JPH038745Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 イ 考案の目的 （産業上の利用分野） 本考案は、仮設足場用クランプ材に係る。

（従来技術及びその問題点） 直角に交差する垂直及び水平の各鋼管足場の交
差部に配置するものでＵ字型の抱き金具で垂直足
場を抱かせ、この抱き金具の両翼端の半円形受け
部に水平足場を支持させ、この半円形受け部に設
けたガイドにテーパーピンを打ち込み、その一面
を水平足場に圧着させると共に他面で垂直足場を
堅く捉えて両足場を組み立てるようにした取付金
具は知られている。

この取付金具は、垂直足場だけの場合にはくさ
びの締付力の反力がとれず、使用できない。

足場の軸線上外端に、コラムに取り付けたブラ
ケツト外周の特定の断面形状に適合する爪を設け
この爪と共同するくさびによつてブラケツトに取
り付けるようにした足場もある。

この場合は特別なブラケツトを予めコラムに取
り付けておかねばならず、単なる円形支柱の適所
に自由に足場を取り付けることは出来ない。

本考案は一本の円形支柱に対しその全長の任意
の場所で取り付けることの出来るクランプ材を提
供しようとするものである。

ロ 考案の構成 （問題点を解決するための手段） 本考案に係る仮設足場用クランプ材は、一本の
円形支柱に対する取り付け用で、半円状内周面の
端から接線方向へ伸長した支腕部のある欠環状抱
着部と、該抱着部外面に自身の中心線が該抱着部
中心を指向して取り付いた連桿と、該支腕部の案
内用透孔に摺嵌して該連桿と平行方向へ移動自在
で、その抱着部側がテーパー面となつており、そ
の一端が前記案内用透孔を通過不可能となつてい
るキーから成ることを特徴とする。

（作用） 仮設足場の円形支柱上の任意位置に抱着部を当
てがうと、この支柱外周のほぼ半周がこの抱着部
の内周面に当接する。ここで連桿を支えてキーの
一端をハンマー等で連桿と平行方向へ叩くと、キ
ーのテーパー面の作用により、クランプ材は支柱
に圧着する。連桿の中心線が支柱の中心を指向す
るので、打撃力によつてクランプが回つてしまう
ことがない。キーの他端を前記と逆方向に叩け
ば、クランプ材を支柱から外すことが出来る。こ
の間、キーの一端は案内用透孔を通過不可能とな
つており、その他端面に前記案内用透孔から抜け
落ちるのを防止するための脱け止めを備えている
ので、キーが抱着部から抜け落ちる心配はない。

（実施例） 本考案の実施例を図面に付き説明すれば、次の
通りである。なお、図面において、同一符号は同
一または相当部分を指示するものとする。

１は抱着部で欠環状となつており、円形支柱Ｐ
の外周のほぼ半分に適合する半円状内周面の端か
ら接線方向へ伸長した支腕部２を備えている。

３はキーで支腕部２に穿つた案内用透孔４ａ及
び４ｂに摺嵌し、後記の連桿８と平行方向へ移動
自在となつている。このキー３の一端の寸法Ｌは
透孔４ｂの寸法より大で、キー３の進出時の脱
出はこれで防止される。キー３は、その他端側に
案内用透孔（４ａまたは４ｂ）から抜け落ちるの
を防止するための脱け止め５を備えている。

このキー３は抱着部１側がテーパー面６となつ
ており、抱着部１と対面する方向へ強く打ち出せ
ばそのテーパー面６によるくさび作用で支柱Ｐを
抱着部１に強圧し、キー３自身は透孔４ｂの内側
の縁４b′と透孔４ａの外側の縁４a′で支腕部２に
支持される。このキー３は図示の例では内部の充
実した環状となつているが、第３図に示したよう
に断面コ字状のキー３′としてもよい。また、抱
着部１及び支腕部２を板材の曲げ加工により成形
したために、キー３の支持の都合で当て板７を用
意してこれに透孔４ａを穿つたが、板材でなく内
部の充実した構成にすれば透孔は一つとなる。

８は連桿で抱着部１の外面に取り付けられ、自
身の中心線が抱着部中心を指向している。この連
桿８の他端には用途に応じ、図示していないが、
上記と同様のキー付き抱着部を用意して支柱基部
間に架着し、根がらみとしたり、または支柱間に
斜めに架着して斜材としたり、或いは取付ねじを
設けて壁つなぎとして使用することも出来る。

図示のクランプ材は抱着部１で支柱Ｐの全長の
適所に当てがい、連桿８を支持してキー３の大径
部端面をハンマーで連桿８と平行方向へ叩く。す
ると、キー３は進出して、テーパー面６で支柱Ｐ
の外面に圧着して停止する。このテーパー面６の
くさび作用で抱着部１の内縁も支柱Ｐの外面に圧
着する。外すときはキー３の小径部側をハンマー
で前記の逆方向に叩き込めば、その衝撃力により
キー３と支柱Ｐとの摩擦力が打ち負かされ、キー
３が支柱Ｐから離れて、クランプ材を支柱Ｐから
外すことが出来る。

ハ 考案の効果 本考案によれば、欠環状となつた抱着部の一端
にテーパーキーを用意し、このキーの連桿と平行
方向へ打ち込みによりそのテーパー面を利用して
抱着部との間で支柱を圧着すると共に、打ち戻し
により支柱を自由にするようにしたので、一本の
円形支柱の全長の適所で、かつ所謂ワンタツチ
で、しかも、こじれたりすることなく、支柱に対
する着脱を為すことができ、従つて仮設足場の組
立て、分解を迅速に為すことができ、構造が簡単
で廉価に提供できる等、種々の効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案にかかるクランプ材の具体例を
支柱締着状態で示す側面図、第２図は同平面図、
第３図はキーの別態様の側面図である。 １……抱着部、２……支腕部、３，３′……キ
ー、４ａ，４ｂ……透孔、５……脱け止め、６…
…テーパー面、８……連桿。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一本の円形支柱に対する取り付け用で、半円状
   内周面の端から接線方向へ伸長した支腕部のある
   欠環状抱着部と、該抱着部外面に自身の中心線が
   該抱着部中心を指向して取り付いた連桿と、該支
   腕部の案内用透孔に摺嵌して該連桿と平行方向へ
   移動自在で、その抱着部側がテーパー面となつて
   おり、その一端が前記案内用透孔を通過不可能と
   なつているキーから成ることを特徴とする仮設足
   場用クランプ材。