JPH039745A - 生体器官拡張器及びカテーテル - Google Patents

生体器官拡張器及びカテーテル

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JPH039745A
JPH039745A JP1197491A JP19749189A JPH039745A JP H039745 A JPH039745 A JP H039745A JP 1197491 A JP1197491 A JP 1197491A JP 19749189 A JP19749189 A JP 19749189A JP H039745 A JPH039745 A JP H039745A
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catheter
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斉藤 伸子
Shinichi Miyata
伸一 宮田
Kiyoshi Takagi
清 高木
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隆司 川端
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 イ、産業上の利用分野 本発明は、生体器官拡張器及びカテーテルに関し、特に
、血管や気管又は気管支、食道、胆道等の器官の狭窄(
きょうさく)された部分を永続的に拡張するために用い
られる生体器官拡張器及びこれを具備するカテーテルに
関する。
口、従来技術 従来、狭心症や心筋梗塞の治療などのため、例えば生体
心臓の冠状動脈の狭窄された部分にPTCA(経皮的冠
状動脈再建術)カテーテルと称されるカテーテルを挿入
することがある。即ち、冠状動脈の狭窄に伴う病変の処
理として、血栓溶解剤等による処置の他に、PTCAカ
テーテルによって機械的に狭窄部を拡張する方法がある
こうしたカテーテルは一般に、先端部にプラスチックや
ゴム製バルーンを有し、狭窄部に挿入後にそのバルーン
を膨らませ、このバルーンの膨張(以下余白) により、狭窄部分を押圧拡張した後、カテーテルを抜去
する外科的処置が行われている。この方法の処置は比較
的容易であるが、効果に永続性がなく、時間の経過に伴
って組織か元に戻って再び狭窄を生じ易い欠点がある。
この欠点を改善する方法として、血管内に形状記憶合金
製筒状体を埋め込む(但し、この埋込まれた筒状体は、
その後に生体組織で被覆される)装置が提案されている
。例えば、米国特許第3.868.956号及び特公昭
61−6655号がある。このうち前者は、予め拡張さ
れた状態を記憶させ、径を細くした形状記憶合金製筒状
体をカテーテルを介して挿入し、電気的方法により加熱
し、原形状に復帰させ、血管を拡張するものである。ま
た、後者は、形状記を化合金板を正常な血管内径に円筒
状に成形記憶させたものを細径に加工し、カテーテルを
介して血管所望位置に挿入後、レーザ光線或いは高周波
誘導加熱の手法により加熱し、原形状に復帰させるもの
である。
しかしながら、前者の装置では、形状記憶合金筒状体を
別の発熱体によって、又は形状記憶合金の電気抵抗を利
用してそれ自体を電気的方法により加熱するため、漏電
のおそれがあり、電気ショックを生ずる危険があり、ま
た装置も複雑となる。
更に後者では、前者の電気加熱方法に代えて用いられる
レーザ光線或いは高周波誘導加熱の装置は開示されては
いないが、複雑で高価なものとなる。
上述のような血管のほか、気管や気管支に対しても類似
の医療行為が施される。例えば、肺癌等によって気管支
が圧迫されてこれが狭窄した場合、呼吸を確保するため
、気管を声帯よりも肺側で切開してカテーテルを挿入す
るか、或いは喉頭を経由して気管内カテーテルを挿入す
る。即ち、気管支や気管の狭窄を伴う病変に対する処置
として、これらのカテーテルによって機械的に気道を確
保する方法が一般に採られている。
然し、前者のカテーテルは気管支を切開して挿入するた
め、挿入後には患者は声が出せず、意識のある愚者にと
って好ましくない状況にあり、後者のカテーテルは上記
と同様に声が出せないのみならず、異物感が著しく、患
者が覚醒している場合はカテーテルを1週間留置するの
が限度であるという欠点がある。
ハ9発明の背景 そこで、本出願人は、前記方法によらず、操作が容易で
ありかつ施術が非常に安全な狭窄部分の拡張方法を実現
できるカテーテルを特願昭62−97437号として既
に提案した。このカテーテルは、先端部に、生体外から
の提作により血管及び/又は体液の流動を任意に阻止す
る機能を備えた阻止部(例えばバルーン)と、前記阻止
部の後者でカテーテルに外嵌されて転移温度以上で予め
記憶させた形状に復元する形状記憶合金製筒状体と、前
記形状記憶合金製筒状体部分でカテーテル外周部に加温
液を供給する供給手段とを有することを特徴とするもの
である。即ち、予め所望の原形状を記憶させ、細径に加
工した形状記憶合金筒状体を、加温された液体により加
熱し、原形状に復帰させるものである。
ところが、上記先願に係るカテーテルについて本発明者
が更に検討した結果、上記の優れた効果を奏するものの
、なお改善すべき点があることをカテーテルを使用して
冠状動脈の狭窄部に形状記憶合金の線を螺旋状に巻いて
筒状体とした螺旋筒状体C以下、コイルと呼ぶ。)を挿
入し、このコイル原形復帰作用によって上記狭窄部を原
形状に復帰させようとする状態を示し、同図(A)はコ
イルの原形復帰前を、同図(B)はコイルが原形復帰し
ようとしている状態を示す。
カテーテルに設けられた細孔、その開口を経由度)以上
に昇温させてコイル48を拡径し、その周囲の狭窄部1
4を押拡げようとするのであるが、コイル48は拡径時
にピンチが変化せず、従って長さが小さくなる。そのた
め、コイル48の中央部の位置が狭窄部14の中央位置
から少し外れていると、或いはコイルの一方の端部が先
に血管13ように狭窄部14の一部(ときには全部)が
狭窄された侭残ってしまうという問題が生しる場合があ
った。
イル48を可撓性物質からなる円筒体4Sに埋め込んだ
構造のもの(特開昭60−220030号)が提案され
ている。第2j図(A)は原形復帰前の側面の形状を記
憶させたコイル48を可撓性物質の円筒体49中に埋め
込んで製造し、然る後に同図(B)のように周面に襞を
形成させて全体の径を状態から同図(A)の形状に成形
するのは甚だ面倒な作業である上に、このようムこ外周
が凹凸になっている生体器官拡張器では血管や気管又は
気管支等を傷つけるおそれがある。
二0発明の目的 本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、
狭窄部等の処理(特に拡張)その他の補綴を十分にかつ
確実に行え、その再狭窄等を防止でき、かつ操作性の良
好な生体器官拡張器及びこれを用いたカテーテルを提供
することを目的としている。
ホ0発明の構成 て位置し、前記各リング状部の少なくとも一部が可視性
物質で被覆されると共に、この可撓性物質によって前記
複数のリング状部が前記略長さ方向に連結されて筒状体
を構成し、この筒状体がこの全長に亘って延びる側縁部
を一対有し、これらの側縁部が自由端となっている生体
器官拡張器に係る。
一チルにおいて、前記生体器官拡張器f/複数の形状記
憶合金製リング状部が互いに離間して生体器官拡張器の
略長さ方向に沿って位置し、前記各リング状部の少なく
とも一部が可視性物質で被覆されると共に、この可視性
物質によって前記複数のリング状部が前記略長さ方向に
連結されて筒状体を構成し、この筒状体がこの全長に亘
って延びる側縁部を一対有し、これらの側縁部が自由端
となっていることを特徴とするカテーテルに係る。
上記「略長さ方向」とは、筒状体の長さ方向中心線に平
行方向のほか、この平行方向に斜めの方向をも含むもの
である。
へ、実施例 以下、本発明の詳細な説明する。
第1図〜第4図には、本発明のカテーテルの一例を示す
ものである。
この例によるPTCAカテーテル1は、ポリエチレン、
塩化ビニル、シリコーンゴムやポリウレタンエラストマ
ー等からなるカテーテル本体2を有し、この本体の先端
部には弾性ゴムやプラスチック製のバルーン3が設けら
れ、バルーン3に生埋立塩水4を送る(或いは排出する
)ためのルーメン5が本体の長さ方向に沿って埋設して
形成されている。また、本体2の中心部には、ガイドワ
イヤ6を通すダためのルーメン7が後端から先端にまで
貫通して形成されている。更に、バルーン3の少し後方
位置には、例えばNi−Tiの形状記憶合金部材を備え
た筒状の生体器官拡張器(以下、単に拡張器と呼ぶ、)
8Aが取付けられている。そして、このカテーテルは、
バルーン3の部分を除いて、例えばポリウレタンエラス
トマーからなるシース9によって本体2のほぼ全体が覆
われていて、シースSの後端側には加温液10を注入す
る導入口11が分岐して設けられている。
上記において、拡張器8Aはその合金の転移温度(Af
変態点)以上の温度で、予め記憶させた形状に復元、即
ち拡張する性質がある。こうした形状記憶合金としては
、生体に挿入されるために、転移温度が体温近辺若しく
はそれ以上高いもの(特に30“6〜60℃のもの)が
よく、このような転移温度は形状記憶合金の合金組成を
適切に選ぶことにより得られる。また、シース9の導入
口11からは、カテーテル本体2とシース9の内面との
間を通して加温液10が拡張器8Aへと供給されるが、
そうした加温液としては、輸液、生理食塩水などを用い
ることができ、また液の温度としては、挿入部で血液や
体液と混合して温度が低下することを考慮し、かつ火傷
を生じない程度の温度が選ばれる。
なお、上記拡張器8Aは、予め加熱後に所望拡張径とな
るように形状記憶した帯又は線を細径の筒状に巻き直し
、カテーテル外周に装着したものであるが、拡張器8A
がカテーテル管壁に沿って滑動しないように、カテーテ
ルのその部分2aの外径を小さくしている。勿論、この
部分の外形を小さくする代わりに、カテーテルにシリコ
ンゴム等で作られた環状のストッパを取り付けでもよい
本例で注目すべきことは、拡張器8Aば、第6図CB)
に拡大して示すように、例えばN 1−Ti合金(50
原子%Ni)の幅狭の帯を環状に曲げてリングとし、こ
の状態で400〜500℃に20〜40分間加熱の形状
記憶のための熱処理を施し、これらリング8aの複数個
(この例では4個)を互いに離して平行に位置させ、こ
れらを可撓性物質のシー)8bに埋設して筒状体とし、
次に第6図(A)のように小径の筒状体に巻き直して成
形しであることである。
第6図(E3)の状態から同図(A)の状態に成形可能
とするよう、また同図(A)の状態から同図(B)の状
態へと原形復帰できるよう、拡張器8Aには、同図(E
3)においてリング8aの対向する両端の間で長手方向
に沿って対の端部(自由端)8c、8cを形成させ、自
由端8c、8cに接する側縁部を重ね合わせるようにし
て同図(B)のように縮径できるようにしである。自由
端8c、8Cを設けることにより、拡張器8の設計、製
造が容易になる。シー)8bは可撓性物質からなってい
るので、リング8aの原形復帰に追随して変形する。第
6図(C)は同図(B)の展開図、同図(D)は同図(
C)の■。−■。線拡大断面図である。第6図(D)で
はリング8aは、断面矩形としているが、同図(ε)の
ように断面円形としても良い。以上のようにして、形状
記憶合金のリング8aは、可撓性物質のシート8b//
/////に被覆され、かつこの可撓性物質で互いに連
結されることになる。
可撓性物質のシート8bの材料としては、テフロン等の
不活性ポリマー、カーデイオサン等の抗血栓性ポリマー
、ヘパリンやウロキナーゼ等の薬剤を徐放てきるポリマ
ー等が1吏用され、また、多孔性ポリテトラフルオロエ
チレンや、シリコーン、ポリウレタン、天然ゴム、クロ
ルヒドリンゴム、弗素化ゴム等の弾性を有するもののほ
か、ポリエステる織布又は編布が好ましく使用できる。
これらの物質は、いずれも生体m織との親和性が良好で
かつ安全な物質であり、従ってこれらの物質をシート8
bの材料として使用することにより、治癒が速まりかつ
安全である。また、リング8aをシー)Bb中に埋め込
んでいるので、リング8aの表面粗さが粗くても差支え
なく、表面仕上げを省略して加工コストを低減できる。
ざと凹凸があるようにすることも可撓性材料を使図に示
すように、例えば大腿動脈15から生体心臓12の冠状
動脈13に対し、バルーン3側から差し込まれる(但し
、図面は理解容易のために挿入状態を概略図示したにす
ぎない)。この際、カテーテル本体2はシースSによっ
て所定部位まで案内されるが、この案内は上記のガイド
ワイヤ6によって良好になされる。また、この案内のモ
ニタは、カテーテル及び拡張器8AをX線撮影装置で観
察して行える。
そして、第5図(A)のように血管13の狭窄部14の
位置までカテーテルを挿入した後、第5図(B)のよう
に、生理食塩水4等の送入によってバルーン3を膨らま
せて血管内壁に密着させ、血液又は体液の流動を一時停
止させる。この際、前取て第5図(A)のように、拡張
器8Aはシース9から露出するように、カテーテル本体
2を前方に移動させる。
次いで、第5図(C)のように、シース9の導入口11
から生理食塩水10を例えば50℃の恒温に調節して送
液する。加熱された生理食塩水10は、第4図に明示す
るように導入口11からシースS内(カテーテル本体外
周)を通って拡張器8A側へ導出される。導出された生
理食塩水は当初血液等と混合して温度は低下するが、次
第に温度上昇し、拡張器8Aを転移点以上に加熱し、原
形状の拡張された形状(第5図(C)の実線、第4図で
は仮想線で示す。)に変化させる。この状態で拡張器8
Aは第6図CB)の原形状に復元している。このように
、拡張器8Aは第6図(A)の形状から同図(B)の形
状へ移行するのであるが、この形状記憶合金部材(リン
グ8a)は、コイル状ではなく、長手方向に可撓性シー
)8bによって連結されているので、長手方向の寸法が
実質的に変化しない。従って、第2ノ図で説明したよう
な形状記憶合金のコイル48を使用した場合のようにコ
イルの長手方向の寸法が小さくなってコイル48が狭窄
部14から部分的に(又は全部が)外れるおそれがな(
、第5図(C)のように筒状の拡張器8Aで狭窄部14
の全域を容易にかつ確実に拡張することができる。
次に、バルーン3の生理食塩水を抜き、バルーン3を収
縮させ、第5図CD)のようにカテーテルを抜去する。
こうして、狭窄された部分14を拡張した状態で拡張器
8Aを血管内に留置し、治療の目的を達成することがで
きる。
筒状体を構成するシート8bは可撓性物質からなってい
るので、拡張器8Aは全体として可撓性が付与される。
従って、カテーテル1の先端部を血管13の狭窄部14
の位置迄到達させるに際し、血管の屈曲部を通るときに
この屈曲に倣って拡張器8Aが撓むようになり、カテー
テル挿通が容易になされる。狭窄部が血管屈曲部にある
ときも同様である。また、シート8bの可撓性の故に、
血管内でリング8aが原形復帰したとき、拡張器8は血
管内周面に良く馴染んでこれと確実に密着し、頗る好都
合である。
このように、本実施例のカテーテル1によれば、血管の
狭窄部を容易にかつ確実に拡張し、その再狭窄を確実に
防止できると共に、拡張器の原形のための加温液をカテ
ーテル本体内部を通してではなく、その外周囲でシー入
内を通して供給しているために、十分大きな通路を確保
でき、より低温の温度の使用が可能となる。従って、操
作が安全となり、その急速な注入が可能であり、かつカ
テーテル本体自体は細くできる(温液用のルーメンが不
要である)ので、冠状動脈の如き細い血管への挿入が容
易となる。また、シースの使用によりカテーテルの挿入
も容易となり、その挿入操作を確実に行える。
形状記憶合金のリング8aは第6図(D)のように可撓
性シー)8bに完全に埋設させるほか、第7A図、第7
B図に拡大断面図で示すように、リング8a(第7A図
では断面矩形、第7B図では断面円形)の内周面(又は
外周面)を露出させ、側面及び外周面(又は内周面)を
シーt−8b中に埋め込んだ構造の拡張器8Bとしても
良い。
また、第8図に展開図で示すように、リング8aを長平
方向に連結する金属連結部8dを設けた構造の拡張器8
Cとしても良い。金属連結部8dは、リング8aと同じ
形状記憶合金からなっていても、他の柔軟な゛金属から
なっていても、いずれでも良い。前者の場合は、形状記
憶合金の薄板を打抜いてリング8aと金属連結部8dと
を一体成形できて加工が容易であり、後者の場合は、例
えば爆接によって組立てるが、材料費を低減できる。い
ずれの場合も、拡張層全体として可撓性を損なうことは
ない。金属連結部8dは、リング8aの中央に設ける(
破線で示すンほか、仮想線で示すように対の自由i8c
、80近くに設けても良い。
第S図の拡張器は外周面に凹凸を設けている。
拡張器8Dが血管13の狭窄部14を拡張した状態で、
凸部8eが血管壁に食い込むようになり、拡張器8Dは
、長期に亘ってこの位置に安全に保持され、狭窄部14
を安定に拡張でき、また、咳等による衝撃で拡張器8D
が移動するようなことがない。
形状記憶合金のリングの転移温度を、一定温度ではなく
、少し変えるようにすると、血管狭窄部への拡張器の密
着が一層良好になる。第10図はこのように設計された
拡張器が血管狭窄部を拡張する過程を示す拡大断面図で
ある。拡張器8Eでは、両側のリング81.81の転移
温度を、リング8□、8□に挾まれた中央部のリング8
□、81□のそれよりも少し高(設定しである。拡張器
8Eが拡径する際、先ず中央部のリング8 at、81
が転移温度に達して原形復帰し、血管13の狭窄部14
を押し拡げるようになる。これに続いて両側のリング8
11.8 Illが転移温度に達して仮想線で示すよう
に原形復帰し、狭窄部14を押し拡げるようになる。拡
張器8Eが、中央部、両側の部分と順次拡径することに
より、狭窄部14の拡張が無理なく遂行される。
形状記憶合金の転移温度は、同一組成であっても形状記
憶のための熱処理の条件によって異なる。
第11図は、N i −T i合金(50原子%Ni)
の熱処理温度400℃、450℃、500℃についての
保持時間と転移温度A+との関係を示すグラフである。
第11図から、リング8al 、8azについて上記熱
処理の温度及び/又は保持時間を変えることにより、リ
ング8a+ 、8azの転移温度に差を持たせることが
できることが理解できよう。
熱処理条件を一定にしてリング8 a+ 、Batの組
成を変えることにより、同様の結果を得ることも可能で
ある。
第12図及び第13図は、夫々他の拡張器を示8F、2
.8F、2.8F、、の径が小径から順次大径へと変化
するようにしてあり、これらリングが可撓性材料からな
るシート8F、に埋め込まれてなっている。第13図の
拡張器8Gは、原形で小径のリング8G1.8Goと、
大径のリング8G、3.8G、3と、両者の間に位置し
てこれらの中間の径のリング8G、2.8G、2とが、
可撓性材料のシート8G、に埋め込まれてなっている6
図中、8Fc、80cは互いに対向する端部である。
第6図〜第10図の拡張器を組付けたカテーテルは、大
腿動脈その他の部分から経皮的に挿入でき、閉塞性動脈
硬化症や、動静脈瘤の治療や後述する気管又は気管支の
治療等に特に有効である。
第12図、第13図の拡張器を組付けたカテーテルは、
例えば血管の分岐部付近のような血管径が変化する箇所
或いは後述する気管と気管支との接続部の治療に特に有
効であるほか、管腔臓器内の留置性を上げることができ
る。
形状記憶合金のリングは、網状又は布状の補強材で挟む
ようにし、更に可撓性物質のシートに埋設するようにす
ると、拡張器を小径の筒状体に巻き直して成形するとき
などに、外力によってリング先端が上記シートから突出
るようになることが防止される。第14図は上記のよう
に構成された拡張器8Hを示し、同図(A)は原形復帰
前の斜視図、同図(日)は原形復帰後の斜視図、同図(
C)は展開図、同図(0)は同図(C)のX■。
−XIV、線断面図である。
各リング8aは、綿状又は例えばガーゼのような布状の
補強材8fで内側と外側とからサンドイッチ状に挟まれ
て可撓性物質のシート8bに埋込まれている。補強材8
fは、金属の繊維又は可撓性物質の繊維を網状に編んで
なるもの若しくは布状に織ってなるもの又は綿、ポリエ
ステル等の繊維を網状に編んでなるもの若しくは布状に
織ってなるものを可撓性物質でコーティングしたもので
ある。拡張器8Hをこのような構造とすることによって
可撓性物質のシー)8bが補強され、前述のような、例
えば小径の筒状体に成形する際、リング8aがシート8
bを突破って突出するのが防止される。その上、シート
8bと補強材8fとの積層構造によって拡張器8Hの引
裂き強度が改善される。
リング8aを補強材8fで挟むには、第15A図又は第
158図のようにすれば良い。第15A図では、リング
8aを2枚の補強材8f、8Fで内側と外側とから挟む
ようにし、リング8aの先端が補強材8f、8fから突
出ないようにしている。第158図では、補強材8fを
リング8aの先端よりも少し出して畳んで折るようにし
、補強材8rでリング8aを包むようにしている。リン
グ8aは、複数個を一緒に補強材8rで挟むほか、1本
毎に補強材8fで挟むようにしても良い。
リング8aの先端は、第16A図のように半円形状の先
端5aaとする、第16日図のように少し大径の球形先
端8abとする、或いは第16C図のように反転させて
鉤状先端3acとするのが、前述の突出しを防止する観
点から望ましい。
第14図の拡張器8Hの構造は、第8図、第9図、第1
0図、第12図及び第13図のように構成した拡張器に
も適用できることは言う迄もない。
カテーテルは、第1図〜第3図の構造のほか、第18図
に拡大平面図で、第19図に拡大断面図で示す構造とす
ることができる。なお、第19図では上下方向を拡大し
て画いである。このカテーテルは、前述のような血管へ
の挿入のほか、気管や気管支、胆道、食道等の管腔臓器
内への挿入をも可能としている。
このカテーテル21は、先端部にバルーン23が設けら
れ、バルーン23に′空気24または生理食塩水4を送
る(或いは排出する)ためのルーメン25が本体の長さ
方向に沿って埋設して形成されている。また、本体22
の中心部には、ガイドワイヤ(図示せず)を通すため及
び呼吸を確保するためのルーメン27が後端から先端ま
で貫通して形成されている。更に形状記憶合金が元の形
状に復元するだめの温水注入用ルーメン2Sがバルーン
23の少し後方から先端にまで本体の長さ方向に沿って
埋設して形成されている。本体22には、バルーン23
の少し後方位置に、外径が小さくなる小径部22aが設
けられ、小径部22aに図のカテーテルを使用して例え
ば気管支の狭窄部を治療する手順を示し、いずれも気管
支43のみを断面で示している。
先ず、口から気管支43の狭窄部44の直前迄カテーテ
ル21を挿入する。このとき、本体小径部22aの後端
段部22bは、拡張器8Aが小径23を膨らませ、膨ら
んだバルーン23を狭窄部次に、バルーン23を再び膨
らませて気管支43内面に密着させ、次に注入する温水
が肺に向かって流出しないようにする。引続き、温水1
0を注入して温水流出部29aから拡張器8Aに供給す
ると、拡張器8Aは、形状記憶合金のリング8a図の2
9)を経由して排水し、温水が肺に入らぬ(E)に示す
ように、狭窄部44を拡張した拡張器8Aが気管支43
内に留置され、治療が終了す第1図のカテーテル1にあ
っては、カテーテル本かつ転移温度以上で超弾性を示す
形状記憶合金のNiのTi−Ni合金線の原形復帰状態
での引張試験における歪と引張応力との関係を示すグラ
フである。なお、上記原形は直線である。歪の小さい範
囲では、フックの法則に従って両者の関係は直線で示さ
れる。歪が所定の値に達した後は、A、Bのように応力
の増大が僅かであっても歪が増大していく、この現象は
超弾性と呼ばれ、所定の組図のカテーテル21をシース
32に収容させた構の説明は省略する。拡張器8Aを加
熱するのに、にあっては゛、本体22に設けられた温水
注入用ルーメン29から温水を供給する。温水注入用ル
ーメン2Sを省略し、第1図のカテーテル1と同様に仮
想線で示す導入口33をシース32に設けるようにして
良いことは言う迄もない。但し、リング8Aの形状記憶
合金の転移温度が体温以下である場合は、原形復帰のた
めの温水を供給する必要がないので、温水注入用ルーメ
ン29.温水導入チル31を使用して例えば気管支の狭
窄部を治療する手順を示し、いずれも気管支43のみを
断面で示している。
先ず、気管支43の狭窄部44の直前迄カテーテル31
を挿通する。このとき、リング8aは体温番こよって転
移温度に既に達していて、原形復帰しようとするのであ
るが、拡張器8Aはシース39窄部44を拡張した拡張
器8Aが気管支43内に又は生理食塩水14等でバルー
ン23を膨らませ、膨らんだバルーン23を狭窄部44
で繰返し往復させることによって狭窄部44を拡張させ
る(第2I図(B))。
次にシース32を後退させて拡張器8Aをシース32か
ら外す。このとき、本体小径部22aの後端段部22b
は、拡張器8Aが小径部22aから外れてシース32と
共に後退するのを防ぐストッパとして機能する。拡張器
8Aがシース32から外れると、リング8aは自由にな
って原形復帰し、これによって拡張器8Aが拡径して狭
窄部44を拡張する(第2I図(D))。
張器固定用ワイヤを使用し、拡張器に複数の小リングを
設けてこれら小リングに上記ワイヤを挿通し、体温によ
る形状記憶合金部材の原形復帰を抑止するようにできる
。第24図は上記のように構成した拡張器を示し、同図
(A)は原形復帰前の形状を示す斜視図、同図(B)は
原形復帰後の形状を示す斜視図、同図(C)は展開図で
ある。
可撓性シー)18bには形状記憶合金の幅狭の帯からな
るリング18aが4個互いに平行して埋め込まれていて
拡張器18を構成する。リング18aの両端は拡張器1
8の対の端部18c迄存在してングは縮径の比によって
中央部付近を移動する。
第24図(A)の状態では小リング18dが〆個づつ重
なり合うように位置し、各小リング18dには仮?、緑
で示す拡張器固定用ワイヤ34が挿通され、リング18
aが原形復帰しようとしてもワイヤ34によってこの形
状が保持されるようにしである。リング18aが転移温
度以上に昇温してからワイヤ34を小リング18dから
抜取ると、第24図(B)のようにリング18aが自由
になワイヤ34を使用し、同様の手順で狭窄部44を拡
張させる。
なお、固定用ワイヤ34は、カテーテルの挿入時にガイ
ドワイヤを兼ねて使用することができる。
このワイヤに超弾性を示す形状記憶合金の直線状線材を
使用すると、気管や血管の曲がっている箇所で容易にこ
の曲がりに倣って変形し、直線状の部分では直ちに原形
の直線に戻るようになり、挿通が極めて容易になされて
ガイドワイヤとして頗る便利に使用できる。
小リングledは外方へ向けて設けられているので、治
療後に管状器官の管壁に食い込むようになり、厚肉の気
管や血管の治療には、上記の食い込みによって拡張器1
8が管壁に安定に保持される。然し、小リング18dは
、拡張器の外方へ向けて設けるほか、内方へ向けて設け
ても良い。
第24図の拡張器18の各リング18aには、両端部に
小リング18dを設けて良い。追加して設ける小リング
は、第24図(C)に仮想線で示しである。このような
拡張器にあっては、リング18aの形状記憶の熱処理後
にこれを小径に加工する際、この加工が容易である。先
ず、リングの一端の小リングと中央部Iの小リングとが
互いに重なるようにリング18aを曲げ、次に他の一端
の小リングを既に重なり合っている小リングに更に重ね
るようにリング18を曲げるようにでき、同じ径の小径
リングとするのが容易である。この場合、拡張器18が
小径の状態では、内側に巻込以上、本発明を例示したが
、上述の例は本発明の技術的思想に基づいて更に変形可
能である。
例えば、拡張器の側面形状は円形のばか楕円その他の適
宜の形状として良く、リングの数も適宜の数として良い
。また、長手方向に真直のほか、目的に応じて彎曲した
形状としても良い。リングは幅狭の帯のほか、線材から
なっていても良い。
更に、各リング状部は一体のほか不連続であっても良く
、また対の端部(即ち、分離部)は筒状体の長さ方向に
対して斜めに延びていても良い。形状記憶合金のリング
については、上述の例の如く原形状へ転移後は元へは戻
らぬもの(不可逆転移)がよいが、その転移形状は種々
選択できる。また、使用目的によっては転移が可逆的な
ものであってもよい(冷却すると縮小する)。また、形
状記憶合金リングの取付は位置やそのパターンも上述の
ものに限定されることはない。なお、本発明のカテーテ
ルは、上述した血管や気管又は気管支、胆道、食道等の
狭窄部だけでなく、これら器官が薄くなって破れそうに
なっている部位に挿入(即ち補職)シてもよく、その他
の部位に挿入してもよい。
ト1発明の効果 本発明に基づく生体器官拡張器は、形状記憶合金からな
る各リング状部の少なくとも一部が可撓性物質で被覆さ
れると共にこの可撓性物質で複数のリング状部が連結さ
れて筒状体を構成し、この筒状体の長さ全体に亘る自由
端を側縁部として有しているので、リング状部の原形復
帰前後で可撓性物質による上記連結によって長さ方向の
寸法変化が実質的になく、筒状体の径が変化するだけで
ある。従って、変形時に血管その他の生体の治療部分に
対して生体器官拡張器を正確に位置させて接触させるこ
とができ、治療部分から外れるおそれがなくて確実な治
療がなされる。更に、生体器官拡張器は可撓性物質によ
る前記連結によって全体として可撓性を有しており、カ
テーテルを生体器官に挿通する際、生体器官に屈曲部が
あっても上記可撓性の故に屈曲部に倣って変形するよう
になり、挿通が容易で操作性が良好である。その上、可
撓性物質による前記被覆により、生体器官へ良く馴染ん
で密着するので、治療が一層確実になされる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第24図は本発明の実施例を示すものであって
、 第1図はカテーテルの斜視図、 第2図はカテーテル本体の断面図、 第3図はシースの斜視図、 第4図は生体器官拡張器の変形状況を示すカテーテルの
断面図、 第5図(A)、第5図(日)、第5図(C)、第5図(
D)はカテーテルを血管内に挿入して狭窄部を処置する
操作を11(資)次示す各要部拡大断面図、 第6図は生体器官拡張器を示し、同図(A)は原形状復
帰前の斜視図、同図(日)は原形状復帰後の斜視図、同
図(C)は展開図、同図(D)及び(E)は同図(C)
の■。−Vl、線拡大断面図、 第7A図及び第7B図は夫々他の例による生体器官拡張
器の拡大断面図、 第8図は更に他の例による生体器官拡張器の展開図、 第9図及び第10図は夫々更に他の例による生体器官拡
張器の使用状態を示す斜視図、第11図は形状記憶合金
の熱処理条件と転移温度との関係を示すグラフ、 第12図及び第13図は、夫々更に他の例による生体器
官拡張器の原形復帰後の斜視図、第14図は更に他の生
体器官拡張器を示し、同図(A)は原形復帰前の斜視図
、同図(日)は原形復帰後の斜視図、同図(C)は展開
図、同図(D)は同図(C)のXIVD  XIVD線
拡大線面大断 面図5A図及び第15B図は第14図の生体器官拡張器
の断面構造を示す概略図、 第16A図、第168図及び第16C図はリング先端部
の形状を示す拡大部分側面図、第17図は冠状動脈への
カテーテル挿入時の概略図、 第18図は他の例によるカテーテルの平面図、第19図
は同じく断面図、 第20図(A)、第20図(B)、第20図(C)、第
20図(D)及び第20図(E)は第18図、第19図
のカテーテルを気管支内に挿通して狭窄部を処置する操
作を順次示す各部所面図、 第21図は形状記憶合金の応力−歪線図、第22図は更
に他の例によるカテーテルの断面図、 第23図(A)、第23図(B)、第23図(C)、第
23図(D)及び第23図(E)は第22図のカテーテ
ルを気管支内に挿通して狭窄部を処置する操作を順次示
す各部所面図、第24図は更に他の例による生体器官拡
張器を示し、同図(A)は原形復帰前の斜視図、同図(
日)は原形復帰後の斜視図、同図(C)は展開図 である。 第25図及び第26図は従来例を示すものであって・ 第25図(A)及び第25図(El)はカテーテルを使
用しての血管内での形状記憶合金コイル(生体器官拡張
器)の転移状況を示す断面図、第26図は他の例による
生体器官拡張器を示し、同図(A)は原形復帰前の側面
図、同図(B)は原形復帰後の斜視図 である。 なお、図面に示された符号において、 1.21.31・・・・・・・・・カテーテル2.22
・・・・・・・・・カテーテル本体3.23・・・・・
・・・・バルーン 4・・・・・・・・・生理食塩水 6.34・・・・・・・・・ガイドワイヤ8A18日、
8C,80,8E、8F。 8G、8H118・・・・・・・・・形状記憶合金筒状
体8a、18a・・・・・・・・・リング8b、18b
・・・・・・・・・可撓性物質のシート8c、18c・
・・・・・・・・端部(自由端)8f・・・・・・・・
・補強材 9.32・・・・・・・・・シース 10・・・・・・・・・加温液 13・・・・・・・・・冠状動脈(血管)14.44・
・・・・・・・・狭窄部 43・・・・・・・・・気管支 である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.複数の形状記憶合金製リング状部が互いに離間して
    生体器官拡張器の略長さ方向に沿って位置し、前記各リ
    ング状部の少なくとも一部が可撓性物質で被覆されると
    共に、この可撓性物質によって前記複数のリング状部が
    前記略長さ方向に連結されて筒状体を構成し、この筒状
    体がこの全長に亘って延びる側縁部を一対有し、これら
    の側縁部が自由端となっている生体器官拡張器。
  2. 2.複数の形状記憶合金製リング状部が網状又は布状の
    補強材に包まれている、特許請求の範囲第1項記載の生
    体器官拡張器。
  3. 3.生体器官拡張器を装着したカテーテルにおいて、前
    記生体器官拡張器の複数の形状記憶合金製リング状部が
    互いに離間して生体器官拡張器の略長さ方向に沿って位
    置し、前記各リング状部の少なくとも一部が可撓性物質
    で被覆されると共に、この可撓性物質によって前記複数
    のリング状部が前記略長さ方向に連結されて筒状体を構
    成し、この筒状体がこの全長に亘って延びる側縁部を一
    対有し、これらの側縁部が自由端となっていることを特
    徴とするカテーテル。
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