JPH0410835B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は洗濯、脱水及び乾燥を連続して行なう
ことのできる全自動洗濯機に関するものである。

（従来の技術） 洗濯機としては、洗濯槽を鉛直な軸を回転軸と
して回転させて洗濯物を洗剤水とともに回転させ
ながら洗濯を行なう様式のものが中心である。こ
れに対し、水受槽の中に回転ドラムを水平方向に
支持し、洗濯物をそのドラム内に入れ、水平軸を
回転軸として回転ドラムを回転させることにより
洗濯を行なう回転ドラム式洗濯機が提案されてい
る（例えば実開昭58−174082号公報、実開昭62−
115885号公報などを参照）。

（発明が解決しようとする課題） 回転ドラム式の洗濯機では単に洗濯物を回転ド
ラムに入れて洗剤水中で回転させるだけであるの
で、汚れが落ちにくく、したがつて洗濯に長時間
を要する。

本発明は回転ドラム式の洗濯機において、洗剤
水中で洗濯物を回転させるだけではなく、もみ洗
い動作も付け加えることによつて効率よく洗濯を
行なうことができるようにし、かつ、洗濯、脱水
から乾燥まで連続して行なうことができるように
することを目的とするものである。

（課題を解決するための手段） 本発明のドラム式洗濯・乾燥機は、給水と排水
が可能な水受槽内に回転軸方向がほぼ水平方向に
支持され、多数の孔があけられ、洗濯物の出入口
の蓋が設けられた剛体の回転ドラムと、この回転
ドラム内に互いに対向して設けられ面が水平方向
を向き水平方向で互いに反対方向に往復移動可能
に支持されている一対の押し板と、前記回転ドラ
ムを回転させる機構及び前記押し板を往復移動さ
せる機構を含む駆動機構と、前記回転ドラム内に
熱風を送り込む熱風供給機構とを備えている。

回転ドラムは洗濯物を回転させるとともに孔か
らの水の吸入と排出を行ない、また鋼体であるこ
とから洗濯物の出入口の蓋を設けることを可能に
する。

押し板は互いに反対方向に往復移動して洗濯物
を揉み洗いするが、その際洗濯物の重心の移動を
伴わない。

（作用） 回転ドラムに洗濯物を入れ、水受槽に洗剤と水
を入れる。まず洗濯を行なうために駆動機構によ
つて回転ドラムを回転させるとともに押し板を往
復移動させることにより、一対の押し板の間にあ
る洗濯物に回転動作と揉み洗い動作が加えられ
る。

洗濯終了後は洗剤の入った液を排出し、水を供
給しながら洗濯時と同様に回転ドラムと押し板を
作動させて、すすぎを行なわせる。

すすぎが終わると排水を行ない、押し板の作動
を停止し、駆動機構によつて回転ドラムを高速で
回転させて遠心力により脱水を行なわせる。

脱水終了後、回転ドラムを低速で回転させなが
ら熱風供給機構から回転ドラム内に熱風を供給
し、洗濯物を乾燥させる。

（実施例） 一実施例を図面を参照して説明する。

第１図から第３図に示されるように、洗濯機本
体２内には給水と排水が可能な水受槽４が設けら
れている。水受槽４の上部には給水管６が設けら
れ、下部には両側にそれぞれ排水口８ａ，８ｂが
設けられている。いずれの排水口８ａ，８ｂにも
にも排水チユーブ１０を取り付けられるようにな
つており、排水チユーブ１０を付けない排水口は
閉じておくようになつている。

水受槽４内には円筒型の回転ドラム１２がその
中心軸が水平方向になるように配置され、回転ド
ラム１２はその両底面の中央部分において、第３
図に示されるように水受槽４の壁面で防水ベアリ
ング１４によつて回転可能に支持されている。回
転ドラム１２の両底面及び側面には水や熱風を通
すための多数の孔があけられている。

回転ドラム１２内にはその両底面にそれぞれ平
衡に一対の押し板１６，１８が設けられている。
押し板１６，１８の軸２０は、第３図に示される
ように、回転ドラム１２の両底面の支持部を通つ
て回転ドラム１２及び水受槽４の外側に延びてお
り、水受槽４の外側に水が出ないように回転ドラ
ム１２の支持部と軸２０の間にはＯリング２２が
設けられている。

洗濯機本体２内の下部には駆動用モータ２４が
設けられている。このモータ２４で回転ドラム１
２を回転させる動作と、押し板１６，１８を往復
移動させる動作を行なうための機構が第３図及び
第４図に示されている。モータ２４により回転駆
動される軸２６にギヤ２８が取り付けられてお
り、ギヤ２８には軸３２の先端のギヤ３０が噛み
合つている。軸３２の他端には一対のギヤ３４Ａ
と３６Ｂが取り付けられており、これらのギヤ３
４Ａと３６Ｂはそれぞれ互いに逆方向の一方向に
は回転するベアリングを備え、ギヤ３４Ａと３６
Ｂはそれぞれ軸３２の一方向の回転のみを伝達す
る。ギヤ３６Ｂには軸４０に取り付けられたギヤ
３８Ｂが噛み合い、ギヤ３４Ａにはギヤ４６Ａが
噛み合つている。ギヤ４６Ａにはギヤ４８Ａが噛
み合い、ギヤ３８Ｂとギヤ４８Ａはともに軸４０
に取り付けられている。これらのギヤ３８Ｂ，４
８Ａにおいても軸４０に対して互いに逆方向の一
方向のみに回転するベアリングが設けられてお
り、ギヤ３４Ａが軸３２とともに回転するときは
ギヤ４６Ａ及び４８Ａが回転してモータの回転を
軸４０に伝達し、ギヤ３６Ｂが軸３２とともに回
転するときはギヤ３８Ｂがギヤ３６Ｂの回転を軸
４０に伝達するようにベアリングが設定されてい
る。

回転４０の先端にはギヤ４２が設けられ、ギヤ
４２はギヤ４４と噛み合つている。ギヤ４４は回
転ドラム１２を回転させる駆動ギアである。

第３図は第１図の右側の駆動機構を示している
が、第１図の左側の駆動機構も同様の構造をして
おり、モータ２４の回転力が両側の駆動機構に同
時に伝達されて回転ドラム１２と押し板１６，１
８の一方又は両方を駆動する。

押し板１６，１８を往復移動させるために、第
４図に示されるようにギヤ４６Ａがカム盤となつ
ており、カム溝５０が形成されている。カム溝５
０には転子５２が嵌め込まれ、転子５２は押し板
１６の軸２０に連結されている。ギヤ４６Ａが回
転すると転子５２がカム溝５０に沿つて移動し、
この移動は軸２０を介して押し板１６を往復移動
させる。押し板１８についても同様の機構が設け
られており、押し板１６と１８は互いに反対方向
に移動する。

押し板１６，１８の往復運動を停止させたと
き、押し板１６，１８が互いに最も遠去つた状
態、すなわち、押し板１６，１８が回転ドラム１
２の内壁面に最も接近した状態で停止するよう
に、ギヤ４６Ａには停止位置決め用の孔６８があ
けられており、その孔６８の一方の側には光源７
０が設けられ、他方の側には光センサ７２が設け
られている。ギヤ４６Ａの孔６８は、光源７０か
らの光がその孔６８を通つて光センサ７２に入射
する位置関係になつたときに、押し板１６，１８
が互いに最も遠去つた状態となるように、位置決
めされている。この洗濯・乾燥機の動作を制御す
る制御部では、押し板１６，１８の往復運動を停
止させる信号を受け取つた後、光センサ７２から
の信号を入力したときにモータ２４の回転を停止
させるようにプログラムが施されている。

押し板１６，１８には水や熱風を通す多数の孔
があけられている。押し板１６，１８及びそれら
の軸２０は中空状であり、熱風を供給するために
軸２０にはヒータ５４からのパイプ５６が接続さ
れている。ヒータ５４にはフアンが取り付けられ
ており、熱風がパイプ５６を経て軸２０から回転
ドラム１２内の押し板１６，１８に供給され、回
転ドラム１２内に熱風が供給される。パイプ５６
はフレキシブルであり、軸２０の往復移動を妨げ
ない。

第５図に示されるように、回転ドラム１２の側
面には洗濯物を出し入れする出入口が設けられて
おり、蝶番６０によつて出入口の蓋５８が開閉さ
れるようになつている。６１は蓋５８を閉じると
きのロツク機構である。

洗濯機本体２の上部から洗濯物を出し入れした
り洗剤を供給するために、蓋６２が開閉可能に取
り付けられている。蓋６２は水受槽４の蓋部分６
２ａと洗濯機本体の蓋部分６２ｂとからなる二重
構造になつており、蓋部分６２ｂが蝶番６４によ
つて洗濯機本体２に取り付けられており、蓋部分
６２ａは水受槽４の上部開口に対して嵌め込まれ
るようになつている。

第６図は熱風を供給するときの様子を表わした
ものであり、ヒータ５４からパイプ５６を経て供
給された熱風は、軸２０を通つて押し板１６，１
８の孔から吹き出す。回転ドラム１２の両底面に
も孔があけられているので熱風が回転ドラム１２
から外にも出るが、水受槽４の壁面で反射して再
び回転ドラム１２内に入ることもある。

水受槽４は加重がかかるためにステンレス板や
鉄板などを用いる。回転ドラム１２は乾燥の際の
熱風に耐えられるように耐熱性プラスチツクを用
いる。耐熱性プラスチツクとしては、例えばポリ
塩化ビニール、ポリ塩化ビニリデン、フツ素樹脂
などである。

次に、本実施例の動作について説明する。

蓋６２をあけ、回転ドラム１２の出入口の蓋５
８をあけて洗濯物と洗剤を入れ、蓋５８を閉じ、
蓋６２も閉じる。水供給パイフ６から適当な量の
水を入れ、モータ２４を一方向に回転させて洗濯
を開始する。モータ２４は両方向に回転すること
ができ、洗濯動作のときの回転方向によつてはギ
ヤ３４Ａ，４６Ａ，４８Ａが回転軸とともに回転
して回転力を伝達し、ギヤ３６Ｂ，３８Ｂはそれ
ぞれの軸に対して回転し、回転力を伝達しない。
洗濯動作の際はギヤ２８，３０からギヤ３４Ａ，
４６Ａ，４８Ａを介してギヤ４２からギヤ４４を
経てモータの回転力が伝達され、回転ドラム１２
が回転する。一方、ギヤ４６Ａが回転することに
より押し板１６，１８が互いに反対方向に往復移
動し、洗濯物を回転ドラム１２で回転させながら
押し板１６，１８で揉み洗いをする。洗濯動作終
了後は回転ドラム１２と押し板１６，１８を作動
させながら洗剤水を排出し、パイプ６から水を供
給してすすぎを行なう。

すすぎが終了すると、押し板１６，１８が互い
に最も離れた状態でモータ２４が一時停止し、今
度はモータ２４が逆方向に回転する。このとき、
ギヤ３６Ｂと３８Ｂがそれぞれの軸とともに回転
し、ギヤ３４Ａ，４８Ａはそれぞれの軸に対して
回転し、回転力を伝達しない。モータの回転力は
ギア２８，３０から３６Ｂ，３８Ｂを経てギヤ４
２，４４により回転ドラム１２を回転させる。こ
のときの回転ドラムの回転速度が洗濯動作のとき
よりも高速回転となるように、モータ２４の駆動
電圧が高められる。ギヤ４６Ａはこのとき回転し
ないので、押し板１６，１８は作動しない。回転
ドラム１２の高速回転により遠心力によつて脱水
が行なわれる。

脱水が終了すると、モータ２４の回転方向を脱
水時と同じ方向に保つたままでモータ２４の駆動
電圧が下げられて回転ドラム１２の回転速度が低
速にされ、ヒータ５４からパイプ５６を経て軸２
０から押し板１６，１８を経て回転ドラム１２内
に熱風が供給され、乾燥が行なわれる。

（発明の効果） 本発明では洗濯物を入れた回転ドラムを回転さ
せるとともに、その回転ドラム内で押し板を往復
移動させることにより洗濯物の揉み洗いも兼ねる
ようにしたので、洗濯効率がよくなり、短時間で
洗濯を行なうことができるようになる。

洗濯からすすぎ、脱水及び乾燥までを１台の洗
濯機で、しかも連続して行なえるようにしたの
で、洗濯物を入れてから乾燥までを全自動で行な
うことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一実施例を側面から見た内部機構図、
第２図は同実施例を正面から見た内部機構図、第
３図は駆動機構の例を示す側面図、第４図は押し
板の往復移動を駆動する機構を示す底面図、第５
図は回転ドラムの出入口を示す側面図、第６図は
熱風を吹き出す動作を示す断面図である。 ４……水受槽、６……水供給パイプ、８ａ，８
ｂ……排出口、１２……回転ドラム、１６，１８
……押し板、２４……モータ、２８，３０，３４
Ａ，３６Ｂ，３８Ｂ，４２，４４，４６Ａ，４８
Ａ……ギヤ、５０……カム溝、５２……転子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 給水と排水が可能な水受槽内に回転軸方向が
   ほぼ水平方向に支持され、多数の孔があけられ、
   洗濯物の出入口の蓋が設けられた剛体の回転ドラ
   ムと、この回転ドラム内に互いに対向して設けら
   れ面が水平方向を向き水平方向で互いに反対方向
   に往復移動可能に支持されている一対の押し板
   と、前記回転ドラムを回転させる機構及び前記押
   し板を往復移動させる機構を含む駆動機構と、前
   記回転ドラム内に熱風を送り込む熱風供給機構と
   を備えたドラム式洗濯・乾燥機。