JPH04106319U - ヘルメツト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ［目的］ ヘルメットの使用時、締結状態の顎ベルトを
火炎から保護する。 ［構成］ 帽体２にそれぞれシールパッド１０と共に一
端を固着される難燃性の左右一対の帯片１５ａ，１５ｂ
により、締結状態の顎ベルト１４の外面を覆う防炎カバ
ー１５を構成し、これら帯片１５ａ，１５ｂの他端部を
面ファスナ１６を介して接続可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、主として自動車、自動二輪車等の乗員が使用するヘルメット、特に 、帽体に顎ベルトを備えたヘルメットの改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、ヘルメットにおける顎ベルトの素材には、引張強度が強く且つ肌触り の良好な繊維、例えばナイロン繊維が広く用いられている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、ナンロン繊維からある顎ベルトは、難燃性の点で劣るので、万 一、車両火災に遭遇して火炎に曝されると、強度を著しく低下させ、本来の締結 機能を損うことが考えられる。

【０００４】 本考案は、かゝる事情に鑑みてなされたもので、火災時には顎ベルトを火炎か ら保護し、難燃性の低い顎ベルトでも本来の締結機能を維持し得るようにした前 記ヘルメットを提供することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案は、締結状態の顎ベルトの外面を覆う難燃 性の防炎カバーを帽体に付設したことを特徴とする。

【０００６】

【実施例】

以下、図面により本考案の一実施例について説明する。

【０００７】 先ず図１において、１は主として競技用自動車のドライバが使用するヘルメッ トであり、その帽体２は、前面の窓孔３の直下に顎覆い部２ａを有するフルフェ ース型に構成される。そしてこの帽体２には、窓孔３を開閉するための透明のシ ールド板４の左右両端部が上下方向回動可能に枢着される。

【０００８】 図２及び図３に示すように、前記帽体２は、ＦＲＰ製のシェル５と、このシェ ル５の内面に嵌装された発泡スチロール製の衝撃吸収ライナ６とから構成され、 その衝撃吸収ライナ６の内面には、天井面にトップパッド７、側部全周面にフィ ットパッド８、左右側面に耳当パッド９がそれぞれ接合される。またシェル５の 下端部後半内周面には、ドライバの襟周りからの風の侵入を防ぐネックパッド１ ０が接合される。これら内装パッド７〜１０は難燃性織布で被覆される。

【０００９】 前記シェル５の左右両側部には、取付金具１１がリベット１２により固着され る。そして左側の取付金具（図示せず）には、下端に接続環１３を備えた左ベル ト半体１４ａが、また右側の取付金具１１には右ベルト半体１４ｂがそれぞれ固 着される。これらベルト半体１４ａ，１４ｂによって顎ベルト１４が構成され、 接続環１３により両ベルト半体１４ａ，１４ｂを接続することにより、顎ベルト １４は締結することができる（図３参照）。

【００１０】 更に帽体２には、顎ベルト１４の締結時、その外面と共に使用者の顎下を覆う 防炎カバー１５が付設される。

【００１１】 この防炎カバー１５は、それぞれ前記ネックパッド１０と共に一端を帽体２に 固着される左帯片１５ａ及び右帯片１５ｂからなっており、両帯片１５ａ，１５ ｂの他端部の重合面には、面ファスナ１６を構成するファスナ素片１６ａ，１６ ｂが縫付けられる。各帯片１５ａ，１５ｂは前記内装パッド７〜１０の表皮と同 様に、難燃性合成樹脂、例えば芳香族ポリアミド樹脂繊維製の織布によってつく られる。

【００１２】 次にこの実施例の作用について説明する。 ドライバがヘルメット１を装着する際には、先ず帽体２を被ってから前述のよ うに顎ベルト１４を締結し、次いで防炎カバー１５の左右の帯片１５ａ，１５ｂ を顎ベルト１４の外面に密着させるように自由端部を重ね合せ、面ファスナ１６ を介して相互に接続する。かくして顎ベルト１４の外面及びドライバの顎下は防 炎カバー１５により覆われる。

【００１３】 したがって、万一、車両火災に遭遇しても、防炎カバー１５により顎ベルト１ ４のみならずドライバの顎下を火炎から保護し得るので、顎ベルトの締結機能を 維持し、ドライバの安全を確保することができる。

【００１４】 ヘルメット１を外すには、前記操作と反対の要領で行うものであることは言う までもない。

【００１５】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、締結状態の顎ベルトの外面を覆う難燃性の防炎 カバーを帽体に付設したので、顎ベルトが難燃性に乏しくともこれを防炎カバー により火災より保護することができる。したがって顎ベルトには引張強度及び肌 触りを重視して適切な素材を自由に選定し得るとともに、その防炎を図ることが できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例の乗車用フルフェース型ヘル
メットの側面図

【図２】図１の２−２線半縦断正面図

【図３】顎ベルトの締結状態で示す図１の底面図

【符号の説明】

１ ヘルメット ２ 帽体 １４ 顎ベルト １５ 防炎カバー １６ ファスナ

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 帽体（２）に顎ベルト（１４）を備えた
   ヘルメットにおいて、締結状態の顎ベルト（１４）の外
   面を覆う難燃性の防炎カバー（１５）を帽体（２）に付
   設したことを特徴とするヘルメット。
2. 【請求項２】 請求項１記載のものにおいて、防炎カバ
   ー（１５）を、各一端を帽体（２）の左右両側部に固着
   される左右一対の難燃性帯片（１５ａ，１５ｂ）から構
   成し、両帯片（１５ａ，１５ｂ）の他端部をファスナ
   （１６）を介して相互に接続可能としたヘルメット。
3. 【請求項３】 請求項１または２記載のものにおいて、
   防炎カバー（１５）を芳香族ポリアミド樹脂繊維製とし
   たヘルメット。