツキ６のそ
れ以上の下降を阻止するストツパ２２が設けら
れ、前方デツキ６のデツキ設定位置への位置決め
を容易なものとしている。

一方、前記後方デツキ７は、第２図、第４図お
よび第６図に示すように横梁２３と、フロント側
の端部がこの横梁２３にピン２４を介して揺動自
在に連結される梯子状の２個の連結部材２５とを
備えており、各連結部材２５の上面には、網等の
上面材２６が配されている。これら両連結部材２
５は、第４図に示すように前方デツキ６の連結部
材１２と同様、図中上方に位置をずらせて配置さ
れ、また図中下方側の連結部材２５の下方位置に
は、前記補助デツキ１４と同様に使用される補助
デツキ２７が設けられている。

前記横梁２３の両端部には、前記前方デツキ６
の両横梁１０，１１と同様、側壁１６の支柱１６
ｂにそつて上下にスライドし所定の高さ位置にピ
ン固定される案内金具（図示せず）が設けられて
側壁１６で支持されるようになつており、また連
結部材２５のドア３側の端部は、完成車の積込み
時に床面５上に載置されてこの床面５で支持され
るようになつている。

この後方デツキ７の前後両端部には、第２図に
示すように前記各前方デツキ昇降機構１７ａ，１
７ｂと同一構造の後方デツキ昇降機構２８ａ，２
８ｂがそれぞれ設けられ、後方デツキ７は、この
後方デツキ昇降機構２８ａ，２８ｂを操作するこ
とにより、第７図に実線で示す収納位置から鎖線
で示す使用位置まで昇降するようになつている。

また前記中間デツキ８は、第２図および第４図
に示すように梯子状をなす２個の連結部材２９
と、その上面に配される網等の上面材３０とを備
えており、各連結部材２９の前後両端部には、第
６図に示すように後横梁１１と横梁２３との間に
各連結部材２９が着脱可能に装着するためのＬ形
金具３１がそれぞれ固設されている。そしてこの
中間デツキ８は、第７図に実線で示すように前方
デツキ６を上昇させてコンテナ本体４の天壁３２
直下位置に収納する際に、前方デツキ６上に載置
固定されるようになつている。

なお第１図において符号３３は、完成車C₁，
C₂，C₃，C₄をコンテナ本体４内に積付ける際に
ドア３部分に設置される補助板で、この補助板３
３の設置により、ドア３部分の段差が吸収される
ようになつている。この補助板３３は、第７図に
実線で示すように後方デツキ７を上昇させてコン
テナ本体４の天壁３２直下位置に収納する際に、
この後方デツキ７上に載置固定されるようになつ
ている。

次に、本実施例の作用について説明する。

各完成車C₁，C₂，C₃，C₄の積付けに際しては、
まず第７図に実線で示すように各デツキ６，７，
８および補助板３３をコンテナ本体４の天壁３２
直下位置に収納した状態から、後方デツキ７を下
降させ、補助板３３を取外してドア３部分に設置
し、再び後方デツキ７を収納位置まで上昇させ
る。

次いで、下段完成車C₁をバツクで自走させて
コンテナ本体４の床面５の所定位置に積付け、所
定の固縛手段により固縛する。この際、下段完成
車C₁は、ドア３側から見て左側の側壁１６に寄
せて積込み、ドライバの乗降側に大きなスペース
が確保されるようにする。

次いで、前方デツキ６を下降させて第１図に示
す状態に設置するとともに、後方デツキ７を下降
させて第１図に鎖線で示す状態に設置する。そし
てその後、両デツキ６，７間に第１図に鎖線で示
すように中間デツキ８を設置する。これにより、
前方デツキ６が上段完成車C₃の積付け位置に設
置されるとともに、この前方デツキ６上に上段完
成車C₃を自走させて積付けるための前方デツキ
案内機構９が構成される。そこで、この前方デツ
キ案内機構９を介して前方デツキ６上に上段完成
車C₃を積付け、所定の固縛手段により固縛する。

次いで、中間デツキ８を取外し、例えばコンテ
ナ本体４の側壁１６内面に立て掛けて固定すると
ともに、後方デツキ７を邪魔にならない位置まで
上昇させる。そしてその後、コンテナ本体４の床
面５上に前向きで下段完成車C₂を積付けて固縛
する。この下段完成車C₂は、前記下段完成車C₁
と異なり、ドア３側から見て右側の側壁１６に寄
せて積付けられる。

次いで、後方デツキ７を下降させ、第１図に実
線で示す状態に設置し、この後方デツキ７上に上
段完成車C₄を自走方式で積付けて固縛する。そ
してその後、補助板３３を取外し、例えばコンテ
ナ本体４の側壁１６内面に立て掛けて固定する。

コンテナ本体１内に積付けられている各完成車
C₁，C₂，C₃，C₄を積降ろす場合には、前記する
積付けとは逆の手順で行なう。

一方、コンテナ１を通常のドライコンテナとし
て使用する場合には、第７図に示すように前方デ
ツキ６上に中間デツキ８を、また後方デツキ７上
に補助板３３をそれぞれ載置固定した状態で、両
デツキ６，７を上昇させ、コンテナ本体４の天壁
３２直下位置に収納する。この部分は、コンテナ
１を通常のドライコンテナとして使用する場合
に、貨物を積付けるための有効空間として利用さ
れることがほとんどない空間であるので、特に問
題はない。

すなわち、第３図に示すようにドア３の上端と
天壁３２下面との間には、コンテナの構造上必然
的に所定の上下寸法Ｌ（通常10cm程度）だけのず
れが生じる。そして一般の雑貨物をフオークリフ
ト等を用いてコンテナ１内に積付ける場合、ドア
３部分の開口高さ以下の高さを有する貨物をコン
テナ１内に搬入し、これを１段積みで積付けるの
が通例であるので、この場合には、天壁３２直下
位置に前記上下寸法Ｌだけの空間が必ず形成され
ることになる。そして前記各デツキ６，７，８お
よび補助板３３は、この空間内に収納されるの
で、コンテナ１の貨物積載量が減少することはな
い。

なお、小形の貨物をコンテナ１内に搬入し、こ
れを複数段積みで積付ける場合があり、このよう
な場合には、前記上下寸法Ｌの空間を貨物積付け
時の作業スペース等として利用することもある
が、このような事態が発生するのは、複数段積付
けた貨物の合計高さ寸法が、コンテナ１の床面５
から天壁３２までの高さ寸法とほぼ等しい場合の
みであり、このようなケースは極めて稀であるの
で、天壁３２の直下位置に各デツキ６，７，８お
よび補助板３３を収納することに伴なう不具合は
ほとんどない。

しかして、上段完成車C₃，C₄を積付けるため
の各デツキ６，７の積付け面F₃，F₄の全部また
は一部を、下段完成車C₁，C₂の天端よりも下方
に位置させているので、上下の各完成車C₁，C₂，
C₃，C₄が上下方向に一部オーバラツプして積付
けられることになり、その分コンテナ本体４の高
さ寸法を小さくできる。また前方デツキ６は、前
部を向かい合わせた両下段完成車C₁，C₂の間に
位置しているので、その積付け面F₃を充分下げ
ることができ、また後方デツキ７は、その積付け
面F₄がフロント側に向かつて上り勾配となつて
いるので、コンテナ本体４内の空間を有効に利用
して上段完成車C₄を積付けることができる。

なお前記第１実施例では、下段完成車C₁が後
向きで積付けられる場合について説明したが、他
の完成車C₂，C₃，C₄と同様前向きで積付けるよ
うにしてもよい。この場合、万一下段完成車C₁
と前方デツキ６とが接触するようであれば、前方
デツキ６をフロント側に向かつて多少上り勾配に
なるように設置してもよい。

第８図は本考案の第２実施例を示すもので、コ
ンテナ本体４の床面５上に、各下段完成車C₁，
C₂のタイヤを落とし込む凹部４０を設けるとと
もに、各上段完成車C₃，C₄を積付け保持する前
方デツキ４１および後方デツキ４２を、各下段完
成車C₁，C₂に対し長手方向に位置をずらせてそ
れぞれ設けたものである。

すなわち、前記両デツキ４１，４２は、第８図
に示すように前記第１実施例における前方デツキ
６と同一構成となつており、各上段完成車C₃，
C₄をほぼ水平に積付け保持するとともに、不使
用時にはコンテナ本体４の天壁３２直下位置に収
納されるようになつている。

これら両デツキ４１，４２の間には、第８図に
示すように前記第１実施例における中間デツキ８
と同一構成の中間デツキ４３が着脱可能に装着さ
れるようになつており、また後方デツキ４２のド
ア３側の端部には、ドア３側に向かつて下り勾配
をなすスロープ機構４４が接続され、このスロー
プ機構４４の下端部には、補助板３３が接続され
るようになつている。そしてこの補助板３３とス
ロープ機構４４とにより、後方デツキ４２に上段
完成車C₄を自走させて積付けるための後方デツ
キ案内機構が構成され、また補助板３３、スロー
プ機構４４、後方デツキ４２，および中間デツキ
４３により、前方デツキ４１に上段完成車C₃を
自走させて積付けるための前方デツキ案内機構が
構成されるようになつている。

前記スロープ機構４４は、前記第１実施例にお
ける後方デツキ７から横梁２３を取り除いた構成
となつており、その上端部は、後方デツキ４２に
揺動かつ着脱可能にピン連結され、また下端部
は、コンテナ本体４の両側壁１６に所定の高さ位
置で支持されるようになつている。

なおその他の点については、前記第１実施例と
全く同一構成となつている。

しかして、本実施例によつても前記第１実施例
と同様の効果が得られる。また、凹部４０の分だ
け下段完成車C₁，C₂の積付け位置が下がるので、
コンテナ１の高さ寸法をそれだけ小さくすること
ができる。また、すべての完成車C₁，C₂，C₃，
C₄の向きが同一となつているので、コンテナ本
体４の一方の側壁１６側（左ハンドルの場合には
ドア３側から見て左側、右ハンドルの場合にはド
ア３側から見て右側）に長手方向に通して広い空
間が形成され、この空間をスペアパーツの積付け
スペース等として利用することが容易となる。

なお前記第２実施例では、両デツキ４１，４２
とも上段完成車C₃，C₄がほぼ水平に積付けられ
る場合について説明したが、前方デツキ４１を、
フロント側に向かつて下り勾配に設置するように
してもよい。

このようにすれば、積付けスペースに余裕がで
き、各完成車C₁，C₂，C₃，C₄が大形車であつて
も、何等支障なく積付けることができる。

なお、前方デツキ４１をフロント側に向かつて
下り勾配にするには、前記第１実施例の前方デツ
キ６と同一構成では不可能であるが、例えば第５
図に示す案内金具１５と横梁１０，１１との連結
を、長孔を介して相対移動できるようにしておけ
ば、収納時に水平となつている前方デツキ４１
を、完成車積付け時にフロント側に向かつて下り
勾配にすることが可能となる。

第９図は本考案の第３実施例を示すもので、コ
ンテナ本体４の側壁１６を構成する支柱１６ｂか
ら三角形状に突出する支持部材５０を設け、この
支持部材５０を、支柱１６ｂに設けた長孔５１を
ガイドとして支柱１６ｂにそつて直状に折たため
るようにし、前記各実施例における各デツキ６，
７，４１，４２あるいはスロープ機構４４を、こ
の支持部材５０上に載置して支持するようにする
とともに、案内金具１５を省略して昇降機構１７
ａ，１７ｂ，２８ａ，２８ｂのみで昇降させるよ
うにしたものである。

このように構成すれば、各デツキ６，７，４
１，４２あるいはスロープ機構４４を、支柱１６
ｂをガイドとして昇降させる必要がなくなり、斜
め設置が容易となる。

第１０図は本考案の第４実施例を示すもので、
前記各実施例における各デツキ６，７，４１，４
２に、上段完成車C₃，C₄のタイヤを落とし込む
開口６０を設けるとともに、この開口６０を、ヒ
ンジ６１を支点として開閉する蓋体６２で閉止
し、上段完成車C₃，C₄の積付け時に、蓋体６２
を鎖線位置まで開いて開口６０を開放するととも
に、蓋体６２を上段完成車C₃，C₄の積付け位置
を規制するストツパとして機能させるようにした
ものである。

このように構成すれば、各デツキ６，７，４
１，４２の設置位置を高くして下段完成車C₁，
C₂との間に充分な上下間隔を形成することがで
き、しかも上段完成車C₃，C₄の積付け位置を低
くしてコンテナ本体４の天壁３２との間に充分な
空間を形成することができる。また、上段完成車
C₃，C₃の積付け位置の設定および固縛が容易と
なる。

第１１図ａ，ｂは本考案の第５実施例を示すも
ので、前記第１実施例における支柱１６ｂおよび
案内金具１５に代えて支柱７０および案内金具７
１を用い、コンテナ１の長手方向に作用する力に
対する耐力を向上させるようにしたものである。

すなわち、前記支柱７０は、第１１図ａに示す
ように前記支柱１６ｂの幅方向中央部を外側に凸
に屈曲させた形状と近似の平面Ｗ形に形成されて
おり、また案内金具７１は、第１１図ａ，ｂに示
すように中実の角棒状に形成され、その先端は、
前記支柱７０の幅方向中央の凹部に嵌入されてい
る。なお第１１図ａ，ｂにおいて、符号７２は横
梁１０，１１を天壁３２直下位置に固定するため
のピンである。

しかして、平面Ｗ形状の支柱７０を用いること
により、支柱７０の肉厚を厚くすることなくコン
テナ１の長手方向に作用する力に対する耐力を向
上させることができる。

第１２図は本考案の第６実施例を示すもので、
前述の前方デツキ昇降機構１７ａ，１７ｂに代
え、前方デツキ昇降機構８０を用いるようにした
ものである。

すなわち、前方デツキ昇降機構８０は、第１２
図に示すように一端が後横梁１１の幅方向一端に
固定され他端が３個の滑車８２ａを介して前横梁
１０の前面に引出された昇降ワイヤ８１ａと、一
端が後横梁１１の幅方向他端に固定され他端が３
個の滑車８２ｂを介して前横梁１０の前面に引出
された昇降ワイヤ８１ｂとを備えており、両昇降
ワイヤ８１ａ，８１ｂの自由端は、第１２図に示
すように前横梁１０の前面中央部に固設され両昇
降ワイヤ８１ａ，８１ｂの巻取り、巻戻しを同時
に行なうウインチ８３に巻回されるようになつて
いる。そしてこのウインチ８３は、両昇降ワイヤ
８１ａ，８１ｂの巻取り、巻戻しにより前方デツ
キ６とともに昇降するため、第１２図に示すよう
に着脱可能な操作杆８４により操作できるように
なつている。

しかして、この前方デツキ昇降機構８０を用い
ることにより、前方デツキ６を天壁３２直下位置
に収納すれば、前方デツキ昇降機構８０も同様に
収納される。このため、ウインチ８３をコンテナ
１の側壁１６の壁厚内の組込む等の複雑な工作を
施すことなく、一般の雑貨物の積付けスペースを
確保でき、構造の簡素化が可能となる。そしてこ
の前方デツキ昇降機構８０は、前述の後方デツキ
昇降機構２８ａ，２８ｂにも同様に適用できる。

なお本考案は、前記各実施例に限定されるもの
ではなく、例えばデツキの昇降機構１７ａ，１７
ｂ，２８ａ，２８ｂ，８０等をバランサを用いて
構成したり、あるいはモータ駆動等に変更しても
よく、また支柱１６ｂとして、側壁１６の構成部
材とは別に設けた支柱を用いるようにしてもよ
い。また各デツキ６，７，８，４１，４２，４
３、補助板３３、およびスロープ機構４４に立上
がり片を設け、上段完成車C₃，C₄の積付け、積
降ろし時の脱輪を防止するようにしてもよい。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案は、上段完成車を積
付けるための両デツキの積付け面の少なくとも一
部を、下段完成車の天端よりも下方に位置させる
ようにしているので、上下段の完成車が上下方向
に一部オーバラツプして積付けられることにな
り、その分容器本体の高さ寸法を小さくできる。
また両デツキ上に積付けられる上段完成車は、各
デツキの案内機構を用いて自走方式で積付けら
れ、積付けた後に両デツキを動かす必要がないの
で、大型のチエーンブロツクやフオークリフト等
を用いて作業する必要がなく、作業性の向上およ
び構造の簡素化を図ることができる。また両デツ
キは、昇降機構により上動させて容器本体の天壁
直下位置に収納できるので、一般の雑貨物を積付
ける際に、これらが邪魔になることがなく、一般
の雑貨物の積付けスペースの減少を最小限に抑え
ることができる。

また、容器本体の上下端の外面四隅部には、コ
ーナキヤステイングがそれぞれ設けられているの
で、コンテナターミナル等において容器本体を取
扱う際に、ストラドルキヤリヤやガントリクレー
ン等を用いて容易に移動させることができ、作業
効率を大幅に向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体構成図、
第２図は同様の斜視図、第３図は同様のコンテナ
外観図、第４図は第１図の平面図、第５図は第２
図の要部拡大図、第６図は各デツキの取扱い状態
を示す説明図、第７図はデツキおよび補助板の収
納状態を示す説明図、第８図は本考案の第２実施
例を示す第１図相当図、第９図は本考案の第３実
施例を示す説明図、第１０図は本考案の第４実施
例を示す説明図、第１１図ａは本考案の第５実施
例を示す要部平面図、同図ｂは同様の正面図、第
１２図は本考案の第６実施例を示す説明図であ
る。１……コンテナ、３……ドア、４……コンテナ
本体、５……床面、６，４１……前方デツキ、
７，４２……後方デツキ、８，４３……中間デツ
キ、９……前方デツキ案内機構、１６……側壁、
１６ｂ，７０……支柱、１７ａ，１７ｂ，８０…
…前方デツキ昇降機構、２８ａ，２８ｂ……後方
デツキ昇降機構、３３……補助板、４４……スロ
ープ機構、C₁，C₂……下段完成車、C₃，C₄……
上段完成車、F₃，F₄……積付け面。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】１後端にドアを有して前後方向に長い方形状を
なすとともに、上下端の外面四隅部に、コーナ
キヤステイングをそれぞれ有し、床面上に２台
の下段完成車が積付けられる容器本体と；この
容器本体の両側壁部にそれぞれ支持され、前記
両下段完成車に対し長手方向に位置をずらせて
１台の上段完成車を積付け保持する前方デツキ
と；この前方デツキに上段完成車を自走させて
積付けるための前方デツキ案内機構と；少なく
ともフロント側の端部が容器本体の両側壁部に
それぞれ支持され、前記両下段完成車に対し長
手方向に位置をずらせて１台の上段完成車を積
付け保持する後方デツキと；この後方デツキに
上段完成車を自走させて積付けるための後方デ
ツキ案内機構と；を備え、前記両デツキの上段
完成車の積付け面の少なくとも一部を、下段完
成車の天端よりも下方に位置させるとともに、
これら両デツキを、昇降機構により上動させて
容器本体の天壁直下位置に収納可能としたこと
を特徴とする運搬容器。２前方デツキの上段完成車積付け面は、上段完
成車の積付け状態において、ほぼ水平またはフ
ロント側に向かつて下り勾配をなしていること
を特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記
載の運搬容器。３後方デツキの上段完成車積付け面は、上段完
成車の積付け状態において、ドア側端部が容器
本体の床面に接触または近接する下り勾配なし
ていて後方デツキ案内機構を兼ねていることを
特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項また
は第２項記載の運搬容器。４前方デツキ案内機構は、後方デツキ案内機構
を兼ねる後方デツキと、両デツキ間に掛け渡さ
れる中間デツキとで構成されていることを特徴
とする実用新案登録請求の範囲第３項記載の運
搬容器。５後方デツキの上段完成車積付け面は、上段完
成車の積付け状態において、ほぼ水平に配置さ
れ、後方デツキ案内機構は、この後方デツキの
ドア側の端部からドア側に向かつて下り勾配に
配置されていることを特徴とする実用新案登録
請求の範囲第１項または第２項記載の運搬容
器。６前方デツキ案内機構は、後方デツキ、後方デ
ツキ案内機構、および両デツキ間に掛け渡され
る中間デツキで構成されていることを特徴とす
る実用新案登録請求の範囲第５項記載の運搬容
器。