JPH04106396U - 線条体の集合装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 線条体の集合装置の回転速度を高め、給電ロ
スを減らす。 〔構成〕 ケージ回転形の集合装置において、ケージ形
フレームに懸架されているフライヤには線条体の送出し
ボビンだけを搭載するようにし、引き出し用のキャプス
タンロール、これを駆動する制御用モータ、および線条
体の張力を調整するダンサロールをすべて主軸のまわり
にこれに近接して配置し、これによって装置の遠心力を
減らして回転速度を高めるとともに、制御用ロールに給
電するために主軸端部にあるスリップリング１個だけを
経由すればよく、給電ロスも減少する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は線条体の集合装置、とくにケージ回転形の集合装置に関するもので ある。

【０００２】

【従来の技術】

図２を参照して従来の技術を説明する。たとえば光ファイバ線のような線条体 １を撚合せ集合する場合に用いられるケージ回転形の集合装置の典型的な例とし てこの図２のものを挙げられるが、これは主軸２に、その軸方向に離隔対向して 取り付けられる２枚のフレーム板３Ａ，３Ｂからなるケージ形フレーム３が設け られ、このケージ形フレーム３の主軸２のまわりに等角的に複数個のフライヤ４ が配設されたものである。フライヤ４はケージ形フレーム３に対してちょうど浮 枠のように、主軸２と平行な軸線のまわりに回転可能に軸支され、主軸２に同軸 的に固着される太陽歯車から遊星歯車機構によって回転駆動される。この回転は 各線条体に撚り返しを与えるためのものである。

【０００３】 各フライヤ４には線条体１が巻装された送出しボビン５が自身の軸線のまわり に回転可能に支持され、この送出しボビン５に所定の送出し回転を与えるための 制御用モータ１０１が設けられる。またこのフライヤ４には送り出された線条体 １の張力を調整するためのダンサロール１０２も搭載される。こうして送り出さ れた線条体１はケージ形フレーム３の回転にしたがって集合ダイス６において撚 合わせ集合される。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながらこの従来の集合機においては、フライヤ４が制御用モータ１０１ とダンサロール１０２とを搭載しているためかなり重量が大きくなっており、こ の大重量のフライヤ４が主軸２から比較的半径方向に離れている位置に軸支され ている状態でケージ形フレーム３が回転するため遠心力がかなり大きくなって高 速回転ができず、またこの大きい遠心力に耐えるため装置全体の強度を十分高く 設計、製作しなければならずコスト的にも非常に不利である。

【０００５】 またフライヤ４はケージ形フレーム３に対して回転するよう懸架され、そのケ ージ形フレーム３は主軸２とともに装置全体の主フレームに対して回転するよう 支持されているわけであるから、フライヤ４上の制御用モータ１０１に給電する ためにはスリップリング７と同１０３と、スリップリングを２段に経由する必要 がある。この結果給電ロスがかなり大きくなる欠点もある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

この考案は前述の課題を解決するためになされたものであって、回転する主軸 と、この主軸にその軸方向に離隔対向して取り付けられる２枚のフレーム板から なるケージ形フレームと、前記主軸の周囲に等角的に複数個配設され、前記２枚 のフレーム板間に橋渡し支持されて前記主軸と平行な軸線のまわりに回転できる 複数のフライヤとを有する線条体の集合装置において、前記フライヤには線条体 の送出しボビンだけが搭載され、前記各線条体ごとに、これを送り出すキャプス タンロール、このキャプスタンロールを回転駆動させる制御用モータ、および前 記線条体の張力調整用のダンサロールとが前記主軸に近接してこの周囲に配設さ れていることを特徴とする線条体の集合装置である。

【０００７】

【作用】

回転する主軸から半径方向に比較的離れているフライヤには送出しボビンだけ が搭載されるようにし、制御用モータとダンサロールとを主軸に近接した位置に 置くように構成してあるため、回転に際して遠心力が小さくなって高速回転が可 能となり、また装置全体としても軽量、したがって低コストの設計、製作が計ら れる。

【０００８】

【実施例】

図１を参照してこの考案の一実施例を説明する。図中符号１，２，３，３Ａ， ３Ｂ，４，５，６，７は図２について説明した従来の集合装置の部分と同一のも のを示す。すなわち、この考案ではフライヤ４には線条体１の送出しボビン５だ けが搭載される。符号５Ａに示したものは適宜のブレーキ手段であって、後述す るキャプスタンロール８によって線条体１が引き出されるときこの送出しボビン ５が暴走回転して線条体１がたるまないように与える回転抵抗である。

【０００９】 主軸２の周囲にはこれに極めて近接してキャプスタンロール８が設けられる。 符号９に示すものはこのキャプスタンロール８を所望の速度で回転駆動する制御 用モータであり、これも主軸２に近接して取り付けられる。またキャプスタンロ ール８によって引き出されてこれから下流の集合ダイス６に向かう線条体１の張 力を調整するためのダンサロール１０が同じく主軸２の周囲にこれに近接して設 けられる。これらのキャプスタンロール８，制御用モータ９およびダンサロール １０の内、ダンサロール１０は各線条体１につきそれぞれ別個に設けるのが原則 であるが、キャプスタンロール８と制御用モータ９は何本かの線条体１に共用で きるように構成することもできる。

【００１０】

【考案の効果】

この考案によれば、回転する主軸から半径方向に比較的離れているフライヤに は送出しボビンだけが搭載され、線条体を送出しボビンから引き出すキャプスタ ンロールや、これを回転駆動する制御用モータ、および線条体の張力を調整する ダンサロールとを主軸に近接した位置に置くように構成してあるため、回転に際 して遠心力が小さくなって高速回転が可能となり、また装置全体としても軽量、 したがって低コストの設計、製作が計られる利点がある。また、制御用モータに 給電するためには主軸の端部にあるスリップリング１個を経由するだけですむか ら給電ロスも減少する効果もある。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施例を示す側断面図である。

【図２】従来の線条体の集合装置を示す側断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 線条体 ２ 主軸 ３ ケージ形フレーム ３Ａ，３Ｂ フレーム板 ４ フライヤ ５ 送出しボビン ８ キャプスタンロール ９ 制御用モータ １０ ダンサロール

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転する主軸（２）と、この主軸（２）
   にその軸方向に離隔対向して取り付けられる２枚のフレ
   ーム板（３Ａ，３Ｂ）からなるケージ形フレーム（３）
   と、前記主軸（２）の周囲に等角的に複数個配設され、
   前記２枚のフレーム板（３Ａ，３Ｂ）間に橋渡し支持さ
   れて前記主軸（２）と平行な軸線のまわりに回転できる
   複数のフライヤ（４）とを有する線条体の集合装置にお
   いて、前記フライヤ（４）には線条体（１）の送出しボ
   ビン（５）だけが搭載され、前記各線条体（１）ごと
   に、これを送り出すキャプスタンロール（８）、このキ
   ャプスタンロール（８）を回転駆動させる制御用モータ
   （９）、および前記線条体（１）の張力調整用のダンサ
   ロール（１０）とが前記主軸（２）に近接してこの周囲
   に配設されていることを特徴とする線条体の集合装置。