JPH0394014A - 金属極細線及び複合部材 - Google Patents

金属極細線及び複合部材

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JPH0394014A
JPH0394014A JP22885689A JP22885689A JPH0394014A JP H0394014 A JPH0394014 A JP H0394014A JP 22885689 A JP22885689 A JP 22885689A JP 22885689 A JP22885689 A JP 22885689A JP H0394014 A JPH0394014 A JP H0394014A
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wire
coating layer
fine wire
extra fine
resin
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JP22885689A
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Takaaki Yuzutori
柚鳥 登明
Yutaka Kanatsuki
金築 裕
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、例えば、文字.図形等を表示するフメトクラ
フト表示板において、樹脂基板内に1里設される給電用
及び補強用の金属極細線に関し、特に導電性を確保しな
がら表面の金属光沢を無くすことができるようにした金
属極細線に関する。
〔従来の技術〕
?えば、フォトクラフト表示板は、基板上に発光樹脂か
らなる発光素子(画素)を多数配置し、該各発光素子を
金属極細線からなる給電用ワイヤで外部に導出するとと
もに、これらの表面を透明樹脂からなるシートで覆った
構造となっている。
従ってこのような金属極細線は、その用途上導電性が高
いこと、及び画素を遮らないよう可能な限り細くするこ
とが必要であり、また表示板自体の補強材としての機能
も要求される。このような要請に応えるため、例えば線
径が100μm以下で、かつ引張強度が300 kg/
 am2以上の金属極細線を採用することが考えられる
■。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、上述した線径100μm以下、引張強度30
0 k+r/ 關2以上の金属極細線を、例えばフォト
クラフト表示板の給電用.補強用ワイヤに採用する場合
、以下の問題点を解決しなければならないことが判明し
た。
I.上記基板上に金属極細線を配設すると、該極細線表
面の金属光沢の乱反射によって透明樹脂シート外方から
見た場合の透明度を悪化させる。
従って極細線表面の金属光沢を無くず必要がある。
li,上記金属極細線を樹脂内に埋設する場合の、両者
の密着性.接着性を向上さセる必要がある。
これは、両者の密着性,接着性が不十分であると、外力
が加わった場合、上記極細線が樹脂から抜けて該極細線
の特性を有効に作用させることができないからである。
iii .また、上記金属極細線を100μm以下に極
細化すると、ボリュームに対する表面積の比が極めて大
きくなることから、該極細線の表面の活性度が異常に高
くなり、その結果極細化する際のダイスとの摩擦による
発熱により、極端な場合は焼失したり断線したりするお
それがある。従って、金属極細線自体の活性度を抑制す
る必要がある。
iv.さらに、極細化する際の伸線加工を容易化するた
め金属極細線の自己潤滑性を向上させる必要がある。
■.さらにまた、上記金属極細線は鋼であるから錆びが
発生し易く、しかも極細であるから錆びが発生すると特
性が致命的に低下する。従って、錆びの発生を防止する
ための耐蝕性を付与する必要がある。
本発明の目的は、上述した各問題点を解決できる金属極
細線及び該極細線と樹脂との複合部材を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
そこで本願第1項の発明は、線径100μm以下、引張
強度300 kg/ +n”以上の金属極細線であって
、該極細線の外表面にNiめっき被覆層が形成され、該
被覆層が塑性加工による加工歪を有しており、かつ該被
覆層が酸化処理を施されていることを特徴としている。
また、第2項の発明は、上記金属極細線を樹脂内に埋設
してなることを特徴とする複合部材である。
以下、本発明において上記構戒を採用した理由について
説明する。
■ 上記金属極細線にNiめっき被覆層を形成した理由 上記Niを選定したのは、素線の活性度の抑制自己潤滑
性及び耐蝕性の付与.樹脂との密着性,接着性の改善を
図るうえにおいて最適であるからである。
上述のように、鋼線を極細化するとボリューム表面積比
が極めて大きくなってその活性度が異常上昇する。これ
に対して本件発明者等の研究により、Niが活性度の極
めて低い金属であることから、これを素線表面に被覆す
ることにより、極細線自体の活性度を抑制できることが
判明した。
また、Niを被覆することにより、耐蝕性等通常の特性
付与だけでなく、伸線加工等時の戒形性を向上できる自
己潤滑性が得られ、さらにNiは樹脂とのなしみが非常
に良く、樹脂との密着性,接着性を向上できることが判
明した。
第1表は、金属極細線に各種の金属(Ni,Cu  Z
n  Cu−Zn,Af.Au,Ag.Cr)を表面被
覆した場合の各特性(ダイス寿命改善,防錆.酸化性.
接着性,表面処理性.耐蝕性自己潤滑性,装飾性,及び
導電性)を比較した結果を示す。同表からも明らかなよ
うに、Niは、自己潤滑性が高いことからダイス寿命を
改善でき、防錆.酸化防止等耐蝕性が高く、また樹脂と
の接着性に優れ、さらに表面処理性も高い。このように
総合的にも、また上記各特性から見てもNiが一番優れ
ていることがわかる。
なお、上記Niの被覆方法は、電気めっき,溶融めっき
,等の湿式めっき法, PCD,CVD,スバソタリン
グ等の乾式めっき法等の一般に用いられている手段が採
用できる。勿論、ここで言うNlめっきには、純粋なN
iだけではなく、上述の必要特性を阻害しない範囲内で
の第1表に例示した金属あるいは他の金属と合金化した
ものも含まれる。
また、上記金属極細線に対するNiの被覆量については
、極細線1 kg当たり1g未満では防錆効果等の被覆
効果を発揮させるのが難しく、また100gを越えても
被覆効果の向上は望めず、逆に皮膜が厚すぎて加工時の
パウダリング等の副次的なデメリソトが生じるため好ま
しくない。従って、極細1i1 1 kg当たり1〜1
00gの範囲内が適当である。
■ Niめっき被覆層に塑性加工による加工歪を付Jj
シた理由 本件発明者らが上記Niめっき被覆層についてさらに検
酎したところ、このNiを単にめっきしただUの状態で
は樹脂との十分満足できる密着性接着性が得られない場
合があることが判明した。
この理由とし゛ζ以下の点が考えられる。即ち、めっき
処理しただけのNiめっき被覆層は、無数のビンホール
を有するボーラス状になっており、そのためめっき処理
工程時に発生ずる水素がNi被覆層内に吸蔵され、ある
いは上記ボーラス内に空気が残留することとなる。そし
てこの吸蔵された水素,残留辛気が樹脂内に埋設する際
の熱で放出され、あるいは膨張して樹脂とN1被覆層と
の境界に溜まり、その結果両者の密着性.接着性に悪影
響を与えているものと考えられる。
一方、Niめっき被覆層に加工歪を付与すると、該被覆
層内のビンホールが潰されて無くなる点、及び例えば伸
線時の加工熱によって吸蔵されていた水素や残留空気が
放出される点から、水素等をほとんど含まないNiめっ
き被覆層が得られることとなる。その結果、上述した水
素等による悪影響を回避できるものと考えられる。
ここで、上記Niめっき被覆層に加工歪を形或するには
、例えば金属極細線の製造過程において、素線そ冷間伸
線加工ずる前に、予めNiめっき処理を施し、これを伸
線加工.即ら塑性加工ずることにより実現できる。
■ 上記Niめっき被覆層に酸化処理を施した理由 」二記Niめっき被覆層が形成された金属極細線を酸化
処理することによって、該極細線表面の金属光沢を無く
すことができるからである。即ち、上記金属極細線を、
例えば大気中にてヘーキング処理することにより、該極
細線の表面色が茶色赤茶色.黒茶色等になり、従って、
これを例えばフォトクラフト表示板に使用することによ
り、該表示板の透明感を改善でき、画面を見やすくでき
る。なお、上記酸化処理によってNiめっき被覆層にど
のような酸化物構造が形成されているかについては明ら
かではないが、例えばNi酸化物又は金属極細線とNi
との複合酸化物が考えられる。
ここで、従来のフォトクラフト表示板では、−L述の金
属光沢を回避するために、金属極細線の表面をカーボン
コーティングした例がある。しかしこの場合、シーI・
の透明感は得られるものの、導電性が低下してしまう問
題があった。
なお、本発明の金属極細線は、引張強度が300kg/
mm”以上で、かつ線径100μm以下であることが必
要条件であるが、このようなfil線として例えばピア
ノ線,ステンレス線.あるいは低炭素二相組織鋼線が好
適である。
〔作用〕
本発明に係る金属極細線によれば、該極細線の表酊にN
iめっき被覆層を形成したので、素線を100μm以下
に極細化する際の活性度の異常上昇を抑制でき、発熱に
よる焼失等を回避でき、またNiめっきによって自己潤
滑性が得られ、伸線加工する際の戒形性を向上でき、さ
らに極細化に見合った耐蝕性が得られ、錆びの発生を防
止できる。
また、上記Niめっき被覆層に加工歪を付与したので、
該被覆層と樹脂との間に水素,残留空気が溜まることが
なく、樹脂との密着性,接着性を大幅に向上できる。従
って本発明に係る複合部材では金属極細線の有する特性
を有効に作用させることができる。
さらに、本発明では、Niめっき被覆層に酸化処理を施
したので、金属光沢を無くすことができ、例えば透明樹
脂シート内に埋設した場合の乱反射を回避でき、それだ
け透明感を改善できる。ここで酸化処理を施した場合、
導電性が低下することが懸念されるが、本発明者等の実
験によって、Niめっき被覆層を酸化処理した場合は、
極細線全体としての導電性はむしろ向上していることが
確認されている。そのため上述のフォトクラフト表示板
において給電ワイヤとして使用する場合は、該表示板の
消費電力を低減できるとともに、表示板の動作速度を向
上できる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図について説明する。
第1図及び第2図は本発明の一実施例による金属極細線
を説明するための模式図であり、本実施例ではフォトク
ラフト表示板を例にとって説明する。
図において、1はフォトクラフト表示板を示し、これは
主として基板2と、給電制御回路3と、カバーシ一ト4
とから構威されている。上記基板2は、絶縁性樹脂から
なるシート状のもので、これの表面には多数の画素5が
71・リソクス状に配設されている。この各画素5は発
光樹脂からなり、通電時発光する。そして上記各画素5
は、基板2の樹脂中に埋設された給電ワイヤ6で外部に
導出されており、該各ワイヤ6は上記給電制御回路3に
接続されている。また、上記力バーシート4は透明樹脂
からなるフィルム状のもので、上記各画素5等を保護し
ている。従って画素5からの発光はカバーシート4を通
して外部から視認される。
上記給電ワイヤ6が本発明に係る金属極細線から構威さ
れている。これは後述する低炭素二相組織鋼からなる極
細線6aの外表面にNiめっき被覆層6bを形成したも
のであり、図示していないが該被覆層6bは塑性加工に
よる加工歪を有しており、さらに該被覆層6bの表面に
は酸化膜が形成されている。
上記給電ワイヤ6を構威する金属極細線6aの低炭素二
相組織とは、伸線加工による加工セルが一方向に繊維状
に配列され、かつ該加工セルの大きさ,繊維間隔がそれ
ぞれ5〜100人,50〜1000人である繊維状微細
金属組織をいい、その引張強力は300〜600 kg
f/璽12である。
上記低炭素二相組織は本件発明者らが、極細化しながら
耐屈曲性.靭性及び引張強度を大幅に向上できる金属組
織について鋭意研究を続け、以下の点を見出して完威し
たものである。即ち、FeC−Si−Mn’系鉄基合金
で、かつ針状マルテンサイト,ペイナイト又はこれらの
混合組織からなる低温変態生戒相がフエライト相中に均
一に分散されてなる複合金属組織を有する鋼線材が強加
工性に優れており、このような金属組織を有する線材を
用いれば冷間伸線により線径100μm以下12 の極細線を容易確実に得ることができる′。そしてこの
ような鋼線材を冷間伸線により加工歪み4以上に強加工
すれば、上記フエライト相と低温変態生或相とが複合し
てなる複合組織(二相組織)が一方向に延びる均一な繊
維状微細金属組織が形成され、このような金属組織を有
する極細線は引張強度が300〜600 k+rf/璽
12と飛躍的に向上し、しかも曲げ.剪断,ねじり変形
に強く靭性においても優れていることを見出した。
ここで、上記給電ワイヤ6の製造方法について説明する
まず重量%でC : 0.01〜0.5%、Si:3.
O%以下、Mn:5.0%以下、残部Fe及び不可避的
不純物よりなる線径3.5mm以下の線材を700〜1
100℃の範囲の温度に加熱した後、冷却して(この加
熱,冷却は複数回にわたって行ってもよい)、一部残留
オーステナイトを含有してもよいマルテンサイト,ペイ
ナイト又はこれらの混合組織からなる低温変態生威相が
フエライト相中に体積率で15〜75%の範囲にて均一
に分散されてなる複合組織を有する線材を製造する。な
お、かかる製造方法は、特開昭62−20824号公報
に記載されている。
次に、このようにして得られた複合組織線材を冷間伸線
加工により、加工歪み4以上、好ましくは5以上に強加
工し、上記フエライト相と低温変態生威相とを複合化し
、金属組織として一方向に連続して延びる微細な繊維状
組織を形成させる。
このように加工度を高めることにより、上記繊維状組織
はさらに微細化し、繊維間隔は狭くなり、ついには上述
のとおり加工にて生じたセルの大きさ,繊維間隔がそれ
ぞれ5〜100人,50〜1000人である繊維状微細
金属組織を有する極細線6aが得られる。なお、加工歪
みが4以上よりも小さい伸線加工によって得られた細線
では、繊維状&ll織の発達の途中にあってその組織が
不完全であり、従って強度も低い。
また、上記金属極細線6aの外表面に形成されたNiめ
っき被覆層6bは、上記伸線加工の前工程において線材
にめっき処理を施して4μ一程度のNi被覆層を形成し
、この被覆線材を一次.二次冷間伸線することにより、
1μm程度の厚さに引き延ばしてなるものである。これ
によりNiめっき被覆層6bには、上記加工歪が発生し
ており、その結果めっき処理時に生していたピンホール
が上記加工歪によって潰されて、欠陥のない良好な被覆
層となっている。
また、上記Niめっき被覆層6bに形成されている酸化
膜は、Niめっき.伸線加工後に、該極細線に大気中に
て450〜530℃×20秒程度のベーキング処理を施
すことによって形成されたものである。このめっき被覆
116bは上記酸化膜により茶色系の色調を有している
。これにより該給電ワイヤ6は金属光沢のないものとな
っており、カバーシ一ト4の外方から見た場合、発光色
の乱反射が抑制される。しかもこの給電ワイヤ6は後述
するように、上記酸化処理により、その全体としての抵
抗値が減少して電気的導通性が向上している。
このように本実施例のフォトクラフト表示板1によれば
、給電ワイヤ6として、極細線6aに加工歪を有するN
iめっき被覆層6bを形成し、さらに該N iめっき被
覆層6bに酸化処理を施したものを採用したので、給電
ワイヤ6の表面の色調は茶色系となり、その結果金属光
沢を無くすことができ、カバーシート4の外方から見た
場合の透明感を改善でき、画面を見やすくできる。さら
にまた、上記酸化処理により給電ワイヤ6の電気抵抗を
低減でき、それだけ通電性を向上して消費電力の低減,
動作速度の向上を図ることができる。
また、本実施例の給電ワイヤ6はNiめっき被覆層6b
を形成したことによって、極細線6a自体の活性度を抑
制でき、そのため、基板2への埋設作業中に極細線同士
の摩擦等により発熱しても焼失,断線を防止でき、さら
に自己潤滑性の付与及び耐蝕性を向上できる。
また本実施例の給電ワイヤ6は、金属極細線6aに低炭
素二相組wis線を採用するとともに、そのNiめっき
被覆層6bに塑性加工により加工歪を付与したので、基
板2の補強繊維として機能し、別個に補強板を設ける必
要がない。即ち、本実施例のNiめっき被覆層6bはピ
ンホール等の欠陥15 16 のない層構造となっており、ほとんど水素,残留空気を
含んでないから、基板2の樹脂との密着性接着性を大幅
に向上できる。そのため線径10〜100μmで引張強
度300 〜600 kg/ 112と極めて高強度を
有し、しかも耐屈曲性及び靭性の極めて高いという極細
線6aの有する特性を有効に作用させることができ、基
板2を効率よく補強できる。
ここで、本実施例の効果を確認するために行った各種実
験について説明する。
■.まず、本実施例の酸化処理による色調の変化と電気
伝導性の向上効果を確認するための実験について説明す
る。
この実験は、第2表に示すように、Niめっき被覆層を
形成した後、線径20μmに伸線した各金属極細線に大
気中にてベーキング処理(450〜530℃x 20s
ec)を施し(本実施例hhl 〜4) 、該拭料の表
面の色調,及び接触抵抗値(Ω)を測定した。また、比
較するために、Niめっき後の伸線加工したままで酸化
処理を施してない金属極細線( 115) 、表面にカ
ーボンをコーティングしたタングステンwA(m6) 
、表面処理をしていないステンレス線(Ilh 7 )
についても、これらの表面色調,接触抵抗値を測定した
。なお、上記接触抵抗値は6vの電圧を印加して測定し
た。
同表からも明らかなように、伸線加工のみの金属極細線
(隘5)及び表面処理していないステンレス線(Nkl
7 )は、両者とも色調が金属色であり、金属光沢があ
る。しかも接触抵抗値がそれぞれ150.1800〜3
200Ωと高い。また、タングステン線にカーボンをコ
ーティングすると( IlkL6) 、色調は黒色とな
り金属光沢はないものの、接触抵抗値が900〜l20
0Ωと高い。これに対して本実施例の各金属極細線(隘
1〜4)は、いずれも茶系統の色調が得られており、金
属光沢を消去できている。
さらに接触抵抗値についても120〜30Ωと低く、電
気伝導性に優れていることがわかる。ここで注目すべき
は、同じく加工歪を有するNiめっき被覆層を形成して
も、これに酸化処理を施していない場合(M5)は抵抗
値が150Ωであるのに対し、酸化処理を施した本実施
例(ぬ1〜4)は120〜30Ωと低くなっており、し
かもヘーキング処理温度が高いほど抵抗値が低くなって
いる点である。
■.次に、本実施例の金属極細線にNiめっき被覆層を
形成し、さらに加工歪を付与したことによる樹脂との接
着力向上効果を確認するための実験について説明する。
この実験は、第3図に示すように、本実施例の金属極細
線aの一部分を、エポキシ系樹脂をヘースとしてこれに
炭素繊維5ガラス繊維を混合してなる複合試料片bに埋
め込み、この複合試料片bを固定した状態で上記極細線
aの上部をこれが抜けるか、又は断線するまで引張って
、両者の密着性,接着性を調べた。なお、上記複合試料
片bの埋め込み長さLは、極細vAaO線径d (am
) x5Qとなるようにした。
第3表に示すように、ます線径50μmの金属極細線を
4本採用し、この各極細線にNiめっきを形成しない場
合(1’kLI)、Niめっき被N層を形成した後伸線
加工により加工歪を付与した場合(本実施例隘2)、さ
らにこれの表面に樹脂コーティングした場合(本実施例
m3)、Niめっきを被覆しただけの場合(町4)につ
いて引抜試験を行った。また、線径100μmの極細線
も採用し、これもNiめっきを被覆しただけの場合(l
l&15)、さらにこれに伸線加工により加工歪を付与
した場合(本実施例階6)についても同様の引抜試験を
行った。表中、×印は金属極細線aが複合試料片bから
抜けた場合を示し、○印は該極細線aが断線した場合を
示す。
表からも明らかなように、線径50μmでN1めっきを
被覆しない場合(肖1)は抜けており、両者の接着力は
極細線aの破断力未満であった。これに対して、Niめ
っきを被覆し(Ilh4)、さらにこれに加工歪を付与
し(lk2)、さらにまたこれに樹脂コーティングした
(M3)場合は、いずれも抜ける前に断線しており、両
者の接着力は金属極細線の破断力以上であることがわか
る。
一方、線径100μmでNiめっき被覆層を形成しただ
けの場合(階5)は、断線する前に抜けている。これは
線径が大きい分引張力も高いことか19 20 ら、接着力がこの高い引張力には及ばなかったものと考
えられる。しかしこれに加工歪を付与した場合(階6)
は断線している。これらの点からNiめっき被覆層を形
或すればそれだけで接着力が増すが、この被覆層に加工
歪を付与することにより接着力がさらに向上することが
理解できる。この場合、比較的太い線径の金属極細線は
、それ自体の引張力が大きくなっているから、加工歪を
付与することによりこの大きな引張力に対応できる接着
力が得られ、その効果はより大きいことがわかる。
■.最後に上記■において、Niめっき被覆層に加工歪
を付与したことにより接着力が向上した理由として、水
素吸裁量の低減が影響していることを確認するために行
った試験結果について説明する。
この試験は、第4表に示すように、線径400μmの素
綿(階1)及び180μmの素線(M2)にそれぞれ電
解めっき法によりNiめっき被覆層を形成し、この各素
線( lkl,2)のNi被覆層の水素濃度を検出した
。次に、上記各素線( 11h1.2)に伸線加工を施
して加工歪を付与しながら、それぞれ線径98μm(h
h3)及び26μm(Na4)の金属極細線とし、この
加工歪を有するNt被覆層の水素濃度を検出した。なお
、この水素濃度の検出にはJISに基づく不活性ガス溶
解法を採用した。
同表からも明らかなように、Niめっき処理を施しただ
けの状態では水素が7 PPM(lml),  9 P
PM(M2)検出されたのに対して、これを上述の程度
に塑性加工した場合は両者( NllL3,4)ともI
 PPM以下まで低減されている。この点と上述の■に
おいて確認されたように、加工歪が付与された極細線に
おいては接着力が大幅に向上した点とを考え合わせると
、Niめっき被覆層に加工歪を与えると水素濃度が低下
し、これによりNi被覆層と樹脂層との間に水素が溜ま
ることがなくなり、その結果接着力が向上するものと推
定される。
なお、上記実施例では給電ワイヤが金属極細線1本だけ
からなる場合を例にとって説咽したが、本発明の金属極
細線は複数の掘細線を懲り綿化したものでもよく、これ
を樹脂内に埋設した場合も上記実施例と同様の効果が得
られる。
また、上記実施例では、金属極細線に低炭素二相組m鋼
線を採用したが、本発明の極細線は他にピアノ線.ステ
ンレス線.あるいはタングステン線を採用してもよく、
この場合も加工歪を有するNiめっき被覆層を形成し、
これを酸化処理することにより上記実施例と略同様の効
果が得られる。
さらに、上記実施例では、金属極細線をフォ1・クラフ
ト表示板に採用した場合を例にとって説明したが、本発
明に係る極細線の用途は勿論この実施例に限られるもの
ではない。
23 第2表 第1 表面塚n政初萬と1生E Ωレよhっζいる、Xほ竺一効未なしそ5急禾している
23−l 〔発明の効果〕 以上のように本願第1唄の発明に係る金属極細線によれ
ば、該極細線の表面に加工歪を有するNiめっき被覆層
を形成し、さらにこれに酸化処理を施し、また第2項の
発明では上記金属極細線を樹脂に埋設してなる複合部材
としたので、導電性を確保しながら金属極細線表面の金
属光沢を無くすことができるとともに、樹脂との密着性
.接着性を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明の一実施例による金属極細線
を説明するための図であり、第1図はその金属極細線を
使用したフォトクラフト表示板を示す概略構或図、第2
図はその断面図、第3図は本実施例の実験方法を示す図
である。 図において、6aは金属極細線、6bはNiめっき被覆
層である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)線径100μm以下、引張強度300kg/mm
    ^2以上の金属極細線であって、該極細線の外表面にN
    iめっき被覆層が形成され、かつ該被覆層が塑性加工に
    よる加工歪を有しているとともに、該被覆層に酸化処理
    が施されていることを特徴とする金属極細線。
  2. (2)特許請求の範囲第1項記載の金属極細線を樹脂内
    に埋設してなることを特徴とする複合部材。
JP22885689A 1989-09-04 1989-09-04 金属極細線及び複合部材 Pending JPH0394014A (ja)

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