JPH04106494U - スクラツプ装入設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 アーク炉の炉蓋２の移動状態を検出する検出
装置１７と、金属スクラップが満載されたバケット１４
を吊るクレーン１２の走行制御装置１９とよりなり、前
記検出装置１７により検出した炉蓋移動信号に基づき前
記走行制御装置１９をコントロールしてクレーンの走行
を炉蓋２の移動に追従させるようにした。 【効果】 アーク炉における金属スクラップ装入の所要
時間を短縮させると共に、炉蓋２が無用に開いている時
間をなくして炉体１内の熱気が外に逃げるのを可及的に
防ぎ熱エネルギーロスを少なくし、かつまた、クレーン
操縦も容易ならしめる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金属スクラップを溶解するアーク炉におけるスクラップ装入設備に 関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

アーク炉への金属スクラップの装入作業は、炉内に垂下する電極棒を上昇させ た後、炉体から炉蓋を少し持ち上げて横に移動させ、一方、クレーン操縦者はク レーンから吊下したクラムシエル型バケツトに金属スクラップを満載させて待機 し、前記炉蓋が完全に開くのを持って該バケツトを炉体の真上に移動させ該バケ ツトを開いて該金属スクラップを炉体中に投入落下させることにより行なわれて いる。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

炉蓋を開けた際には熱気が立ち昇って大量の熱エネルギーが炉外に失なわれる ために上記スクラップ装入は迅速に行なわなければならないが、そのために従来 のスクラップ装入作業では、上述したように、クレーン操縦者が炉蓋の移動状況 を目で判断してなるべく間隔があくことなく、かつ炉蓋にバケツトを衝突させる ようなことのないようにきわどいコントロールを強いるものであった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決しようとするもので、アーク炉の炉蓋の移動状態を検 出する検出装置と、金属スクラップが満載されたバケットを吊るクレーンの走行 制御装置とよりなり、前記検出装置により検出した炉蓋移動信号に基づき前記走 行制御装置をコントロールしてクレーンの走行を炉蓋の移動に追従させるように 構成したものである。

【０００５】

【実施例】 次に図に従い本考案の一実施例を説明する。図１〜図３において、１は基台上 に傾動自在に配置された炉体、２はその上端開口を閉塞し得る炉蓋である。炉体 １の一側には油圧ラム式の炉蓋上昇旋回装置３が設けられ該上昇旋回装置３から 炉蓋２上に水平に延びる炉蓋支持アーム４にワイヤ５を介して該炉蓋２を吊下支 持している。６は該炉蓋２を貫通して炉体１内に垂下している電極棒で、該電極 棒６には電極支持アーム７に支持され溶解用電流が供給されている。８は製鋼工 場内においてこのアーク炉を囲う集じん用の建家（スカイハウス）で、該建家８ は図３に示したように天井部から一側壁部にわたり開口し得るようにスライド扉 ９，９がレール１０に沿って移動可能に設けられている。

【０００６】 １１はこの製鋼工場の天井部に水平に配設されたクレーンレールで、該クレー ンレール１１に沿って走行するクレーン１２からはワイヤ１３を介してクラムシ エル型バケット１４が吊下されている。そして該バケット１４はクレーン１２の 走行によりスクラップ置場上と炉体１上とを往復動し得るようにしている。

【０００７】 しかして、前記上昇旋回装置３には炉蓋２の移動状態を検出するため、図４に 示したようにその旋回用シリンダ１６の伸縮状態を電気信号として検出し得るリ ミットスイッチまたはロータリーエンコーダのような検出装置１７を設け、該検 出装置１７より得られる炉蓋移動信号を信号処理器１８を介して走行制御装置１ ９に入力させている。走行制御装置１９はクレーン１２の走行方向，走行速度， 停止等をコントロールし得るもので、該走行制御装置１９より発信される制御信 号はクレーン１２の駆動部に無線或いは有線で伝達されクレーン１２に吊下され たバケット１４をその制御信号に従い移動させる。このため炉蓋２の移動に追従 するようにクレーン１２を走行させバケット１４を炉蓋２と最少限の距離を保ち つつ炉体１上中心まで移動させることができる。そこでバケット１４を必要に応 じ炉体１の上端開口に近ずけるべくさらに下降させた後、バケット１４底を開放 することによりバケット１４内の金属スクラップを炉体１内に落下装入できる。 なおこれらのバケット１４の移動，停止およびバケット１４底の開放作動は一連 のシーケンス制御により連鎖的になされる。

【０００８】 こうしてバケット１４内の全ての金属スクラップが炉体１内に装入できたとこ ろで、例えばタイマーの作動によりそれを検知しバケット１４底を元に戻しバケ ット１４を横行上必要な高さまで上昇させた後、クレーン１２を走行させてバケ ット１４を元のスクラップ置場に戻し次の金属スクラップ装入に備える。なお、 クレーン１２の位置信号を検出し、バケット１４が炉体１上から遠ざかる際にそ の位置信号に追従させ上昇旋回装置３を作動させ炉蓋２を炉体１上に戻すように すれば、装入のための全所定時間はさらに短縮される。また、スライド扉９，９ の開閉動もクレーン１２の走行位置信号に従い自動的に行なわれるように構成す ることもできる。また、上昇旋回装置３は油圧ラム式に限らず電動式である場合 にも本考案が適用できることは言うまでもない。 要するに炉蓋の移動状態とバケットを吊るクレーンの走行とを互いの位置を検 出する電気信号により他の移動を追従させることにより、炉蓋の開動時にバケツ トを間断なく炉体上に位置させることができ、バケットを炉体上から退避させる 際にも炉蓋を即時に被せることができるので、その間に炉体から立ち昇る熱気量 を最少限に抑えることができる。

【０００９】

【考案の効果】

このように本考案は、アーク炉における金属スクラップ装入の所要時間を短縮 させると共に、炉蓋が無用に開いている時間をなくして炉体内の熱気が外に逃げ るのを可及的に防ぎ熱エネルギーロスを少なくし、かつまた、クレーン操縦も容 易ならしめるなど有益な効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】アーク炉設備の縦断面図。

【図２】図１の水平断面図。

【図３】スカイハウスの斜視図。

【図４】制御系の概略図。

【符号の説明】

１ 炉体 ２ 炉蓋 ３ 炉蓋上昇旋回装置 １２ クレーン １４ バケツト １７ 検出装置 １９ 走行制御装置

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 アーク炉の炉蓋の移動状態を検出する検
   出装置と、金属スクラップが満載されたバケットを吊る
   クレーンの走行制御装置とよりなり、前記検出装置によ
   り検出した炉蓋移動信号に基づき前記走行制御装置をコ
   ントロールしてクレーンの走行を炉蓋の移動に追従させ
   るように構成したことを特徴とするスクラップ装入設
   備。