JPH038811A - 炭素繊維およびそれを主成分とする不織布 - Google Patents

炭素繊維およびそれを主成分とする不織布

Info

Publication number
JPH038811A
JPH038811A JP6094090A JP6094090A JPH038811A JP H038811 A JPH038811 A JP H038811A JP 6094090 A JP6094090 A JP 6094090A JP 6094090 A JP6094090 A JP 6094090A JP H038811 A JPH038811 A JP H038811A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fiber
carbon
carbon fiber
spinning
pitch
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6094090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2722270B2 (ja
Inventor
Yoshikazu Nagata
永田 芳和
Kasuke Nishimura
嘉介 西村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
PETOKA KK
Petoca Ltd
Original Assignee
PETOKA KK
Petoca Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by PETOKA KK, Petoca Ltd filed Critical PETOKA KK
Priority to JP2060940A priority Critical patent/JP2722270B2/ja
Publication of JPH038811A publication Critical patent/JPH038811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2722270B2 publication Critical patent/JP2722270B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Inorganic Fibers (AREA)
  • Nonwoven Fabrics (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高強度の炭素繊維およびそれを主成分とする不
&a布に間する。本発明は特にメソフェーズピッチから
メルトブロー法によって紡糸された、繊維に亀裂を生し
難い高強度高弾性率の不連続な炭素繊維およびこれを主
成分とする不織布に関するものである。
本発明の炭素層♀Wは、横断面に於ける炭素層の配向が
ほぼ均一な小ドメインが多数、モザイク状に集合してい
ることを特徴とする。本発明の炭素繊維は平均的には炭
素層がランダム配向、もしくはラジアル方向を中心に分
布した配向を持っているが、小ドメインの境界では炭素
層の配向方向が急変するため、ひび割れが発生しても境
Wを越えて成長し難く、引っ張り強度および疲労強度が
大きい利点を有する。
本発明の炭素繊維はメルトブロー法により製造されるも
のであり、その製造装置が比較的間車であるため製造コ
ストが低い利点を有する。また繊維をシート状に採取す
ることが容易に出来ろ利点を有するため、不織布として
優れている。
〔従来の技術〕
炭素wA維は航空機等の材料として急速な発展を続けて
いる。しかし炭素繊維は広範囲な用途に使用されるには
高価な材料であると言われている。
この問題を解決するために、原料として低コストのピッ
チを採用する研究が進められて来た。
ピッチの繊維化の研究は古くから行なわれているが、近
年は炭化時に配向の維持が容易なメソフェーズピッチを
使用する連続繊維の研究が進展している。メソフェーズ
ピッチは特開昭49−19127号などに開示されてい
るように、易黒鉛化を才料であり高強度高弾性率の炭素
繊維の原料として優れた性質を示す。
メソフェーズピッチの紡糸は、三次元的に極度の異方性
を持った液晶の!li維化であるため、通常の高分子物
の溶融紡糸には認められないような配向挙動を示す。J
、B、Barrらは、Appfied Polymer
Symposia 29 p、l61173(1976
)に、このような配向挙動に対応する炭素層状構造がピ
ッチ系炭素繊維に存在することを報告しており、配向タ
イプをラジアル型、オニオンスキン型、ランダム型に分
類した。
メソフェーズピッチの紡糸の研究の進展、により、配向
タイプとしては概してラジアル型をとり易いこと、ラジ
アル型は他の型にくらべて表面に間裂きずを生じ易く、
機械的変形の繰り返しに対して弱いことが判明してきた
このような問題を解決する方法として、特開昭57−1
54416号では遠心紡糸を行なう際に高温ではあるが
ピッチの紡糸温度よりは低温の気流を用いて冷却するこ
とにより、ランダム型又はオニオンスキン型の配向を持
った連続繊維を製造する方法を開示している。
特開昭59−53717には、連続繊維の溶融紡糸に於
いてピッチの粘度の対数と絶対温度の逆数の関係に現わ
れる折れ曲り点より紡糸温度が高温側の時にランダム型
とオニオンスキン型、低;昆側の時にラジアル型が現わ
れると述べられている。
これらの事実は溶融紡糸時のピッチの温度を、高温サイ
ドに持って行くとランダム型ないしオニオンスキン型に
なることを示しているが、この紡糸条件はピッチの曳糸
性を低下させ、紡糸の安定性を阻害する方向に向かって
いることがわかる。
ピッチはメソフェーズピッチの様に分子量の大きなもの
でも一般の高分子材料に比べれば分子量が小さく、その
曳糸性は高分子に現われろものとは異なり、一般にガラ
ス状過冷却液体に現われろものと同一と考えられる。そ
れは溶融ピッチのような)l!体の粘性が表面張力の割
に大きいため、液体が形状を円柱状に保つ事が出来、球
状に分断され難くなることによる。ピッチの紡糸の場合
、温度を高温サイドζこ移行させると、液体の粘性が低
下するため、円柱状であることが不安定である時間が長
くなり、液柱にくびれや破断が発生し易くなり、紡糸が
不安定化する。また繊維直径の変動が著しく大きくなる
ラジアル型の表面に間裂きずを生じ易い問題を解決する
ために、特開昭59−163424号は異形断面を有す
る紡糸孔からメソフェーズピッチを溶融紡糸する方法を
開示している。この方法では凝固するまでの間に、異形
断面状に紡出された)α柱がン後の表面張力により円柱
に近い形に変形すると共に、炭素前駆体分子の配向がラ
ンダム化するため、炭化後の強度及び弾性率が高くなる
効果を有する。
この方法は確かに優れた方法であるが、紡糸孔の異形度
が低くて、得られる繊維の断面形が実質的に真円の場合
には、得られろ繊維に於いて炭素分子の配向のランダム
(ヒが不十分であり、紡糸孔の異形度を大きくした場合
には、紡糸孔の製作費が高くなる上、使用時にM粍によ
る変形や損耗が大きい欠点がある。
また別の方法として、特開昭59−103422号は紡
糸孔内部の最狭部断面積よりも出口部断面積が大きい紡
糸孔からメソフェーズピッチを溶融紡糸する方法を開示
している。この方法では紡糸孔中ての高剪断部で生じた
液晶のラジアル配向が、♀・′孔の拡大と紡糸孔から吐
出後の伸長倍率が大きいことが原因でランダム化し、更
にオニオンスキシ配向に移行しようとする順向を利用す
るものと思われるが、紡糸孔の製作費が非常に高くなる
問題がある。
また特開昭59−168127号は紡糸孔を拡大した後
にさらに縮小する方法を開示しているが、このような紡
糸孔の製作はさらに難しく、二枚の紡糸口金を貼りつけ
るような加工が必要となり、非常に高価になる。
また別に特開昭62−41320号は断面に摺曲構造を
有し、表面から開裂きずが拡大し難く、強度、弾性率と
も優れているピッチ系炭素繊維を開示している。この炭
素繊維の具体的な製造方法としては、石油系のメソフェ
ースピッチを断面積で表示した拡大倍率が2倍以上の紡
糸孔から、紡糸温度250〜350℃てmH紡糸する方
法が開示されている。
この方法の問題点は紡糸孔の拡大倍率が大きいため、紡
糸孔出口での液の離れる(立置が不安定になり、繊維の
直径の変動が大きいことである。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はメソフェーズピッチから製造される高強度、高
弾性率炭素繊維に発生し易い欠点である、WR維が繊維
軸に平行に裂は易く、その結果強度等の性質、特に耐疲
労性が低くなる欠点を改良した安1iな不連続炭素繊維
を得ることを目的とする。
本発明の不連続炭素繊維とは、平均繊維長数理〜数十c
mに紡糸され、概して広い繊維長分布を有する炭素短繊
維をいう。
ピッチw4紺を製造する際に、紡糸孔の中でメソフェー
ズピッチは液流の進行方向及びラジアル方向に分子配向
を起こす。これは紡糸孔内に生じる速度勾配が、ラジア
ル方向を回転面とする回転運動を起こすためである。こ
れは他の高分子液体でも生じる現象であるが、メソフェ
ーズピッチの場合には、液晶の特性として配向の緩和時
間が極端に長いことが原因で、この配向が長い時間保存
され、紡糸後のピッチ繊維の構造に影響する。
ピッチ分子のラジアル配向が、得られる炭素繊維の性質
に対して有利であるならば特に問題ないのであるが、ラ
ジアル配向した炭素の分子は、構造上一番弱い方向をラ
ジアル方向に並べることになる。黒鉛結晶は共有結合を
持たない面を一方向に有しているが、ラジアル配向した
ピッチ繊維はこの面をラジアル方向に持っている。この
ことは得られた炭素繊維がその周辺に引っ張り応力を受
けたとき、引き裂は易いことを意味する。またこの面は
炭素分子が異種分子によりインターカレーションを生し
る面であり、化学的にも不安定な方向である。
メソフェーズピッチから高強度、高弾性率炭素繊維を製
造するには、このような炭素分子の弱点が露出しない構
造の繊維を、あらかしめピッチ繊維の段階から製造する
必要があるが、メソフェーズピッチ系の不連続炭素繊維
の構造を制御する技術は知られていない。
〔課題を解決する手段〕
本発明の繊維は、平均相当直径0.03μm〜1μmの
小ドメイン内では横断面に於ける炭素層の配向がほぼ一
定であり、該小ドメインが81 iI&の横断面のほぼ
全域をモザイク状に覆っており、かつ繊維の横断面全体
では炭素層の配向が実質的にランダムであるか、あるい
はラジアル方向を中心に分布していることを特徴とする
メルトブロー紡糸により製造したメソフェーズピッチ系
の不連続な炭素ta維である。
小ドメインとは、その概略を第1図に示すように、いく
つかのほぼ同一配向の炭素層が集合した領域をいい、隣
接する小ドメインとの間に坂に境界線を引いたとすれば
、その形状は実際には円形であることは少なく、むしろ
長円形や多角形のものが多い。その際のドメインの大き
ざの表示には、直径のかわりに相当直径(4×断面積/
用辺長)を用いる。
小ドメインの十目当直径は、好ましくは平均0,07μ
n1〜0.7μmである。直重が小さい場合、黒鉛結晶
の発達が不良で、ドメインとしての効果が小さくなり、
直径が大きい場合、表面に開裂きずが付き易くなる問題
がある。
繊維の横断面での炭素層の配向は、一般の繊維では横方
向からの偏光による精密な観測により、求めることが出
来る。また繊維を薄片状にして屈折率の分布を観測する
ことにより求めることが出来る。しかし炭素繊維は光の
透過性が小さく、この方法の適用には限界がある。炭素
繊維の場合には繊織横断面を薄片状とし、透過型電子顕
微鏡を用いて黒鉛結晶の襞間面に沿って現われる線によ
り、配向の方向を推定する。薄片は数μm以下のごく薄
いものとする必要があり、炭素繊維は強くかつ脆いため
その製作は極めて難しい。薄片が厚すぎるとドメインの
境界が不明瞭になり、大きさ、形状等の計測が困難にな
る。また配向の方向を正確に求めることが困難になる。
本発明の炭素繊維は、炭素層の配向が小ドメイン内では
ほぼ同一であるが!!維の横断面全体としてみた場合は
平均的にランダムであるが、ラジアル配向を示すもので
ある。また小ドメインは、はぼ均一な大きさを有してい
ることが強度上の欠陥部を作らないので好ましい。また
小ドメインの中の炭素層は完全な平面状でないことが好
ましく、特に特開昭62−41320に記載されている
ような摺曲状のものが耐衝撃性に優れており、好ましい
本発明のメソフェーズピッチとしては、炭素繊維の弾性
率等の物性を高くするためにはメソフェーズ含有量が多
い方が好ましく、通常、メソフェーズ含有量は約70%
〜100%が好ましい。
本発明の炭素繊維の紡糸方法は、高速の気体を噴出する
スリットもしくはノズルの中に設けた紡糸孔からメソフ
ェーズピッチを紡糸するもので、この紡糸法は基本的に
はメルトブロー法と呼はれるものであるが、紡糸口金温
度をピッチの軟化点(高架式フローテスターで測定)よ
り20°C〜80°C高くし、さらに気体温度を紡糸口
金温度より高くすることが好ましい。
紡糸されるピッチの温度は紡糸口金温度より若干低いと
推定される。
ピッチの紡糸粘度は約500ボイス以上であることが好
ましい。
メソフェーズピッチの溶融紡糸においては、これまで、
紡糸粘度を約10〜300ボイズの範囲にすることが必
要であり、紡糸温度が低く紡糸粘度が高くなるとラジア
ル配向が優勢になって繊維が開裂し易くなると考えられ
ていた。
本発明の炭素繊維は高粘度でメルトブローされたにもか
かわらず開裂に対する挺抗力が強い特徴を有する。
このような、従来とは異なるメルトブロー式の紡糸を行
なう場合に小ドメイン構造が得られる理由はよくわから
ないが、紡糸粘度が高く紡糸ノズル内での剪断力が大き
いので、紡糸ノズル出口で開放された時に配向を乱す力
が大きくなること、炭素層の移動速度が高粘度のために
遅いこと、方、紡糸孔のまわりから噴出させる高速の気
1本の温度が、紡糸口金の温度より高い値に保たれ、冷
却は紡糸口金から少し離れた場所で、周辺の低温の気体
を巻き込むことにより行なわれることでピッチの柱状流
は紡糸孔を出て少しの間、あまり冷却されずに走行し、
この間に紡糸孔の中の剪断力によって生じた液晶のラジ
アル配向が、熱拡散等により変形することなどが複雑に
影響し合っていると考えられる。
紡糸温度が高くなると、横断面に於ける小ドメインのサ
イズの大きな繊8にの含まれる割合が大きくなる傾向が
みられる。紡糸口金温度がピッチの軟化点+80℃より
高い場合にも、依然としてモザイク構造を示すが、小ド
メイン内の炭素層の摺曲が少なくなり、炭化後の層面間
隔d。o2が小さくなることから、炭素層の平面化が進
行してドメインが大きくなり、境界面が弱点になり易く
なるためか、概して炭化後の強度が低めになる傾向を示
す繊維の方が多くなる。
紡糸されたピッチ繊維は、不連続で、平均繊維長数mm
−数十cmの概して広い繊維長分布を有するものであり
、好ましくは直ちに多孔質のベルトの上に採取する。ピ
ッチ繊維はシート状に成形され、好ましくはその形で不
融化、炭化処理を行なう。
この繊維シートは、適宜の工程で絡合処理もしくは接着
処理を行なって、不織布とすることができる。この不織
布は従来の炭素繊維フィラメント糸を切断して作ったも
のに比べて、wA&i長の分布が広く、また繊維の中に
曲ったものを多く含む傾向があり、嵩高く保温性に優れ
ており、繰り返し変形による疲労に強い利点を有する。
〔作用〕
ピッチ繊維を製造する際に、紡糸孔の中でメソフェーズ
ピッチは液流の進行方向及びラジアル方向に分子配向を
起こす。これは紡糸孔内に生じる速度勾配が、ラジアル
方向を回転面とする回転運動を起こすためである。これ
は他の高分子jα体でも生じる現象であるが、メソフェ
ーズピッチの場合には、液晶の特性として配向の緩和時
間が極端に長いことが原因で、この配向が長い時間保存
され、紡糸後のピッチ繊維の構造に影響する。
ピッチ分子のラジアル配向が、得られる炭素繊維の性質
に対して有利であるならば特に問題ないのであるが、ラ
ジアル配向した炭素層は、構造上一番弱い方向をラジア
ル方向に並べることになる。
黒鉛結晶は共有結合を持たない面を一方向に有している
が、ラジアル配向した炭素繊維はこの面をラジアル方向
に持っている。このことは得られた炭素繊維がその周辺
に引っ張り応力を受けたとき、引き裂は易いことを意味
する。またこの面は炭素層が異種分子によりインターカ
レーションを生じる面であり、化学的にも不安定な方向
である。
本発明はメソフェーズピッチを、その軟化点よりもあま
り高くない温度で高粘度で紡糸し、紡糸孔の出口近傍か
ら噴出するピッチ温度と同程度ないし若干高温の気体に
より牽引、不連続化し、周辺から流入する低温の気体に
よって急冷して凝固させ、この際に発生する構造により
、弱点の生成を防止するものである。
本発明の炭素繊維は、その横断面に於ける炭素層の配向
がほぼ均一な小ドメインが多数、モザイク状に集合して
出来ている。本発明の炭素繊維は平均的には炭素層がほ
ぼランダムな配向分布を有しているか、あるいはラジア
ル方向を中心に分布した配向を持っているが、各々のド
メインは炭素層の配向の方向が隣のドメインとの境界で
急変するので、仮に衝撃や疲労により繊維内にひび割れ
を生じたとしても、ひび割れの進行は境界で阻止される
。そのため引っ張り強度及び疲労強度が大きい。
このような構造の炭素短繊維は今までに報告されたこと
はない。
]・メインサイズが大きすぎると、ドメイン内に生じた
ひび割れに対する応力の集中が大きくなり、強度の低下
を起こす。またドメインサイズが小さくなり過ぎると、
ドメインとしての効果が小さくなり、ドメインの境界が
ひび割れの成長を阻止する能力が低下するので、強度の
低下を起こす。
本発明の炭素繊維はメルトブロー紡糸の際、口金を離れ
ると急激に気流の牽引力が低下するため、曲った状態で
成形され易い傾向にあり、また、広い繊維長分布を有す
るので、シート状物や不繊布として嵩高いものが得られ
易い。
〔実施例〕
次に、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
実施例 l 軟1ヒ点275°C(高架式フローテスターで測定)、
メソフェーズ含有率95%の石油系ピッチを原料とし、
紡糸孔の内径0.06mm、外径0.2mmの中空針状
の紡糸孔の川口から340°Cの加熱空気を噴出する紡
糸口金を用いてメルトブロー紡糸を行なった。
紡糸口金温度320℃(紡糸粘度約1,500ボイス)
、加熱空気の噴出速度+50n+/秒で繊維を製造し、
ネットコンベヤー上にシート状に採取した。
得られたピッチ!li維を常法により不融化し、さらに
引き続いて最高温度2800℃で炭化処理を行なった。
得られた炭素繊維の引張強度は320Jf /mm2、
伸度は0.43%、弾性率は75ton/mm2、平均
繊維長はこの繊維の横断面を厚さ約0.07μmの薄片
を作って、透過型電子顕微鏡により観察した。
横断面は第2図に示すように平均相当直径がほぼ0.2
μmの多数の小ドメインからなるモザイク状で、全体的
にはラジアル状の炭素層配向を有する構造であった。各
々の小ドメインから写真上で25サンプルをランダムに
取り、ラジアル方向を基準として炭素層の四角を測定し
た。左への偏角をプラスとして平均及び標準偏差を求め
た。平均値は+ 9.2”、標準鴎差は27.ピてあっ
た。
また、炭素層は摺曲しているものが多く認められた。
実施例 2 実施ηす1と同しピッチ及び紡糸口金を用いて、紡糸温
度を変えて!&維を作り、同様にして不融化及び炭化を
行なって横断面の構造を調べた。
紡糸口金温度を350℃(紡糸粘度約500ボイス)と
した場合、横断面の配向構造は粗大化し、ドメインの平
均相当直径は0.9μm、平均繊維長は3vwとなった
。この繊維は実施例1より若干低い強度を有していた。
さらに紡糸温度を上昇した場合、370℃でドメインの
平均相当直径は1.1μmとなった。これは構造が粗大
なためか、繊維の強度としては実施例1にかなり劣る埴
を示した。
紡糸口金温度を300℃とした場合、横断面の構造はラ
ンダム状となり、小ドメインの相当直径は平均0.05
μm、繊維長は平均35cmであり、繊維強度としては
、実施例1にほぼ近似の値が得られた。
紡糸口金温度を290℃とした場合、横断面の配向構造
はさらに微細化し、小ドメインの境界が不明瞭になった
。このためm維強度としては実施例1にやや劣るものと
なった。
実施例 3 実施例1の紡糸後のピッチ繊維のシート状物を、常法に
より不敗化し、650℃で軽度の炭化を行なった後、1
20回/ cm2のニードルパンチを行ない、更に14
00℃で炭化処理を行ない炭素i&維不織布を得た。得
られた不織布は1に来の炭素繊維フィラメントから製造
したものと比べて、嵩高く、保i!S材やクツション材
として優れていた。
実施例 4 軟化点282℃、メソフェーズ含有率100%の石油系
ピッチを原料とし、高速気流(温度350’C)を噴出
する幅1.2mmのスリットの中に、直径0.25mm
の紡糸孔を設けた紡糸口金を用い、紡糸口金温度320
℃(紡糸粘度約2,000ボイス)、スリットでの気流
速度200m/see、ピッチの吐出量0.23/ m
inで繊維をネットコンベヤー上に採取した。
得られたピッチ繊維を常法により不融化し、さらに引き
続いて最高温度2800℃で炭化処理を行なった・ 得られた平均繊維長18cmの炭素繊維の横断面を、厚
さ約0.07μmの薄片を作って、透過型電子顕微鏡に
より観察した。
横断面は第3図に示すように平均相当直径がほぼ0.3
μmの、さまざまな配向方向を持った小ドメインからな
るランダム状の構造を有していた。炭素層は摺曲してい
るものが多く認められた。
実施例 5 実at例4と同じピッチ及び紡糸口金を用い、紡糸口金
温度を変更して繊維を採取した。
得られたピッチ繊維を常法により不融化し、さらに引き
続いて最高温度2800℃で炭化処理を行なった。
得られた炭素繊維の横断面を、厚さ約0.07μmの薄
片を作って、透過型電子顕微鏡により観察した。
紡糸口金温度を370°Cとした場合、平均相当直径は
1.1μmとなり繊維強度としては実施例4にかなり劣
る結果となった。
紡糸口金温度を355°Cとした場合、横断面の構造は
モザイク状となり、小ドメインの相当直径は平均0.8
μmであった。
紡糸口金温度が305℃の場合、平均繊維長は38cm
と長くなったが横断面の配向構造は微細化し、小ドメイ
ンの相当直径は平均0.0771fflで境界が明瞭で
なくなる傾向を示した。
紡糸口金温度が295°(:の場合には、ピッチの粘性
が大きくなるため、紡糸が極めて不安定になった。
実施例 日 軟化点272’C、メソフェーズ含有率78%の石炭系
ピッチを原料とし、紡糸孔の内径0.1mm、外径0.
25n+mの中空針状の紡糸孔の周囲から340℃の加
熱空気を噴出する紡糸口金を用いてメルトブロー紡糸を
行なった。紡糸口金温度325℃、加熱空気の噴出速度
+2011+/秒で繊維を製造し、ネットコンベヤー上
にシート状に採取した。
得られたピッチ繊維を実施例1と・同様の条件て不融化
、炭化を行なったところ、実施例1と類似のモザイク状
構造を有する炭素繊維が得られた。
〔発明の効果〕
本発明はメソフェースピッチからメルトブロー法により
紡糸された、!ali維に亀裂を生じ難い高強度高弾性
率の不連続な炭素繊維に関する。
本発明の炭素繊維は、横断面に於ける炭素層の配向がほ
ぼ均一な小ドメインが多数、モザイク状に集合している
ことを特徴とする。本発明の炭素繊維は平均的には炭素
層がランダム配向、もしくはラジアル方向を中心に分布
した配向を持っているが、小ドメインの境界では炭素層
の配向が急変するため、ひび割れが発生しても境界線を
越えて成長し難く、引張強度及び疲労強度が大きい利点
を有する。
本発明の炭素繊維はメルトブロー法により製造されるも
のであり、その製造装置が比較的簡単であるため製造コ
ストが低い利点を有する。また繊維をシート状に採取す
ることが容易にできる利点を有するため、不織布の製法
として優れている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の炭素繊維の横断面に於ける配向構造の
特徴であるモザイク構造を説明する略図ランダム状断面
構造の本発明の炭素繊維の横断面により繊維の形状を表
わす、透過型電子顕微鏡写真である。 l:小ドメイン 2:仮の境界線 3:炭素層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 1.平均相当直径0.03μm〜1μmであり、横断面
    に於ける炭素層の配向がほぼ一定である小ドメインが繊
    維の横断面のほぼ全域をモザイク状に覆っており、かつ
    繊維の横断面全体では炭素層の配向が実質的にランダム
    であるか、あるいはラジアル方向を中心に分布している
    ことを特徴とするメルトブロー法により製造したメソフ
    エーズピッチ系の不連続な炭素繊維。
  2. 2.炭素層が摺曲していることを特徴とする請求項1記
    載の炭素繊維。
  3. 3.小ドメインがほぼ均一な大きさを有していることを
    特徴とする請求項2記載の炭素繊維。
  4. 4.請求項1ないし3のいずれかに記載の炭素繊維を主
    成分とする不織布。
JP2060940A 1989-03-15 1990-03-14 炭素繊維およびそれを主成分とする不織布 Expired - Lifetime JP2722270B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2060940A JP2722270B2 (ja) 1989-03-15 1990-03-14 炭素繊維およびそれを主成分とする不織布

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1-60768 1989-03-15
JP6076889 1989-03-15
JP2060940A JP2722270B2 (ja) 1989-03-15 1990-03-14 炭素繊維およびそれを主成分とする不織布

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH038811A true JPH038811A (ja) 1991-01-16
JP2722270B2 JP2722270B2 (ja) 1998-03-04

Family

ID=26401823

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2060940A Expired - Lifetime JP2722270B2 (ja) 1989-03-15 1990-03-14 炭素繊維およびそれを主成分とする不織布

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2722270B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05195396A (ja) * 1991-10-18 1993-08-03 Petoca:Kk 炭素繊維フエルトの製造方法
WO2005045115A1 (ja) * 2003-11-10 2005-05-19 Teijin Limited 炭素繊維不織布、その製造方法および用途

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5160774A (ja) * 1974-09-27 1976-05-26 Union Carbide Corp
JPS57154416A (en) * 1981-03-12 1982-09-24 Kureha Chem Ind Co Ltd Preparation of carbon fiber having random mosaic cross-sectional structure
JPS5953717A (ja) * 1982-09-16 1984-03-28 Agency Of Ind Science & Technol 高強度,高モジュラスピッチ系炭素繊維の製造方法
JPS6241320A (ja) * 1985-08-16 1987-02-23 Kashima Sekiyu Kk 褶曲構造の断面を有する炭素繊維

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5160774A (ja) * 1974-09-27 1976-05-26 Union Carbide Corp
JPS57154416A (en) * 1981-03-12 1982-09-24 Kureha Chem Ind Co Ltd Preparation of carbon fiber having random mosaic cross-sectional structure
JPS5953717A (ja) * 1982-09-16 1984-03-28 Agency Of Ind Science & Technol 高強度,高モジュラスピッチ系炭素繊維の製造方法
JPS6241320A (ja) * 1985-08-16 1987-02-23 Kashima Sekiyu Kk 褶曲構造の断面を有する炭素繊維

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05195396A (ja) * 1991-10-18 1993-08-03 Petoca:Kk 炭素繊維フエルトの製造方法
WO2005045115A1 (ja) * 2003-11-10 2005-05-19 Teijin Limited 炭素繊維不織布、その製造方法および用途
JP2009079346A (ja) * 2003-11-10 2009-04-16 Teijin Ltd 炭素繊維不織布およびその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP2722270B2 (ja) 1998-03-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2065500B1 (en) Heat-resistant non-woven fabric
WO1994012703A1 (en) Method for spinning a polybenzazole fiber
WO2007037512A1 (ja) 海島型複合紡糸繊維の製造方法
CN103132162B (zh) 碳纤维前体的制备方法
US5536486A (en) Carbon fibers and non-woven fabrics
JPS59168127A (ja) 炭素繊維の製造方法
JPS639045B2 (ja)
JPH02216222A (ja) 高強度高モジュラスピッチ系炭素繊維
JPH0814058B2 (ja) ポリフェニレンサルファイドメルトブロ−不織布およびその製法
JPH038811A (ja) 炭素繊維およびそれを主成分とする不織布
WO2010084856A1 (ja) ピッチ系炭素繊維ウェブ、ピッチ系炭素短繊維、およびその製造方法
JPH0561367B2 (ja)
EP0387829B1 (en) Carbon fibers and non-woven fabrics
JPWO2010071226A1 (ja) 炭素繊維およびその製造方法
EP0336144B1 (en) Carbon fibers and process for producing the same
JPS61186520A (ja) ピツチ系炭素繊維の製造方法
JP2894880B2 (ja) ピッチ系炭素繊維紡糸用口金
JPS58220821A (ja) 高強伸度アクリル系炭素繊維束およびその製造法
JPS616316A (ja) 黒鉛繊維
JP3387265B2 (ja) ポリベンザゾール繊維の製造方法
JPH0380888B2 (ja)
JPH0327114A (ja) ポリアミドモノフィラメント
JPS60259631A (ja) ピツチ系炭素繊維の製造法
JPS59168125A (ja) 炭素繊維の製造方法
JP2002194617A (ja) 産業資材用ポリエステル繊維の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081128

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091128

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101128

Year of fee payment: 13