JPH039994B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は古い窓の改装法に関する。

近時スチール製またはアルミニウム製などの古
いサツシが発錆などによつて疲労し、これを新し
いアルミニウム製などのサツシに取替える場合
に、古いサツシをコンクリート製などからなる建
造物基台より除去することなく、これをそのまま
残存せしめ、これを新しいサツシの取付基台とす
る窓の改装法が提案されている。この改装法であ
ると、面倒なコンクリート壁除去作業を必要とし
ないから比較的短期間に改装できる利点がある
が、古いサツシにさらに新しいサツシを被せるの
であるから、それだけ採光面積が狭くなり、した
がつて新しいサツシはできるだけ古いサツシに近
接して取付けられなければならない。

しかるに従来にあつては、その取付順序として
まず古いサツシに取付金物を固着し、この取付金
物を取付基準としてこれに新しいサツシを嵌め入
れ、しかる後この新しいサツシに取付金物を固着
するようにしていたため、この新しいサツシに取
付金物を固着するための作業スペースをかなり広
くとることが要求され、取付金物の新旧サツシ間
の幅を必要以上に大きくとらなければならず、こ
れがために当然に採光面積が狭くなる難点があつ
た。尤も従来にあつても新しいサツシのアンカー
係合部に二又状のアンカー係合金具を係合して、
これを古いサツシに固着するようにした取付方法
が採用されているが、この取付方法は新しいサツ
シの断面形状が簡単で軽量なものに限定され、断
面形状の複雑なものや重量のあるサツシについて
は上述の係合金具では取付けることができない
か、あるいは支持部材として不充分であつた。

この発明は上述の難点に注目し、新しいサツシ
の断面形状が複雑で、かなりの重量のあるもので
あつても、できるだけ採用面積を広くとり、かつ
取付作業が比較的容易な改装法を提供しようとす
るものであり、以下この発明の一実施例を示す図
面によつて説明すると、第１図において、１ａは
古いサツシの上枠、１ｂは同じく下枠で、いずれ
もコンクリート製の建造物基台２より除去するこ
となく、そのまま残存せしめる。尤も古いサツシ
に突設されている不要な出張り部分は適宜切除す
る。３ａは新しいサツシの上枠、３ｂは同じく下
枠で、これら上下枠に外側の引戸障子４と内側の
固定障子５を引戸方向に交互に嵌め入れるために
かなり複雑な断面形状で、かつ重量的にも重いも
のになつている。

そしてまず、新しいサツシの上、下枠３ａ，３
ｂの各アンカー係合部６ａ，６ｂにその断面形状
に合致するように曲げ加工した鉄、鋼板よりなる
当板７ａ，７ｂを嵌合し、これらの当板７ａ，７
ｂに対応して曲げ加工したコ字状の同じく鉄、鋼
板よりなる取付金物８ａ，８ｂを当てつけ、これ
ら両者を取付金物側から当板側に向かつてビス９
ａ，９ｂをねじ込むことによつて上、下枠３ａ，
３ｂにそれぞれ取付金物８ａ，８ｂを固着する。
このように開放側たる取付金物側からビス止めす
るようになつているためその作業が容易であり、
したがつて取付金物の取付幅を可能な限り狭くす
ることができ、さらにこれをサツシではなく当板
にビス止めすることによつて両者の相乗作用によ
り強固にかつ大きな支持力をもつて新しいサツシ
に取付けることができる。

第２図において、１ｃ，１ｄはそれぞれ古いサ
ツシの左右縦枠で、いずれも前記と同じく建造物
基台２により除去することなく残存せしめる。３
ｃ，３ｄは新しいサツシの左右縦枠で、これらも
前述の上、下枠と同じように引戸障子４と固定障
子５を嵌め入れるようになつているため複雑な断
面形状で、かつ重量的に重いものになつている。

そして新しいサツシの左右縦枠３ｃ，３ｄの各
アンカー係合部６ｃ，６ｄにその断面形状に合致
するように曲げ加工した当板７ｃ，７ｄを嵌合
し、これに対向して同じく曲げ加工した略コ字状
の取付金物８ｃ，８ｄを当てつけ、これら両者を
取付金物側から当板側に向かつてビス９ｃ，９ｄ
をねじ込むことによつて縦枠３ｃ，３ｄに取付金
物８ｃ，８ｄを固着する。

次にこれら新しいサツシを古いサツシに嵌め入
れることになるが、この前に予め新しいサツシの
上、下枠３ａ，３ｂと左右縦枠３ｃ，３ｄとを枠
組しておき、この状態で古いサツシに嵌め入れる
ことになる。しかる後第１図に示すように下枠側
の取付金物８ｂを古いサツシの下枠１ｂに溶接な
どによつて固着するが、この下枠側にあつては新
しいサツシの全荷重を受けなければならないから
旧下枠１ｂの受圧面側１０ｂに固着するように配
慮しており、これに対し上枠側の取付金物８ａは
新上枠３ａが風圧などを受ける室内外方向の移動
を阻止するために旧上枠１ａの室内外側面１０
ａ，１０ａに固着するように配慮されている。ま
た第２図に示すように左右縦枠の取付金物８ｃ，
８ｄはその室内側の基端部が室内外方向の負荷に
抗するように旧左右縦枠１ｃ，１ｄの室内側側面
１０ｃに溶着されており、室外側の基端部が、開
口幅方向の移動を阻止するためにそれぞれの対向
面１０ｄに溶着されるよう配慮されている。

このようにして取付金物を古いサツシに固着す
れば、その固着個所を適宜選定して固着しやすい
個所に取付ければよいからその作業を比較的容易
に行うことができ、作業スペースが少なくて済む
利点がある。

そして最後に室外側にあつては新しいサツシの
上下左右枠と建造物基台とにわたつて適宜支持金
物１１によつて外側添板１２ａ，１２ｂ，１２
ｃ，１２ｄを取付け、室内側にあつては内側添板
１３ａ，１３ｂ，１３ｃ，１３ｄを取付けること
によつて古いサツシと取付金物が外部に露呈しな
いよう外観上の体裁を整えている。なお、図中１
４は水密パツキンである 以上のようにこの発明によれば、新しいサツシ
のアンカー係合部に当板とこれに対応して取付金
物を重合させ、両者をビス止めするようにしてい
るため、両者の相乗作用によつて取付金物を新し
いサツシに堅固に、かつ充分な支持力をもつて取
付けることができ、また新しいサツシの断面形状
が複雑であつても当板と取付金物をその断面形状
に合致した形状に曲げ加工することによつて自在
に適応させることができる。しかもビス止めにあ
たつてその開放側たる取付金物側から当板側に向
かつてビス止めを行うようになつているためその
作業が非常に楽である。さらには新しいサツシを
古いサツシに嵌め入れた後は、その取付金物を古
いサツシに適宜固着しやすい個所を選定して固着
すればよいから作業スペースが少なくてすみ、こ
れがために新しいサツシを可能な限り古いサツシ
に近接して取付けることができ、採光面積をでき
るだけ大きくとることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明の一実施例を示すもので、そ
のうち第１図は縦断側面図、第２図は横断平面図
である。 １ａ，１ｂ，１ｃ，１ｄ……古いサツシの上・
下・左・右枠、２……建造物基台、３ａ，３ｂ，
３ｃ，３ｄ……新しいサツシの上・下・左・右
枠、６ａ，６ｂ，６ｃ，６ｄ……新しいサツシの
アンカー係合部、７ａ，７ｂ，７ｃ，７ｄ……当
板、８ａ，８ｂ，８ｃ，８ｄ……取付金物、９
ａ，９ｂ，９ｃ，９ｄ……ビス。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 古いサツシを建造物基台より除去することな
   く残存せしめ、この古いサツシを取付基台として
   これに新しいサツシを嵌め入れるようにした窓の
   改装法において、新しいサツシのアンカー係合部
   に当板とこれに対応する取付金物を重合させると
   共に、取付金物側から当板に向かつてビス止めし
   て、新しいサツシに取付金物を固着し、この状態
   で新しいサツシを古いサツシに嵌め入れ、しかし
   て取付金物を古いサツシに固着してなる窓の改装
   法。