JPH0391701A - 反射防止膜及びその形成方法 - Google Patents

反射防止膜及びその形成方法

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JPH0391701A
JPH0391701A JP1228362A JP22836289A JPH0391701A JP H0391701 A JPH0391701 A JP H0391701A JP 1228362 A JP1228362 A JP 1228362A JP 22836289 A JP22836289 A JP 22836289A JP H0391701 A JPH0391701 A JP H0391701A
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政博 田中
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邦彦 渡辺
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、デイスプレィ管、ブラウン管等の表示装置や
光学機器に広く用いられる反射防止効果の得られる薄膜
多層構造の反射防止膜及びその形成方法とそれを備えた
光学電子装置に関する。
[従来の技術] 近年、スチールカメラやビデオカメラ等に使用される撮
影用レンズ、あるいは光学測定機器に組込まれるレンズ
や偏光素子などの表面に、単層から例えば3〜10層の
多層膜構造の反射防止膜を形成して、特定の単一波長領
域あるいは可視光から近赤外光の波長領域(約400〜
800nm)において反射防止の効果をもたせたものが
多い。この時、多層膜構造における光の反射防止に対す
る理論とその形成方法に関しては多くの方法が提案され
ている。例えば、特開昭53−59442号、特開昭5
6−94301号、あるいは特開昭62−36604号
などに記載されている如く、真空蒸着法やスパッタ蒸着
法を用いて、金属酸化物やフッ化物などを加工したガラ
ス製レンズなどの表面に形成する方法が一般に用いられ
ている。
しかしながら、オフィスオートメーションの発達に伴い
、この分野に従事する作業者の案全衛生上、特にその必
要性が要求されているデイスプレィ管やブラウン管等の
表示装置、あるいは各種光学機器の表面に、外部光に対
する有効な反射防止効果を示す薄膜を形成することは、
上記した従来技術では下記のような理由から不可能であ
った。
すなわち、上記の従来技術は、 (1)耐摩耗性あるいは耐薬品性等の優れた特性を有す
る微密な薄膜を形成するためには、被処理物の加熱処理
(約300〜400℃)が不可欠である。
(2)高温加熱処理のため、薄膜形成に多くの時間を必
要とし、生産性・経済性に劣る、(3)蒸着法による薄
膜形成であるため、被処理物の広い面積にわたって、均
一な薄膜形成が困難である、などの問題点を有し、デイ
スプレィ管やブラウン管などの内面に、加熱処理によっ
て不都合を被むる蛍光物質や機能素子等を有する電子装
置製品の表面に直接反射防止薄膜を形成する場合には適
さない。
一方、上記した従来技術の問題点を解決すべく、液状物
質を塗布し、硬化させることによって、目的の反射防止
効果を示す膜を得る方法が提案されている。例えば、特
開昭59−49501号あるいは特開昭62−6100
1号に記載される如く、チタンアルコラード化合物とコ
ロイダルシリカから成る組成物を高屈折率薄膜材料とし
て用い、また、シランカップリング剤とエポキシ系化合
物及びコロイダルシリカから成る組成物を低屈折率薄膜
材料として用い1反射防止の効果を示す薄膜を被処理物
表面に形成するものである。しかしながら、上記した塗
布法による反射防止膜は比較的広い面積にわたって形成
することができる反面、以下に記すような欠点を有する
。すなわち、 (1)形成した薄膜と被処理物との間の密着性を高める
ため、強酸性水溶液による被処理物の表面処理→水洗処
理→乾燥処理といった多くの工程を必要とする、 (2)塗布後、長時間の高温加熱(例えば1〜2時間、
約200℃)による塗布被膜の硬化工程を、各組成物の
塗布工程毎に行う必要がある。
従って、社会的に外部光反射による視力障害に対する対
策の必要性が望まれているデイスプレィ管やブラウン菅
笠表示装置の表面に有効な反射防止の効果を発揮する薄
膜を形成する手段として不適当と云わざるを得ない。
[発明が解決しようとする課題] したがって、本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点を解決することにあり、その第1の目的は社会的ニー
ズの重要性に鑑み、デイスプレィ管やブラウン管等の表
示装置の表面に、可視光から近赤外光の波長領域(約4
50〜800nm)において、外部光に対する有効な反
射防止の効果を発揮し、かつ生産性の優れた簡便な構造
を有する改良された反射防止膜を、第2の目的はその形
成方法を、そして第3の目的はそれを備えた光学電子装
置を、それぞれ提供することにある。
[課題を解決するための手段] 上記第1の目的は、 (1)、光学基板上に、異なる屈折率を有する多層構造
の金属化合物薄膜が形成され、前記薄膜がマイクロ波プ
ラズマC’VD法により形成されて成る反射防止膜によ
り、達成される。そして、前記薄膜の実用的な積層数は
3〜10層が、また各薄膜の厚さとしては数100A〜
数100OAが好ましい。
上記金属化合物薄膜の組成としては、シリコンを主成分
とし、副成分として窒素及び酸素の少なくとも1種の元
素と水素とを含有して成るものが好ましい、しかし、シ
リコンの一部もしくは全部を例えばタングステン、モリ
ブデン、タンタルの如き他の金属元素で置換することも
可能である。
また、上記シリコンを主成分とする金属化合物薄膜の場
合には、緻密な薄膜を実現する上からSi−H結合を有
していることが望ましい。
そして、さらに望ましくは上記金属化合物薄膜の少なく
とも1層が、シリコン、窒素、酸素及び水素の4成分で
構成されて成ることである。
特に望ましい上記金属化合物薄膜の多層構造としては、
水素含有の酸化窒化シリコン膜から成る第1層と、水素
含有の窒化シリコン膜から成る第2層と、水素含有の酸
化シリコン膜から成る第3層との少なくとも3層構造を
有して成ることである。
また、上記第2の目的は。
(2)、マイクロ波プラズマCVD装置のプラズマ発生
室に接続された成膜室内に被処理物である光学基板を保
持し、これら室内を所定真空度に排気した後、前記プラ
ズマ発生室内に金属化合物薄膜形成用ガスを導入し、マ
イクロ波導入と共に磁場印加手段により磁場を発生せし
めて前記導入ガスをプラズマ化し、前記マイクロ波と磁
場との相互作用により電子サイクロトロン共鳴を行わせ
前記磁場印加手段により形成される発散磁界によって高
電子濃度を有するプラズマ中の電子を前記被処理物に向
かって加速せしめて前記光学基板上に異なる屈折率を有
する多層構造の金属化合物薄膜を形成して成る反射防止
膜の形成方法により、達成される。
そして、好ましくは上記金属化合物薄膜形成用ガスとし
て、窒素ガス及び酸素ガスの少なくとも1種とシランと
を導入し、前記窒素ガスと酸素ガスとの流量比を制御し
て、前記金属化合物薄膜の組成を変化せしめることによ
り屈折率の異なる多層膜を順次積層形成して成る反射防
止膜の形成方法により、達成される。
また、本発明においては上述のとおり、シリコンの一部
もしくは全部を例えばタングステン、モリブデン、タン
タルの如き他の金属元素で置換することも可能である。
この場合には原料ガスとして、例えばこの種の金属元素
の水素化物、アルキル化合物やアルコキシ化合物の如き
有機金属化合物、その他ハロゲン化物等、容易にガス化
し得るものが使用される。
また、上記第3の目的は、 (3)、デイスプレィ管やブラウン管あるいは液晶等の
表示装置の光学基板表面に上記(1)記載の反射防止膜
を形成して成る光学電子装置により、達成される。
[作用] 本発明は、窒素および酸素の少なくとも1種と水素とと
もに加えられたシリコンとを含む混合ガスを0.1〜1
0mTorrの高真空中で高密度プラズマ化せしめ、窒
素および酸素の少なくとも1種と水素とが添加されたシ
リコンを主成分とする物質から構成される薄膜の形成を
行うものである。なお、本発明においては前述の通り、
シリコンの一部もしくは全部を他の金属元素で置換する
ことも可能であるが、ここではシリコンを例に説明する
これらの被形成用物質を混成共鳴空間またはそれより離
れた活性状態を保持した空間内に配置して、反応生成物
を被処理物の表面に被着させる。
この目的のため、本発明においては、電子サイクロトロ
ン共鳴現象を利用したマイクロ波プラズマCVD法が用
いられる。この方法はマイクロ波の波長(例えば2.4
5GH,)が特定の磁界強度(例えば875Gauss
)を有する空間に照射されると、その相互作用により非
常に強い電離作用を受けて窒素及び酸素の少なくとも1
種と、水素ともに加えられたシリコン化合物との混合プ
ラズマガスを効率良く生成することができる。上記した
プラズマガスは、従来の平行平板電極を有する高周波プ
ラズマCVD法を用いても生成可能である。しかし、こ
の従来方法に比較して、マイクロ波の共鳴現象を用いれ
ば、1000倍以上の高密度プラズマを生成することが
できる。また、共鳴空間内に形成したプラズマは発散磁
界により、容易に被処理物表面に輸送することができ、
窒化シリコンまたは酸化シリコンまたはそれらの混合物
から構成される薄膜を形成することができる。
ところで、上記した本発明によれば、高密度のプラズマ
を有する電子サイクロトロン共鳴を利用するので、被処
理物を特別に高温加熱しなくても光学的もしくは電気的
に優れた特性を有する窒化シリコンまたは酸化シリコン
またはそれらの混合物から構成される薄膜を形成するこ
とが可能である。なぜならば、低温条件下で被着した上
記の薄膜は、その形成時に薄膜中のSi−H結合を切断
する恐れが殆んどないので、十分に高いSi−H系結合
密度、即ち緻密性を維持させることができる。また、薄
膜中のSi−H結合は、シリコンを含むガス、例えばシ
ランガスの分解によって生成した水素イオンが再び結合
にあづかり、これら1よ反射赤外分析法を用いて分析す
れば容易に検出することができる。
また、窒素及び酸素の少なくとも1種と水素とを含むシ
リコンの多層薄膜において、その内の少なくとも一層を
上記窒素及び酸素の両者と水素とを含むシリコンからな
る物質で構成することにより、極めて優れた反射防止の
効果を示しかつ簡便な構造なる反射防止膜を提供するこ
とが可能になり、これによって生産性を著しく向上させ
ることができる。
また、本発明による薄膜からなる反射防止膜を表示装置
もしくは光学装置の面板上(表面)に形成することによ
って、外部光による反射を低減することができる。これ
により、反射光による視力障害の軽減もしくは装置の機
能向上を図ることができる。
[実施例] 以下、図面により本発明の一実施例を示し、発明の内容
を更に具体的に説明する。
実施例1゜ 第1図は、本発明の反射防止膜を形成するために使用す
る磁場印加可能なマイクロ波プラズマCVD装置の模式
断面図を示す。同図において、この装置は、高真空状態
に保持可能なプラズマ発生室1と、このプラズマ発生室
1に磁場を印加する磁場印加手段2と、前記プラズマ発
生室1に2.45GHzのマイクロ波を導入させるマイ
クロ波導入手段3と、前記プラズマ発生室1に、例えば
窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも1種と、水素を含
む金属化合物としての例えばシランガスとを導入するた
めのガス導入手段4と、前記プラズマ発生室1に連続し
て設けた成膜室5の内部に配置した被処理物6を支持す
るホルダ7とから構成されている。なお、この図では、
プラズマ発生室lと、それに連続して設けた成膜室5と
を所定の真空度に排気する排気系が省略されている。
いま、例えば窒素ガスおよび酸素ガスの少なくとも1種
と、水素を含む金属化合物としての例えばシランガスと
の混合ガスをガス導入手段4からプラズマ発生室1に導
入し、更にマイクロ波導入手段3からマイクロ波を導入
するとともに、磁場印加手段2によって磁場を発生させ
て、前記混合ガスのプラズマを発生させる。この時、マ
イクロ波と磁場との相互作用により、電子サイクロトロ
ン共鳴を行わせ、プラズマ発生室1に極めて高密度のプ
ラズマを発生させることができる。発明者等の測定によ
れば、従来の平行平板型高周波プラズマCVD装置によ
る(略してRF−CVD)の1000倍以上、1012
an−’程度の電子濃度を有するプラズマを発生できる
プラズマ中の電子は、磁場印加手段2によって形成され
る発WI磁界によって。
成膜室5の内部に設けた被処理物6に向って加速される
。プラズマ発生室lと被処理6を支持するホルダ7とは
電気的に!1!縁されており、プラズマの中性条件を満
たすようにイオンも加速され、平衡状態となる。前記被
処理物6の面上における発散磁界の磁界強度は前記磁場
印加手段2を調整することにより、広範囲にわたって均
一にすることが可能であり、大口径を有する被処理物6
の表面に、酸化シリコンまたは窒化シリコンまたはそれ
らの混合物からなる薄膜を均一な厚さで、しかも緻密な
膜質で形成することができる。上記したマイクロ波CV
D法を用いて反射防止膜を形成する場合、多層を構成す
る薄膜の各層の屈折率は互いに異なることが必要である
第2@に、本発明の一実施例である3層薄膜で構成した
反射防止膜の断面図を示す。なお、この例では、原料ガ
スとして窒素ガス及び酸素ガスの少なくとも1種とシラ
ンとを用いた場合について示す。
同図において、被処理物6に例えば屈折率n。
= 1.52の透明ガラス8を用い、ホルダ7に設置さ
れる。
先ず、ガス導入手段3から窒素、酸素及び水素稀釈した
シランガスを導入し、窒素及び酸素プラズマ中でシラン
を分解し、透明ガラス上に第1Mとして、屈折率n、=
1.75、膜厚=720人の酸化窒化シリコン膜9を形
成する。
次いで、ガス導入手段3の酸素の供給を止め、窒素プラ
ズマ中でシランを分解し、第2層として、屈折率n、=
2.10、膜厚= 108OA (71窒化シリコン膜
10を形成する。
次に窒素の供給を止め、再び酸素を供給し酸素プラズマ
中でシランを分解し、第3層として、屈折率n、=1.
46、膜厚2900人の酸化シリコン膜11をJqt次
積層積層、この時、電子サイクロトロン共鳴作用により
活性度が非常に高くなったプラズマを、発散磁界を活用
して適度に調整されたエネルギーで取りだして被処理物
6の表面に衝突させているので、プラズマの高活性と、
イオンや電子の被処理物への限定された強さの衝突とに
よる複合効果によって効率良く薄膜形成などの表面処理
反応が生じる。この反応は外部から加熱しなくとも起き
るから、常温での処理が可能で、例えば、酸化シリコン
膜の場合、従来良く知られた熱酸化法(形成温度、約9
00℃)を用い形威された酸化シリコン膜と同等のエツ
チング速度(または屈折率)を有し、極めて緻密性に優
れた構造を有している。これは成膜時に良く生成される
シリコンのダングリングボンド(結合子をもたず、膜特
性に悪影響を及ぼす)が高活性の水素イオンと結合して
Si−H結合を形威し、しかも低温形成時にはこの結合
を切断する恐れが殆どないので、十分に高いSi−H系
結合密度、即ち緻密な原子構造を維持することができる
ことに他ならない。かくして、被処理物を高温に加熱し
なくてもシリコン窒化物またはシリコン酸化物またはそ
れらの混合物等より成る薄膜構造を形成することにより
、耐摩耗性あるいは耐薬品性などにすぐれた多層よりな
る反射防止膜を実現することができる。
なお、マイクロ波プラズマCVD処理中に、被処理物が
プラズマに晒されても、被処理物の温度は高々40〜5
0℃程度である。したがって、被処理物は勿論のこと例
え被処理物の裏面に電子材料や電子装置が実装されてい
ても、これらを熱的に損傷することはない。それ故、光
学基板としての被処理物は、無機ガラスはもとよりプラ
スチックスからなる有機ガラスも十分に使用可能である
ところで、第1層として形成した中間屈折率を有する酸
化窒化シリコン膜9の屈折率は、酸素、窒素、水素で稀
釈したシランの流量比を調整することにより、容易に得
られる。
第3図は、酸素、窒素、水素稀釈シランの流量比に対す
る酸化窒化シリコン膜9の屈折率n工の変化を表わした
実験結果の特性図を示したものである。
つまり、(酸素02+窒素N x )の総量に対する水
素稀釈シラン分圧比を0.25とした時、窒素流量比を
零から順次増加させるに従って酸化窒素シリコン膜9の
屈折率は、酸化シリコン膜11の屈折率n、 = 1.
45から窒化シリコン膜10の屈折率n2=2、lOま
で連続的に変化させることができる。従って、原料ガス
にシラン等シリコンを含むガスを用いた場合、酸素また
は窒素の流量比を変えるだけで容易に異なる屈折率を有
する薄膜を形成することが可能であるため、簡便な構造
で反射防止膜を実現することができ、生産性に優れてい
ることこのうえない。
第4図は分光反射率特性を示す実験結果の一実施例であ
って、酸素、窒素、シランの各流量を1:2:1に設定
し、酸化窒化シリコン膜9の屈折率n 1:1.75を
用いた場合である。同図において、曲線aは透明ガラス
(n 0= 1.52)の分光特性、曲gbは本実流゛
例のものである。この結果、本実施例の反射防止膜はお
よそ450〜800nmの可視光から近赤外光領域トこ
おいて、良好な反射防止効果を有することが明らかであ
る。
上記の実施例では異なる屈折率を有する3層薄膜構造の
場合について説明したが、3層以上の多層構造体の場合
でも同様である。
また、原料ガスにシランを用いたが、異なる屈折率を有
する酸化物または窒化物あるいはこれらの混合物が形成
できれば、他の金属、例えばW、Mo、Ta等の容易に
ガス化し得る金属化合物を用いても同様の結果が得られ
る。
実施例2゜ 第5図は、他の実施例を説明する表示装置の断面図であ
って、反射防止膜15をデイスプレィ管やブラウン管な
どの表示装置表面に形成したものである。表示装置12
は完成した製品であって、表示装置12の面板内部には
蛍光材13、電子銃14等が内蔵されている。また、前
記表示装置12の外表面に、上記で述べたマイクロ波プ
ラズマCVD法を用いて異なる屈折率を有する多層の薄
膜で構成した反射防止膜15を常温にて直接段けである
この反射防止効果5が形成されていない比較例の場合、
表示装置12表面における外部光による反射は約10%
(第4図曲線a参照)存在し、従って表示装置12の機
能を発揮させるためには画面輝度を必要以上に高めなけ
ればならない。このことは表示装置12を長時間操作す
るオペレータに視力障害等重大な影響をもたらす。しか
し、第5図に示す如く、表示装置12の表面に反射防止
膜15を設けることにより、外部光に対する反射を著し
く低減(第4図曲線す参照)させることが可能となり、
画面のコントラスト向上、更には視力障害の発生抑制に
役立つことは明白である。
実施例3゜ 第6図に他の実施例として、光電子増倍管の断面図を示
す。図において、光電子増倍管16の内部には温度に極
めて敏感なGaAsセンサ17や半導体増幅回路18等
が組込まれている。そして、光電子増倍管16の表面に
は、前記実施例1と同様にしてマイクロ波プラズマCV
D法を用いて常温で形成した反射防止膜15が被着され
ている。反射防止膜15により、光電子増倍管16の表
面に到達した被測定光(フォトン)は前記光電子増倍管
16の表面で反射することなく、はぼ100%のフォト
ンが増倍管の内部に到達し、前記GaAsセンサ17に
捕らえられる。
これにより、被測定光の強度(フォトンの数)を正確に
測定することが可能となる。なお、第6図には光電子増
倍管の例を示したが、プラスチック封止されたホトセン
サやレンズ等の光学機器においても同様の効果を得るこ
とができる。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、異なる屈折率を有
する多層薄膜で構成された反射防止膜をマイクロ波プラ
ズマCVD法を用いて形成するにあたり、透明ガラスな
どの光学基板被処理物と異なる屈折率を有する高屈折率
薄膜、中屈折率薄膜、低屈折率薄膜を構成する物質とし
て、例えば酸化シリコンまたは窒化シリコンもしくはそ
れらの混合物を成分とすることにより、可視光から近赤
外光の波長領域に対して極めて良好な反射防止の効果を
示す反射防止膜を実現することができる。そして、反射
防止膜を′!11或する上記した薄膜は電子サイクロト
ロン共鳴作用により、高活性のプラズマを用いて形成さ
れるので、形成時の被処理物を特別に高温加熱処理を施
さなくても、薄膜中に十分に高いSi−H結合密度を維
持させることができる。即ち、従来技術の真空密着法や
スパッタ蒸着法では不可能であった低温薄膜形成におい
ても緻密性に富み、かつ耐摩耗性や耐薬品性などに優れ
た薄膜を形成することができる。
また、高活性のプラズマを酸素、窒素、シラン等の原料
ガスを用いて発生させれば、異なる屈折率を有する薄膜
を少ない原料ガス種で形成可能となり、特に中間屈折率
を有する薄膜の屈折率は原料ガスの分圧比を最適化する
ことで、反射防止膜として有効な屈折率を示す薄膜を形
成することができる。しかるに、生産性に優れた、簡便
な構造の反射防止膜を容易に実現することができる。
かくして、上記した反射防止膜を完成品であるデイスプ
レィ管やブラウン管等の表示装置表面に低温で形成すれ
ば、表示装置の本来の機能を何ら損なわずに、外部光に
対する表示装置表面での反射を低減することができる。
また、光電子倍増管などの光学機器表面に上記反射防止
膜を形成すれば、被測定光、即ち、フォトンをほぼ10
0%検知することができ、高精度光検出、あるいは、微
弱光検出といった新しい機能を付加することが可能とな
り、電子工学・物性工学等の研究分野において、大きな
利点を生み出す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の反射防止膜を形成するマイクロ波プラ
ズマCVD装置の断面図、第2図は本発明の一実施例を
示す反射防止膜の断面構造図、第3図は反射防止膜を構
成する薄膜の形成条件である酸素、窒素、シランの流量
比と形成した薄膜の屈折率との関係を説明する特性図、
第4図は本発明の一実施例である3層構造の反射防止膜
における分光反射率特性を示す特性曲線図、第5図は反
射防止膜を表示装置表面に設けた本発明の異なる実施例
を示す断面図、そして、第6図は反射防止膜を光学機器
の表面に形成した本発明のさらに異なる実施例を示す断
面図である。 符号の説明

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1、光学基板上に、異なる屈折率を有する多層構造の金
    属化合物薄膜が形成され、前記薄膜がマイクロ波プラズ
    マCVD法により形成されて成る反射防止膜。 2、上記金属化合物薄膜が、シリコンを主成分とし、副
    成分として窒素及び酸素の少なくとも1種の元素と水素
    とを含有して成る請求項1記載の反射防止膜。 3、上記シリコンを主成分とする金属化合物薄膜が、S
    i−H結合を有して成る請求項2記載の反射防止膜。 4、上記金属化合物薄膜の少なくとも1層が、シリコン
    、窒素、酸素及び水素の4成分から成る請求項2もしく
    は3記載の反射防止膜。 5、上記金属化合物薄膜が、水素含有の酸化窒化シリコ
    ン膜から成る第1層と、水素含有の窒化シリコン膜から
    成る第2層と、水素含有の酸化シリコン膜から成る第3
    層との少なくとも3層構造を有して成る請求項2もしく
    は3記載の反射防止膜。 6、マイクロ波プラズマCVD装置のプラズマ発生室に
    接続された成膜室内に被処理物である光学基板を保持し
    、これら室内を所定真空度に排気した後、前記プラズマ
    発生室内に金属化合物薄膜形成用ガスを導入し、マイク
    ロ波導入と共に磁場印加手段により磁場を発生せしめて
    前記導入ガスをプラズマ化し、前記マイクロ波と磁場と
    の相互作用により電子サイクロトロン共鳴を行わせ、前
    記磁場印加手段により形成される発散磁界によって高電
    子濃度を有するプラズマ中の電子を前記被処理物に向か
    って加速せしめて前記光学基板上に異なる屈折率を有す
    る多層構造の金属化合物薄膜を形成して成る反射防止膜
    の形成方法。 7、上記金属化合物薄膜形成用ガスとして、窒素ガス及
    び酸素ガスの少なくとも1種とシランとを導入し、前記
    窒素ガスと酸素ガスとの流量比を制御して、前記金属化
    合物薄膜の組成を変化せしめることにより屈折率の異な
    る多層膜を順次積層形成して成る請求項6記載の反射防
    止膜の形成方法。 8、光学基板表面に請求項1、2、3、4もしくは5記
    載の反射防止膜を形成して成る光学電子装置。
JP1228362A 1989-09-05 1989-09-05 反射防止膜及びその形成方法 Expired - Lifetime JP2723304B2 (ja)

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