JPH04107997U - スピーカー用振動板 - Google Patents
スピーカー用振動板Info
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Landscapes
- Diaphragms For Electromechanical Transducers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】小型のスピーカーであっても重低音の再生が楽
に行なえる。 【構成】銀或は銀合金でスピーカー用振動板を形成する
ことにより、図6に示すように、低域が拡大し、尚且つ
中高域にピーク、ディップができずらく平坦化され、更
には高域特性も有効範囲内で下がると共に、延いては、
銀箔1で所望形状に成形された振動板Aの裏面にビスコ
ロイド等の粘性物質2を塗布し、かつ、同面に前記振動
板Aを緊張すべく補強用リブ3を配設することにより分
割振動を有効に防止できるため、従来の紙振動板等から
なる小口径のスピーカーでは無理とされていた低域周波
数が有効に拡大される。
に行なえる。 【構成】銀或は銀合金でスピーカー用振動板を形成する
ことにより、図6に示すように、低域が拡大し、尚且つ
中高域にピーク、ディップができずらく平坦化され、更
には高域特性も有効範囲内で下がると共に、延いては、
銀箔1で所望形状に成形された振動板Aの裏面にビスコ
ロイド等の粘性物質2を塗布し、かつ、同面に前記振動
板Aを緊張すべく補強用リブ3を配設することにより分
割振動を有効に防止できるため、従来の紙振動板等から
なる小口径のスピーカーでは無理とされていた低域周波
数が有効に拡大される。
Description
【0001】
本考案は、スピーカー用振動板の改良に関する。
【0002】
一般に、Hi−Fi再生用として優れた特性を得るため、振動板に求められる
重要な物理的性質(諸条件)として、スピーカーの能率と音の立ち上がりを良
くするために軽量であること、再生帯域幅を拡げるためにヤング率が大きいこ
と、適当な内部損失を持つこと、が要求されている。
【0003】
従来、振動板の材料としては、適当な内部損失を持つ紙若しくは紙に動物繊維
やカーボンファイバー等を加えた複合材又はポリプロピレン、デルタオレフィン
、ポリオキシメチレン等の有機高分子材料、更にはアルミニウム、チタン、ベリ
ウム等の軽金属やその合金又は金属酸化物の粉を圧縮焼成してなるセラミックス
等が使用されていた。
【0004】
しかしながら、上記した従来の振動板素材のうち、汎用されているアルミニウ
ムやチタン合金にあっては、下掲の表1に示すように、ヤング率は小さく、その
反面、質量、密度が大きいため、上記の諸条件を充分に満足させるものではなか
った。
【0005】
また、ベリウムは、ヤング率、密度等の点においては非常に優れた材料で前記
諸条件に適合するものであるが、人体に対して有毒性であると共に、酸化が激し
いため蒸着等の技術を用いねば薄膜化ができないといった問題があった。
【表1】
┌───┬───────────┬───────┬──────────┐
│ │ ヤング率 │ 質 量 │ 密 度 │
│ │ (×1010N/m2) │ │(×103kg/m3)│
├───┼───────────┼───────┼──────────┤
│ Al │ 7.05 │ 26.98 │ 2.70 │
├───┼───────────┼───────┼──────────┤
│ Ti │ 11.90 │ 47.90 │ 4.54 │
├───┼───────────┼───────┼──────────┤
│ Be │ 30.80 │ 9.01 │ 1.85 │
└───┴───────────┴───────┴──────────┘
【0006】
一方、銀は伝導率が良く酸化しにくい反面、柔らかく、分割振動が激しいため
スピーカー振動板の素材としては不向きであり、まして、上記素材と同様に、銀
のヤング率(7.9×1011dyn/cm2) は比較的小さく、質量(107.
868)が大きいため上記振動板素材の諸条件を満足させるものではなかった。
【0007】
しかしながら、上褐したスピーカーの振動板に要求される前記諸条件の発想の
根元は、大口径(12cm〜38cm)のスピーカーに当然として要求されてく
るものであり、小口径(5cm〜10cm)で全周波数帯域を要求される小型の
スピーカーに必ずしも要求されるものではない。
【0008】
すなわち、ヤング率の大きさ、軽量さは、高域周波数特性の拡大には重要な役
割を果たすものであるが、その周波数特性(図4)を見ると、低域の出ない、中
高音スピーカーと何等変わりなく、もし、低域が拡大すれば、これは所謂フルレ
ンヂスピーカーと同等と云える。
【0009】
他方、小口径スピーカーで低音を楽に再生する方法としては、単純に振動板の
重量を増すことが考えられるが、加工性、生産性において問題がある。
本考案は、銀の特性を活かしながら、銀を振動板として使用する場合の欠点す
なわち分割振動を惹起し易いといった問題点を頗る簡単な手段でもって改善した
小口径(5cm〜10cm)の小型スピーカーでありながら重低音が楽に再生で
きるスピーカー用振動板を提供することを目的とするものである。
【0010】
上述の如き従来の問題点を解決し、初期の目的を達成するため本考案の要旨と
する構成は、銀又は銀を主成分とする合金で形成したことを特徴とするスピーカ
ー用振動板に存し、延いては、銀箔で所望形状に成形された振動板の裏面にビス
コロイド等の粘性物質を塗布し、かつ、同面に前記振動板を緊張すべく補強用リ
ブを配設してなるスピーカー用振動板に存する。
【0011】
このように構成される本考案のスピーカー用振動板は、銀或は銀合金で形成し
たことにより、図6に示されるように、低域が拡大して、中高域にピーク、ディ
ップができずらくなり平坦化され、尚且つ高域特性も有効範囲内で下がり、結果
として好ましい周波数特性を得ることとなる。
また、銀箔で所望形状に成形された振動板の裏面にビスコロイド等の粘性物質
を塗布することにより全面的に可撓性をもたせ、かつ、補強用リブを配設して振
動板全体をほどよく緊張させれば、銀の分割振動を有効に防止できることとなり
、紙振動板等からなる小口径のスピーカーでは無理とされていた低域周波数が有
効に拡大することとなる。
【0012】
次に本考案の実施の一例を図面を参照しながら説明する。
図中Aは本考案に係るスピーカー用振動板であり、この振動板Aは厚さ20〜4
0ミクロン(好ましくは30ミクロン)の銀箔1で所望形状に型成形した後に、
背面にビスコロイド等の粘性物質2を塗布することにより(図3参照)、全面的
に可撓性をもった小口径(5cm〜10cm程度)のカーブドコーンに保形され
ている。
【0013】
そして、該振動板Aの背面には、該振動板Aのカーブド部分とは非接触状態に
積層された十字状の補強用リブ3が配設されている。
この補強用リブ3は、合成樹脂材等の適宜素材からなるもので、図1〜図2に
示すように、一端がエッジ部材4の内端に、他端が内周部側にそれぞれエポキシ
樹脂等の接着剤を介して止着されており、全体をして前記エッジ部材4を支持す
ると共に、振動板A全体をほどよく緊張している。
【0014】
次に、図3を参照しながら、本考案に係る振動板Aを搭載したコーンスピーカ
ーの組み付け状態について説明する。
図中5はフレームであり、該フレーム5内に配設された該振動板Aは、外周部
が前記エッジ部材4を介してフレーム5に接続されると共に、内周部が円環状磁
気空隙6を介して磁壁に接触しないように配置されたボイスコイル7のボビン8
に接続されている。
【0015】
また、このボビン8は、前記フレーム5に他端が支持されたダンパー9によっ
て保持されており、ポール10、マグネット11、ヨーク12で内磁型の磁気回
路を構成している。
【0016】
このように構成される本考案のスピーカー用振動板Aは、銀或は銀合金で形成し
たことによって、低域が拡大して、尚且つ中高域にピーク、ディップができずら
く平坦化され、更には高域特性も有効範囲内で下がり、結果として好ましい周波
数特性を得ることとなる。
【0017】
また、銀箔1で所望形状に成形された振動板Aの裏面にビスコロイド等の粘性
物質2を塗布して全面的に可撓性をもたせ、かつ、補強用リブ3を配設して振動
板A全体をほどよく緊張しているため、銀の分割振動を有効に防止でき、紙振動
板等からなる小口径のスピーカーでは無理とされていた低域周波数が有効に拡大
することとなる。
【0018】
このことは、図6に示した周波数特性図からも明らかである。図6は、5cm
スピーカーを構成する紙振動板(細線)と、同形同大の銀振動板(太線)との周
波数特性の違いを示す周波数特性図であり、銀振動板の場合は、低域が拡大して
、尚且つ中高域にピーク、ディップができずらく平坦化され、更には高域特性も
有効範囲内で下がっており、結果として好ましい周波数特性を得ている。
【0019】
因に、斯かる両振動板の厚みは30ミクロンで、重量は、紙振動板が0.5g
、銀振動板が1.2gである。また、16センチスピーカーで通常3〜5gの重
量を有することを考慮すると、加工性、生産性等において1.2gの銀振動板が
問題になることはない。
【0020】
また、銀の分割振動対策として、振動板Aの裏面にビスコロイド等の粘性物質
2を塗布するという手段と、補強用リブ3を配設して振動板Aを緊張するといっ
た手段とを用いて銀振動板の分割振動を防止しているが、斯かる手段は前記諸条
件が要求される大口径スピーカーには応用できず、小口径スピーカーだからこそ
銀の柔らかさを応用できた技術である。更に、振動板Aが柔らかく、Qが低いの
で周波数特性に細かなピーク、ディップができずらいといった利点をも兼備する
ものである。
【0021】
尚、本考案は本実施例に限定されることなく、本考案の目的の範囲内で自由に
設計変更し得るものであり、本考案はそれらの全てを包摂するものである。
【0022】
本考案は上述のように構成され、振動板を銀或は銀合金で形成したことによっ
て、図6に示されるように、低域が拡大して、尚且つ中高域が平坦化され、更に
は高域特性も有効範囲内で下がり、結果として好ましい周波数特性が得られるス
ピーカー用振動板を提供できることとなった。
【0023】
また、銀箔で所望形状に成形された振動板の裏面にビスコロイド等の粘性物質
を塗布し、かつ、同面に前記振動板を緊張すべく補強用リブを配設すれば、銀振
動板の分割振動を有効に防止できるため、従来の紙振動板等からなる小口径のス
ピーカーでは無理とされていた低域周波数が拡大し、中高域の周波数特性におい
て細かなピーク、ディップができずらくなるといった効果をも兼備している。
このように、本考案は、小型のスピーカーでりながら重低音が楽に再生できる
スピーカー用振動板を提供できることとなった。
【0024】
尚、本考案のスピーカー用振動板は、構成が単純であるため大量生産に適し、
価格も低廉なものとして需要者に供給できる等、本考案を実施することはその実
益的価値が甚だ大なるものがある。
【0025】
図面は本考案の実施の一例を示すもので、
【図1】本考案に係るスピーカー用振動板の側面図であ
る。
る。
【図2】同背面図である。
【図3】本考案に係るスピーカー用振動板を搭載したス
ピーカーの縦断面である。
ピーカーの縦断面である。
【図4】紙振動板を用いた5cmフルレンヂスピーカー
の周波数特性図である。
の周波数特性図である。
【図5】銀振動板を用いた5cmフルレンヂスピーカー
の周波数特性図である。
の周波数特性図である。
【図6】上記両スピーカーを1kHzで重ねた周波数特
性図である。
性図である。
A 振動板
1 銀箔
2 粘性物質
3 補強用リブ
4 エッジ部材
5 フレーム
6 磁気空隙
7 ボイスコイル
8 ボビン
9 ダンパー
10 ポール
11 マグネット
12 ヨーク
Claims (2)
- 【請求項1】銀又は銀を主成分とする合金で形成したこ
とを特徴とするスピーカー用振動板。 - 【請求項2】銀箔で所望形状に成形された振動板の裏面
にビスコロイド等の粘性物質を塗布し、かつ、同面に前
記振動板を緊張すべく補強用リブを配設したことを特徴
とするスピーカー用振動板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP576791U JPH04107997U (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | スピーカー用振動板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP576791U JPH04107997U (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | スピーカー用振動板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04107997U true JPH04107997U (ja) | 1992-09-17 |
Family
ID=31898862
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP576791U Pending JPH04107997U (ja) | 1991-01-22 | 1991-01-22 | スピーカー用振動板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04107997U (ja) |
-
1991
- 1991-01-22 JP JP576791U patent/JPH04107997U/ja active Pending
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