JPH04105518U - フエライトコア - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種電気機器に使用されるトランスなどに用
いるフェライトコアにおいて、コアの横ずれ、裏表の逆
挿入を防止しインダクタンス不良を低減させることによ
り、特性の安定したものを提供することを目的とするも
のである。 【構成】 Ｅ型コア２とＩ型コア１の組合わせにより磁
路を構成する場合、又は、Ｅ型コア３，４どうしの組合
わせにより磁路を構成する場合にその外磁脚側の接合面
の一方または両方を斜めに合致する構造とした形状のフ
ェライトコアとすることにより、組立ての際にかかる横
方向からのストレスによるコアの横ずれを規制すると共
に、コアの裏表の逆挿入を防止しインダクタンス不良を
低減させ、特性の安定したトランスなどを提供すること
を可能とするものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は各種の映像機器，音響機器，産業機器等に使用されるトランスのフェ ライトコアに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来のトランス用フェライトコアは図５に示すようにＩ型コア１１とＥ型コア １２の組合わせにより磁路を構成しており、このコアを巻線を有したボビンに挿 入したのち、テープまたは接着剤により固定を行ってトランスを構成していた。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

フェライトコアを磁性材とするトランスの基本的特性の１つにインダクタンス 特性があげられる。このインダクタンス特性は、トランスの持つ各種性能を代表 する特性でもあり、工程検査においては欠かすことのできない特性である。

【０００４】 インダクタンス不良の発生原因としてはコア材質のグレードのバラツキや、コ ア組立てにおける作業性のバラツキなどがあげられ、製造工程におけるインダク タンス不良の大半は作業性のバラツキによるものである。更に、作業性のバラツ キによるインダクタンス不良を細かく分析すると、コアの組合わせの際に生じる コア接合面のずれが原因となるインダクタンス不良やＩ型コアにおいてコアの裏 表の判別がしにくいがために生じる、コアの逆挿入が原因となるインダクタンス 不良などがあげられる。

【０００５】 しかし、従来の技術においては、図５に示すコア形状からも分かるようにコア の横ずれを規制する構造、更にはコアの裏表を容易に見分ける構造にはなってお らず、組立て作業の際に生じるバラツキによりインダクタンス不良が発生すると いう課題を有している。

【０００６】 本考案は上記従来の問題点を解決するものであり、組立て作業のバラツキによ るインダクタンス不良を低減させることにより特性の安定したフェライトコアを 提供することを目的とするものである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するための本考案の第１の手段は、Ｅ型コアとＩ型コアの組合 わせにより磁路を構成し、その外磁脚側の接合面の一方または両方を斜めに合致 する構造としたものである。

【０００８】 また、Ｅ型コアどうしの組合わせにより磁路を構成し、その外磁脚側の接合面 の一方または両方を斜めに合致する構造とするものである。

【０００９】

【作用】

この手段による作用は次のとおりである。

【００１０】 Ｉ型コアとＥ型コア又は、Ｅ型コアどうしの外磁脚側の接合面の一方または両 方を斜めに合致する構造とすることにより、コアどうしが互いに引掛かり合い、 組立ての際にかかる横方向からのストレスによるコアの横ずれを規制することが できる。

【００１１】 又、コア接合面を斜めに合致する構造とすることによりコアの裏表を容易に判 断することができ、コアの裏表の逆挿入を防止することができる。

【００１２】 以上の作用により、コア組立て作業の際に生じるバラツキを抑え、インダクタ ンス不良を低減させることができる。

【００１３】

【実施例】

（実施例１） 以下、本考案の第一の実施例を添付図にもとづいて説明する。

【００１４】 図１，図２において１はＩ型コアであり、２はＥ型コアである。図１において Ｉ型コア１とＥ型コア２はコア接合面の外磁脚側の一方にて斜めに合致する構造 となっており、図２においてＩ型コア１とＥ型コア２はコア接合面の外磁脚側の 両方にて斜めに合致する構造となっている。このコアを巻線を有したボビンに挿 入したのち、テープまたは接着剤により固定を行いトランスとして使用するもの である。

【００１５】 （実施例２） 以下、本考案の第二の実施例を添付図にもとづいて説明する。

【００１６】 図３，図４において３は一方のＥ型コアであり、４は他方のＥ型コアである。 図３においてＥ型コア３とＥ型コア４はコア接合面の外磁脚側の一方にて斜めに 合致する構造となっており、図４においてＥ型コア３とＥ型コア４はコア接合面 の外磁脚側の両方にて斜めに合致する構造となっている。このコアを巻線を有し たボビンに挿入したのちテープまたは接着剤により固定を行い、トランスとして 使用するものである。

【００１７】

【考案の効果】

以上のように本考案は、Ｅ型コアとＩ型コアの組合わせにより磁路を構成し、 その外磁脚側の接合面の一方または両方を斜めに合致する構造とした形状のフェ ライトコア、あるいは、Ｅ型コアどうしの組合わせにより磁路を構成し、その外 磁脚側の接合面の一方または両方を斜めに合致する構造とした形状のフェライト コアとすることにより、組立ての際にかかる横方向からのストレスによるコアの 横ずれを規制すると共に、コアの裏表の逆挿入を防止しインダクタンス不良を低 減させ、特性の安定したトランスを提供することを可能とするものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一の実施例におけるフェライトコア
の斜視図

【図２】本考案の他の実施例におけるフェライトコアの
斜視図

【図３】本考案のさらに他の実施例におけるフェライト
コアの斜視図

【図４】本考案のさらに他の実施例におけるフェライト
コアの斜視図

【図５】従来のフェライトコアの斜視図

【符号の説明】

１ Ｉ型コア ２ Ｅ型コア ３ Ｅ型コア ４ Ｅ型コア

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】Ｅ型コアとＩ型コアの組合わせにより磁路
   を構成し、その外磁脚側の接合面の一方または両方を斜
   めに合致する構造としたフェライトコア。
2. 【請求項２】Ｅ型コアどうしの組合わせにより磁路を構
   成し、その外磁脚側の接合面の一方または両方を斜めに
   合致する構造としたフェライトコア。