JPH0380579B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、金属湯を収容する容器のためのスラ
イド式ノズルであつて、容器の湯口の下側に定置
に配置された底プレートと、この底プレートに対
して往復運動可能でスライドフレーム内に位置決
めされた少なくとも１つのスライドプレートとを
有しており、該スライドプレートが前記底プレー
トの下側範囲でこのスライドプレートに作用する
緊締機構によつて底プレートに対してシールされ
ながら押しつけられており、しかも、湯口の両側
でスライド方向に延びる、前記スライドプレート
の下側の面が前記緊締機構によつて負荷されてい
る形式のものに関する。

従来の技術 このような形式の、有利には分配溝の湯口に組
み込まれたスライド式ノズル（ドイツ連邦共和国
特許出願公開第2146677号明細書参照）において
は、ガイド部材内でガイドされたスライドフレー
ムに２つのスライドプレートが相前後して差し込
まれており、これら２つのスライドプレートのう
ちの、そのつど容器の湯口の下に来る方のスライ
ドプレートがばね機構によつて底プレートに押し
つけられる。ばね機構は、定置の水平な軸を中心
にして旋回可能な旋回レバーとガイド部材内に配
置された押圧ばねとから成つている。旋回レバー
はプレートのスライド方向に対して直交する方向
に配置されていて、旋回レバーのそれぞれ一端部
に押圧ばねが作用し、それぞれ他端部を介して押
圧力がスライドプレートに直接伝達されるように
なつている。スライドプレートの耐火性部分の側
面及び下側を取り囲む、柔軟鋼より製造された金
属薄板被覆材は旋回レバーの前記両端部に滑り接
触している。

発明が解決しようとする問題点 このような多かれ少なかれ点状の力伝達によつ
て、非常に高い温度下で大きな摩耗にさらされる
スライドプレートに付加的に尖端押圧負荷箇所が
形成され、これによつてスライドプレートの耐用
年数は不都合に短縮される。

また今日のスライド式ノズルにおいてはプレー
トは金属薄板被覆材によつてのみおおわれている
ということも考慮しなければならない。つまりこ
のために公知のスライド式ノズルの旋回レバー
は、硬くもろい耐火性材料を直接押しつけ、この
押しつけ箇所で耐火性材料がくだけてしまうこと
もある。

そこで本発明の課題は、初めに述べた形式のス
ライド式ノズルを、緊締機構によつて加えられる
押圧力がスライドプレートに最適に伝達されしか
も分配されるように改良することである。

問題点を解決するための手段 前記問題点を解決した本発明によれば、少なく
ともスライドプレートの下側の面に、スライドフ
レーム内で位置決めされかつこのスライドフレー
ムに対して相対的に上下運動可能な滑り条片が当
接しており、該滑り条片が、前記緊締機構とスラ
イドプレートの下側との間で前記底プレートの下
側範囲に達しており、前記緊締機構が、湯口の両
側で定置の軸を中心にして旋回可能でかつスライ
ド方向に対して直交する方向で並列配置された少
なくともそれぞれ３つの旋回レバーと、これらの
旋回レバーに作用するばねとから成つており、こ
れらのばねが旋回レバーの外側の端部に作用し、
旋回レバーの内側の端部は滑り条片と滑り接触し
ている。

作 用 以上のような簡単な技術的手段によつて、緊締
機構によつて加えられる押圧力はスライドプレー
トに理想的に均一に伝達され、これによつてこの
スライドプレートにおける摩耗箇所の耐用年数が
高められる。

実施態様 本発明の有利な実施態様によれば、滑り条片
は、スライドフレームの両側で切欠き内にスライ
ド方向に延びて配置されており、この滑り条片は
スライドプレートにそれぞれほぼその全長にわた
つて下側から係合している。また、滑り条片には
長手方向溝が形成されており、この長手方向溝の
中央にそれぞれ１つの、スライドフレーム内に垂
直に固定されたピンが貫通係合しており、該ピン
が、滑り条片を保持して下側を閉鎖するストツパ
面を備えている。これによつてスライドプレート
はこのスライドプレートに緊締機構が作用する範
囲から出る方向でスライドする際に、スライドフ
レームから抜け落ちることはない。

またスライドプレートと滑りプレートとが前記
緊締機構の作用する範囲外でスライド式ノズルケ
ーシングによつて保持されている場合は、滑り条
片に長手方向溝が形成されており、該長手方向溝
の中央にそれぞれ１つの、スライドフレーム内で
垂直に固定された円筒形状のピンが貫通係合され
ていれば十分である。

スライドプレートを滑り条片と一緒に、底プレ
ートとこの底プレートに作用する緊締機構との間
で申し分なくガイドすることができるように、滑
り条片はそれぞれ、スライドフレーム内で保持さ
れスライドプレートに作用する少なくとも１つの
ばねによつて負荷されている。このばねは、スラ
イドプレートと滑り条片とが、底プレートの滑り
面と同じ平面を成す面に向かつて、スライド式ノ
ズルケーシングに押しつけられるように作用す
る。

滑り条片の端面側の上下にやや球状の丸味部が
設けられており、該丸味部によつて、滑り条片が
スライドフレームに対して相対的に長手方向で斜
めに調節され、これによつて耐火性プレートの下
側の非扁平性に合わせられる。

実施例 次に図面に示した実施例について本発明の構成
を具体的に説明する。

第１図に示したスライド式ノズル２０は分配溝
１０の底部に固定されている。この部分的にのみ
図示された、ほぼ金属湯容器の形状を有する分配
溝１０は、鋼被覆材１２によつて取り囲まれてい
て、耐火性ライニング１３と、この耐火性ライニ
ング１３内に埋め込まれた湯出しスリーブ１４と
を有している。この湯出しスリーブ１４には、ス
ライド式ノズル２０のケーシング２２内に挿入さ
れた耐火性の底プレート２４が隣接している。こ
の耐火性の底プレート２４には耐火性のスライド
プレート２５が気密に配置されている。このスラ
イドプレート２５に一点鎖線で示された下側の耐
火性の錠プレート３２が配置されており、この錠
プレート３２に鋳込み管３０が金属薄板被覆材に
よつて固定されている。図示のスライド式ノズル
２０の開放位置で金属湯が分配溝１０から耐火性
部分の一列に並んだ湯口１６を通つて図示してい
ない連続鋳造鋳型に流れ込む。

鋼被覆材１２にねじ固定されたケーシング２２
で、スライドフレーム２８が図示していない駆動
装置によつて長手方向でガイドされている。スラ
イドフレーム２８内では２つのスライドプレート
２５，２６が位置決めされている。これら２つの
スライドプレート２５，２６のうちスライドプレ
ート２５は鋳込みプレートとして構成されてい
て、スライドプレート２６は閉鎖プレートとして
構成されている。このスライドプレート２６は有
利には多孔性の挿入部材１７を有しており、この
挿入部材２７によつて、閉鎖時に鋳込み通路にガ
スを吹き込むことができる。鋳込みプレート（ス
ライドプレート２５）は閉鎖位置でスライド式ノ
ズル２０の外側に位置していて、ここで容易に交
換することができる。これに対して閉鎖プレート
（スライドプレート２６）は鋳込みプレート程し
ばしば交換する必要はないので、蓋２９を下方旋
回させて下側からケーシング２２より取り出して
交換することができる。

底プレート２４の下側範囲で緊締機構４０は本
発明による滑り条片２７を介してスライドプレー
ト２５を押しつけ、これによつてスライドプレー
ト２５は底プレート２４に対してシールされなが
ら押しつけられる。

第２図によれば緊締機構４０は旋回レバー４２
とばね４４とから成つており、この旋回レバー４
２とばね４４はケーシング２２内で保持された鋳
型１８で支えられている。湯口１６の両側には、
スライド方向に対して直交する方向で並んで配置
されしかも定置の水平な軸４３を中心にして旋回
可能なそれぞれ５つの旋回レバー４２が配置され
ている。旋回レバー４２の外側の端部４２″には
ばね４４が作用しており、これに対して内側の端
部４２′は底プレート２４の下部で滑り条片２７
と滑り接触している。スライドフレーム２８内で
スライド方向に延びていて上下運動可能な滑り条
片２７は、この緊締機構４０によつて生ぜしめら
れる押圧力をスライドプレート２５の下側２５′
に伝達し、閉鎖位置でスライドプレート２６の下
側２６′に伝達する。

第３図に示されたスライドフレーム２８は、こ
のフランジフレーム２８内で位置決めされたスラ
イドプレート２５，２６及び滑り条片２７，２
７′を示している。これらの滑り条片２７，２
７′はスライド方向に沿つて及びこれに直交する
方向に延びる切欠き５８，５８′内に配置されて
いて、それぞれスライドプレート２５，２６の下
側２５′，２６′の面４５，４５′をおおつている。
スライドプレート２５，２６の両側には、これら
のスライドプレート２５，２６のほぼ全長にわた
つて延びるそれぞれ１つの滑り条片２７，２７′
が設けられている。

鋳込みプレートとして構成されたスライドプレ
ート２５の滑り条片２７はそれぞれ２つの長手方
向溝５６を有しており、これらの長手方向溝５６
を通つて、スライドフレーム２８にねじ込まれた
ピン５０が垂直方向に貫通係合している（第４図
参照）。このピン５０は、滑り条片を保持する閉
鎖用のストツパ面５１を備えている。このピン５
０の寸法は、滑り条片が上下運動可能でスライド
プレート２５の下側２５′に遊びなしで当接でき
る程度の寸法に構成されている。滑り条片の端面
側５７に形成されたわずかな丸味部５７′は上下
方向に作用し、これによつて、ストツパ５９が設
けられているにも拘らず滑り条片が切欠き５８内
でスライドフレーム２８に対して長手方向で斜め
に調節されひいてはプレートの平行ミスを補償す
ることができる。

第５図によれば２つの滑り条片２７の中央にそ
れぞれ１つの、スライドフレーム２８に固定され
たピン５２によつて切欠き５２内で保持されたば
ね５４が配置されている。これらのばね５４は一
緒に、スライドプレート２５及び滑り条片２７の
自重を克服する緊締力を生ぜしめ、これによつて
スライドプレートをスライド式ノズルの開放位置
若しくは閉鎖位置で、底プレート２４の滑り面と
同一平面を形成する面２３に押しつけ、これによ
つてスライドプレートを、このために段階的な傾
斜面２７″を備えた滑り条片と一緒に底プレート
と緊締機構との間に申し分なく差し込むことがで
きる。

スライドプレート２６のための滑り条片２７′
は第６図によれば同様に長手方向溝５６′を有し
ており、この長手方向溝５６′の中央にそれぞれ
１つの、スライドフレーム２８にねじ込まれた円
筒形状のピン５５が貫通係合する。これらのピン
５５及びスライドフレーム２８に設けられたスト
ツパ５９′によつて滑り条片はスライドフレーム
２８内で位置決めされるが、上下運動可能に配置
されている。しかも滑り条片２７′はこの滑り条
片２７′の上下方向に延びる端面側の丸味部５
７′によつてスライドフレーム２８に対して長手
方向でやや斜めに設置することができる。スライ
ドフレーム２８の下側に配置された蓋２９は、滑
り条片２７′のためのガイド部材として用いられ
る。閉鎖プレート２６を交換する場合、蓋２９は
下方旋回させることによつて開けられ、これによ
つてこの閉鎖プレート２６は滑り条片２７′と一
緒に取り出される。

効 果 以上のように本発明のスライド式ノズルによれ
ば、緊締機構によつて加えられる押圧力がスライ
ドプレートに最適に均一に分配伝達され、これに
よつて耐用年数が高められた。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の１実施例によるスライド式ノ
ズルの部分的な縦断面図、第２図は第１図のスラ
イド式ノズルの横断面図、第３図は、スライドプ
レートと滑り条片とが差し込まれているスライド
フレームを下側から見た図、第４図は第３図の
−線に沿つた断面図、第５図は第３図の−
線に沿つた断面図、第６図は第３図の−線に
沿つた断面図である。 １０……分配溝、１２……鋼被覆材、１３……
耐火性ライニング、１４……湯出しスリーブ、１
６……湯口、１７……挿入部材、１８……鋳型、
２０……スライド式ノズル、２２……ケーシン
グ、２３……面、２４……底プレート、２５，２
６……スライドプレート、２５′，２６′……下
側、２７，２７′……滑り条片、２７″……傾斜
面、２８……スライドフレーム、２９……蓋、３
０……鋳込み管、３２……錠プレート、４０……
緊締機構、４２……旋回レバー、４２′，４２″…
…端部、４３……軸、４４……ばね、４５，４
５′……面、５０……ピン、５１……ストツパ面、
５２……ピン、５３……切欠き、５４……ばね、
５５……ピン、５６，５６′……長手方向溝、５
７……端面側、５７′……丸味部、５８，５８′…
…切欠き、５９，５９′……ストツパ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 金属湯を収容する容器のためのスライド式ノ
   ズル２０であつて、容器の湯口１６の下側に定置
   に配置された底プレート２４と、この底プレート
   ２４に対して往復運動可能でスライドフレーム２
   ８内に位置決めされた少なくとも１つのスライド
   プレート２５，２６とを有しており、該スライド
   プレート２５，２６が前記底プレート２４の下側
   範囲でこのスライドプレート２５，２６に作用す
   る緊締機構４０によつて底プレート２４に対して
   シールされながら押しつけられており、しかも、
   湯口１６の両側でスライド方向に延びる、前記ス
   ライドプレート２５，２６の下側の面が前記緊締
   機構４０によつて負荷されている形式のものにお
   いて、少なくとも前記スライドプレート２５，２
   ６の下側２５′，２６′の面４５，４５′に、スラ
   イドフレーム２８内で位置決めされれかつこのス
   ライドフレーム２８に対して相対的に上下運動可
   能な滑り条片２７，２７′が当接しており、該滑
   り条片２７，２７′が、前記緊締機構４０とスラ
   イドプレート２５，２６の下側２５′，２６′との
   間で前記底プレート２４の下側範囲に達してお
   り、前記緊締機構４０が、湯口１６の両側で定置
   の軸４３を中心にして旋回可能でかつスライド方
   向に対して直交する方向で並列配置された少なく
   ともそれぞれ３つの旋回レバー４２と、これらの
   旋回レバー４２に作用するばね４４とから成つて
   おり、これらのばね４４が旋回レバー４２の外側
   の端部４２″に作用し、旋回レバー４２の内側の
   端部４２′が滑り条片２７，２７′と滑り接触して
   いることを特徴とする、金属湯を収容する容器の
   ためのスライド式ノズル。 ２ スライドプレート２５，２６の両側でスライ
   ドフレーム２８の切欠き５８，５８′内に、スラ
   イド方向に延びるそれぞれ１つの滑り条片２７，
   ２７′が差し込まれており、該滑り条片２７，２
   ７′がスライドプレート２５，２６にそのほぼ全
   長にわたつて下側から係合している、特許請求の
   範囲第１項記載のスライド式ノズル。 ３ 滑り条片２７に長手方向溝５６が形成されて
   おり、該長手方向溝５６の中央に垂直に固定され
   たピン５０が貫通係合しており、該ピン５０が、
   滑り条片２７を保持し下側を閉鎖するストツパ面
   ５１を備えている、特許請求の範囲第２項記載の
   スライド式ノズル。 ４ 滑り条片２７′に長手方向溝５６′が形成され
   ており、該長手方向溝５６′の中央にそれぞれ１
   つの、スライドフレーム２８内で垂直に固定され
   た円筒形状のピン５５が貫通係合している、特許
   請求の範囲第２項記載のスライド式ノズル。 ５ 滑り条片２７がそれぞれ、スライドフレーム
   ２８内で保持されスライドプレート２５に対して
   作用する少なくとも１つのばね５４によつて負荷
   されている、特許請求の範囲第３項記載のスライ
   ド式ノズル。 ６ 滑り条片２７，２７′の端面側５７，５７′の
   上下にやや球状の丸味部が設けられており、該丸
   味部によつて、滑り条片２７，２７′がスライド
   フレーム２８に対して相対的に長手方向で斜めに
   調節される、特許請求の範囲第１項記載のスライ
   ド式ノズル。