JPH041011Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は物品の移載装置を設けた物品搬送台車
に関する。

〔従来の技術〕

物品搬送台車は作業機に物品を供給したり、あ
るいは作業機から物品を受け取り、別の作業機又
はステーシヨン等まで搬送するものであるが、上
記各作業機と物品搬送台車との間の物品受け渡し
作業は、従来は台車とは全く別体で工場フロアに
固定設置のオートパレツトチエンジヤーにより行
われていた。

〔考案が解決しようとする課題〕

ところが、上記オートパレツトチエンジヤーを
作業機の周辺に設置することは作業場のスペース
を占有し、また作業場全体のレイアウトを束縛
し、１作業機あるいは１ステーシヨンに１台のオ
ートパレツトチエンジヤーを要する為、経済性の
面でも問題があつた。

本考案はこの問題を解決しようとするものであ
る。

〔課題を解決するための手段〕

本考案は、走行コースに設けた誘導線に沿つて
走行する自走式台車上に、固定テーブルと該固定
テーブルに対して昇降可能な可動テーブルを設
け、上記固定テーブル上には物品用パレツトを載
置する左右一対のローラコンベアを載設し、上記
可動テーブル上には、前記ローラーコンベア上に
載置した物品用パレツトに係止する複数の係止ピ
ンを物品用パレツト移載方向に間隔をおいて配置
した移載装置と、該物品用パレツトの上方で工具
用パレツトを支承する一対のフレームを載設する
とともに、上記移載装置を移載方向に出退移動自
在に構成して上記左右のローラーコンベア間に配
置した移載装置付き物品搬送台車である。

〔実施例〕

第１図は本考案の移載装置付き物品搬送台車の
側面図である。搬送台車１は、その中央部に左右
一対の駆動輪２を備え、該駆動輪の各々前後には
接地する方向に付勢される垂直軸のまわりに回動
自在に支承された支持輪３を備えている。また、
搬送台車１が走行する際にこれを案内する為に走
行コースに埋設された誘導線（図外）を検知する
アンテナ４を搬送台車１下部の前後にそれぞれ設
けてある。そして搬送台車１の前後にそれぞれバ
ンパー５及び手動操作用コネクター端子盤６が設
置されている。上記端子盤６は手動操作用コネク
ター、リセツトボタン、オイルレベル異常表示灯
等を配置してある。

また、搬送台車１下部の前後にはステーシヨン
（図外）と上記搬送台車１との位置決めを行う為
に走行コースに埋設された金属片を検知するセン
サー７が設けられている。そして搬送台車１下部
の前後左右４ケ所にわたつて、油圧シリンダー８
……によつて昇降され、走行コースに埋設された
コーン（図外）に嵌合して前記ステーシヨンと搬
送台車１との位置決めを行い、また物品の移載中
の搬送台車１の安定を図る為のセンターリングコ
ーン９……が設けられている。

第２図は本考案の搬送台車の正面図である。搬
送台車１の上部の固定テーブル１０上には上記搬
送台車１の車体左右方向に物品用パレツト１１又
は１２を移送するローラーコンベア１３を載設し
た一対のフレーム１４が設置されている。また搬
送台車１の上部中央には、油圧シリンダーあるい
はモーター駆動によつて上記固定テーブル１０に
対して昇降される可動テーブル１５が載設されて
いる。上記可動テーブル１５上には工具用パレツ
ト１６を載置する一対のフレーム１７を設けてあ
る。また、第１図に示すように可動テーブル１５
上には物品用パレツト１１又は１２を係止する係
止ピン１８を備えた移載装置１９が載設されてい
る。

第３図は本考案の搬送台車の平面図である。ロ
ーラコンベア１３は垂直軸のまわりに回動自在な
４列のガイドローラー２０ａ，２０ｂと水平軸の
まわりに回動自在な４列のガイドローラー２１
ａ，２１ｂを備え、物品用パレツト１１又は１２
を車体左右方向に移送するガイドとなる。

そして第４図にも示すように小型のパレツト１
１は上記それぞれ４列のうち内側各２列のガイド
ローラー２０ａ及び２１ａに、大型のパレツト１
２は外側各２列のガイドローラー２０ｂ及び２１
ｂにそれぞれ案内される。

第４図は移載装置の一部切欠断面図を示す。可
動テーブル１５上に載設された移載装置１９の検
出ピン１８は上記可動テーブル１５の上昇に伴つ
て上昇し、固定テーブル１０上に固着された一対
のフレーム１４に載設されたローラーコンベア１
３に載置した物品用パレツト１１又は１２に形成
された係止孔２２に嵌入する。また、逆に可動テ
ーブル１５の下降に伴い上記係止ピン１８は係止
孔２２より離脱する。

また、フレーム１４の片側にブラケツト２３を
介して、上記パレツト１１又は１２を固定させる
為のクランプシリンダー２４を設けてある。そし
て上記パレツト１１又は１２の有無を係出するセ
ンサー２５……がフレーム１４の４ケ所にわたつ
てブラケツト２６……を介して各々設けられてい
る。

前記移載装置１９は底部にモーター２７及びギ
アボツクス２８を備え、該ギヤボツクス２８上に
はベース２９、ミドル３０及び係止ピン１８を載
設したトツププレート３１がそれぞれギア連結さ
れて、相対移動可能に取り付けられている。

第５図に示すように上記移載装置１９のベース
２９には４ケ所にわたつて前記可動テーブル１５
上より立設したフレーム３２によつて支持され、
上記ベース２９下部に固着されたギアボツクス２
８内にはモーター２７のシヤフト３３に嵌入し、
キー固定ギア３４及びベアリング３５……を介し
て回動自在に軸支された順次かみ合うギア３６，
３７，３８を内蔵し、第６図にも示すようにギア
３６及び３８とかみ合うラツク３９が前記ミドル
３０下部に設けられている。また、ミドル３０は
順次かみ合うギア４０，４１，４２，４３，４４
を各々ベアリング４５……を介して軸支し、ギア
４０及び４４はベース２９に設けられたラツク４
６とトツププレート３１に設けられたラツク４７
にそれぞれかみ合つている。そしてミドル３０を
案内する為のガイドローラー４８……及び４９…
…が各々ベース２９両側面に設けられ、ガイドロ
ーラ４８……は水平軸５０……に支承され、ミド
ル３０下部両側面に形成した案内溝側面５１に当
接してミドル３０の垂直方向の運動を規制し、ま
たガイドローラー４９……は垂直軸５２……に支
承され、ミドル３０下部両側面に形成した案内面
５３に当接してミドル３０の水平方向の運動を規
制している。同様にトツププレート３１を案内す
る為のガイドローラー５４……及び５５……が
各々トツププレート３１両側面に設けられ、ガイ
ドローラー５４……は水平軸５６……に支承さ
れ、ミドル３０上部両側面に形成した案内溝側面
５８に当接してトツププレート３１の垂直方向の
運動を規制し、またガイドローラー５５……は垂
直軸５７……に支承され、ミドル３０上部両側に
形成した案内面５９に当接してトツププレート３
１の水平方向の運動を規制している。

そしてトツププレート３１の移送方向に沿つた
上面３ケ所には係止ピン１８がブラケツト６０を
介して載設されている。

第５図及び第６図で、モーター２７により駆動
回転するとベース２９に軸支されたギア３６及び
３８が回転し、ミドル３０下部に設けられたラツ
ク３９によりミドル３０が水平移動される。そし
てミドル３０に軸支されたギア４０及び４４がベ
ース２９に設けられたラツク４６により回転させ
られ、更にトツププレート３１に設けられたラツ
ク４７によりミドル３０とトツププレート３１は
相対に水平移動する。従つて、ベース２９に対す
るトツププレート３１の移動距離はミドル３０の
移動距離の２倍となる。

以上、上記実施例の移載装置付き物品搬送台車
は、バツテリーを搭載して走行コースに埋設した
誘導線に沿つて該誘導線の誘導磁界を検出しなが
ら走行する自走式台車上に固定テーブルと可動テ
ーブルを設け、固定テーブル上にはローラーコン
ベアを車体左右方向に物品を搬送できる位置に載
設し、可動テーブル上には前記ローラーコンベア
上に載置したパレツトに係止してステーシヨン等
と上記台車間の移載を行う移載装置と台車上方で
工具用パレツトを支承するためのフレームを載設
したものであつて、従来はステーシヨン等と搬送
台車の間に各々の搬送物を交換する為のオートパ
レツトチエンジヤーが必要であつたが、上記機能
を合わせ持つた移載装置を搬送台車上に載設する
ことにより、上記オートパレツトチエンジヤーは
不要となり、この為作業場のスペースを有効に活
用でき、また多数のオートパレツトチエンジヤー
が搬送台車数分の移載装置に匹敵するのであるか
ら経済的な負担が軽減し、極めて実用価値の高い
ものである。

また、上記実施例の移載装置付き搬送台車は固
定テーブル上には物品用パレツトを移送するロー
ラーコンベアを設け、可動テーブル上には移載装
置と工具用パレツトを積載するフレームを設けて
駆動方式を簡略化している。

そして固定テーブルに設けたローラーコンベア
上に積載した物品用パレツトと、フレーム上に積
載した工具用パレツトを同時に搬送したり、作業
機のすぐそばまで進入して工具用パレツトの積降
し作業を行うことができる。

また前記ローラーコンベアはガイドローラーを
８列に配置することにより、大小２種類のパレツ
トを積載し移送することが可能である。即ち大型
のパレツトは外側２列の垂直及び水平軸に支承さ
れたガイドローラー、また小型のパレツトは内側
２列の垂直及び水平軸に支承されたガイドローラ
ーによるものである。

また本考案の移載装置は遊星ギア方式によつて
大きな移送距離が得られるので、移載装置の収納
時に該移載装置が搬送台車巾から突出することな
く載設できる利点がある。更に移載装置のトツプ
プレート上面に移送方向に沿つて３ケ所に載設さ
れた係止ピンを順次物品用パレツトの係止孔に嵌
脱することにより、搬送台車から長距離に上記パ
レツトを移送することが可能となる。

〔考案の効果〕

以上の説明から明らかなように、本考案によれ
ば、前記オートパレツトチエンジヤを不要とし、
かつ一台の台車で２種類のパレツトをそれぞれの
パレツトの移載時や搬送時に亘いに干渉すること
なく、搬送することができる。更に、移載方向に
間隔をおいて配置した係止ピンを、可動テーブル
の昇降と移載装置の出退移動とを繰返して物品用
パレツトの係止孔に順次嵌脱させることにより、
搬送台車から長距離に上記パレツトを移送できる
効果がある。しかも、物品用パレツトの移載装置
および工具用パレツトを支承するためのフレーム
を共に昇降可能な可動テーブル上に設けているの
で、それぞれのパレツトの移載動作のための駆動
の一部を共用させており移載駆動を簡略化してい
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の移載装置付き物品搬送台車の
側面図、第２図は正面図、第３図は平面図、第４
図は移載装置の一部切欠断面図、第５図は一部切
欠側面図、第６図は第５図の−断面図を示
す。 １……搬送台車、１０……固定テーブル、１
１，１２……物品用パレツト、１５……可動テー
ブル、１６……工具用パレツト、１７……フレー
ム、１９……移載装置、１３……ローラーコンベ
ア、１４……コンベア用フレーム、１８……係止
ピン、２２……係止孔、２９……ベース、３０…
…ミドル、３１……トツププレート、３２……移
載用フレーム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 走行コースに設けた誘導線に沿つて走行する自
   走式台車上に、固定テーブルと該固定テーブルに
   対して昇降可能な可動テーブルを設け、上記固定
   テーブル上には物品用パレツトを載置する左右一
   対のローラコンベアを載設し、上記可動テーブル
   上には、前記ローラーコンベア上に載置した物品
   用パレツトに係止する複数の係止ピンを物品用パ
   レツト移載方向に間隔をおいて配置した移載装置
   と、該物品用パレツトの上方で工具用パレツトを
   支承する一対のフレームを載設するとともに、上
   記移載装置を移載方向に出退移動自在に構成して
   上記左右のローラーコンベア間に配置したことを
   特徴とする移載装置付き物品搬送台車。