JPH04109425A - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JPH04109425A
JPH04109425A JP2061864A JP6186490A JPH04109425A JP H04109425 A JPH04109425 A JP H04109425A JP 2061864 A JP2061864 A JP 2061864A JP 6186490 A JP6186490 A JP 6186490A JP H04109425 A JPH04109425 A JP H04109425A
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JP
Japan
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magnetic
recording medium
ferromagnetic powder
longitudinal direction
magnetic recording
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Application number
JP2061864A
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English (en)
Inventor
Minoru Murano
村野 稔
Hajime Takeuchi
肇 竹内
Toshihiko Oguchi
小口 寿彦
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、短波長域の記録再生出力のみならず、長波長
域の記録再生出力をも向上させた広帯域の磁気記録媒体
およびその製造方法に関する。
(従来の技術) 従来の塗布型磁気記録媒体は、たとえばポリエステルフ
ィルムなどの基体上に、γ−Fe203、CrO2ある
いは鉄を主成分とするメタル粉末などの針状強磁性粉末
をバインダ樹脂とともに塗布することによって構成され
ている。
近年、これら磁気記録媒体の高記録密度化を図るために
、強磁性粉末として、Ba−フェライト粉末のような超
微粒六方晶フェライト粉末を用いることが検討され、一
部実用化されている。この六方晶フェライトは、六角板
状の結晶構造を有し、板面に垂直な方向に磁化容易軸を
有するため、磁化容易軸を基体面に対して垂直方向に配
向せしめた、いわゆる垂直磁気記録媒体を作製すること
かでき、高密度磁気記録媒体として適しているからであ
る。
ところで、最近では六方晶強磁性粉末の磁化容易軸を基
体面に平行で、かつ長手方向(記録・再生方向)に配向
せしめた、いわゆる長手配向媒体か検討され始めている
。つまり、この六方晶強磁性粉末の長手配向媒体は、従
来、垂直磁化型記録媒体の欠点とされていた、長波長域
の記録再生出力か大きくてきることに特徴がある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、この種の長手配向媒体を作製する上で、
下記に示すようないくつかの問題点か未だ解決されてお
らず、それらの早急な解決か強く望まれている。
すなわち、一般の六方晶強磁性粉末は六角板状の結晶を
有しているが、長手配向媒体においては、この六角板面
を基体面に対して垂直に配向せしめなくてはならない。
これは、板面を基体面に平行に配向せしめる垂直媒体に
比較して、安定性に問題があることを示している。その
結果、従来の針状粉による長手配向媒体の作製で用いら
れていた配向プロセスにより、上記六方晶強磁性粉末を
長手方向に配向せしめた場合、達成し得る配向率は非常
に低いものとなり、期待した長波長域の記録再生出力が
達成できないという難点があった。
また、この長手方向への磁場配向特性を改良するための
一手段として、上記六方晶強磁性粉末の六角板面の対角
線の長さDを板厚tで除した板状比D/lの大きい、い
いかえると偏平な大方晶強磁性粉を用いることが一般に
行われている。
しかし、このような六方晶強磁性粉末を長手方向に配向
して得られる磁気記録媒体は、長波長域でのノイズが特
に大きく、目的とする媒体が得られ難いという難点を有
している。
また、これらの難点に加えて、六方晶強磁性粉末は、微
粒子になるほどバインダ樹脂中に均一に分散させること
が難しく、これに配向磁場による塗膜面での凝集が加わ
るため、短波長域での記録再生特性をも阻害されるとい
う難点があった。
本発明は、このような従来の課題に対処するためになさ
れたもので、六方晶強磁性粉末を用いた磁気記録媒体の
記録再生特性を短波長域から長波長域まで広帯域におい
て向上させた磁気記録媒体およびその製造方法を提供す
ることを目的とするものである。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) すなわち本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持基体と、
この非磁性支持基体面に六方晶強磁性粉末、バインダ樹
脂および有機溶剤を含む磁性塗料を塗布してなる磁性層
とを具備する磁気記録媒体において、前記六方晶強磁性
粉末の平均粒径か0.01μ11〜0.1μmの範囲で
、その平均板状比が1.5〜3.5の範囲内にあり、か
つ前記磁性層は、前記非磁性支持基体面に対して平行で
かつ長手方向に、その最大残留磁化を有していることを
特徴とするものである。
また、上記した本発明の磁気記録媒体は、非磁性支持基
体上に、六方晶強磁性粉末、バインダ樹脂および有機溶
剤を含む磁性塗料を塗布して磁気記録媒体を製造するに
あたり、前記非磁性支持基体面に、前記磁性塗料を塗布
して磁性塗膜を形成する工程と、磁場強度が4kOe以
上でかつ前記磁性塗膜の長手方向の磁場中に、前記磁性
塗膜を0.1秒〜2.0秒間滞留させ、前記六方晶強磁
性粉末の磁化容易軸を前記非磁性支持基体面に対して平
行でかつ長手方向に配向させるとともに、前記六方晶強
磁性粉末が固定化するよう前記磁性塗膜中の有機溶剤を
揮散させる工程とを有することを特徴とする磁気記録媒
体の製造方法を適用することによって得られるものであ
る。
本発明の磁気記録媒体に使用する六方晶強磁性粉末とし
ては、六方晶フェライト粉が用いられる。
この六方晶フェライト粉としては、M型(Mag−ne
toplumblte tipe)ないしW型六方晶系
のBaフェライト、Srフェライト、Caフェライト、
Pbフェライトあるいはこれらの固溶体、もしくは下記
(I)式で表されるイオン置換体などが例示される。
一般式:AO−n[(Fe   M  )  O]1−
x  x  2 3 (式中、AはBa、 Sr、 Caおよびpbから選ば
れる少なくとも 1種の元素を示し、MはZn、 Co
、 Ti、 Ni、旨、Cu、 Ge、 MgSMn、
 Nb、 5nSZr、Hf、v 、 sb。
Ta、 Cr、 Noおよび−“から選ばれる少なくと
も 2種の元素を示し、このうち 1種はNbである。
また、nは5,4〜6.0の数を示す。) さらに詳しくは、本発明に使用される六方晶フェライト
粉としては、これら−軸性の六方晶系フェライト結晶の
構成元素であるFe原子の一部を、2価金属と、5価金
属であるNbとて置換されたもの、または、さらに l
化学式あたり0.05〜0.5個の範囲のSn原子で置
換したものが適しており、その置換量は保磁力が400
0e〜30000eとなる量とされる。
置換元素のうち、2価金属は主として六方晶フェライト
粉の保磁力を適正な範囲に低下させる作用をし、5価金
属のNbは飽和磁化を増大させる作用をし、また4価金
属のSnは保磁力の温度特性の変化を小さくする作用を
する。
上記六方晶フェライト粉において、2価金属(MU)お
よび5価金属(MV)の適正な置換量は、MIIおよび
MVの組合わせにより異なるか、MIIの1化学式あた
りの置換量は、概ね0,5〜1.2個である。これらの
置換元素の置換量の関係を、たとえばM型のBa−フェ
ライトについてみると、その置換体の化学式は、 B a ’ P et 2−(x + y (+ z 
) ) Mn、MV  (MIV  )019Z (式中、MIVは4価金属を示す、x、  yおよび2
はMII、MVおよびMIV元素の1化学式あたりの置
換量を示す。) で表わされる。MINl、MVおよびMIVはそれぞれ
2価、5価、4価の金属であり、かつ置換されるFe原
子は3価であるから、価数補償を考慮すると、y=(x
−z)/2の関係が成り立つ。すなわち MVの置換量
は、MUの置換量とMIVの置換量とから一義的に決定
される。
また、上記置換六方晶フェライト粉において、)III
V元素としてSnを使用する場合には、その置換量の適
正範囲は六方晶フェライト粉の1化学式あたり0.05
〜0.5個の範囲が適当である。なお、上記Snに代え
て同じ価数のTiを用いてもよい。
本発明に用いられる六方晶強磁性粉末の平均粒径は、0
.01〜0.1μ印の範囲である。平均粒径かo、oi
μα未満では、磁化および保磁力が減少して磁気記録媒
体の再生出力か低下し、逆に0.1μ■を超えると、短
波長記録再生出力の向上か小さいだけでなく、高密度記
録の際に再生時のノイズが著しく大きくなるためである
また、六方晶強磁性粉末の板状比は1.5〜3.5の範
囲とする。ここで、板状比か3.5以上の磁性粉を用い
ると、媒体表面の劣化および媒体の変調ノイズの増大、
バッキング率の低下を招き、高密度記録には適さないし
、また板状比が1.5以下のものを用いると、媒体の表
面性とバッキング率は良好となるものの、媒体の磁気特
性(配向率)の低下を招き、高密度記録には適さなくな
るためである。
本発明の磁気記録媒体における磁性層は、上記六方晶強
磁性粉末を必要に応じて潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、
研磨材、硬化剤などとともにバインダ樹脂中に分散せし
めた磁性塗料を、非磁性支持基体上に塗’l+i L、
たとえば加熱硬化させたものである。このような磁性層
を形成するために、上記磁性粉は、いずれも溶剤および
バインダ樹脂と混合して磁性塗料に調整される。
本発明で使用するバインダ樹脂としては、スルホン基、
水酸基、カルボキシル基、リン酸基あるいはこれらの金
属塩基、またはアミノ基などの極性基を含有するポリウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂
、ポリアクリル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、ポリエーテル樹脂、フェノキシ樹脂、
メラミン樹脂、ビニルブチラール樹脂、フラン樹脂、塩
化ビニル樹脂、ビニルアルコール樹脂、あるいはこれら
の混合物もしくは共重合物か挙げられる。
これらの中でも、スルホン酸金属塩基を有する樹脂は、
特に本発明に好適である。ここて、上記スルホン酸金属
塩基を含有する樹脂を用いた場合には、樹脂が磁・性粉
に良く吸着し、磁性粉の分散か良好となり、配向率が向
上すること、さらに磁性粉の分散安定性が向上し、面内
直流磁場を印加しても塗布面が荒れにくいなどの利点が
jフられるt二めである。
これらの極性基は、樹脂分子中に単独で存在する必要は
な°く、複数種の極性基が同一分子中に共存せしめても
よい。バインダ樹脂中の極性基の数は重要であり、本発
明においては0.01〜4.0m1llol/gの範囲
が好ましく、さらに好ましくは0.1〜2.0mmol
/gの範囲である。なお、バインダ樹脂の分子量はそれ
ほど厳密さを要しないか、通常1000〜1o0000
程度、好ましくは1000〜40000の範囲である。
上記した極性基のうち、スルホン酸金属塩基は以下のよ
うにして導入される。まず、スルホン酸金属塩基を含む
バインダ樹脂がポリエステル樹脂あるいはポリウレタン
樹脂である場合には、これらの構成成分である多価塩基
酸あるいは多価アルコールと上記極性基が導入された多
価塩基酸あるいは多価アルコールとを混合し、縮合反応
を行うことにより得られる。スルホン酸金属塩基を含む
樹脂の製造に使用されるモノマーあるいは多価塩基酸あ
るいは多価アルコールとしては、たとえばビニルスルホ
ン酸、ビニルヘンゼンスルホン酸ソダ、2−アクリルア
ミド−2−メチルプロパンスルホン酸およびこれらの金
属塩基を含むビニルモノマー、および HOOC−PR−COOH)10−PR−011SO3
Na       SO3Na (Rはフェニル基あるいはアルキル基を示す。)などが
挙げられる。
これらのスルホン酸金属塩基を有するビニルモノマーと
共重合される通常のビニル樹脂モノマーとしては、塩化
ビニル、無水マレイン酸、ビニルアセテート、各種アク
リレートモノマー、塩化ビニリデン、アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、スチレンなどの各種モノマーが
挙げられる。
また、これらスルホン基などの極性基を有するビニルモ
ノマーと共重合される通常の多価アルコールとしては、
1,4−ブタンジオール、1,6−へキサメチレンジオ
ール、シクロヘキサンジオール、エチレングリコール、
ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロ
ピレングリコール、グツセリン、ネオペンチルアルコー
ルなとか、また、多価塩基酸としては、テレフタル酸、
イソフタル酸、アジピン酸、セバシン酸、シュウ酸、コ
ハク酸、グルタル酸、ピロメリン酸、スペリン酸、アゼ
ライン酸などが挙げられる。
上記した方法により得られるスルホン酸金属塩基含有の
樹脂の中では、ポリエステル鎖を含む樹脂か特に優れて
おり、とりわけレジン骨格中に炭素数4以上18までの
脂肪族系あるいは芳香族系の多価塩基酸あるいは多価ア
ルコールを導入したポリエステル樹脂が適している。さ
らに、これらのポリエステル樹脂は、トルエンジイソシ
アナートのような芳香族ジイソシアナート、あるいは1
.4−テトラメチレンジイソシアナート、1,6−へキ
サメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナ
ートなどの脂肪族ジイソシアナートと結合せしめたウレ
タン樹脂を用いることにより、さらに分散性、耐久性の
向上をはかることができる。
また、上述したようなスルホン酸金属塩基を含有する樹
脂は、塗膜の機械的強度、走行性なとの改良を図ること
を目的として、各種のバインダ樹脂と併用することがで
きる。併用可能な樹脂としては、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアクリル
樹脂、ポリアミド樹脂、エポキン樹脂、フェノール樹脂
、メラミン樹脂、ビニルブチラール樹脂、フラン樹脂、
塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ビニルアルコール樹
脂あるいはこれらの混合物もしくは共重合物が挙げられ
る。これらの併用樹脂バインダの配合量は、全樹脂バイ
ンダに対して80重量%以内で適宜設定される。
以上のバインダ樹脂を用いた磁性塗料中には、六方晶強
磁性粉末とともに基体上に塗布する際に、塗膜の機械的
強度を高め、耐久性を増加させるために、さらに、ポリ
アミンあるいはポリイソシアナート系の硬化剤が必要に
応じて添加される。
本発明に用いられる有機溶剤としては、トルエン、キシ
レン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトニ、メチル
イソブチルケトン、ニトロプロパン、テトラヒドロフラ
ン、イソプロピルアルコールなど、上記樹脂を溶解する
ものか用いられる。
また、上記六方晶強磁性微粉末を含む塗料成分には、所
望によって、潤滑剤、研磨剤、分散剤を添加することも
できる。
潤滑剤としては、脂肪酸あるいは脂肪酸アルキルエステ
ル系、シリコーン系、フッ素化炭化水素系、またはこれ
らの混合物あるいは化合物を用いることができる。研磨
剤としては、TiO2、Cr2O5、Al105 、S
iCs  ZrO2などモース硬度5以上の無機粉体が
適している。また、分散剤としては、陰イオン系界面活
性剤、陽イオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤を
用いることができ、シランカップリング剤、チタンカッ
プリング剤も使用可能である。
本発明の磁気記録媒体は、以下に示すの製造工程を経て
製造される。
まず、上記六方晶強磁性粉末とバインダ樹脂および有機
溶剤を、サンドグラインダなどの分散機によって充分に
混合、分散させる。混合分散過程において、所望により
、分散剤、潤滑剤、研磨剤などを添加することかできる
上記により得た磁性塗料をリバースロールコータ−グラ
ビアロールコータ−ドクターブレードコーターなどを用
いる公知の方法によって、ポリエチレンテレフタレート
フィルム、ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフ
ィルム、ポリイミドフィルム、ポリスルホネートフィル
ムなどの非磁性支持基体上に塗布する。
次に、上記磁性塗料を塗布被着して形成した磁性塗膜に
対して面内直流磁場、すなわち磁性層面に対して平行で
かつ長手方向の磁場を印加する。
この際、磁性塗膜から有機溶剤か蒸発しないうちに、長
手方向の配向磁場中を通過せしめ、六方晶強磁性粒子の
磁化容易軸を長手方向に配向(長手配向)させるととも
に、六方晶強磁性粒子の固定化を行うことにより、本発
明の磁性層が得られる。
なお、本発明における長手方向とは、磁気記録媒体の記
録再生方向、換言すれば記録再生時の移動方向を示すも
のとする。
ここて、上記六方晶強磁性粉末を含む磁性塗料は、γ−
フェライト粉やメタル粉なとの通常の磁気記録媒体に用
いられている針状結晶の強磁性粉を長手配向磁場内で配
向させた場合と比較して著しく配向しがたい。
そして本発明では、従来にない均一で磁界強度の高い長
手配向磁場中に塗布媒体を通過せしめること、およびこ
の磁場内に針状結晶に比較して長時間滞留せしめ、さら
に塗膜か長手配向磁場を通過する工程において、同時に
塗膜中の有機溶剤の相当量を揮発除去して、上記六方晶
強磁性粉末の塗膜中での回転が困難になる程度まで塗膜
の粘度を高めることによって、六方晶強磁性粉末の磁化
容易軸の長手配向率が高い磁気記録媒体を、再現性よく
得ることを可能にしている。
この理由は、一般に六方晶強磁性粒子は、六角板面が基
体面と平行な方向、すなわちこの磁性粉の磁化容易軸か
基体面に垂直な方向(垂直方向)に配列しやすい傾向を
有しており、さらには本発明で用いる六方晶強磁性粉末
は、平均粒径が0. 、01μm−0,1μmと非常に
微粒なため、熱擾乱などにより短時間の間にランダム配
列に戻ろうとする傾向を持つためである。
そして本発明は、上述したような条件を満たし、六方晶
強磁性粉末による高い長手配向率を保有する媒体を得る
ことが可能な均一で高い磁場強度は、空芯型コイルある
いはソレノイド磁石と呼ばれている磁石の空芯部により
得られることを見出し、本発明の磁気記録媒体の製造を
可能にしたものである。
すなわち本発明において、六方晶強磁性粉末か高い長手
配向率を得るためには、この空芯部の磁場強度が少なく
とも4kOe以上必要である。この磁場強度は大きいほ
ど配向に要する時間を短縮できるが、一般にソレノイド
磁石の空芯部で10kOe以上の高い磁場強度を得るこ
とは相当困難であり、磁場の上限は技術的に制約を受け
る。
ソレノイドの断面における空芯部の断面形状は、基体面
に平行となるように形成される。また空芯部所面におい
て、基体面に垂直な方向の長さは、空芯部の断面積をで
きるたけ小さくとり、必要磁場を確保するための電力を
小さくしたいとする要望から、通常10〜20am程度
の範囲に設定される。
しかしながら、本発明においては、ソレノイド中を塗布
媒体が通過する際に、基体面の上または下に熱風を送風
し、塗布面の溶剤を揮発除去して磁性粉の固定化を行う
必要かあることから、空芯部所面における基体面に垂直
な方向の長さは、少なくとも20fflll+、望まし
くは 100mm程度に大きくすることか好ましい。上
記熱風はソレノイドの入口より出口において吹き付けた
熱風の一部か、ソレノイドの内部に及ぶようにしてもよ
い。さらにまた、場合によってはソレノイドに入る直前
において、塗布面に熱風を吹き付け、塗布面の一部溶剤
を揮発除去せしめる方法をとることもてきる。
また、上記した長手配向過程における磁性塗膜の磁場中
での滞留時間は、0.1〜2.0秒の範囲とする。滞留
時間の下限は、六方晶強磁性粒子が塗膜中で回転して、
その磁化容易軸が長手方向に配列するための最小時間に
よって決まると考えられるか、通常の針状結晶粒子の回
転に比較してより長い時間が必要である。また、滞留時
間の上限は配向が終了した後の塗膜内での磁性粉同士の
凝集を防止する観点から決定される。そして、本発明に
おいては、上記滞留時間を満足させることによって、六
方晶強磁性粉末の高い長手配向率を達成することか可能
となる。
なお、上記磁場中での滞留時間は、塗布媒体面の一点が
ソレノイドの入口から出口に至るソレノイドの長さでは
なく、設定磁場の85%が保証されるソレノイドの実効
長さを基準として、これを塗布媒体の通過速度で除して
算出された値とする。
また、磁場内での滞留時間が上記範囲に満たない場合に
は、近接して複数個のソレノイド磁石を設け、これらに
順次塗布媒体を通過させるようにしてもよい。この場合
、塗膜の乾燥を考慮して、各磁石の間に熱風吹き付はノ
ズルあるいは排気ダクトを設けてもよい。
さらに、ソレノイドの断面と塗布面との交接線が、塗布
媒体の進行方向に対して85±2度の角を成すように塗
布媒体を通過させると、得られた媒体を長手方向にスリ
ットして作製したテープは、記録再生ヘッドのアジマス
角にその磁化容易軸を一致させることができるので、記
録再生出力をさらに高めることができる。これを行うた
めには、ソレノイドの中心軸あるいは媒体の進行方向の
いずれかを傾けるか、ソレノイドの中心軸に対するソレ
ノイド導体の巻き付は角を傾けるがするなど、各種の方
法を採用することができる。
上記により得られた塗布媒体は、カレンダ加工などの表
面を平滑にする工程を経ることにより、さらに特性向上
がはかれる。
以上説明した本発明の磁気記録媒体の製造方法を適用す
ることにより、六方晶強磁性粉末の磁化容易軸の長手方
向への配向率を高め、磁性層の長手方向に最も大きい残
留磁化を有する磁気記録媒体が得られる。
また、磁性層の長手方向の残留磁化を1lBr、垂直方
向の残留磁化をvBr、幅方向の残留磁化をwBrとし
た際に、 ρ Br>vBr>wBr の関係を満足せることか可能となり、短波長域の記録再
生出力と長波長域の記録再生出力とを同時に高めること
が可能となる。
ここで、上記したような記録再生特性を満足させるため
には、六方晶強磁性粉末の磁化容易軸の長手方向に対す
る配向率を60%以上とすることが好ましい。これによ
り、長波長域の記録再生出力の向上が図れる。
(作 用) 本発明においては、上述したような長手配向手段を使用
することによって、従来達成か困難であった六方晶強磁
性粉末を用いた、かつてない高い長手配向率を有する長
手配向媒体の作製が可能となり、よって短波長記録再生
出力のみでなく、長波長の記録再生aカをも高めた広帯
域磁気記録媒体が得られる。
(実施例) 以下、本発明を実施例によってさらに詳細に説明する。
実施例1 まず、下記に示す磁性塗料成分を混合した後、サンドグ
ラインダを用いて充分に分散させて、磁性塗料を調整し
た。
Co、 Ti置換型Ba−フェライト粉末 100重量
部(平均粒径0.05μ■、平均板状比2.0)スルホ
ン化塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体5/7 スルホン化ポリウレタン樹脂     5  //ステ
アリン酸           17゜アルミナ粉末 
          4 77次に、上記磁性塗料に硬
化剤を添加し、さらに混合した後、リバースロールコー
タによってポリエチレンテレフタレートフィルム面に塗
布し、磁性塗膜を形成した。
一方、空芯部の断面形状が基体面に平行な矩形で、面内
配向磁場強度が6kOeのソレノイド磁石を用意し、上
記磁性塗膜の磁場中での滞留時間が1.2秒となるよう
に移動速度を調節し、上記磁性塗膜を設けたポリエチレ
ンテレフタレートフィルムを移送して面内配向処理を施
した。
この後、上記面内配向処理か施された磁性塗膜にカレン
ダー処理を施した後、60℃、3日間のキュアーを行い
、所望とする磁性層を有する磁気テープを作製し、1/
2インチ幅に裁断して磁気テープ試料として、後述する
特性評価に供した。
実施例2 実施例1において使用した磁性粉に代えて、平均粒径0
.08μm、平均板状比3.3のCo、 Ti置換型B
a−フェライト磁性粉を用いる以外は、実施例1と同一
組成で磁性塗料を作製した。
そして、空芯部の断面形状が基体面に平行な矩形で、面
内配向磁場強度が4kOeのソレノイド磁石を用意し、
この磁場中を2回通過させ、2回目に磁性塗膜中の有機
溶剤の90%〜97%が蒸発するよう、塗膜乾燥用の熱
風吹き付けを行い、その際の各々の磁場滞留時間が1.
0秒になるように調節し、面内配向処理を行った以外は
、実施例1と同様にして磁気テープを作製し、同様に磁
気テープ試料を得た。
実施例3 実施例1において使用した磁性粉に代えて、平均粒径0
.03μm、平均板状比3.0のC01Ti置換型Ba
−フェライト磁性粉を用いる以外は、実施例1と同一組
成で磁性塗料を作製した。
そして、実施例1と同一のソレノイド磁石を用いて、同
様な条件で面内配向処理を行い、磁気テープを作製し、
同様に磁気テープ試料を得た。
比較例1〜3 実施例1〜3における面内配向処理を垂直配向処理とす
る以外は、それぞれと同一条件で磁気テープを作製し、
同様に磁気テープ試料を得た。
比較例4 実施例1において用いた磁性粉の代わりに、平均粒径0
.009.cz m 、平均板状比1.3のCo5Ti
置換型Ba−フェライト磁性粉を用いて、上記実施例1
に対応して同一の塗布、配向条件で磁気テープを作製し
、同様に磁気テープ試料を得た。
比較例5 実施例2において用いた磁性粉の代わりに、平均粒径0
.1.5μm、平均板状比4.0のC0% TI置換型
Ba−フェライト磁性粉を用いて、上記実施例2に対応
して同一の塗布、配向条件で磁気テープを作製し、同様
に磁気テープ試料を得た。
比較例6 実施例1において、面内配向磁場強度を3kOeに設定
した以外は、実施例1と同一の塗布、配向条件で磁気テ
ープを作製し、同様に磁気テープ試料を得た。
比較例7 実施例1において、磁場中での移動速度を磁場中滞留時
間が0.07秒どなるように設定した以外は、実施例1
と同一の塗布、配向条件で磁気テープを作製し、同様に
磁気テープ試料を得た。
上記実施例1〜3および比較例1〜7の各磁気テープに
ついて、面内配向率(長手方向、垂直方向、幅方向)、
飽和磁化・MS、バッキング率(飽和磁化・Ms/理論
飽和磁化・Mso)、短波長域および長波長域それぞれ
の記録再生出力をそれぞれ測定した。その結果を第1表
に示す。
口発明の効果] 以上の実施例からも明らかなように、本発明の磁気記録
媒体は、飽和磁化か大きく、高い面内配同率を示し、従
来垂直媒体で問題となっていた長波長域の記録再生特性
を向上せしめ、広帯域において優れた出力特性を示す高
密度磁気記録媒体を与えている。しかも、その製造方法
には、複雑な操作など要しないため、高密度記録用とし
て実用上多くの利点をもたらすものと言える。
出願人      株式会社 東芝

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)非磁性支持基体と、この非磁性支持基体面に六方
    晶強磁性粉末、バインダ樹脂および有機溶剤を含む磁性
    塗料を塗布してなる磁性層とを具備する磁気記録媒体に
    おいて、 前記六方晶強磁性粉末の平均粒径が0.01μm〜0.
    1μmの範囲で、その平均板状比が1.5〜3.5の範
    囲内にあり、かつ前記磁性層は、前記非磁性支持基体面
    に対して平行でかつ長手方向に、その最大残留磁化を有
    していることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. (2)請求項1記載の磁気記録媒体において、前記磁性
    層の長手方向の残留磁化をlBr、垂直方向の残留磁化
    をvBr、幅方向の残留磁化をwBrとした際に、 lBr>vBr>wBr の関係を満足することを特徴とする磁気記録媒体。
  3. (3)請求項1記載の磁気記録媒体において、前記六方
    晶強磁性粉末の磁化容易軸の前記非磁性支持基体面に対
    して平行でかつ長手方向に対する配向率が、60%以上
    であることを特徴とする磁気記録媒体。
  4. (4)非磁性支持基体上に、六方晶強磁性粉末、バイン
    ダ樹脂および有機溶剤を含む磁性塗料を塗布して磁気記
    録媒体を製造するにあたり、 前記非磁性支持基体面に、前記磁性塗料を塗布して磁性
    塗膜を形成する工程と、 磁場強度が4kOe以上でかつ前記磁性塗膜の長手方向
    の磁場中に、前記磁性塗膜を0.1秒〜2.0秒間滞留
    させ、前記六方晶強磁性粉末の磁化容易軸を前記非磁性
    支持基体面に対して平行でかつ長手方向に配向させると
    ともに、前記六方晶強磁性粉末が固定化するよう前記磁
    性塗膜中の有機溶剤を揮散させる工程と を有することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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