JPH038439Y2

JPH038439Y2 -

Info

Publication number: JPH038439Y2
Application number: JP12688683U
Authority: JP
Priority date: 1983-08-18
Filing date: 1983-08-18
Publication date: 1991-03-01
Also published as: JPS6036236U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、印刷機における版胴に装備された版
締装置に関するものである。

前記印刷機の版締装置の従来例を第１図ないし
第４図によつて説明すると、第１図に示すように
版胴ａの外周部に軸方向溝a₁を設け、軸方向溝a₁
内の側壁a₂とa₃に近接させて版ｂの版咬え側と版
尻側の一対の版締装置A₁とA₂が配設され、前記
装置A₁とA₂は略同様な構造になつている。

また、前記版締装置A₁，A₂は、第２，３図に
示すように軸方向溝a₁内に配設された長い下歯ｃ
と、複数（図示は４個）に分割形成され下歯ｃ上
にそれぞれ回動操作可能に配設された上歯ｄとを
有し、下歯ｃの前部上面c₁上の版端部b₁を各上歯
ｄの前部下面d₁で咬持する構造になつている。

さらに詳述すると、版胴ａの軸方向溝a₁の底面
上に設けられたガイドｇ，ｇによつて下歯ｃの突
部c₂が案内され、同下歯ｃが周方向イに移動自在
になつており、軸方向溝a₁の中心線上のストツパ
ｓから周方向イに突設されたガイドピンｐが下歯
ｃの突部c₃の孔内に遊挿され、ガイドピンｐに嵌
装された圧縮バネｆによつて下歯ｃが軸方向溝a₁
の側壁a₂，a₃側へバネ付勢され、かつ下歯ｃに螺
着され貫装された複数（図示は３個）の版張りボ
ルトｈの先端が側壁a₂，a₃に当接し、版張りボル
トｈの螺進操作により下歯ｃをバネ付勢に抗し周
方向に移動調節して版ｂに張力を付与できる構造
になつている。

また、複数の支えボルトｉを上側から上歯ｄに
遊挿して下歯ｃにナツトｊで挿着し、支えボルト
ｉの頭部に形成した下向球面i₁に上歯ｄに形成し
た上向凹球面d₂を接面させて、下歯ｃの上側で上
歯ｄが前記両球面部分を回転中心として回転自在
になつており、さらに、下歯ｃの後部全長にわた
つて形成された切欠部上に、シムｋを介して台座
ｌがボルトｍで着脱可能に装着され、同台座ｌ上
に回転操作可能に配設された締付カムｎの偏心周
面に上歯ｄの後部下面d₅が当接されており、締付
カムｎを操作孔n₂に挿入した工具によつて回転操
作し上歯ｄを回動操作する構成になつている。

前記台座ｌおよび締付カムｎは上歯ｄごとに個
別に設けられ、第４図に示すように締付カムｎの
切欠部n₂を上歯ｄの後部下面d₅に位置させると、
下歯ｃの上面に突出可能に配設されたバネ付勢の
ボールｑにより、上歯ｄの前部が上方へ回動され
その前部下面d₁と下歯ｃの前部上面c₁間に隙間α
が生じ、締付カムｎを第３図に示すように回転操
作してその偏心周面で上歯ｄの後部下面d₅を上方
へ回動させると、下歯ｃの前部上面c₁上の版端部
b₁を上歯ｄの前部下面d₁で咬持でき、各上歯ｄご
とに操作される構造になつている。

前記の版締装置A₁，A₂は、各図に示すように
版胴ａの軸方向溝a₁内に一対になつて配設され、
版胴ａ上に配置された版ｂの両版端部b₁，b₁を咬
持し、版張りボルトｈの螺進操作によつて前記装
置A₁，A₂を周方向イに移動調節して版ｂに張力
を付与できる構成になつている。

しかして、従来の前記印刷機の版締装置におい
ては、版胴ａ上に張設される版ｂの全面にわたつ
て均等な張力を付加する必要があるとともに、版
自体の版巾方向の耐張力が均等でないため、版巾
方向に上歯ｄを分割配置し、かつ各上歯ごとに締
付カムｎを設けさらにシムｋを介装した版咬持機
構になつており、版巾方向の版咬え荷重を適正に
するためには、上歯ごとのシムｋの高さ調節、上
歯ごとの締付カムｎの微妙な回転操作が必要であ
つて、版咬持操作が極めて面倒であつて長時間を
要し、また、オペレータによつて版咬え荷重の負
荷操作に個人差が生じ信頼性に問題があり、さら
に、版解放操作も面倒であるなどの欠点がある。

本案は、従来の印刷機の版締装置における前記
のような欠点を解消する考案であつて、印刷機の
版胴外周部に形成されている軸方向溝内に下歯を
配設し、該下歯上に複数に分割形成された上歯を
それぞれ回動操作可能に配設して、前記下歯の前
部上面上の版端部を複数の前記上歯の前部下面で
咬持する構成を具えた版締装置において、前記下
歯の後部上面側に前記各上歯共通の締付カムを前
記版胴の軸方向に延設するとともに、複数の前記
上歯の後部下面に板バネをそれぞれ設けて、前記
各板バネを前記締付カムへの当面に構成した版咬
持機構を具備した点に特徴を有し、分割形成され
た各上歯に共通の締付カムを設け、各上歯の後部
下面に個別の撓みを有する板バネを設けて締付カ
ムへの当面にすることにより、簡単、容易な操作
により優れた版咬持性能が得られかつ信頼性が高
められ前記のような欠点が解消された印刷機の版
締装置を供する点にある。

本考案は、前記の構成になつており、版締装置
における下歯の後部上面側に、下歯上に回動操作
可能に配設されている複数の上歯に共通の締付カ
ムを版胴の軸方向に延設するとともに、複数の前
記上歯の後部下面に板バネをそれぞれ設けて、前
記各板バネを前記締付カムへの当面に構成した版
咬持機構を具備しているので、前記締付カムを回
転操作すると、下歯上の複数の上歯が同時に回動
操作され、前記締付カムの当面になつているの
で、上歯ごとの板バネ個有の撓み量によつて、各
上歯に個別の所定版咬え荷重が版端部に付加され
ることになり、操作の個人差も殆んどなく、版咬
持性能および信頼性が著しく向上されるととも
に、前記板バネによつて製作誤差を吸収する従来
のシム調整が不要となりかつ締付カムも共通に形
成でき、簡単な構造であり極めて容易に操作でき
るなどの実用性を有する。

以下、本考案の実施例を図示によつて説明す
る。

第５図Ａ，Ｂおよび第６図に本考案の一実施例
を示しており、図中A₁，A₂は、版胴ａの軸方向
溝a₁内に配設された版ｂの版端部b₁，b₁を咬持す
る版締装置であつて、版胴ａの外周部に形成され
ている軸方向溝a₁内に配設された下歯１と、下歯
１上に複数に分割形成された上歯２をそれぞれ回
動可能に配設して、下歯１の前部上面１ａ上の版
端部b₁を複数の前記上歯２の前部下面２ａで咬持
する構成を有している。

また、図中４は、軸方向溝a₁の底部に周方向イ
に配設され下歯１の突起１ｂを案内して同下歯１
を周方向イへ移動可能にしたガイド、５は軸方向
溝a₁の中央に固設されたストツパ、６は、ストツ
パ５から周方向イに突設され下歯１の突部１ｃの
穴内に遊挿されたガイドピン、７は、ガイドピン
６に嵌装された下歯１付勢用の圧縮バネ、８は、
下歯１の周方向イに螺着、貫挿された同下歯１の
移動操作用の版張りボルト、９は、上側から上歯
２に遊挿されかつ下歯１に挿着された支えボルト
であつて、支えボルト９の頭部に設けた下向球面
９ａによつて上歯２の上向凹球面２ｂが接面さ
れ、前記両球面９ａ，２ｂが回転中心になつて上
歯２が回動可能に構成されている。

さらに、下歯１の後部上面１ｄ側に締付カム１
０が下歯１の軸方向ロ全長にわたつて回動操作可
能に配設されているとともに、下歯１の上面に回
動自在に配設されている上歯２のそれぞれの後部
下面に板バネ１１がボルト等によつて着脱可能に
固設され、かつ、板バネ１１の裏面側には板バネ
の撓みを許容する空間１２が形成されて、前記締
付カム１０は各上歯２の共通になつており、かつ
各上歯２の板バネ１１が前記締付カム１０への当
面に構成されている。

また、前記板バネ１１には、版巾方向即ち版胴
ａの軸方向ロに分割、配設されている上歯２ごと
に個有の撓み量を有するものが用いられており、
締付カム１０の偏心周面によつて各上歯２が同時
に回動操作されても、各上歯２が版端部b₁の版巾
方向によつて個別に所定の版咬え荷重を付加され
るように、前記各板バネ１１の撓み量が選定され
ており、版咬持機構が構成されている。

なお、本実施例においては、第６図に示すよう
に製作誤差を吸収するためのシム（ｋ、第３図参
照）が設けられてなく、また、図示のように下歯
１の上部にバネ付勢されたボール１５を設けて、
上歯２の前部が上方へ付勢されている。

第５図Ａ，Ｂ、第６図に示した本考案の実施例
は、前記の構成になつているので、版締装置A₁，
A₂における締付カム１０を回転操作すると、締
付カム１０の偏心周面によつて各上歯２側の各板
バネ１１が同時に押圧回動され、各上歯２が同時
に回動して版端部b₁を咬持し、かつ解放する。各
上歯２はそれぞれ個有の撓み量に設定された板バ
ネ１１を介して回動されるため、各上歯２の版咬
え荷重は異なつたものになり、各上歯２によつて
個別に版巾位置に最適な版咬え荷重を版端部b₁に
付加することができる。

よつて、前記実施例によれば、一本の締付カム
１０の回転操作によつて極めて容易に版咬持操作
および版解放操作ができるとともに、操作の個人
差が殆んどなくなり、優れた版咬持性能とともに
信頼性が著しく向上される。また、一本の締付カ
ムによつて構成され、従来のシム調整機構が不要
となるなどによつて構造が極めて簡素化されてお
り、さらに、板バネ１１の取替えによつて版ｂの
材質に対応した版咬え性能に容易に調整できるな
どの利点を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は印刷機の版胴に装備されている版締装
置の配置を示す版胴の端面図、第２図Ａは従来の
版締装置を示す第１図の上面図、第２図Ｂは第２
図Ａの−部分の断面図、第３図は第２図Ａの
−部分の断面図、第４図は第３図の作用説明
図、第５図Ａは本考案の一実施例を示す版締装置
の平面図、第５図Ｂは第５図Ａの−部分の断
面図、第６図は第５図Ａの−部分の断面図で
ある。ａ：版胴、a₁：軸方向溝、b₁：版端部、A₁，
A₂：版締装置、１：下歯、２：上歯、９：支え
ボルト、１０：締付カム、１１：板バネ、１２：
空間。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

印刷機の版胴外周部に形成されている軸方向溝
内に下歯を配設し、該下歯上に複数に分割形成さ
れた上歯をそれぞれ回動操作可能に配設して、前
記下歯の前部上面上の版端部を複数の前記上歯の
前部下面で咬持する構成を具えた版締装置におい
て、前記下歯の後部上面側に前記各上歯共通の締
付カムを前記版胴の軸方向に延設するとともに、
複数の前記上歯の後部下面に板バネをそれぞれ設
けて、前記各板バネを前記締付カムへの当面に構
成した版咬持機構を具備したことを特徴とする印
刷機の版締装置。