JPH0388730A

JPH0388730A - ガラスのプレス成形型

Info

Publication number: JPH0388730A
Application number: JP22305589A
Authority: JP
Inventors: Masaru Segawa; 優瀬川; Kenichi Hashizume; 健一橋爪; Takeshi Sugio; 杉生　健; Keisuke Abe; 啓介阿部
Original assignee: Asahi Glass Co Ltd
Current assignee: AGC Inc
Priority date: 1989-08-31
Filing date: 1989-08-31
Publication date: 1991-04-15

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明は、光学ガラスレンズ等のガラスのプレス成形後
、研磨工程を必要としないガラス成形型に関するも、の
である。

［従来の技術１従来、ガラスをプレス成形後、研削、研磨により所望の
面品質および面精度に仕上げるなど、加工性や量産性に
難点があり、研削、研磨を不要とする直接プレス成形法
が有望視されている。直接プレス成形法のガラス成形型
に要求される条件は、成形型面がガラス面に直接転写さ
れることから、型面が鏡面に加工可能なこと、プレス成
形温度下でも型の表面形態や性状が変わらないこと、被
成形ガラスとの接触の際、融着しないこと、プレス成形
時の機械的衝撃に耐えることなどがあげられる。

直接プレス成形法のガラス成形型として、特開昭４７−
１１２７７号には、ガラス状カーボンを用いることが開
示されているが、ガラス状カーボンは酸化しやすく、軟
らかいため傷も生じ易いなどの欠点を持っている。また
、特開昭６０−１７６９２８号には、β−ＳｉＣ膜を被
覆したガラス成形型では、β−５ＥＣがナトリウムやバ
リウムを多量に含むガラスと反応しやすいため、被成形
ガラスの変色や型との融着を起こしやすいことを開示し
ている。

一方、特開昭６３−４５１３５号には（１，１１）面配
向性を有するβ−ＳｉＣ膜が被覆された成形型が開示さ
れているが、型の研削、研磨時に引っかき傷を生じ難い
旨が開示されている。しかし、この開示された（１１１
１面妃向性を有するβ−ＳｉＣ膜を被覆した成形型は、
硼珪酸光学ガラスＢＫ−７を２００回プレス成形した後
の成形型の表面状態の点からみれば必ずしも十分とは言
えなかった。この理由は定かではないが、本発明者らが
実験を重ね検討を行なった結果、前述のβ−ＳｉＣ膜は
（１，１１１面配向率が十分でないからと考えられるに
至った。

［発明の解決しようとする問題点］本発明は、上記従来法の欠点を解決し、直接プレス成形
用のガラス成形型を提供するものである。すなわち、従
来の方法で得られたガラス成形型は酸化したり、傷もつ
きやすく、被成形ガラスの変色や型との融着を起こしや
すいなど、型材の被成形ガラスへの転写性や離型性、さ
らには耐久性の点で問題があり、高精度なガラスを繰返
し成形できないという欠点を解消しようとするものであ
る。

［問題点を解決するための手段］本発明は、前述の問題点を解決すべくなされたものであ
り、被成形ガラスをプレス成形する、超硬合金あるいは
セラミックスの成形型において、該成形型のガラス成形
面には均一な厚さのベータ炭化珪素（β−ＳｉＣ）膜が
被覆されてなり、このβ−ＳｉＣ膜の（１１１）面配向
率は８０〜１００％であることを特徴とするガラス成形
型に関するものである。

また、成形型のガラス成形面に被覆された膜中の成分は
、β−８ｊＣと黒鉛から成り、この膜は（１１１）面配
向性をもつβ−ＳｉＣを９９．５〜９０ｗｔ％、黒鉛を
０．５〜１０ｗｔ％含有してなることを特徴とするガラ
ス成形型に関するものである。

黒鉛を含まない膜では、β−８５Ｃの（１１１１面配向
率は少なくとも８０％は必要であるが、これはそれ以下
ではガラスの離型性、転写性の点で十分でないからであ
る。また、一部に黒鉛を含んだ場合は、β−ＳｉＣ（１
１１）面配向率は少なくとも５０％、即ち５０％〜１０
０％であることが特に好ましいが、これは、それ以下で
は２００回プレス成形後の型表面状態の劣化を導くから
である。さラニ、黒鉛は０．５〜１０ｗｔ％含有するこ
とが特に好ましいが、これは、黒鉛力（１０ｗｔ％より
多く存在すると被覆した膜の耐酸化性や強度の点で十分
でなく、また、　０．５ｗｔ％未満ではガラスの離型性
や転写性の点で十分とは言えない。黒鉛については望ま
しくは１〜５ｗｔ％である。

本発明のガラス成形型のガラス成形面に被覆されたβ−
ＳｉＣと黒鉛とからなる膜の組織は、黒鉛の微粒結晶が
β−ＳｉＣ中に均一に分散している極めて緻密なもので
ある。具体的に、β−ＳｉＣの粒径は５μｍ以下であり
、黒鉛の粒径はｉμｍ以下で存在しており、このような
緻密な組織により高精度なガラス成形と耐久性が得られ
る。

ガラス成形型の歯は財は、超硬合金あるいはセラミック
からなるものが使用される。例えば、ＳｉＣ焼結体やＷ
Ｃ−Ｃｏの超硬合金などは好ましい材料である。ＳｉＣ
焼結体の場合、その結晶構造はα型でもβ型でもよいが
、その焼結体の理論密度比は少なくとも９５％以上、望
ましくは９７％以上であるのが特に好ましい。

本発明において、成形型に（１１１１面配同性を主体と
したβ−３ＬＣ膜を形成する方法としては、ＣＶＤ法、
スパッター法、その他各種の被膜形成法が利用できる。

ＣＶＤ法によりβ−ＳｉＣ膜又はカーボンを含むβ−３
ｉ　Ｃ１１１を形成する場合には、原料ガスとして、Ｓ
ｉ源はＳｉＣ１４，ＳｉＨ＋、　５ｉＪｓ。

ＳｉＨ，Ｃ１，、５ｉＨｓＣ１等の珪素化合物が、また
、Ｃ源はＣＨ−、ＣＪｓ、　Ｃ５Ｈａ　、ベンゼン等の
炭化水素やＣＣ１，が用いられる。望ましくは、Ｓｉ源
としてＳｔ、Ｃ１４，Ｃ源としテｃＨ，やＣ５Ｈａを用
い、１２５０”ｃから１５５０℃で反応させることで、
また、ＳｉとＣを持つ有機金属化合物、例えば、ＣＨＨ
ＳｉＣ１ｓを８００℃から１１００℃で熱分解させるこ
とで容易に（１１１）面配向性を主体としたβ−ＳｉＣ
膜が得られる。

［作　用］本発明において、β−ＳｉＣ膜の（１１１）面配向率が
８０〜１００％であり、また、一部に黒鉛を含んだ場合
の膜組成はβ−ＳｉＣを９９．５〜９０ｗｔ％、黒鉛を
０．５〜１０ｗｔ％含み、さらにβ−ＳｉＣの（１１１
）面配向率が５０％以上である膜を超硬合金あるいはセ
ラミックスの成形型のガラス成形面に被覆することによ
り、被成形ガラスと融着しにくく、成形型面がガラス面
に直接転写されるガラスの成形型を得ることができる。

これにより、被成形ガラスの研削、研磨を必要としない
と高精度のガラス成形と耐久性が得られる。

［実施例］本発明の実施例を以下に詳細に説明する。

ガラス成形型の母材として平均粒径３μｍから成り、理
論密度比で少なくとも９５％以上のα型とβ型の結晶構
造を持つＳｉＣ焼結体およびＷＣ−Ｇｏの超硬合金を用
い、第１図に示したような上型が平板で、下型が直径４
０ｍｍの半凸型球面レンズ形状のガラス成形型を用意し
た。このガラス成形型のガラス成形面の加工の表面の最
大粗さは少、なくとも０．５μｍの精度とした。この加
工したＳｉＣ焼結体をＣＶＤ装置にセットし、ＳｉＣ１
４，ＣＨ４及び旧をそれぞれ１００．２００及び４００
ｍ１／ｌｌｌ１ｎで炉に導入し、型材温度１３５０℃、
炉内圧力２００Ｔｏｒｒ、反応時間６０分の条件で気相
反応させ、焼結体上に（１１１）面配向性を主体とした
β−ＳｉＣ膜を１００μ閣被覆した。

この被覆したガラス成形型を超微細なダイヤモンド砥粒
を用いて、最大粗さが０．０２μｍの精度に鏡面研磨加
工し、この被覆されたβ−ＳｉＣ膜の（１１１）面配向
率をＸ　１１回折で調べたところ、９０％であった。又
この膜中の黒鉛の含有量を化学分析したところ黒鉛が０
．８ｗｔ％含有していることが分った。

この鏡面研磨加工した成形型を図１に示したように、セ
ットし、硼珪酸光学ガラスＢＫ−７の塊状物を下型に供
給後、Ｎｚ、　Ａｒ等の不活性ガス雰囲気下で、型温度
７３０℃、プレス圧力４０ｋｇ／ｃｍ”で６０秒プレス
成形を行い、徐冷後成形物を取出した。成形されたレン
ズは、型の表面粗さが良好に転写されており、型の面粗
さも全く変化が見られなかった。

上記の硼珪酸光学ガラスＢＫ−７に対する結果を第１表
に、また、ガラスの種類をソーダーライムガラスに変え
、同様のプレス実験を行った結果を第２表に示す。比較
のため、型表面の最大粗さをそれぞれ同程度に揃えた。

ガラス成形型の母材としてＳｉＣ焼結体とＷＣ−Ｃｏの
超硬合金を用いたものについて、それぞれ同様のプレス
成形実験を行った。

第１表硼珪酸光学ガラスＢＫ−７のプレス成形性β−ＳｉＣ α−ＳｉＣ β−ＳｉＣ〃〃良好極めて良好〃〃〃良好〃ガラスと融着若干粗れガラスと融着第２表ソーダライムガラスのプレス成形性成形型の母材 β−ＳｉＣ β−ＳｉＣ β−ＳｉＣ α−ＳｉＣ β−３ｉ、Ｃ膜の　黒鉛の（１１１１面　　含有量配向率％　　（ｗｔ％）プレス後のガラスの表面状態良好２００回プレス後の型の表面状態良好〃 α−ＳｉＣ β−ＳｉＣ α−ＳｉＣノｌ不良ノＩ若干不良〃ガラスと融着若干粗れ〃備考）　Ｎｏ、　２７〜３１は比較［発明の効果］本発明によれば、β−ＳｉＣ膜の（１１１）面配向率が
５０〜１００％で、さらに膜中の成分は、β−８ｊＣと
黒鉛から成り、それぞれ（１１１）面配向性を主体とし
たβ−ＳｉＣを９９．５〜９０ｗｔ％、黒鉛を０．５〜
１０ｗｔ％含有した膜を超硬合金あるいはセラミックス
の成形型に被覆することにより、ガラスが融着しにくく
、成形型面がガラス面に直接転写され、被成形ガラスの
研削、研磨を必要としないガラス成形型が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例によるガラスレンズのプレス成
形型及びブレス治具の斜視図である。１・・・上型、２・・・下型、３・・・支持具、４・・
・原料ガラスの塊状物。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）被成形ガラスをプレス成形する成形型において、
該成形型のガラス成形面には均一な厚さのベータ炭化珪
素（β−ＳｉＣ）膜が被覆されてなり、β−ＳｉＣ膜の
（１１１）面配向率は８０〜１００％であることを特徴
とするガラスの成形型。
（２）成形型のガラス成形面に被覆された膜中の成分は
、β−ＳｉＣと黒鉛とから成り、この膜は（１１１）面
配向性をもつβ−ＳｉＣを９９．５〜９０ｗｔ％、黒鉛
を０．５〜１０ｗｔ％含有してなることを特徴とするガ
ラスの成形型。
（３）β−ＳｉＣ膜の（１１１）面配向率は、５０〜１
００％である請求項（２）記載のガラスの成形型。