JPH04107922U - 梯子型電気濾波器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ケースの開口に封止板を覆って、該封止板に
端子板の接続突片を挿通し、さらに該封止板上に絶縁性
封止材を充填するようにした梯子型電気濾波器にあっ
て、封止材と接続突片間の隙間の発生を防止すること。 【構成】 端子板６，８の接続突片６ｔ，８ｔの絶縁性
封止材１９との埋入箇所に粗面ｘを形成し、絶縁性封止
材１９との接触面積を増加して密着性を向上させた。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、携帯用移動無線機、自動車電話等の無線通信機のフィルタ回路に使 用され、プリント板上に実装されて所要の濾波回路を構築するものであって、単 位濾波回路を構成する直列共振子と並列共振子をケース内に収納してなる梯子型 電気濾波器に関する。

【０００２】

【従来の技術】

少なくとも一側面を開口させたケース内に、直列共振子及び並列共振子を収納 し、該ケースの側面から、直列共振子または並列共振子と電気的に接続する複数 の端子板の接続突片を突出させ、開口した側面には封止板で覆って、該封止板に 前記接続突片を挿通し、さらに該封止板上に絶縁性封止材を充填した梯子型電気 濾波器は種々提案されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

かかる構成にあっては、前記開口にエポキシ樹脂等の絶縁性封止材を充填して 電気濾波器内部を密閉するようにしているが、端子板の接続突片の曲げ加工等に 伴う加工歪等により封止材と接続突片とが剥離して間隙を生じ易く、洗浄工程で 洗浄液が内部に流入して電気的短絡を生ずる等の問題点があった。 本考案は、かかる従来構成の問題点を除去することを目的とするものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ケースの開口に被着した封止板に挿通して絶縁性封止材に埋入され る端子板の接続突片の埋入箇所に、絶縁性封止材との接合を確保する粗面を形成 したことを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】

粗面により絶縁性封止材との接触面積が増加し密着性が向上して、該端子板の 接続突片が絶縁性封止材と剥離せず、密閉性が向上する。

【０００６】

【実施例】

添付図面について本考案の一実施例を説明する。 四枚の共振子をケース内に収納して、二つの基本単位回路を格納する濾波器Ｆ に、本考案を適用した実施例を、図１，３に従って説明する。 １は絶縁材料からなる薄型の方形状合成樹脂製ケースであって、一端縁から接 続突片９ｔを突成したアース端子板９が一体的に組み付けられる。この組み付け 手段としては、インサート成形により合成樹脂製ケース１とアース端子板９をそ の成形工程において一体化する手段が採用される。またこの合成樹脂製ケース１ の収納空隙３内には、アース端子板９の上下に所要回路を構成する各種の部材が 開口２から挿入される。 この収納部材の構成を説明する。まずアース端子板９の上方には、緩衝板１１ 、一側縁に接続突片６ｔを形成した入力端子板６、肉厚の直列共振子４ａ、中継 端子板１０ａ、補助端子板１２及び肉薄の並列共振子５ａが順次挿入される。ま た、アース端子板９の下方には中継端子板１３ａ、絶縁板１４、中継端子板１０ ｂ、直列共振子４ｂ、一側縁に接続突片８ｔを形成した出力端子板８、補助端子 板１５、並列共振子５ｂ、中継端子板１３ｂ及び緩衝板１６が順次挿入される。 前記中継端子板１０ａ，１０ｂは、その前寄りの側部で連続部１０ｃにより一体 化されている。また同じく中継端子板１３ａ，１３ｂも、その前寄り他側部で、 連続部１３ｃにより一体化されている。そして、前記連続部１０ｃ，１３ｃが、 他の部材と接触しないように、前記合成樹脂製ケース１の収納空隙３内において 、入口部の両側に、前記連続部１０ｃ，１３ｃが位置する切欠部３ａ，３ｂが形 成されている。 一方、入力端子板６，出力端子板８の接続突片６ｔ，８ｔの基部の表裏面には 図１，２に示すように、あらかじめ幅方向の無数の条溝または梨状の粗し加工が 施されて粗面ｘを形成している。 かかる構成にあって、開口２には封止板１７を嵌入し、その挿通孔１８ａ，１ ８ｂに接続突片６ｔ，８ｔを挿通させ、該封止板１７上にエポキシ樹脂等の絶縁 性封止材１９を注入する。この絶縁性封止材１９の充填にあって、図４に示すよ うに粗面ｘにより絶縁性封止材１９との接触面積が増加し、密着強度が向上して 、該端子板６，８の接続突片６ｔ，８ｔと絶縁性封止材１９とが剥離し難くなる 。このため、接続突片６ｔ，８ｔの曲げ加工等に伴う加工歪によっても接続突片 ６ｔ，８ｔと絶縁性封止材１９との間に微間隙が生じ難く、このためケース１内 の密閉性が向上し、洗浄工程での洗浄液等の流入が阻止される。 而して、電気濾波器Ｆが構成され、この電気濾波器Ｆは、濾波回路の基本単位 回路となるものであって、ケース１の両側面から突出した端子板６，８，９の接 続突片６ｔ，８ｔ，９ｔを折曲して、その端部をプリント基板ｐ上の所要導電路 に半田付ｍを施して接続することにより、図５に示す濾波回路が構成される。 すなわち直列共振子４ａ，４ｂを接続突片６ｔ，８ｔを介して直列として入出 力端２０，２１に接続するとともに、並列共振子５ａ，５ｂを接続突片９ｔによ り、アース端子２４に接続し、夫々を並列接続する。而て、複数の電気濾波器Ｆ を使用することにより濾波回路が構成されることとなる。 前記実施例では、各二枚の直列共振子又は並列共振子からなる二つの基本回路 を格納した濾波器に適用したものについて説明したが、共振子を各一又は各三枚 収納したもの等、本考案は、種々の数の基本単位回路を格納する濾波器に適用で きる。またケースの両側面に開口を形成し、該開口から夫々端子板の接続突片を 夫々突出した構成にあっても、夫々の接続突片に絶縁性封止材１９との接合を確 保するために粗面ｘを形成するようにしても良い。さらには前記ケースは金属製 であっても良い。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は、上述のように、ケースの開口に被着した封止板に挿通して絶縁性封 止材に埋入される端子板の接続突片の埋入箇所に、絶縁性封止材との接合を確保 する粗面を形成したから、絶縁性封止材との接触面積が増加し密着性が向上して 、該端子板の接続突片が絶縁性封止材と剥離せず、密閉性が向上し、このため、 洗浄工程で洗浄液等が侵入して、電気的短絡を生ずるようなことはなく、安定し た特性の梯子型電気濾波器を提供し得る優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の梯子型電気濾波器Ｆの分解
斜視図である。

【図２】端子板６，８の平面図である。

【図３】梯子型電気濾波器Ｆの取付け状態の縦断側面図
である。

【図４】接続突片６ｔの埋入状態を示す拡大縦断側面図
である。

【図５】濾過回路図である。

【符合の説明】

１ ケース ２ 開口 ４ａ，４ｂ 直列共振子 ５ａ，５ｂ 並列共振子 ６，８，９ 端子板 ６ｔ，８ｔ，９ｔ 接続突片 １７ 封止板 １９ 絶縁性封止材 ｘ 粗面

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 少なくとも一側面を開口させたケース内
   に、直列共振子及び並列共振子を収納し、該ケースの側
   面から、直列共振子または並列共振子と電気的に接続す
   る複数の端子板の接続突片を突出させ、開口した側面に
   は封止板で覆って、該封止板に前記接続突片を挿通し、
   さらに該封止板上に絶縁性封止材を充填した梯子型電気
   濾波器において、前記封止板に挿通して絶縁性封止材に
   埋入される前記端子板の接続突片の埋入箇所に、絶縁性
   封止材との接合を確保する粗面を形成したことを特徴と
   する梯子型電気濾波器。