JPH04102261U - 貴重品包装体及びそのケース - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 封入作業が手軽にかつ低コストで行え、容易
に開封ができ、しかも、開封した痕跡を残すことができ
る貴重品包装体を提供するとともに、その貴重品包装体
を保護するとともに、再利用が可能で輸送や保管等が容
易な貴重品包装体のケースを提供すること。。 【構成】 基材上１１に剥離層１２を介してホログラム
層１３が形成された基体１に、貴金属その他の貴重品３
を挟み、透明樹脂シートに粘着層が形成された透明樹脂
シール２により封止し剥離時にホログラム層が破壊され
る。一方、貴重品包装体のケースは、前記各貴重品包装
体を透明なケース本体内に収容し、透明なケース蓋体に
よって封止した構成とすることもできる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、金，銀，白金等の貴金属等の薄いプレートを包装するのに適した貴 重品包装体及びそのケースに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

貴金属等を取り扱いやすくするために、樹脂フィルムなどで封止したものが知 られている。例えば、実開昭６４−５０９２７号「ラミネート加工された金属製 カード」には、「薄板状に引き伸ばした少なくとも１枚の金属板と、この金属板 の両側に積層したラミネート層と、このラミネート層の表面側から圧力、熱など を加えて、少なくとも前記金属板に形成された模様と」を備えた構造が開示され ている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、前述した従来の技術では、ラミネート層を積層するので、特殊なラミ ネート装置が必要であり、封入コストが上がるという問題があった。

【０００４】 また、樹脂フィルムによりラミネートされているので、封入された貴金属を取 り出す必要が生じた場合に、開封がしずらかった。反面、単に貴金属を２枚の樹 脂フィルムでラミネートしただけなので、開封後に質の悪い模造品と交換され、 再封入されても、単に視認のみでは、確認でき難いという問題があった。

【０００５】 本考案の目的は、前述の課題を解決し、封入作業が手軽にかつ低コストで行え 、容易に開封ができ、しかも、開封した痕跡を残すことができる貴重品包装体を 提供するとともに、その貴重品包装体を保護するとともに、再利用が可能で輸送 や保管等が容易な貴重品包装体のケースを提供することである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 前記課題を解決するために、本考案による貴重品包装体は、基材上に剥離層を 介してホログラム層が形成されている基体に、貴重品を挟み、透明樹脂シートに 粘着層が形成された透明樹脂シールにより封止した構成としてある。

【０００７】 この場合に、前記ホログラム層の表面には、保護樹脂層が形成した構成とする ことができる。

【０００８】 また、前記ホログラム層または前記保護樹脂層には、切込みが形成されている 構成とすることもできる。

【０００９】 一方、本考案による貴重品包装体のケースは、前記各貴重品包装体を透明なケ ース本体内に収容し、透明なケース蓋体によって封止した構成とすることもでき る。

【００１０】

【作用】

本考案によれば、基体に貴重品を挟み透明樹脂シールで封止するので、封入が 容易に行える。また、透明樹脂シールによって接着してあり、開封が容易に行え るうえ、開封したときには、剥離層から剥離するので、ホログラム層が破壊され て、開封の痕跡を残すことができる。

【００１１】

【実施例】

以下、図面等を参照して、実施例につき、本考案を詳細に説明する。図１〜図 ３は、本考案による貴重品包装体の実施例とそのケースの第１の実施例を示した ものであって、図１は断面図，図２は斜視図であり、図３は本考案による貴重品 包装体のケースの第１の実施例を示た斜視図である。

【００１２】 この実施例の貴重品包装体は、基体１と透明樹脂シール２の間に貴重品３を挟 んでシールしたものである。

【００１３】 基体１は、ＰＥＴ，ポリイミド，ポリメタクリ酸メチル等の透明な樹脂シート からなる基材１１の上面に、シリコン樹脂、ワクッスやパラフィン類を塗布して 形成した剥離層１２を介して、ホログラム樹脂層１３が形成されている。

【００１４】 ホログラム層は、文字，図形，模様，それらを組み合わせた紋様や標章などを 白色光で再生されるホログラム画像として、レリーフホログラム方式で記録され ているホログラム樹脂層１３と、ホログラム画像のレリーフ面の表面にアルミ蒸 着などにより形成された反射層１４とからなっている。

【００１５】 保護樹脂層１５は、反射層１４上に形成されており、その反射層１４を外力に よる損傷から保護するためのものであり、例えば、セルロース系樹脂，アクリル 酸エステル系樹脂などを用いることができる。なお、ホログラム層１３，反射層 １４，保護樹脂層１５の部分には、切込み１６を形成してある。この切込み１６ は、開封して貴重品３を取り出すときに、各層１３，１４，１５を破壊しやすく するために設けられている。

【００１６】 透明樹脂シール２は、前述の基材１１と略同じ材質の透明樹脂からなる透明樹 脂シート１１の下面に、アクリル系，ゴム系などの粘着剤を塗布して、粘着層１ ２を形成したものである。

【００１７】 貴重品３としては、金，銀，白金等の貴金属からなる薄くて、小型のプレート 、例えば、硬貨，メダル，インゴット，または宝石などを対象とすることができ る。この貴重品３を、図２に示すように、基体１の上に載せ、その上から透明樹 脂シール２を貼るようにすればよい。従って、特別の装置がなくても、極めて簡 単かつ安価に封入作業が行える。

【００１８】 この実施例の包装体では、貴重品３を取り出したい事態が発生した場合には、 透明樹脂シール２を基体１から剥がせば、貴重品３を簡単に取り出すことができ る。このとき、基体１には、剥離層１２が設けてあるので、透明樹脂シール２を 剥がした部分のホログラム層１３，反射層１４，保護樹脂層１５が切込み１６の 部分から破壊され、開封した痕跡を残すことができる。従って、貴重品を低質な 贋物と交換することを防ぐことができる。

【００１９】 一方、透明ケース４は、図３に示すように、透明な樹脂製のケース本体４１と ケース蓋体４２とからなり、ケース本体４１とケース蓋体４２は、薄肉ヒンジ部 ４３によって接続されている。ケース蓋体４２の内側には、４本の爪４４が植設 されており、前述した基体１と透明樹脂シール２によって包装した包装体を固定 する。ケース本体４１には、嵌め込み部４５が設けられており、ケース蓋体４２ の係合溝４６に係合する。このケース４は、前記包装体を、保護するとともに、 輸送や保管等を容易にするためのものであるので、再利用ができる。

【００２０】 図４〜図６は、本考案による貴重品包装体のケースの第２の実施例を示した図 であり、図４は透明ケースを示した斜視図、図５は透明ケースの断面図、図６は 本考案による貴重品包装体を透明ケースに封入した場合の断面図である。図中、 前述の実施例と同一のものには、同一の符号を付し、説明は省略する。

【００２１】 透明ケース５は、図４に示されるように、透明な樹脂製の下蓋５１と上蓋５２ からなり、また、図５に示されるように、下蓋５１の底面には、封入物となる貴 重品包装体が座りよく封入できるように凹部５３が設けられている。また、下蓋 ５１の開口側には、段差５４が設けてあり、図６に示すように、上蓋５２の段差 ５５が嵌め込まれて、いんろう結合する。

【００２２】 貴重品包装体の基板１１の剥離層１２と反対側の面には、透明ケース５に接着 するための粘着層１０が形成されている。また、必要に応じて、粘着層１０の粘 着面側に剥離紙を設けることができる。本考案の貴重品包装体を透明ケース５に 封入する際には、図６に示すように、その剥離紙を剥がして粘着層１０を露出し 、透明ケース５の下蓋５１の凹部５３に貼付して固定する。その後、下蓋５１と 上蓋５２を、各々の段差５４，５５を合わせ、嵌め込むことにより、封入するこ とができる。

【００２３】 以上説明した実施例に限定されることなく、種々の変形や変更ができ、それら も本考案の範囲内である。ホログラム層は、ホログラム樹脂層と反射層とからな る反射型レリーフホログラムの例で説明したが、反射層を設けないホログラム樹 脂層のみの透過型レリーフホログラムや、レリーフホログラムでなくリップマン ホログラムを用いることもできる。また、反射層の金属薄膜を極薄くしたり、金 属薄膜の代わりにホログラム樹脂層と屈折率の異なる樹脂を反射層とした透明型 ホログラムを用いることもできる。

【００２４】

【考案の効果】

以上詳しく説明したように、本考案によれば、基体上に貴重品を挟んで、透明 樹脂シールで貼るだけなので、特別の装置がなくても、極めて簡単かつ安価に封 止作業が行える。

【００２５】 また、透明樹脂シールを剥がせば、貴重品を簡単に取り出すことができる。こ のとき、基体には剥離層が設けてあるので、透明樹脂シールを剥がした部分のホ ログラム層が破壊されるので、開封した痕跡を残すことができる。従って、貴重 品を低質な贋物と交換することを防ぐことができる。

【００２６】 さらにまた、透明な樹脂によって作製され、貴重品包装体を保護するとともに 、再利用ができる専用の透明ケースに封入することにより、視認ができ、輸送や 保管等を容易にすることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案による貴重品包装体の実施例を
示した断面図である。

【図２】図２は、本考案による貴重品包装体の実施例を
示した斜視図である。

【図３】図３は、本考案による貴重品包装体のケースの
第１の実施例を示した斜視図である。

【図４】図４は、本考案による貴重品包装体のケースの
第２の実施例を示した斜視図である。

【図５】図５は、本考案による貴重品包装体のケースの
第２の実施例の下蓋の断面図である。

【図６】図６は、本考案による貴重品包装体のケースの
第２の実施例に貴重品包装体を封入した場合の断面図で
ある。

【符号の説明】

１ 基体 １１ 基材 １２ 剥離層 １３ ホログラム樹脂層 １４ 反射層 １５ 表面保護層 ２ 透明樹脂シール ２１ 透明樹脂シート ２２ 粘着層 ３ 貴重品 ４ 透明ケース ５ 透明ケース １０ 粘着層

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 基材上に剥離層を介してホログラム層が
   形成されている基体に、貴重品を挟み、透明樹脂シート
   に粘着層が形成された透明樹脂シールにより封止したこ
   とを特徴とする貴重品包装体。
2. 【請求項２】 前記ホログラム層の表面には、保護樹脂
   層が形成されていることを特徴とする請求項１記載の貴
   重品包装体。
3. 【請求項３】 前記ホログラム層または前記保護樹脂層
   には、切込みが形成されていることを特徴とする請求項
   １記載の貴重品包装体。
4. 【請求項４】 前記請求項１〜請求項３記載の貴重品包
   装体を透明なケース本体内に収容し、透明なケース蓋体
   によって封止したことを特徴とする貴重品包装体のケー
   ス。