JPH039194Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、デイジタル・オーデイオ・デイスク
等の情報記録媒体としてのデイスクがその不使用
時に損傷を受けることを防止する、デイスク保護
カバーに関する。

従来の技術 中央孔が設けられた比較的小径の記録媒体とし
てのデイスクであつて、音楽の曲等の情報信号が
デイジタル化されて、光学的に読み出され得るよ
うに記録されたデイジタル・オーデイオ・デイス
クが、情報信号の記録再生に用いられている。こ
のようなデイジタル・オーデイオ・デイスクは、
中央孔の周囲に拡がる平面部の内部に、例えば、
多数の音楽の曲をあらわす情報信号が光ビームを
用いる再生装置によつて読み出され得るように記
録されて形成された信号記録面を有するものとさ
れ、この信号記録面を両側から挾む対向外表面の
一方が信号読出面とされる。そして、情報信号の
再生時には、信号読出面を通じて光ビームが入射
せしめられ、この光ビームが信号記録面で反射さ
れて得られる読取光ビームに基づいて再生情報信
号が得られるようにされる。従つて、信号読出面
が損傷を受けると、再生情報信号が斯かる損傷に
起因するノイズを含む、質の劣化したものとなつ
てしまう虞れがある。このため、デイジタル・オ
ーデイオ・デイスクは、通常、不使用時には、そ
の全体が箱型保護ケース内に収容されるようにな
されて、信号読出面の保護がはかられる。

上述の如くのデイジタル・オーデイオ・デイス
クの一種として、好みの音楽の曲を手軽に楽しむ
ことができるものとされるべく、例えば、１もし
くは２曲だけの音楽の曲をあらわす情報信号が記
録されたもの（以下、斯かるデイスクをシング
ル・デイスクという）が考えられている。このシ
ングル・デイスクは、例えば、第５図に示される
如く、中央孔１の周囲に拡がる平面部２の内部に
おいて、その略全体に亙つてではなく、一部分に
のみ信号記録面が形成され、平面部２の対向外表
面の一方におけるこの信号記録面に対応する位置
に信号読出面部３が形成されるものとなされ、信
号読出面部３より内側の最内周面部４及び信号読
出面部３より外側の外周面部５は、信号読出面部
とはされず、例えば、ラベル貼付部とされる。

このようなシングル・デイスクにあつても、信
号読出面部３を損傷から保護することは必要であ
り、そのため、中央孔の周囲に拡がる平面部２の
対向外表面の一方が略全面に亙つて信号読出面と
される通常のデイジタル・オーデイオ・デイスク
と同様に、不使用時には、その全体が箱型保護ケ
ース内に収容されるようになされる。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、上述の如くにシングル・デイス
クを不使用時にその全体が箱型保護ケース内に収
容されるようになすことには、シングル・デイス
クにおける信号読出面部の、その中央孔の周囲に
拡がる平面部の対向外表面全体に対する割合が相
当に小であつてみれば、このような小面積部分を
損傷から保護するためシングル・デイスク全体を
箱型保護ケース内に収容することは、シングル・
デイスクを必要以上に覆うことになつて不合理で
あり、外形寸法が増大せしめられることになる不
利益に見合う利益が得られているとは考え難いと
いう問題がある。さらには、シングル・デイスク
は、廉価で手軽に扱えるものであることをその狙
いとする処のひとつとしているが、斯かるシング
ル・デイスクについても通常のデイジタル・オー
デイオ・デイスクと同様の箱型保護ケースを用い
ることは、廉価で手軽に扱えるという利点を低減
させることになつてしまうという不都合を生じ
る。

斯かる点に鑑み本考案は、上述のシングル・デ
イスクの如くの、中央孔の周囲に拡がる平面部の
対向外表面のうちの一方における一部分にのみ信
号読出面部が形成されたデイスクについて、不使
用時に、その全体を収容する従来の箱型保護ケー
スを用いることにより生じる問題や不都合を来す
ことなく、信号読出面部の保護を確実になすこと
ができるデイスク保護カバーを提供することを目
的とする。

問題点を解決するための手段 上述の目的を達成すべく、本考案に係るデイス
ク保護カバーは、中央孔が設けられるとともに中
央孔の周囲に拡がる面の一部分に信号読出面部が
形成されたデイスクの径より小なる径を有する平
板状部と、この平板状部の中央部分から突出して
デイスクの中央孔に嵌合係止される係止部とを備
えて構成され、係止部がデイスクの中央孔に嵌合
係止された状態において平板状部がデイスクの信
号読出面部を覆うものとなるようにされる。

作 用 このようになされる本考案に係るデイスク保護
カバーは、前述のシングル・デイスクの如くに中
央孔の周囲に拡がる面の一部分にのみ信号読出面
部が形成されたデイスクに、その係止部がデイス
クの中央孔に嵌合されて取り付けられることによ
り、その平板状部がデイスクの信号読出面部を全
面的に覆つて外部に露出しないようにする。

即ち、本考案に係るデイスク保護カバーは、デ
イスクに着脱自在に取り付けられて、デイスクの
信号読出面部に対する損傷からの保護をはかるも
のであり、デイスクを必要以上に覆うことなく、
覆うことが実質的に必要とされる信号読出面部を
確実、かつ、極めて効果的に覆うことができる。

実施例 以下、本考案の実施例について図面を参照して
述べる。

第１図は、本考案に係るデイスク保護カバーの
一例を示す。第１図において、本考案に係るデイ
スク保護カバー１０は円形平板状部１１とこの円
形平板状部１１の中央部分に配された係止部１２
とを備えて構成されており、例えば、合成樹脂材
で形成される。そして、このデイスク保護カバー
１０の例は、第１図において一点鎖線であらわさ
れる、前述された第５図に示される如くの、中央
孔１及びこの中央孔１の周囲に拡がる、信号読出
面部３、最内周面部４及び外周面部５が形成され
た平面部２を有するシングル・デイスク２０の信
号読出面部３を保護するものとされている。

デイスク保護カバー１０の円形平板状部１１
は、シングル・デイスク２０の径より小であり、
かつ、シングル・デイスク２０の信号読出面部３
の外径より大である径を有するものとされてお
り、その一方の面側の外周縁部分及び中央部分に
は環状の堰提状部１３及び１４が夫々設けられて
いる。また、係止部１２は、円形平板状部１１の
中央部分に設けられた環状の堰提状部１４の内側
において環状配列された複数の突出片１２′をも
つて、円形平板状部１１と一体に形成されてお
り、各突出片１２′は外方へ膨らむように多少の
湾曲を有し、また、弾性を有するものとされてい
る。そして、この係止部１２の、各突出片１２′
の自由端側における端部の外径寸法は、シング
ル・デイスク２０の中央孔１の径より若干小とさ
れていて、係止部１２がシングル・デイスク２０
の中央孔１に嵌合され得るようになされている。

上述のように構成されたデイスク保護カバー１
０は、その係止部１２がシングル・デイスク２０
の中央孔１に嵌合されて、第２図に示される如く
に、シングル・デイスク２０に取り付けられる。
このように係止部１２がシングル・デイスク２０
の中央孔１に嵌合されると、係止部１２を構成す
る各突出片１２′が外方へ膨らむように湾曲し、
また、弾性を有しているので、各突出片１２′の
外面とシングル・デイスク２０の中央孔１の壁面
との間の摩擦力により係止部１２はシングル・デ
イスク２０の中央孔１に係止され、それによつ
て、デイスク保護カバー１０のシングル・デイス
ク２０への取り付け状態が維持される。このと
き、デイスク保護カバー１０の円形平板状部１１
に設けられた環状の堰提状部１３及び１４は、
夫々、シングル・デイスク２０の信号読出面部３
の外側に設けられた外周面部５及びシングル・デ
イスク２０の信号読出面部３の内側に設けられた
最内周面部４に当接し、シングル・デイスク２０
の信号読出面部３は、デイスク保護カバー１０の
円形平板状部１１の堰提状部１３と堰提状部１４
との間の部分によつて、非接触状態で覆われる。

このようにして、デイスク保護カバー１０は、
シングル・デイスク２０にその係止部１２がシン
グル・デイスク２０の中央孔１に嵌合係止される
ことにより取り付けられ、シングル・デイスク２
０の信号読出面部３を円形平板状部１１により覆
つて保護するものとされる。

第３図は、本考案に係るデイスク保護カバーの
他の例を示し、この例においては、その中央部分
に係止部１２が配された円形平板状部１１Ａが、
第１図及び第２図に示される環状の堰提状部１３
及び１４の如くの堰提状部を有さないものとさ
れ、かつ、この円形平板状部１１Ａ上に、フエル
ト材あるいはゴム材等の比較的柔らかい可撓性材
料で形成された環状円板１５が配されたものとさ
れている。そして、この例の場合、例えば、シン
グル・デイスク２０にその係止部１２がシング
ル・デイスク２０の中央孔１に嵌合係止されるこ
とにより取り付けられるときには、シングル・デ
イスク２０の信号読出面部３を、円形平板状部１
１Ａにより、その上に配された環状円板１５をシ
ングル・デイスク２０の平面部２に接触せしめた
状態で覆つて保護する。

第４図は、本考案に係るデイスク保護カバーの
さらに他の例を示し、この例は、第３図に示され
る例における環状円板１５が、外周縁部分に設け
られた環状の堰提状部１６と係止部１２を包囲す
る環状の堰提状部１７とを有する環状円板１５Ａ
とされたものに相当する。この例の場合には、例
えば、シングル・デイスク２０にその係止部１２
がシングル・デイスク２０の中央孔１に嵌合係止
されることにより取り付けられるとき、環状円板
１５Ａに設けられた環状の堰提状部１６及び１７
が、夫々、シングル・デイスク２０の信号読出面
部３の外側に設けられた外周面部５及びシング
ル・デイスク２０の信号読出面部３の内側に設け
られた最内周面部４に当接せしめられ、シング
ル・デイスク２０の信号読出面部３を、環状円板
１５Ａの堰提状部１６と堰提状部１７との間の部
分により、非接触状態で覆つて保護する。

これら第３図及び第４図に示される例の場合に
は、シングル・デイスク２０の如くのデイスクに
取り付けられた状態において、デイスクの平面部
に接触する部分が比較的柔らかい可撓性材料で形
成された部分となるので、デイスクに対する押圧
力が一時的に不所望に大とされるようなときに
も、デイスクの平面部を傷付ける虞れがない。

考案の効果 以上の説明から明らかな如く、本考案に係るデ
イスク保護カバーによれば、シングル・デイスク
の如くの、中央孔の周囲に拡がる平面部の対向外
表面のうちの一方における一部分にのみ信号読出
面部が形成されたデイスクについて、不使用時
に、その全体を収容する従来の箱型保護ケースを
用いる場合のように全体に対する必要以上の覆い
を施すことなく、保護が必要とされるその信号読
出面部を確実、かつ、極めて効果的に覆つて保護
することがができる。

そして、本考案に係るデイスク保護カバーは、
デイスクに着脱自在に取り付けられるものであつ
て、信号読出面部の保護がなされた状態でのデイ
スクに関する外径寸法をデイスクの径を越えて増
大せしめることがなく、また、極めて取り扱い易
い。さらに、本考案に係るデイスク保護カバー
は、従来の箱型保護ケースに比して極め安価に得
ることができ、シングル・デイスクに用いられる
場合には、シングル・デイスクの廉価で手軽に扱
えるという利点を充分に生かすことができるもの
となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るデイスク保護カバーの一
例を示す斜視図、第２図は第１図に示される例が
デイスクに取り付けられた状態を示す断面図、第
３図及び第４図は夫々本考案に係るデイスク保護
カバーの他の例を示す断面図、第５図はシング
ル・デイスクを示す斜視図である。 図中、１はシングル・デイスクの中央孔、２は
シングル・デイスクの平面部、３はシングル・デ
イスクの信号読出面部、１０はデイスク保護カバ
ー、１１及び１１Ａは円形平板状部、１２は係止
部、１５及び１５Ａは環状円板である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 中央孔が設けられるとともに該中央孔の周囲に
   拡がる面の一部分に信号読出面部が形成されたデ
   イスクの径より小なる径を有する平板状部と、該
   平板状部の中央部分から突出して上記デイスクの
   中央孔に嵌合係止される係止部とを備え、上記係
   止部が上記デイスクの中央孔に嵌合係止された状
   態において上記平板状部が上記デイスクの信号読
   出面部を覆うようにされたデイスク保護カバー。