JP4559578B2 - 消防用安全帽 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、消防隊員が主として火災現場において着装する、一般には「防火帽」と呼ばれる消防用安全帽の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
消防隊員は火災現場において、輻射熱・対流熱・落下物・落下水等を避ける目的で、消防用安全帽と呼ばれる消防用安全帽を装着して消火作業に従事する。このような消防用安全帽には、顔面下半部及び首の周囲を覆いうる、一般に「しころ」と呼ばれる防火性能の高い遮蔽布を装着して消火作業を行う。
【0003】
従来、このような消防用安全帽は、ほぼ半球形の産業用安全帽に落下水等を体から避けるため、帽体部から略水平又はやや下方に傾斜した角度で突出するはばの広いつばを一体成形したものに、すその広がった遮蔽布を装着して形成されていた(意匠25293号参照)。 また、つば部が形成されてない、いわゆる「MP型」の産業用安全帽に、ほぼ同形の遮蔽布を取り付けて使用するものもあった。なお、以下、用語等の定義については、「産業用安全帽」の構造にかかる用語、JIS規格T8131に準ずるものを用いる。
【0004】
【発明の解決しようとする課題】
しかしながら、従来の消防用安全帽には、次のような不具合があった。
昭和40年代以降の消防職員は、その多くが自給式空気呼吸器を標準的な装備としており、これの空気ボンベを背中に背負うことが一般となっている。この場合、体の自由な運動を確保するためには、約50センチメートルから60センチメートルで5キログラム程度となるこうしたボンベを、出来るかぎり上方に位置させて背負う必要があり、円筒形のボンベの上端は肩と略並ぶ位置となる。なお、空気呼吸器の用語等については、JIS規格T8155「空気呼吸器」のものに準ずる。
【0005】
従来の消防用安全帽には上述のように幅の広いつばが形成されているため、例えば、消防隊員が上方を見るために首を後ろへ傾けた際に、つばの頭部後方部が頭を空気ボンベの上端に衝接してしまい、それ以上首を傾けられず上方を向くことができないため、消防隊員が自由な姿勢がとれず、その結果、行動が制限される場合があった。
【0006】
この場合、つばの後端部分のみを削って短くしたり、あるいは成形上の変更によって後部のつばを無くすなどの変更を加えるといった工夫もされていたが、落下水があった場合には首筋からの落下水が侵入することとなってしまうと共に、落下物に対して安全ではない。
【0007】
また、上記の従来の消防用安全帽のつばの前方部は、略水平の角度で形成されているために、消防隊員が装着時に上方を見る場合、角度によっては上方の視界をさえぎられてしまう場合が多かった。この点に関し、つばの前方部分を削って短くしたり、あるいは成形上の変更によって短くする等の工夫も行われていた。
【0008】
しかしながら、つば前部は顔面を落下物から保護するものであるため、単純に短くしただけでは着装者に対して著しい不安感を与え、さらに顔面への落下水の増加をまねく結果となった。このため、十分な視界と安全性及び快適性を兼ね備えた消防用安全帽は、これまで存在しない状況であった。
【0009】
消防用安全帽に装着して使用する遮蔽布は、一般に、首から肩及び顔面下半部を覆いうる幅に形成された布を消防用安全帽の下端部にホック等の適宜手段により固定し、遮蔽布の両端部を顔面部において接合して使用できるように形成されている。即ち、両端部を接合せずに開いた状態では落下する水や物を肩あるいは背中の側に導き、両端部を接合して閉じた状態では炎や輻射熱を防ぐように構成されている。
【0010】
このような遮蔽布は、現在、耐火性・耐切創性の観点から、アラミド繊維などの難燃繊維で作られており、布素材の柔軟性に欠けるため、開いた状態では肩との間に大きな間隙が形成されてしまうと共に、閉じて使用した状態では装着者の頭部の自由な挙動を妨げる場合が多かった。 従って、開閉状態に応じた安全性と運動性を兼ね備えた遮蔽布を備えた消防用安全帽は従来存在しなかった。
【0011】
さらに、一般的に消防用安全帽は、顔面保護板と呼ばれる透明な樹脂の板を備えている。このような顔面保護板は、いわゆるMP型等の、眉間より上方の頭部を保護するように形成された形状のヘルメットに、例えば、帽体側方部に回動可能に枢支して外装した場合には、回動中心部が眉間を含んで形成される水平面よりも上方に位置し消防用安全帽の重心位置が上方へ移動してしまうことから消防隊員の頭部及び、頭部を支える首部に負担がかかり、顔面保護板を跳ね上げた状態での消防隊員の迅速な作業行動に支障を来す、という不具合がある(例えば、実公昭49−0096772参照)。
【0012】
一方、顔面保護板を消防用安全帽に内装可能とした考案については、例えば、特許2839240号などがある。この場合、消防隊員は一般的に、「面体」と呼ばれる、輻射熱から顔面を保護するため顔面を覆うマスクをかぶるが、この面体を着用せずに顔面保護板と遮蔽布の組み合わせによって輻射熱を防ごうとする場合には、顔面保護板が平均的な顔面長さ(眉間から顎先までの間で成人男子の平均が14.5cm:通商産業省工業技術院生命工業技術研究所編纂「設計のための人体寸法データ集」1996年刊行参照。)より短くなってしまう(眉間から頭頂部までの高さは、成人男性の平均で100mm程度しかなく、ここに顔面保護版をしまうにはさまざまに工夫しても顔面長さに及ばない)ために、遮蔽布の前の部分を面ファスナー等で止めて保護を行っていた。
【0013】
ところがこうした場合には、顔面保護板が顔より比較的離れており、かつ短いために、遮蔽布により十分に顔面を被覆するようにした場合には遮蔽布によって視界がさえぎられ、下方視界は15°程度となり、消防隊員の活動に支障を及ぼす結果となっていた。
【0014】
この場合、例えば、ヨーロッパ統一消防装備規格EN443:1997、及び米国連邦防火協会による消防隊員の個人装備基準NFPA1971/1997によれば、いずれも消防隊員が活動に十分な視界を得るためには下方視界が45°以上必要であると定められている。
【0015】
従って、遮蔽布は空気呼吸器の面体を着用する際にも同一のものを用いるため、近年の改良により空気呼吸器の面体の視界が増大しているにもかかわらず、例えば、火災の状況が深刻であり、遮蔽布を閉じて使用した場合に一方で視界が悪くなり、消防活動に支障を来す、という不具合があった。
【0016】
このような問題点を解決するために、頭部全体を覆う形の帽体に、内装の顔面保護板を備えて全体のバランスがとれるようにし、かつ保護範囲を広げたものが考案されている(意匠725427号「吸入器付きヘルメット」参照)。
【0017】
この消防用安全帽においては、顔面保護板は内装されているため、上記問題点は解消されており、遮蔽布の前とじがほとんど不要にはなるものの、頚部まで密着した形でなければバランスがとれず、延髄部分まで覆った構造になっているため寸法に余裕がない。このため、消防隊員が通常用いる空気呼吸器用の面体のしめひもが、全面型・半面型いずれについても使用することができず、無理に使用しようとするとヘルメットが浮き上がってしまい、安全性の面から専用の外付けの面体のみ使用が可能であった。しかし、ヘルメットの外側から面体をあてがう構造に形成された特殊な面体は、頭部の外寸の個人差に対応しておらず、着用する人間の顔の形に合わせて密着させることができる全面型・半面型の面体に比べるとやはり安全性の面で問題があった。
【0018】
さらに、このヘルメットにおいては、顔面の形に合わせた顔面保護板を額から後頭部にかけての帽体内側に収納しており、帽体と衝撃吸収ライナーの間に10mm前後の余裕を必要とする。このため同じサイズの安全帽にくらべて衝撃吸収ライナーの厚みや帽体の厚みについて不利になり、同程度の重量や寸法にすると安全性の面で問題があった。
【0019】
こうした全頭型のヘルメットを合成樹脂によって整形するためには、二輪車乗車の際に用いる自動車用安全帽(自動車用安全帽の用語については、JIST8133「自動車用安全帽」に準ずる)における「セミジェット型」あるいは「ジェット型」のように、正面から見た断面がΩ型になる形状にするのが通例である。
【0020】
しかしながら、安全帽の一般的な材料である合成樹脂にこうした成形を行うには、通常産業用安全帽において用いられているマッチドメタルダイ成形(二枚の高炭素鋼などで作成した金属製の型の間に材料をはさみ、高圧で押し付けて成形し、出てきたものをそのまま製品にする成型方法)を、内側が広がっているために金型が引き抜けないことから行うことができない。このためバッグ成形(雌雄いずれか一方の型をゴムなどの弾性体のバッグとし、これに空気圧または液圧を用いて成形する方法)を用いるか、あるいは熱による二次加工を必要とした。なお、プラスチック成形に関する用語は、JIS規格K7010「プラスチック−用語」による。
【0021】
従って、このような全頭型のヘルメットにあっては、帽体の成形作業が繁雑である、という不具合が存している。
また、一般的に消防隊員の消防用安全帽には、剛性・耐熱性・耐久性に優れている9インチ程度の長繊維のガラス繊維強化プラスチックが用いられているが、長繊維を用いるためにはバッグ成形では困難であるため、高密度ポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボネート、短繊維強化プラスチックなどの強度や耐火性能的に劣るものを用いなければならず、消防用安全帽としては強度の面で安全とは言い難いものであった。
【0022】
また、消防用安全帽についての日本国の安全基準はJIS規格が該当し、JIS規格T8131にあっては、帽体外周の一部に帽体成形後、顔面保護板や照明をとりつけるための金具を取付けることは認められているが、恒久的な部品として所定の強度を以て外周全体に遮蔽布取り付け用の金具等を取り付けることは認められていない。これは落下物等が帽体に恒久的に取り付けられた突出物に当たった場合に衝撃が大きくなることを考慮したものである。このため消防用安全帽に遮蔽布を取り付ける際には、帽体内部の着装体の下端部を延接して遮蔽布取付部を形成し、この遮蔽布取付部に遮蔽布を取り付けるようにしている。
【0023】
しかしながら、このようにして遮蔽布を取り付ける構造とした場合には、遮蔽布と帽体との間には若干の隙間が形成されるため、火災現場において装着者の姿勢により、つばが水平あるいは水平に近い傾斜となる際に対流熱や炎の侵入を許す可能性が存していた。
【0024】
従って、請求項1記載の発明にあっては、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽を提供することにある。
【0025】
請求項2、3及び4記載の発明にあっては、請求項1記載の技術的課題に加えて、火災現場における上方から落下する落下水を効率よく帽体外方へ排水し、装着者の衣服内部へ水が浸入することがなく、遮蔽布を装着した場合には、遮蔽布を容易に固定しうる消防用安全帽を提供することにある。
【0026】
請求項5記載の発明にあっては、装着者の首筋を落下物及び落下水から保護することができる消防用安全帽を提供することにある。
請求項6及び7記載の発明にあっては、顔面保護板を装着する場合であって顔面保護板を使用せずに作業を行う場合であっても、装着者の頭部及び首部に負担とならず、装着者の作業時の活動に影響を及ぼさないと共に、遮蔽布を装着して使用する場合に遮蔽布を容易に固定できる消防用安全帽を提供することにある。
【0027】
請求項8記載の発明にあっては、装着者の耳を確実に保護しうると共に、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽を提供することにある。
【0028】
請求項9及び10記載の発明にあっては、請求項8記載の発明の技術的課題に加えて、落下水から装着者を守ることができる消防用安全帽を提供することにある。
【0029】
請求項11及び12記載の発明にあっては、請求項10記載の技術的課題に加えて、顔面保護板の不使用時にも装着者の頭部及び首部に負担をかけず、行動に制限を加えることのない消防用安全帽を提供することにある。
【0030】
請求項13記載の発明にあっては、装着者の頭部の自由な挙動を妨げることのない遮蔽布を装着した消防用安全帽を提供することにある。
【0031】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明にあっては、装着者の頭部を覆いうる帽体11と、この帽体11の前部に突設された前方つば部12と、上記帽体11の側部に形成されると共に前方つば部12から延設され装着者の耳を覆いうる耳保護部13と、上記帽体11の後部に形成されると共に上記耳保護部13に延設された後方つば部14とを有し、上記前方つば部12は装着者の上方視界を遮らないように形成されると共に、上記後方つば部14は装着者が背中に空気呼吸器の空気ボンベを装着した場合に、装着者が首を後方に傾けた場合であっても空気ボンベに当接しないように形成されていることを特徴とする。
【0032】
従って、請求項1記載の発明にあっては、装着者が消防用安全帽10を装着した場合であっても、前方つば部12は装着者の前方視界を遮ることがなく、常に良好な視界を確保することができる。また、装着者が空気ボンベを装備した場合に、例えば、上方を見るために首を傾けたような場合であっても、空気ボンベに当接せず、行動の自由を制限されることがない。
【0033】
その結果、請求項1記載の発明にあっては、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽が提供される。
【0034】
請求項2記載の発明にあっては、上記前方つば部12は斜め上方に突出するように形成され、上記耳保護部13は後方つば部14と一体に形成されると共に耳保護部及び後方つば部は上記帽体側方部及び後方部において斜め下方に突出して形成され、上記前方つば部12よりも耳保護部13及び後方つば部14の方が幅広に形成され、上記前方つば部12と耳保護部13との間には、前方つば部12に落下した消火用水を耳保護部へ導く排水部が形成され、上記前方つば部の上面部及び排水部15は連続して形成され、顔面及び首の周囲を覆いうる遮蔽布28を帽体11に装着した場合には、装着者の顔面前部において遮蔽布28を係止しうる係止部が形成されるていることを特徴とする。
【0035】
また、請求項3記載の発明にあっては、上記排水部15は、前方つば部12から耳保護部13へ斜めに下降する段部により形成されていることを特徴とする。
また、請求項4記載の発明にあっては、上記排水部15は、前方つば部12から耳保護部13へかけて連続する平面により形成されている。
【0036】
従って、請求項2,3及び4記載の発明にあっては、上方からの落下水は災現場における上方から落下する落下水を効率よく排水する消防用安全帽を提供することができる。また、請求項2記載の発明にあっては、遮蔽布28を装着した場合であっても、容易に帽体11に係止することできる消防用安全帽が提供される。
【0037】
請求項5記載の発明にあっては、上記後方つば部14は、装着者の首筋後側を被覆しうる角度に形成されていることを特徴とする。
従って、請求項5記載の発明にあっては、請求項1記載の効果に加えて、装着者の首筋を落下物及び落下水から保護することができる消防用安全帽を提供するができる。
【0038】
請求項6記載の発明にあっては、上記帽体11の内方前部には、顔面を覆いうる顔面保護板21が内装されており、不要時には帽体内側に収納可能に形成されていると共に顔面保護板21を引き下ろした場合には顔面を保護し、上記帽体11に遮蔽布28を装着した場合には、顔面保護板21の下端部が遮蔽布28の係止部を形成するように構成されていることを特徴とする。
【0039】
請求項7記載の発明にあっては、上記顔面保護板21の下端部には前方へ突出するつば部が形成され、上記顔面保護板21が引き上げられた場合には上記つば部が上記前方つば部12を形成すると共に顔面保護板21が引き下げられた場合には上記つば部が遮蔽布係止部として形成されていることを特徴とする。
【0040】
従って、請求項6及び7記載の発明にあっては、帽体に顔面保護板21を装着する場合であって顔面保護板21を使用せずに作業を行う場合であっても、装着者の頭部及び首部に負担とならず、装着者の作業時の活動に影響を及ぼさないと共に、遮蔽布28を装着して使用する場合に遮蔽布28を容易に固定できる消防用安全帽を提供することができる。
【0041】
請求項8の発明にあっては、装着者の後頭部を覆いうる帽体11と、この帽体11前部に突設された前方つば部32とを有し、帽体11の後方下縁部は帽体上方へ湾曲する開口部34を画成し、この後方下縁部には斜め上方へ突出する後方つば部33が形成され、上記前方つば部32と後方つば部35との間には、装着者の耳の略全体を覆いうる耳保護部36が形成されていることを特徴とする。
【0042】
従って、請求項8記載の発明にあっては、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽が提供される。また、さらに、装着者の耳を確実に保護しうる消防用安全帽を提供することができる。
【0043】
請求項9記載の発明にあっては、顔面保護板37が帽体外方に装着され、上記耳保護部36には顔面保護板37を回動可能に固定しうる固定部が設けられ、非使用時には顔面保護板37が帽体31の上部外方に配置されると共に、使用時には顔面保護板37が上記固定部を中心に回動し、上記前方つば部32に上端部が密接した状態で装着者の顔面の略全体を被覆し、上記耳保護部36には、前方つば部32に連設されると共に前方つば部32に流下した消火用水を耳保護部36へ導く排水部が形成されていることを特徴とする。
【0044】
請求項10記載の発明にあっては、上記顔面保護板37は、帽体31の内方に装着されていることを特徴とする。
従って、請求項9及び10記載の発明にあっては、請求項7記載の発明の技術的課題に加えて、落下水から装着者を守ることができる消防用安全帽を提供することができる。
【0045】
請求項11記載の発明にあっては、上記顔面保護板37は、帽体31の内方に装着されていることを特徴とする。
請求項12記載の発明にあっては、上記顔面保護板37は帽体31の外方に装着され、顔面保護板の下端部には前方へ突出するつば部が形成され、顔面保護板37を上げた状態の場合には上記つば部が帽体の前方つば部32を形成するように構成されている。
【0046】
請求項11及び12記載の発明にあっては、請求項10記載の技術的効果に加えて、顔面保護板37の不使用時にも装着者の頭部及び首部に負担をかけず、行動に制限を加えることのない消防用安全帽を提供することができる。
【0047】
請求項13記載の発明にあっては、上記遮蔽布28には、プリーツ47が設けられていることを特徴とする。
請求項13記載の発明にあっては、装着者の頭部の自由な挙動を妨げることのない遮蔽布を装着した消防用安全帽を提供することができる。
【0048】
【発明の実施の形態】
本実施の形態に係る消防用安全帽10にあっては、帽体11と、この帽体11の前部に突設された前方つば部12と、上記帽体10の側部に形成されると共に前方つば部12から延設され装着者の耳を覆いうる耳保護部13と、上記帽体10の後部に形成されると共に上記耳保護部13に延設された後方つば部14とを有している。
【0049】
上記前方つば部12は所定角度を以て斜め上方に突出するように形成され、上記耳保護部13は後方つば部14と一体に形成されると共に耳保護部13及び後方つば部14は上記帽体側方部及び後方部において所定角度を以て斜め下方に突出して形成されている。上記前方つば部12よりも耳保護部13及び後方つば部14の方が幅広に形成され、この耳保護部13と後方つば部14とにより首部側方及び後方を覆うスカート部が形成されている。
【0050】
また、上記前方つば部12と耳保護部13との間には、前方つば部12に落下した消火用水を耳保護部13へ導く排水部15が形成され、上記前方つば部12の上面部16及び排水部15は連続して形成されている。
【0051】
上記の前部つば12は、側部方向へ落下物及び落下水を導くと同時に、顔面部分への落下物を防ぐ角度と長さを持ち、視界を主要部分について損なわない角度とすることが適当である。発明者の知見によれば、上記角度については水平0°以上上方45°以下、長さについては10ミリメートルを越えて40ミリメートル以下(いずれも顔面の正面部分での値)が適当である。
【0052】
さらに、空気呼吸器の着装時に顔に付けて呼吸を内部で行う面体は、上端の部分を顔面への密着性を高めるために上に凸の曲線としていることが多いため、前部つばの下辺17を面体に合わせた曲線とすることが顔面保護の安全性と着装性の面から望ましい。
【0053】
また、耳保護部13については、耳に不快感を与えず、かつ上方からの投影面積においてつばを水平に設けたものに遜色のないことが必要である。発明者の知見によれば、頭部の運動性能や人体寸法の平均値から考えて、つばの長さは10ミリメートル以上60ミリメートル以下、角度については下方30°を越えて60°以下が適当であるものと思われる。
【0054】
同じく一体つばのうち後方つば部14については、例えば、上方を見るために頭部を後に傾けた際に空気呼吸器の空気ボンベに当たらないと共に落下物や落下水から装着者の首部を確実に保護できる角度を持ち、かつ上方からの投影面積について水平の場合に比し遜色のないものが適切である。このような観点から頭部の可動範囲、および現在使用されている空気ボンベの標準的な寸法を勘案すると、後方つば部14の長さは20ミリメートルから80ミリメートル、角度は下方10°以上60°以下が効果的である。
【0055】
本実施の形態に係る消防用安全帽10にあっては、従来の消防用安全帽と比較した場合、上記前方つば部12は短寸に形成されているが、耳保護部13及び後方つば部14は一体となって従来の消防用安全帽のつば部よりも長寸に形成されており、重量的には若干増加することとなるが、耳保護部13及び後方つば部14が下方に傾斜して形成されているため、消防用安全帽全体としての重心位置は大きく下方に移動することとなるためより安定し、着装時に装着者の頭部にかかる負担を軽減することができる。さらに、従来の消防用安全帽において設けられていた水平なつばとは異なり下方への傾斜角度を以て形成されていることから、火災現場において、落下物があった際の衝撃を逃がすことができ、落下物に対する衝撃性を向上させることができる。
【0056】
さらに、つばの外縁部には逆U字型の縁取り部18が形成され、水などの流体が消防用安全帽の内部に回り込んで帽体内側に入ろうとする接線応力を鈍化するように構成されている。なお、図中符号19は帽体強度を確保するためのリブであり、図中符号20はあご紐である。
【0057】
また、本実施の形態に係る消防用安全帽10にあっては、上記帽体11内方前部には、顔面を覆いうる透明な樹脂製の顔面保護板21が内装されており、不要時には帽体11内側に収納可能に形成されていると共に顔面保護板21を引き下ろした場合には装着者の顔面を保護し得るように構成されている。
【0058】
この顔面保護板21は、樹脂製のハンモック22の裏面側において、一対の挟持片(図示せず)を設け、この一対の挟持片と帽体11の内側壁との間で顔面保護板21をスライド可能に挟持して設けられている。
【0059】
本実施の形態に係る消防用安全帽10を装着する際に、空気呼吸器23を使用する場合には図5に示すように、顔面保護板21の下方側からマスク部24を挿入して装着する。
【0060】
また、図6に示すように、帽体11の内周に設けられた衝撃吸収ライナ25の内方に配設されたハンモック22の下端部が下方へ延接されて遮蔽布固定部26が形成されている。この遮蔽布固定部26はハンモック22の下端部が帽体11の外方へ接曲されて形成され、この遮蔽布固定部26にはホック又はファスナ等の係止部27が設けられ、このホック部27に遮蔽布の周縁部に設けられた係止部を係合させることにより帽体11に固定する。
【0061】
この場合、帽体11の下縁部と上記ハンモック22に形成された遮蔽布固定部26との間は幅が狭く形成されていることから、遮蔽布の上端部は帽体11の耳保護部13及び後方つば部14と遮蔽布固定部26との間に挟持されつつホック等の係合部により係合される形となり、単にホック等により固定する場合よりもより強固に帽体11に固定されることとなる。
【0062】
その結果、災害現場において不測の事態により遮蔽布の末端を引っかける等の事態により帽体11から遮蔽布が外れてしまう、という事態を防止することができる。
【0063】
また、一方で遮蔽布を交換するために取り外す時にも容易であり、 上記のように、遮蔽布は耳保護部13及び後方つば部14との間は密接することから、従来のように、つば部が水平となっている状態で火災現場における炎の侵入や対流熱の侵入があったが、遮蔽布と耳保護部13及び後方つば部14との間に間隙が形成されないことから、上記のような事態を有効に防止することができる。
【0064】
なお、本実施の形態にあっては、排水部15が段部を以て形成されている場合を例に説明したが、図7に示すように、上記排水部15が段部ではなく、前方つば部12と後方つば部14にかけて連続する平面により形成されていてもよい。
【0065】
このような構成とした場合には、前部つば部12における流下水は円滑に後方つば部14に導かれ、後方つば部14から排水しうる。
また、図8及び図9に示すように、上記顔面保護板21の下端部に前方へのつば部27を設け、このつば部27により帽体11の前方つば部12を形成するように構成してもよい。即ち、この実施の形態にあっては、前方つば部12は顔面保護板21と同様に透明に形成されており、図9に示すように、上記顔面保護板21を引き上げた状態では、帽体12の前方下端部において前方つば部12を形成し、引き下げた状態では、図10に示すように、つば部27は遮蔽布28の係止部を形成するように構成されている。
【0066】
このように構成した場合には、顔面保護板37の不使用時に顔面保護板37を引き上げた場合には、上記透明なつば部27が前方つば部12を形成するため、装着者は斜め上方の視界をつば部27からも得ることができ、良好な前方、上方視界を得ることができる。また、図10に示すように、遮蔽布28の装着時に、遮蔽布28を接合部29において接合して使用する場合に、接合部29及び遮蔽布28の前側被覆片30,30の上端部を、上記つば部27に係止することができる。その結果、遮蔽布28の略全体に亘り消防用安全帽10に固定することができ、上記実施の形態に比してより強固に遮蔽布28を固定することができる。
【0067】
従って、消防隊員が遮蔽布28を装着して火災現場において激しく動きながら消火作業を行った場合であっても、遮蔽布28が上記つば部27に係止されているため、遮蔽布28は帽体11と一体となって装着されているため外れにくい。
【0068】
また、図11及び図12に示すように、上記8乃至10図に示す実施の形態に係る消防用安全帽10にあっても、前期同様に排水部15を段差により形成することなく、前方つば部12から後方つば部14へ連続する平面により形成されていてもよい。このような場合には、前記同様に前方つば部12の落下水は排水部15により後方つば部14へ排水される。
【0069】
従って、本実施の形態に係る消防用安全帽10にあっては、装着者が消防用安全帽を装着した場合であっても、前方つば部は装着者の前方視界を遮ることがなく、常に良好な視界を確保することができる。また、装着者が空気ボンベを装備した場合に、例えば、上方を見るために首を後方へ傾けたような場合であっても、上記後方つば部14は首と空気ボンベとの間の空隙に滑り込み、空気ボンベに当接せず、行動の自由を制限されることがない。
【0070】
その結果、本実施の形態に係る消防用安全帽にあっては、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽が提供される。
【0071】
また、耳保護部13及び後方つば部14は下方へ傾斜して形成されていることから、落下水を装着者の衣服内に浸入させることなく効果的に排水できると共に、従来の消防用安全帽の場合のように水平のつば部に比して、上方からの落下物に対しても衝接した際の衝撃を緩和することができる。
【0072】
図13乃至図22は本発明に係る消防用安全帽の第二実施の形態を示す。
本実施の形態に係る消防用安全帽30は、全体がいわゆるジェット型もしくはセミジェット型のヘルメットとして形成されており、帽体31を有し、この帽体31の前部には前方つば部32が突設されている。そして、上記帽体31の後方下縁部33は帽体31上方へ湾曲する開口部34を画成し、この後方下縁部33には斜め上方へ突出する後方つば部35が形成され、上記前方つば部32と後方つば部35との間には、装着者の耳の略全体を覆いうる耳保護部36が形成されている。
【0073】
従って、本実施の形態に係る消防用安全帽30にあっては、帽体31が、装着者の頭部の内、顔面及び延髄より下方の頚部を除いた頭部及び首部を覆うことができる。
【0074】
本実施の形態に係る消防用安全帽30にあっては、着装者の頭部を直接保護する部分が、従来の消防用安全帽および産業用安全帽においては眉間を含む水平面であったのに対して、耳介部及び後頭部を保護することができ、保護部分の割合を著しく向上させている。その結果、一般に安全帽を用いている労働環境よりも落下物等の危険が格段に大きく、また危険の事前予知が難しい災害現場において、頭部の保護の程度を高めることができる。
【0075】
また、本実施の形態に係る消防用安全帽30は、図15に示すように、比較的類似している乗車用のジェット・セミジェット型の安全帽が一般に断面がΩ字型となっているのに対して、逆U字型に近いの帽体31の断面を有している。通常、乗車用の安全帽は、前述のとおり、凹型の、高炭素鋼等でできた金型に樹脂を入れて、合成樹脂等でできた風船状の凸型を挿入し、空気を入れて成型するバッグ成形を用いて製造されている。また、JIS規格における乗車用安全帽の基準では、「曲率半径75ミリメートル以上の連続した曲面」という制限が加えられているため、耳介部を考えると連続球面からは大きく外れる人頭を上方に膨らんだ連続曲面で覆う構造になっている。
【0076】
これに対し、消防用安全帽にあっては、強度および耐久性に関する要求基準が厳しいため、成型時に樹脂により高い圧力をかけることが必要であり、特に長繊維のガラス繊維強化プラスチック(FRP)の場合にはプリフォームと呼ばれるガラス繊維の事前成型を行い、帽体に近い形のガラス繊維型を成形前に作成した上でこれを樹脂の中に収めることができる凹凸両面の金属製の金型を用いているため、開口部に対してすぼまったΩ型を作成するにはコストが嵩む特殊な構造の金型を用いるか、金型から外した後に加熱や薬品等による変形を行わねばならず、耐久性等を考えると効果的な手段ではない。
【0077】
しかしながら、本実施の形態に係る消防用安全帽30にあっては、下方に向かってほぼ逆U字型の帽体31の断面形状となっているために従来とほぼ同じ技術によるプリフォームと凹凸両面の金属製の金型を用いて成型することが可能である。また、こうしたメタルマッチドダイ加工は一般的に成形可能な合成樹脂のほとんどに適用可能であるため、どのような樹脂を材料に選定した場合でも、特異な技術や材料を必要とせず、比較的安価に、求める形態を満たして十分な強度の消防用安全帽を提供することができる。
【0078】
耳保護部36は、曲面で設けることが可能であり、下方投影面積については、従来の消防用安全帽における水平に形成されたつばの場合と変わらず、落下物や落下水に対する防護性能は劣らない。
【0079】
さらに、逆U字型の断面を持つ形態を採用することにより、頭部側面において帽体31との間に若干の余裕ができるため、空気呼吸器用面体のうち消防隊員の多くが用いている全面型のものを組み合わせて用いたとき、締めつけバンド等が消防用安全帽を着装する際の障害とならない。
【0080】
また、後部つば部35は、前部つば部32に比して短く形成されているが、これは帽体31が後頭部を大きく被覆した構造となっているため、後頭部保護の観点からは何ら問題はない。この後部つば部35は、 平均的な寸法の空気呼吸器の空気ボンベを想定し、装着者が頭を後方に傾けても背中に装備した空気ボンベに当接しない状態を考慮した場合、角度は水平から下方30°まで、長さは50ミリメートル以下が望ましい。従って、全体としてつば部が短寸に形成されているため、従来の消防用安全帽とは異なり、バランスが良く、装着者の頭部の十分かつ自由な運動性を確保することができる。
【0081】
また、本実施の形態においては、図16に示すように、顔面保護板37が外装されている。この顔面保護板37は前期実施の形態の場合に比して大型に形成されており、装着者の顔面の全体をあごの下方まで完全に覆いうるように形成されている。この顔面保護板37は、上記耳保護部36,36に両端部39,39が回動可能に軸支されて固定されている。
【0082】
また、上記顔面保護板37の上縁部にはゴム製のストリップ部38が設けられ、顔面保護板37が引き下ろされた場合には、図18に示すように、上記前方つば部32の周縁部にストリップ部38が密接して、落下水の顔面保護板37内部への浸入を防止できるように構成されている。
【0083】
なお、耳保護部36が耳全体を覆うことによる聴覚への影響は、図15に示すように、耳孔の周囲のみ緩衝材25を装着しないことにより最小限にすることが可能であり、緩衝剤25を耳保護部36に内装しない場合であっても、耳保護部そのものの被覆面積は小さいため安全上の問題は生じない。
【0084】
また、本実施の形態にあっては、上記顔面保護板37は、両端部39,39が軸部41により耳保護部36,36に回動可能に固定され、顔面保護板37には所定の曲率を以てガイド溝43が形成されると共に、このガイド溝43内に配置され、両端に爪部45,45を有する係合爪部42が設けられ、ガイド溝43の両端部には、固定孔部44,46が設けられている。従って、上記顔面保護板37を引き下ろして使用する場合には、上記係合爪部42が上記ガイド溝43内を相対的に移動し、係合爪部42の一方の爪部45が一方の固定孔部46に係合することにより顔面保護板37を使用位置において固定する。また、帽体31上に跳ね上げて使用する場合には、上記ガイド溝43内を係合爪部42が相対的に移動し、上記同様に係合爪部42が、上記ガイド溝42内を相対的に移動し、他方の爪部45が他方の固定孔部44に係合することにより顔面保護板37を非使用位置に固定するものである。
【0085】
なお、顔面保護板37の耳保護部37,37への固定手段は、上記実施の形態に限定されず、例えば、図21に示すように、軸部41及び固定用のスプリング44を用いて両端部39,39を耳保護部36,36に圧接固定するように取り付けてもよい。このように構成した場合には、上記顔面保護板37は特に固定手段を設けることなくいずれの位置においても固定可能に取り付けることが可能である。また、同様に図22に示すように、軸部41に自在爪車45を設けても良い。
【0086】
また、本実施の形態に係る消防用安全帽30においては、耳保護部36の下端部にはつばが設けられていないが、これは耳保護部36の膨出形状によって落下物や落下水があった場合であっても、これらの円滑に回避しうるように構成しているものであり、この耳保護部36の下端部は、消防隊員が災害現場で着用する「防火衣」と呼ばれる保護衣の襟部分と重複するものである。
【0087】
また、本実施の形態に係る消防用安全帽30にあっては、上記のように、顔面保護板37が引き下ろされた場合には、上記前方つば部32の周縁部に密接するように構成されているため、顔面からやや離れた位置に配置されるものであるため、顔面前方には所定間隔の空隙が形成され、
図19に示すように、空気呼吸器23を顔面に装着する場合であっても、面体を装着した状態で顔面保護板37を引き下ろして使用することができる。
【0088】
従って、本実施の形態に係る消防用安全帽30にあっては、前記実施の形態に係る消防用安全帽10とは異なり、装着者の後頭部までを覆いうるように形成されているため、より充分に頭部を保護することが可能となる。また、前方つば部32は前記実施例と同様に短寸に形成されているため、本実施例に係る消防用安全帽30を着用した場合に、前方視界及び上方視界が妨げられることはない。また、遮蔽布を着用した場合であっても、上記のように顔面保護板37が大型に形成され、顔のあごの部分までも充分に被覆しうるように形成されているため、前期同様に、遮蔽布の接合部分を顔面保護板37の下端部に容易に係止することができる。この場合、遮蔽布の接合部分を係止する位置は、前記実施の形態における場合よりも顔面保護板37が大型に形成されていることからより下方の位置となり、その結果、より前方下方視界の良好な消防用安全帽を提供することができる。
【0089】
また、上記のように後部つば部35が短寸に形成され、この後部つば部35は斜め上方へ突出して形成されているため、装着者が空気ボンベを装備していた場合で装着者が、例えば、上方を向くために首を後方へ傾けた場合であっても、上記後方つば部35は首と空気ボンベとの間の空隙に収まり、空気ボンベを当接することはない。従って、装着者は空気ボンベに規制されることなく首を自由に動かすことができ、不自由なく行動して消火作業にあたることができる。
【0090】
また、前期実施の形態に係る消防用安全帽10とは異なり、帽体31が装着者の後頭部を覆いうるように形成されていると共に両側部には耳保護部36,36が設けられていることから、重心位置がより下方にあり、加えて、前方つば部32及び後方つば部35は短寸に形成されていることから、装着した場合に安定し、頭部の上半部に作用するモーメントは小さく、装着者の運動性は非常に良好なものとなる。
【0091】
さらに、図14に示すように、上記耳保護部36は帽体31の外周面部から幅方向に膨出して形成されており、装着者の耳全体を完全に被覆しうるように形成されている。従って、本実施の形態に係る消防用安全帽30にあっては、耳保護部36が形成されていることから、装着者はより安全に消火作業を行うことができる。
【0092】
また、図15に示すように、耳保護部36,36及び後方つば部35の内方側部には遮蔽布固定部46が設けられており、この遮蔽布固定部46に遮蔽布28の係止部を固定させることにより消防用安全帽30に遮蔽布28を固定しうるように構成されている。本実施の形態にあっては、図22に示すように、上記遮蔽布固定部28は両面ファスナーにより形成されており、遮蔽布48の上端部にも同様に両面ファスナーが設けられている。従って、遮蔽布48を装着する場合には、遮蔽布48の固定部を遮蔽布固定部48に取り付けて固定する。
【0093】
本実施の形態に係る遮蔽布48にあっては、図22及び図23に示すように、複数のプリーツ47が形成されている。このように遮蔽布48に複数のプリーツ47が形成された場合には、適宜、首や肩の形状に適合し、また首の運動時等に隙間が生じることがなく、落下水、火炎、輻射熱等から首や肩部を防護することができる。
【0094】
上記プリーツは、図24乃至25においてはアコーディオン・プリーツ50を遮蔽布49に設けた場合を示す。図25に示すように、このようなプリーツ50は、遮蔽布49の下端部において三角錘状のプリーツを形成したものである。このようなプリーツ50が複数形成された場合には、図26に示すように、遮蔽布49は余裕を以て形成されているため、装着者の首や頭部の動きに合わせて、適宜、遮蔽布48が追随し、遮蔽布49が装着者の首や頭部から遮蔽布48が離れることがない。また、このようなプリーツは上記アコーディオン・プリーツに限定されず、図27及び図28に示すように、遮蔽布49にカートリッジ・プリーツ51を形成してもよい。
【0095】
更に、平型プリーツ、箱型プリーツ、シーガレット・プリーツ、あるいはこれらの組み合わせによることができる。また、図面においては左右肩の上部2ヵ所にプリーツ(32)を設けているが、後述の使用する布地の材質、および使用状況によって1ヵ所以上複数箇所に設けることができる。(用語および縫製形態の定義等については、JIS規格L1060及びこれにかかわる定義等による)
このようにプリーツを設けた遮蔽布を上記第一の実施の形態に係る消防用安全帽10に装着した場合には、遮蔽布の開閉によって生じる首や肩との間の隙間が無くなり、密着による防護を高めることができる。また、第二の実施の形態に係る消防用安全帽30に装着した場合には、帽体31が首に近接しているために生じる窮屈さを解消することができる。また、いずれの形態と組み合わせた場合でも、頭部の動きに追随して形状が変化するために、単なる一枚布であった従来の遮蔽布に比べて著しく着装性がすぐれている。
【0096】
上記遮蔽布28,48にあっては、アラミド繊維などの防火繊維で柔軟性の低いもの、およびその積層体については、熱変形等の加工性に欠けるため、従来、プリーツ(32)の入ったものは作成されていなかった。しかし、図24及び図27に示すように、消防用安全帽との接合部に、ホック部27等の金具や面ファスナー52等の適宜の接合用具を取り付けるために同じ種類の布地を上から当てて縫い付ける際に、一般に「つまみ」53と呼ばれる布地の折り返しを付けることでカートリッジ・プリーツのような折り目の弱いプリーツは作成が可能であり、アコーディオン・プリーツのような折り目のはっきりしたものについては、防火性の繊維を用いて、一般に「しつけ」54と呼ばれる縫い目をつけることで可能となる。
【0097】
また、遮蔽布(31)は、上記第二の実施の形態に係る消防用安全帽30と組み合わせる際には、前面の被覆が顔面保護板37により行われるために、この部分を必要としない。第一の実施の形態に係る消防用安全帽10と組み合わせる際には、図24及び図26に示すように、遮蔽布49に複数のホック部27を設け、接合部29を折り曲げておき、必要な場合には、接合部29内方に設けられた面ファスナー52により顔面前部において接合して固定し、顔面の保護を図るものである。
【0098】
上記各図においては、第一の実施の形態の消防用安全帽10に、ホックとアコーディオン・プリーツを組み合わせたものを、第二の実施の形態に係る消防用安全帽30に面ファスナーとカートリッジ・プリーツを組み合わせたものを例示しているが、これらは組み合わせの限定するものではない。
【0099】
以下、上記実施の形態に係る消防用安全帽10,30の使用状態について説明する。
第一の実施の形態の消防用安全帽10に遮蔽布28を装着して使用する場合には、まず遮蔽布28を、ハンモック22に延設された遮蔽布固定部26の弾性変形を利用して帽体11との間に取付ると共に、遮蔽布固定部26裏面側に設けられたホック部27に遮蔽布28に設けられたホック部を係合させて固定する。
その後、帽体11を手に持ち頭にかぶってあごひも20を締めつけ、頭部に固定して使用する。危険度が高いと判断される場合には、前方つば部12を片手でささえてもう一方の手で顔面保護板21を引き下ろし、遮蔽布28の接合部29を延ばして前面で面ファスナー29を使用して接合して用いる。
【0100】
自給式の空気呼吸器23を用いるときは、顔面保護板21を収納し、一度、あごひも20をゆるめて遮蔽布28の接合を外し、消防用安全帽全体を後ろに倒し、面体を着装したあとで面体上部の曲線に前方つば部12の下辺部17を密着させ、消防用安全帽10をかぶりなおし、遮蔽布28の接合部29を再び接合し密着させる。
【0101】
第二の実施の形態の消防用安全帽30に遮蔽布28を装着して使用する場合には、まず遮蔽布28を帽体31の下縁部に装着したあと、帽体31を手にもちあごひも20を締めつけ、頭部に固定して使用する。その後顔面保護板37を引き下ろし、特に支障のない場合にはそのまま使用する。自給式の空気呼吸器を23用いるときは、顔面保護板37をはね上げ、あごひも20をゆるめて消防用安全帽30全体を後ろにたおし、面体を着装した上で消防用安全帽30をかぶりなおし、顔面保護板37を下ろして密着させる。
【0102】
なお、上記の二形態においては美観および構造等の検討から消防用安全帽のリブ(19)・(29)と呼ばれる縦方向の盛り上がりを、第一の形態においては断面を半円形にして、第二の形態においては偏平な長方形にして設けており、第三の形態については重量の軽減のため設けないようにしているが、図20から22のように、剛性を重んじて細いリブにしたり、あるいはこれを複数または複数方向に向けて設置してもよい。
【0103】
また、つばの周囲の落下水防止については、図23から25のように、帽体の縁部に逆U字型の縁取りを設ける方法、縁部分を丸く太い成型にしておく方法、ブチルゴム等の耐熱樹脂によって外周緩衝を用いる方法のいずれにしてもよい。
【0104】
なお、上記第2の実施の形態に係る消防用安全帽30においては、顔面保護板37が外装されている場合を例に説明したが、上記実施の形態に限定されず、図29乃至図31に示すように、顔面保護板37を内装したものであってもよい。
この実施の形態に係る消防用安全帽54にあっては、顔面保護板37が耳保護部36,36の内方において回動可能に固定されていると共に、顔面保護板37の下端部には透明なつば部55が一体に突設され、顔面保護板37が引き上げられた場合、このつば部55が、帽体31の前部に小さく形成されたつば部58と共に前方つば部56を形成するように構成されている。
【0105】
このように構成された場合には、前記実施の形態同様に、顔面保護板37を使用しない場合で顔面保護板37を引き上げて上記つば部58に連接させて使用した場合には、つば部55が透明に形成されているため、装着者は良好な前方及び上方視界を確保することができる。また、顔面保護板37を引き下ろして使用した場合には、上記つば部55は、遮蔽布48の係止部60を兼ねることができる。その結果、本実施の形態に係る消防用安全帽54においては、顔面保護板37が内装されていることから、顔面保護板37を使用しない状態においても、顔面保護板37を外装にした場合とは異なり、帽体31の上方へは突出しないため、重心位置が変わることもなく、装着者は頭部及び首部に負担を覚えることなく、火災現場において迅速に行動することができる。なお、図31に示した実施の形態にあっては、耳保護部57の上縁部が帽体31の前方に形成された上記つば部58に連続するように形成されている。この耳保護部57の上縁部が落下水の排水部59を形成し、落下水を耳保護部57後方に導き得るように構成されている。
【0106】
さらに、図32乃至35に示すように、顔面保護板37を外装にした場合であって、上記同様に顔面保護板37の下端部に前方へ突出するつば部62を形成し、このつば部62により、顔面保護板37を帽体31上に跳ね上げた場合には帽体31に形成されたつば部63と共に、前方つば部64を構成してもよい。この場合、上記同様に、顔面保護板37を引き下げて使用した場合には、上記つば部62は遮蔽布の係止部として使用することができる。この場合も同様に、上記耳保護部57の上縁部を上記つば部63に連設させ、落下水の排水部59を構成することもできる。
【0107】
上記のように顔面保護板37の下端部に設けられたつば部55,62により前方つば部を形成するように構成した場合には、顔面保護板37を使用しない場合には、帽体31の前方つば部は非常に小さなものとなると共につば部62は透明に形成されていることから、より良好な前方及び上方視界を確保することができる。
【0108】
また、各実施の形態におけるつば部の端部は、上方からの落下水が帽体内部へ入り込まないように、図36乃至38に示す断面形状を形成しうる。即ち、図36においては、後方つば部14,35の端部66は断面U字状に形成され、図37においては、後方つば部14,35の端部66は断面円形状に形成され また、図38おいては、後方つば部14,35の端部66にはブチルゴム等の耐熱性の樹脂からなる緩衝部材67が固定されている。
【0109】
さらに、帽体11,31に形成されるリブ19は図39乃至41図に示すように、太いリブとして形成してもよく、また、交差して設けても良くさらに、細いリブとして形成してもよく、上記実施の形態に限定されない。
【0110】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽が提供される。
【0111】
請求項2、3及び4記載の発明にあっては、請求項1記載の効果に加えて、火災現場における上方から落下する落下水を効率よく排水する消防用安全帽を提供することができる。また、遮蔽布を装着した場合であっても、容易に帽体に係止することができ、遮蔽布を装着した場合であっても、作業中に遮蔽布が外れにくい消防用安全帽を提供することができる。
【0112】
請求項5記載の発明にあっては、請求項1記載の効果に加えて、装着者の首筋を落下物及び落下水から保護することができる消防用安全帽を提供することができる。
【0113】
請求項6及び7記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、顔面保護板を装着する場合であって顔面保護板を使用せずに作業を行う場合であっても、装着者の頭部及び首部に負担とならず、装着者の作業時の活動に影響を及ぼさないと共に、遮蔽布を装着して使用する場合に遮蔽布を容易に固定できる消防用安全帽を提供することにある。
【0114】
請求項8記載の発明にあっては、装着者の耳を確実に保護しうる消防用安全帽を提供することができる。また、火災現場において消防隊員の視界を妨げることがなく、また、消防隊員が空気ボンベを背中に装着した場合であっても消防隊員の姿勢を制限せず、活動に支障を及ぼさない消防用安全帽が提供される。
【0115】
請求項9及び10記載の発明にあっては、請求項8記載の発明の効果に加えて、落下水から装着者を守ることができる消防用安全帽を提供することにある。
請求項11及び12記載の発明にあっては、請求項10記載の効果に加えて、顔面保護板の不使用時にも装着者の頭部及び首部に負担をかけず、行動に制限を加えることのない消防用安全帽を提供することにある。
【0116】
請求項13記載の発明にあっては、請求項1記載の発明の効果に加えて、装着者の頭部の自由な挙動を妨げることのない遮蔽布を装着した消防用安全帽を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る消防用安全帽の第一の実施の形態の側面図である。
【図2】本発明の消防用安全帽の第一形態の斜視図である。
【図3】本発明の消防用安全帽の第一形態における顔面保護板の使用時の図である。
【図4】本発明の消防用安全帽の第一形態における前部つば部と耳保護部部との接合部分の拡大図である。
【図5】本発明の消防用安全帽の第一形態で、呼吸器の面体を着装した場合の使用状態を下から見上げた図である。
【図6】本発明の消防用安全帽の第一形態の帽体の断面図である。
【図7】本発明の消防用安全帽の他の実施の形態を示す側面図である。
【図8】本発明の消防用安全帽の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図9】本発明の消防用安全帽の他の実施の形態を示す斜視図である。
【図10】本発明に係る消防用安全帽の一実施の形態に遮蔽布を装着した状態を示す斜視図である。
【図11】本発明に係る消防用安全帽の一実施の形態に遮蔽布を装着した状態を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る消防用安全帽の一実施の形態に遮蔽布を装着した状態を示す斜視図であって、顔面保護板を引き下げた状態を示す図である。
【図13】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板(24)を上げた図である。
【図14】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板を上げた斜視図である
【図15】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態を示す断面図である
【図16】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板を上げた側面図である
【図17】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板を下げた側面図である
【図18】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板を下げた斜視図である
【図19】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板を下げ、空気呼吸器を装着した斜視図である。
【図20】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板の取り付けに自在爪車構造を装着した図である。
【図21】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板の取り付けにバネ構造を取り入れた図である。
【図22】本発明の消防用安全帽の第二の実施の形態で、顔面保護板の取り付けにノッチ構造を取り入れた場合の図である。
【図23】本発明の遮蔽布のうち、消防用安全帽の第二の実施の形態への取り付けた状態を示す側面図である。
【図24】第二の実施の形態の消防用安全帽に遮蔽布をつけ、空気呼吸器の面体を着装して前面の接合部を閉じた状態を示す使用図である。
【図25】本発明の遮蔽布のうち、消防用安全帽の第二形態への取り付けを考慮したものの側面図である。
【図26】遮蔽布にしつけを付けて製造する場合の構成図である。
【図27】遮蔽布を消防用安全帽の第一の実施の形態に取り付けた使用図である。
【図28】遮蔽布にしつけを付けて製造する場合の構成図である。
【図29】第二形態の消防用安全帽に遮蔽布をつけ、空気呼吸器の面体を着装した状態を示す使用図である。
【図30】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図31】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図32】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図33】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図34】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図35】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図36】第二の実施の形態に係る消防用安全帽の変形例を示す側面図である。
【図37】消防用安全帽の縁部分の逆U字型加工を施した図である。
【図38】消防用安全帽の縁部分の丸形加工を施した図である。
【図39】消防用安全帽の外周緩衝を取り付けた実施例の図である。
【図40】消防用安全帽の頭部に細いリブを一方向に向けて設けた実施例の図である。
【図41】消防用安全帽の頭部に細いリブを平行に複数設けた実施例の図である。
【図42】消防用安全帽の頭部にリブを交差して複数方向に設けた実施例の図である。
【符号の説明】
10 消防用安全帽 11 帽体
12 前方つば部 13 耳保護部
14 後方つば部 15 排水部
16 上面部 17 下辺
18 縁取り部 19 リブ
20 あご紐 21 顔面保護板
22 ハンモック 23 空気呼吸器
24 マスク部 25 衝撃吸収ライナ
26 遮蔽布固定部 27 ホック部
28 遮蔽布 29 接合部
30 消防用安全帽 31 帽体
32 前方つば部 33 後方下縁部
34 開口部 35 後方つば部
36 耳保護部 37 顔面保護板
38 ストリップ部 39 両端部
40 前側被覆片 41 軸部
42 係合爪部 43 ガイド機構
44 スプリング 45 自在爪車機構
46 遮蔽布固定部 47 プリーツ
48 遮蔽布 49 遮蔽布
50 アコーディオン・プリーツ 51 カートリッジ・プリーツ
52 面ファスナー 53 つまみ
54 消防用安全帽 55 つば部
56 前方つば部 57 耳保護部
58 つば部 59 排水部
60 係止部 62 つば部
63 つば部 64 前方つば部
65 排水部 66 端部
67 緩衝部材

Claims (7)

  1. 装着者の頭部を覆いうる帽体と、この帽体の前部に突設された前方つば部と上記帽体の側部に形成されると共に前方つば部から延設され装着者の耳を覆いうる耳保護部と、上記帽体の後部に形成されると共に上記耳保護部に延設された後方つば部とを有し、上記前方つば部は、水平方向に対して0°以上45°以下の角度で前方上向きに延伸し、上記後方つば部は、水平方向に対して10°以上60°以下の角度で後方下向きに延伸し、上記後方つば部は、上記前方つば部よりも帽体半径方向の寸法が長くなるように形成されている消防用安全帽であって、
    上記帽体内方前部には、顔面を覆いうると共に装着者が外方を視認しうる顔面保護板が内装されており、不要時には帽体内側に収納可能に形成されていると共に顔面保護板を引き下ろした場合には顔面を保護し、上記帽体に遮蔽布を装着した場合には、顔面保護板の下端部が遮蔽布の係止部を形成するように構成されていることを特徴とする消防用安全帽。
  2. 上記顔面保護板の下端部には前方へ突出するつば部が形成され、上記顔面保護板が引き上げられた場合には上記つば部が上記前方つば部を形成すると共に顔面保護板が引き下げられた場合には上記つば部が遮蔽布係止部として形成されていることを特徴とする請求項1記載の消防用安全帽。
  3. 着者の頭部を覆いうる帽体と、この帽体前部に突設された前方つば部とを有し、上記帽体の後方下縁部は帽体上方へ湾曲する開口部を画成し、この後方下縁部には後方へ突出する後方つば部が形成され、上記前方つば部と後方つば部との間には、装着者の耳の略全体を覆いうる耳保護部が形成されていることを特徴とする消防用安全帽。
  4. 顔面保護板が帽体外方に装着され、上記耳保護部には顔面保護板を回動可能に固定しうる固定部が設けられ、非使用時には顔面保護板が帽体の上部外方に配置されると共に、使用時には顔面保護板が上記固定部を中心に回動し、上記前方つば部に上端部が密接した状態で装着者の顔面の略全体を被覆し、上記耳保護部には、前方つば部に連設されると共に前方つば部に流下した水を耳保護部の後方へ導く排水部が形成されていることを特徴とする請求項3記載の消防用安全帽。
  5. 上記顔面保護板は、帽体内方に装着されている請求項3記載の消防用安全帽。
  6. 上記顔面保護板の下端部には前方へ突出するつば部が形成され、顔面保護板を上げた状態の場合には上記つば部が帽体の前方つば部を形成するように構成されている請求項5記載の消防用安全帽。
  7. 上記顔面保護板は帽体外方に装着され、顔面保護板の下端部には前方へ突出するつば部が形成され、顔面保護板を上げた状態の場合には上記つば部が帽体の前方つば部を形成するように構成されている請求項記載の消防用安全帽。
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