JPS6226862B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、固定的に支持された底板と閉鎖装置
ハウジングと底板に対して直線状に移動可能な摺
動単位体とを持ち、この摺動単位体が、ハウジン
グに案内される往復台と、この往復台と連行する
ように結合されている摺動板と、この往復台には
められた締付け機構とを持ち、この締付け機構が
摺動板の方へ初応力をかけられてこの摺動板を底
板に接触させる溶湯容器の摺動閉鎖装置に関す
る。

この種の公知の摺動閉鎖装置（例えばドイツ連
邦共和国特許出願公開第2227501号明細書）にお
いては、固定された耐火底板が、溶湯容器に取り
付けられた取付け板に保持される。閉鎖装置ハウ
ジングは、耐火摺動板を持つ摺動単位体を含んで
おりかつこの閉鎖装置ハウジングの縦辺の一方が
取付け板に枢着されている。ハウジングと取付け
板とを結合するために、ハウジングの各縦辺にそ
れぞれ１つのトグルリンク拘束機構が設けられて
おり、これらのトグルリンク拘束機構はハウジン
グを閉鎖するために同時に操作されなければなら
ず、その際摺動往復台と摺動板との間に存在する
締付け機構、すなわち往復台にゆるくはめ込まれ
た複数の圧縮ばねが締め付けられる。トグルリン
ク拘束機構を開放しかつハウジングを外方へ揺動
させると、摺動板（底板も）取り出すことがで
き、それからはじめて検査あるいは取替えのため
に圧縮ばねに近づくことができる。圧縮ばねによ
り摺動板に及ぼされる押圧力は、大きさおよび分
布に応じて、取付け板に関してハウジングに案内
される摺動往復台の位置に、したがつてまたハウ
ジング自体の位置に直接左右される。しかし上述
したトグルリンク拘束機構は多数の枢着個所を持
つておりかつしばしば高い機械的荷重を受けて操
作されるから、ハウジングの不変の作動位置が保
証されないかあるいはかなりの保守および点検費
用をかけなければ保証されない。したがつて公知
の装置においては、両方の閉鎖板の間の押圧力が
異なりかつ不均一に分布する恐れがある。

したがつて本発明の課題は、冒頭に挙げた種類
の摺動閉鎖装置において、閉鎖板の摺動面におけ
るできるだけ不変のかつ均一に分布した押圧力を
保証し、したがつてまた操作中における摺動板の
傾斜を回避することにある。この要求は、同じ１
対の板により一層多くの開放および閉鎖運動を保
守なしに行なわなければならない場合に特に重要
である。

この課題は、閉鎖装置ハウジングが、底板を支
持するために摺動往復台とは反対側にある支持面
を持ち、この支持面を案内部と所定の間隔を置い
て結合する剛性構造単位体を形成することによつ
て解決される。本発明による構成においては、閉
鎖装置ハウジングが、底板の支持片と摺動往復台
の案内片との間のはまり合い結合部を形成し、そ
れによつて上述の困難が回避されるのみならず、
構造がかなり簡単化される。

特許請求の範囲第２項および第３項による手段
は、締付け機構の作用なしに閉鎖装置を組み立て
または解体することを可能にする。特許請求の範
囲第４項および第５項の特徴により、摺動面にわ
たる圧力分布は摺動位置に関係なく均一になり、
特許請求の範囲第６項は、有害な傾斜モーメント
なしに摺動往復台と摺動板との間の連行を可能に
する。特許請求の範囲第７項および第８項は閉鎖
装置ハウジングの２つの実施例に関しており、こ
れらの実施例は摺動単位体の簡単な組込みおよび
取外しを可能にする。最後に、特許請求の範囲第
９項は、開放位置における摺動板の正確な位置決
めを可能にし、そのことは閉鎖装置ハウジングの
本発明による構成によりはじめて有意義になる。

本発明のそれ以外の特徴および利点は、図面に
よる実施例の以下の説明からわかる。

第１の実施例の図示において、溶湯容器におけ
る摺動閉鎖装置の取付け位置は第２図および第３
図からわかるが、第１図による底面図には溶湯容
器の各部分が省略されている。閉鎖装置が溶湯の
流出を調節する溶湯容器１は、融解炉、保温容
器、処理容器あるいは輸送容器などであつてよ
い。溶湯容器は通常のように耐火れんが積み３で
内張りされている金属板外皮２から構成されてい
る。容器の出口範囲において、貫流孔５を持つ耐
火孔あきれんが４がれんが積み３の中へはめ込ま
れている。この孔あきれんがは、環状モルタル継
ぎ目８にわたつて閉鎖部の定置底板２０に対する
密な接続を行なう。ほぼ方形の閉鎖装置ハウジン
グ１０をはめるために金属外皮２は適当な切欠き
６を持つている。熱伝導の悪い耐火材料からでき
ている中間層７は、れんが積み３の中へ突出して
いる金属製ハウジング底１１に対する熱絶縁に役
立つ。

摺動閉鎖装置の主要構成要素は、金属製閉鎖装
置ハウジング１０、固定された耐火底板２０およ
び耐火摺動板４０を持つ摺動単位体３０である。
孔あきれんが４にある開口５、底板と摺動板とに
ある孔および閉鎖部の図示した開口位置における
摺動板につながつている出口スリーブ４３の孔
は、公知のように、連続した出口通路５０を形成
している。なるべく液圧シリンダ２５により摺動
単位体３０を閉鎖位置へ移動させることにより、
出口通路５０が、したがつてまたハウジング１か
らの溶湯の流出がしや断される。閉鎖位置におけ
る摺動単位体３０の位置は、第２図において左側
に１点鎖線で示されている。耐火という概念は、
本発明の枠内においては、種々の（および温度の
異なる）溶湯の使用に関して一般に、溶湯と直接
接触する部分または材料がこの溶湯に対して充分
耐えるようになつていると理解され得る。

閉鎖装置ハウジング１０は底１１、端壁１２お
よび側壁１４を持つている。容器外皮２に閉鎖装
置を取外し可能に取り付けるために、ハウジング
１０から突出している耳片１３が設けられてい
る。底板２０はハウジング自体の中に、すなわち
このハウジングの底１１にある切欠き１５に支持
され、その際切欠き１５の基部にある支持面１６
によりハウジングに対して正確に合わされてい
る。底板２０は、図示したように、２つの部分、
すなわち貫流孔と摺動面４９とを持つ板部分２２
およびこの板部分をハウジング１０に対して熱絶
縁する中間層２１から構成されるのが有利であ
る。同様に、摺動板４０も、摺動面を持つ板部分
４２と熱絶縁する中間層４１とから構成されてお
り、摺動板４０は金属製摺動板保持枠３８にある
正確に加工された支持面３９に支持されている。

底１１とは反対側においてハウジング１０は開
いている。ハウジング１０は２つの平行な案内条
片１８を持つており、これらの案内条片は摺動往
復台３２の摺動軌道２３を形成しかつ側壁１４と
取外し可能に結合され、なるべくねじ止めされる
のが好ましい。この場合案内条片１８は側壁１４
の加工された端面１７に載つているので、底板２
０の支持面１６と摺動往復台３２の摺動軌道２３
との間の正確な平行および所定の間隔が常に保証
されている。したがつて閉鎖装置ハウジング１０
は剛性構造単位体を形成し、この構造単位体は支
持面１６を案内条片１８またはこの案内条片の摺
動軌道２３と不変にはまり合い結合する。側方に
おいて摺動往復台３２は、直線移動の際、側壁１
４の加工された内面１９の間に案内される。

摺動単位体３０は摺動往復台３２とこの摺動往
復台により分離された摺動板４０の保持枠３８と
から構成されている。閉鎖装置の操作のために、
Ｕ字状片２４を介してハウジング１０に取り付け
られた液圧往復シリンダ２５が設けられており、
この往復シリンダの押し棒頭部２６が摺動往復台
３２の切欠きにはまる。摺動往復台３２に取り付
けられた２つの連行ピン３６は保持枠３８の適当
な孔の中へ突出しているので、この保持枠は摺動
板４０と共に摺動方向に摺動往復台３２により連
行される。保持枠３８は摺動板４０の他に耐火出
口スリーブ４３を保持しており、この出口スリー
ブ４３は下方において板部分４２と接続しかつこ
の板部分となるべくモルタル継ぎ目を介して結合
されるのが好ましい。

ハウジングの駆動側端面１２の中へ、ピストン
棒を包囲するスリーブ２７がねじ込まれており、
このスリーブは止めナツト２９により止められて
おり、この止めナツトの端面２８はハウジングの
内部において摺動単位体の開放位置における摺動
往復台３２のストツパを形成している。それによ
つて両方の閉鎖板の孔が互いに正確に合わせられ
る。

摺動往復台３２に締付け機構３４がはめられて
おり、この締付け機構は保持枠３８の方へしたが
つてまた間接的に摺動板４０の方へ初応力をかけ
られ、この摺動板の摺動面４９を底板２０に接触
させる。締付け機構３４の内部構造は第２図の左
側からわかる。ばね積層体３７、なるべく１組の
皿ばねが、締付け機構の縦孔の中で案内されかつ
軸線方向に移動可能に案内される押し棒３５のフ
ランジと締付け機構の頭部との間において初応力
をかけられる。押し棒３５の突出している上端は
保持枠３８に接触しており、ばね積層体３７は所
定量だけ圧縮されかつ適当な力を押し棒３５を介
して保持枠に及ぼす。

両方の締付け機構３４は摺動往復台３２のねじ
孔３３の中へねじ込まれかつストツパ面（フラン
ジ面）３１に締め付けられる。これらの締付け機
構３４は、摺動板４０とは反対側から摺動往復台
３２の中へはめ込まれており、そのことは往復台
のこの側が露出していることにより可能である。
なぜならばハウジング１０がこの側において開い
ているからである。

閉鎖装置の組立てあるいは解体の際、締付け機
構３４からねじが抜かれまたは板２０および４０
の間の押圧力がなくなるまでゆるめられる。取外
し可能に取り付けられた案内条片１８を取り外し
た後に、摺動単位体３０および底板２０をハウジ
ングから取り出すことができる。こうして閉鎖板
の検査または交換が容易にできる。既に述べたよ
うにハウジングの底板の支持面１６と案内条片１
８にある摺動軌道２３との間で剛性結合されてい
るハウジングの構造様式のために、底板に関して
摺動往復台に対する正確に規定された基礎が必然
的に得られる。それにより、組立ての終わりに締
付け機構がねじ込まれかつストツパに締付けられ
る場合には、締付け機構３４により及ぼされる押
圧力も（ばね３７の寸法および初応力が与えられ
ている際に）所定の狭い限界内に保たれる。

さらに以下に述べる別の手段により、閉鎖板２
０および４０の間の面圧が各摺動位置においてか
つ閉鎖装置の操作中においても摺動面４９にわた
つて完全に均一に分布するようになつている。

第１の構造的な手段は、締付け機構３４が摺動
板４０の寸法に関して対称的に摺動往復台３２に
はめられており、しかも第１図からわかるように
摺動方向にかつ摺動方向に対して直角にはめられ
ていることにある。一方では両方の締付け機構３
４が板対称軸線４８に対して等距離を置いて配置
されており、この対称軸線は摺動方向に対して垂
直に延びている。締付け機構が２つだけであるか
ら、これらの締付け機構はさらに摺動方向に延び
ている板対称軸線４７上にある。板部分４２の摺
動面の輪郭は第１図に破線で記入されている。底
板２０または板部分２２の摺動面は摺動板の板部
分４２の摺動面と同じ幅を持つているが、しかし
底板が摺動方向に長くなつているので、摺動板は
各摺動位置において全面的に接触している。この
ことは、両方の板の間の相互の支持面（密封面）
４９が常に同じ大きさであり、したがつてまた締
付け機構の押圧力が与えられている場合には面圧
すなわち単位面積当りの力が一定であることを意
味する。既に述べたように連行ピン３６を保持枠
３８の孔の中へはめることにより摺動板を連行す
ることによつて、摺動操作中に摺動板を正確に案
内することができる。ピン３６の力の作用はほぼ
摺動面４９の高さの所で行なわれ、さらにこのピ
ンは、第１図からわかるように、摺動方向に対し
て垂直になつている板対称軸線４８上にはまつて
いる。この種の結合により、摺動運動中において
も面圧の均一な分布が充分に維持されている。

摺動面における均一に分布した不変の面圧は、
有害な傾斜モーメントおよび縁押圧を回避するこ
とと同等である。その結果閉鎖板の摺動面のみな
らず摺動往復台とハウジングとの間の金属製摺動
案内部にも極く僅かの均一な摩耗が生ずる。これ
らの板の永続的な充分な接触は、空気が摺動面に
沿つて流出する溶湯へ入るのを防止し、特に摺動
操作中にこれらの板の間へ金属舌片を引き込むの
を防止する。上述した摺動閉鎖装置のこれらの特
性は保守なしに多数の開放および閉鎖運動を可能
にしかつ例えば鋳造の際、特に非鉄金属を鋳込む
際に閉鎖装置を溶湯の計量に特に適するようにす
る。

第４図および第５図に示した本発明による摺動
閉鎖装置の変形例は、特にハウジングの構成の点
で第１図ないし第３図による実施例と相違する。
これに対して相当数の個々の部分は、前述の実施
例の場合と同じでありかつ同じ符号を付けてあ
る。第４図および第５図によれば、摺動往復台３
２の摺動軌道２３′を形成する案内条片１８′が、
ハウジング１０またはこのハウジングの側壁１４
と一体に形成されている。それにもかかわらず摺
動単位体および底板の組込みおよび取外しを可能
にするために、ハウジング１０は取外し可能な端
壁５２を持つている。この端壁は２つの側方条片
あるいはばね５３を備えており、これらの条片あ
るいはばねは、ハウジング側壁の端部１４′にあ
る溝５４にはまる。したがつて端壁５２は（図示
してない組立て用止め装置をゆるめた後に）溝５
４の方向に引き出すことができ、それによつて、
締付け機構３４からねじが抜かれると、摺動単位
体全体を容易に摺動方向へハウジング１０から引
き出すことができる。図示したように、駆動側の
ハウジング端壁５２を取外し可能に構成するのが
有利である。その場合は操作シリンダ２５を端壁
５２に直接取り付けることができ、シリンダを持
つ端壁を取り外す際、ピストン棒頭部２６も摺動
往復台３２との係合を解除される。

第１図ないし第３図による実施例とは異なり、
ここでは４つの締付け機構３４が設けられてい
る。これらの締付け機構は、２つ１組になつて板
対称軸線４７および４８に対して同じ間隔を守る
ことによつて、摺動板４０の伸びに関して対称的
に摺動往復台３２にはめられている。

その他の点では、第４図および第５図による変
形例は第１の実施例と同じに構成されておりかつ
ほぼ同じ特性および利点を持つている。

【図面の簡単な説明】

第１図は、溶湯容器の底に組み込まれた開放位
置における第１の実施例による摺動閉鎖装置の底
面図、第２図は、この摺動閉鎖装置の縦断面図、
第３図は、この摺動閉鎖装置の摺動方向に対する
垂直断面図、第４図は、別の実施例の一部を破断
して示す底面図、第５図は、同じ実施例の一部を
断面で示した正面図である。 １０……閉鎖装置ハウジング、１６……支持
面、１８，１８′……案内条片、２０……底板、
３２……摺動往復台。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 固定的に支持された底板と閉鎖装置ハウジン
   グと底板に対して直線状に移動可能な摺動単位体
   とを持ち、この摺動単位体が、ハウジングに案内
   される往復台と、この往復台と連行するように結
   合されている摺動板と、この往復台にはめられた
   締付け機構とを持ち、この締付け機構が摺動板の
   方へ初応力をかけられてこの摺動板を底板に接触
   させる溶湯容器の摺動閉鎖装置において、閉鎖装
   置ハウジング１０が、底板２０を支持するために
   摺動往復台３２とは反対側にある支持面１６を持
   ち、この支持面１６を案内部１８，１８′と所定
   の間隔を置いて結合する剛性構造単位体を形成す
   ることを特徴とする溶湯容器の摺動閉鎖装置。 ２ 摺動往復台３２が摺動板４０とは反対側にお
   いて露出しており、締付け機構３４がこの側から
   はめられていることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項に記載の摺動閉鎖装置。 ３ 締付け機構３４が摺動往復台３２のねじ孔３
   ３にはまつておりかつストツパ面３１に向かつて
   この摺動往復台に締め付けられていることを特徴
   とする、特許請求の範囲第２項に記載の摺動閉鎖
   装置。 ４ 締付け機構３４が摺動板４０の寸法に関して
   摺動方向および摺動方向に対して直角に対称的に
   摺動往復台３２にはめられ、底板２０の寸法は、
   摺動板４０が各摺動位置において全面的に接触す
   るような大きさであることを特徴とする、特許請
   求の範囲第１項ないし第３項のうち１つに記載の
   摺動閉鎖装置。 ５ ただ２つの締付け機構３４が存在し、これら
   の締付け機構が、摺動方向に延びている板対称軸
   線上において摺動往復台３２にはめられているこ
   とを特徴とする、特許請求の範囲第４項に記載の
   摺動閉鎖装置。 ６ 摺動往復台３２が、なるべく摺動方向に対し
   て垂直になつている板対称軸線４８上にはめられ
   た連行ピン３６を持ち、この連行ピンが摺動板４
   ０の保持枠３８にある切欠きにはまることを特徴
   とする、特許請求の範囲第１項ないし第５項のう
   ち１つに記載の摺動閉鎖装置。 ７ 閉鎖装置ハウジング１０が案内条片１８を持
   ち、この案内条片が摺動往復台３２の摺動軌道２
   ３を形成しかつ摺動単位体３０を釈放するために
   取外し可能に取り付けられていることを特徴とす
   る、特許請求の範囲第１項ないし第６項のうち１
   つに記載の摺動閉鎖装置。 ８ 閉鎖装置ハウジング１０が、摺動単位体３０
   を釈放するために取外し可能な端壁５２を持つて
   いることを特徴とする、特許請求の範囲第１項な
   いし第７項のうち１つに記載の摺動閉鎖装置。 ９ 摺動往復台３２の摺動軌道２３′を形成する
   案内条片１８′が、閉鎖装置ハウジング１０の一
   体形成部分を形成することを特徴とする、特許請
   求の範囲第８項に記載の摺動閉鎖装置。