JPH038206Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、電気湯沸器に関するものである。

従来の電気湯沸器においては、内容器の外壁温
度を検知してヒータ電流を制御するようにしてい
るが、内容器外壁は普通ヒータによつて直接加熱
されているため、外壁温度は、ヒータからの熱伝
導等の影響で、内容器内の湯温より高くなる結
果、検知温度と実際の湯温との間に差異が生じる
という不都合があつた。特に、電気湯沸器におい
ては、温度誤差許容範囲が小さい（100℃近辺）
ため、検知温度のずれは大きな問題を内包してい
た。

本考案は、上記の点に鑑み、電気湯沸器の構造
を改良して、実際の湯温を検知するに適している
蒸気温度を検知し得るようにし、以つて、ヒータ
電流制御を正確に行ない得る効率の良い電気湯沸
器を提供することを目的とするものである。

以下、添付の図面を参照して本考案の実施例に
かかる電気湯沸器を説明する。

第１図は本考案の実施例を示している。

この電気湯沸器は、外装ケース３上端に肩部材
４を取付けてなる本体ケース１と該本体ケース１
の肩部材４開口部に蝶番ピン５を介して開閉自在
に取付けられた蓋体２とからなつている。

前記本体ケース１内には、ステンレス等の耐蝕
性金属からなる内容器６がその上部に肩部材４を
貫通する給水口７を形成する如くして配設され
る。即ち、内容器６は、その上端開口縁６ａを肩
部材４の開口縁４ａに連結する一方、その底面６
ｂを外装ケース３の底部に支持具８，８を介して
連結することによつて本体ケース１内に配設固定
されている。

内容器６の周側外壁には加熱用のヒータ９が取
付けられている。

一方、蓋体２内には、内容器６内の湯を外部へ
注出するためのポンプ１０が配設される。該ポン
プ１０としては、手動式あるいは電動式のエアポ
ンプ又は、電動軸流ポンプを使用することができ
るが、本実施例では、押圧板１１の押圧操作によ
つて駆動する手動式のエアポンプが採用されてい
る。

又、前記給水口７は、エアポンプ１０からの空
気通路と内容器６からの蒸気通路とを兼用する内
腔１３を有する着脱自在な中蓋１２によつて密閉
されている。

前記エアポンプ１０の吐出口１５と中蓋内腔１
３とは蓋体２の閉蓋時にパツキン１６を有する通
孔１７を介して気密的に連通されるようになつて
いる。符号１４はエアポンプ１０の吸入口であ
る。

前記中蓋１２には、内容器６内底部に臨む液体
汲上げ管１８と本体ケース１外に臨む注出管１９
とが取付けられており、両者は中蓋内通路２０を
介して連通せしめられて、内容器６内と本体ケー
ス１外とを連通させる液体注出通路２１を構成し
ている。尚、この液体汲上げ管１８及び注出管１
９は肩部材４に取付けられる場合もある。

更に、中蓋１２には、内容器６内の蒸気Ｓを案
内する蒸気ガイド２３が形成されいる。

該蒸気ガイド２３の入口側の開口２３ａを通孔
１７との間には、両者を交互に閉塞するための弁
体２４がスプリング２５によつて通孔１７側に付
勢されて配設されている。

該弁体２４はエアポンプ１０内に配設された押
圧部材２６によつて押圧板１１の押圧操作時に押
し下げられるようになつている。符号２７はエア
ポンプ１０の復帰用スプリング、２８は押圧部材
２６の復帰用スプリングである。

又、肩部材４には、蒸気ガイド２３出口側の開
口２３ｂと対向する部位に、蒸気温度を検知する
センサー２９が配設されている。つまり、内容器
６内の蒸気Ｓは、中蓋内腔１３から蒸気ガイド２
３に入り、該蒸気ガイド２３に案内されて肩部材
４上方の空間部３２に至り、その後外部へ排出さ
れることとなつており、前記中蓋内腔１３、前記
蒸気ガイド２３および前記空間部３２によりエア
ポンプ１０内を通ることなく肩部材４上方を通る
蒸気排出通路２２が形成されることとなつている
のである。そして、前記センサー２９には、前記
蒸気ガイド２３により案内された蒸気Ｓが接触せ
しめられることとなつている。このセンサー２９
は、前記内容器６と外装ケース３との間に形成さ
れる空隙３５に配設されるリード線３３およびコ
ンセント３４を介してヒータ９と接続されて、検
知蒸気温度に応じてヒータ電流を制御する作用を
有している。即ち、内容器６内の水が沸騰する
と、その蒸気温度を検知してヒータ９を加熱から
保温に切換えるようになつている。

なお、図面中、符号３０は液体注出通路２１外
端に形成された注出口、３１は蓋体２に押圧板１
１を臨ましめるべく形成された開口部である。

次に第１図図示の電気湯沸器の作用を説明す
る。

内容器６内に水Ｗを入れ、ヒータ９に通電して
これを加熱すると、内容器６内より蒸気Ｓが発生
する。この時、弁体２４は通孔１７を閉塞してお
り、蒸気ガイド２３の入口側開口２３ａは開放さ
れている。従つて蒸気Ｓは中蓋内腔１３及び蒸気
ガイド２３を経てセンサー２９に接触せしめられ
る。内容器６内の水Ｗが沸騰すると、蒸気Ｓは最
高温度となるので、該蒸気温度をセンサー２９が
検知してヒータ９を加熱から保温に切換える。

又、この電気湯沸器から注湯しようとする時
は、押圧板１１を押圧操作してエアポンプ１０を
駆動せしめると、弁体２４が押圧部材２６によつ
て押し下げられて、通孔１７を開放すると同時に
蒸気ガイド２３の入口開口２３ａを閉塞するの
で、エアポンプ１０からの加圧空気は内容器６内
に吹き込まれ、該加圧空気によつて、内容器６内
の湯は液体注出通路２１を通つて外部へ押し出さ
れる。

又、上記各実施例では、蓋体２を開閉自在とな
しているが、これを着脱自在とすることもでき
る。

更に、上記各実施例においては、給水口７に対
して着脱自在となる中蓋１２に汲上げ管１８、注
出管１９を設けてあるが、該中蓋１２を２部材に
よつて構成し、一部材に汲上げ管１８、注出管１
９を設け、他部材に蒸気ガイド２３を形成しても
よい。

続いて、本考案の電気湯沸器の効果を述べる。

即ち、本考案によれば、蒸気排出通路２２を構
成する部材の一つである肩部材４に、該蒸気排出
通路２２内を流通する蒸気の温度を検知して前記
ヒータ９への電流を制御するセンサー２９を付設
して、センサー２９によつて直接蒸気温度を検知
し得るようにしたので、内容器６内の湯温とセン
サー２９による検知温度との誤差が小さくなり、
湯沸かし効率が著しく良好となるとともに、セン
サー２９を取り付けるための特別な部材も不要な
ので構造の簡略化および低コスト化にも寄与する
という実用的な効果がある。

また、センサー２９に接続されるリード線３３
を、外装ケース３と内容器６との間に形成される
空隙３５を通して配線するようにしたので、既存
空間の有効利用が図れることとなり、コンパクト
化に大いに寄与するという効果もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例にかかる電気湯沸器の
縦断面図である。 １……本体ケース、２……蓋体、４……肩部
材、６……内容器、７……給水口、９……ヒー
タ、１２……中蓋、２１……液体注出通路、２３
……蒸気ガイド、２９……センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 外装ケース３とその上端に取付けられた肩部材
   ４とで構成された本体ケース１内に、ヒータ９に
   よつて加熱され得るようにされた内容器６を上部
   に給水口７を形成する如くして配設し且つ前記肩
   部材４の開口部には、前記内容器６内の湯を導出
   するためのポンプ１０を内蔵してなる蓋体２を開
   閉あるいは着脱自在に取付け、さらに前記内容器
   ６内と本体ケース１外とを液体注出通路２１を介
   して連通せしめるとともに、前記内容器６内の蒸
   気を前記ポンプ１０内を通すことなく前記肩部材
   ４上方を通して外部に導く蒸気排出通路２２を設
   けてなる電気湯沸器であつて、前記蒸気排出通路
   ２２を構成する部材の一つである肩部材４には、
   該蒸気排出通路２２内を流通する蒸気の温度を検
   知して前記ヒータ９への電流を制御するセンサー
   ２９を付設するとともに、該センサー２９に接続
   されるリード線３３を、前記外装ケース３と内容
   器６との間に形成される間隙３５を通して配線し
   たことを特徴とする電気湯沸器。