JPH0379149B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は鋼橋、鉄塔などに塗装を施こす際、前
処理として錆、油脂、汚れ、古い塗装膜等を除去
し、新しい塗装膜が確実に付着するように処理す
る素地調整装置に関するものである。

「従来の技術」 従来、この種素地調整で使用されている動力工
具は、主として電動式またはエア式のグラインダ
ーである。砥石やブラシの種類によりグラインダ
ー、サンダー、ポリツシャーの３種類で分けられ
る。その他シャンクブラシ等にはドリルも使用さ
れる。

このうち、グラインダーは元々研削工具である
が、塗装の素地調整では、カツプワイヤブラシ、
ベベルワイヤブラシ等を取付け、付着した塩分や
古い塗装膜を削りとる。またサンデイングデイス
クやバフを取付けて錆取り、面荒し、清掃を行
う。

デイスクサンダーは基本的にはグラインダーと
同じで、砥石前面を研磨面に密着して使用する。
研削面なりに単に押し付けたままで移動する。

ポリツシヤーはデイスクサンダーと同じで、仕
上げ条件により２スピード式、揺動式が用いられ
る。

ドリルは元々孔あけ工具であるが、塗装の素地
調整ではシヤンクブラシをチヤツクに嵌め、ボル
ト類等のケレンに用いる。

「発明が解決しようとする問題点」 以上のような種々の素地調整工具が用いられて
いるが、以下のような問題点があつだ。

(1) いずれもブラシ、砥石だけを塗装面に押付け
るため、押圧力が平均化されず、素地面に凹凸
が生じる。

(2) 集塵機を内蔵したものが多いが、砥石やブラ
シを完全に包囲できないため研削した塵埃が飛
散し集塵効果があまりない。

(3) 揺動がはげしいものが多く、かつ反動が大き
いため危険性がある。

(4) 押出する力加減で凹凸が生じないようにする
ためには自重が１〜５Kgで数千〜数万回転す装
置を被研磨面に軽く当てつつ支え持たければな
らず作業者は極めて疲労する。

「問題点を解決するための手段」 本発明は上述のような問題点を解決するために
なされたもので、ハウジングの一側部に片手持ち
用グリツプを形成し、他側部にスカート状で被研
磨面と密接する端面を平坦にした集塵用スクレー
パを設け、この集塵用スクレーパからわずかに突
出するように前記ハウジング内室に回転するシリ
ンダ状ワイヤブラシを設け、前記ハウジングに、
このワイヤブラシによる研磨厚さの調整手段を設
け、前記ハウジング内室に連通して集塵筒を設
け、この集塵筒に集塵ホースを介して吸塵装置を
連結してなり、前記集塵用スクレーパはワイヤブ
ラシの両側における接地面、後方における２段接
地面、前方における〓間を有するものからなり、
前記研磨厚さの調整手段は、前記ハウジングに設
けた２個の固定的な後方ローラと、１個の上下調
節可能な前方ローラとからなるものである。

「作用」 グリツプを片手で持ちながら集塵用スクレーパ
の端面を被研磨面に当接しつつモータを回転する
と、ワイヤブラシが高速で回転して被研磨面を研
磨する。ワイヤブラシは集塵用スクレーパの端面
からわずかに突出しているだけのため、機械を押
圧する力の大小にほとんど関係なく所定厚さで古
い塗膜や錆が研磨除去される。また被研磨面に多
少の凹凸があつてもワイヤブラシは毛の長さとば
ね性を有するもので確実に研磨除去される。研磨
で生じた塵埃は集塵用スクレーパにて外部へ飛散
するのを防止してすべて吸塵装置に強制的に吸収
される。研削厚さは、研磨厚さの調整手段を構成
するローラの上下によつてスクレーパの下面を調
整し行う。

「実施例」 以下、本発明の一実施例を図面について説明す
る。

１は片手で手軽に持上げて操作できる程度の重
さと大きさの装置を包囲するためのハウジング
で、このハウジング１には、シリンダ状のワイヤ
ブラシ２が着脱自在に取付けられる内室３が設け
られている。また、このハウジング１の上方部に
はアイロン型の片手持ち用のグリツプ４が一体に
形成されるとともに、モータ５の収納部６が形成
され、このモータ収納部６の一端にはモータフア
ン７が設けらてれいる。このモータ５と前記ワイ
ヤブラシ２の軸８，９が側方に突出し、プーリ１
０，１１、ベルト１３によつて連結され、この連
結部分はカバー１４で被覆されている。

前記ハウジング１の内室３は後方にじようご状
に伸びた集塵筒１５と連結し、この集塵筒１５は
集塵ホース１６を介して第７図に示す集塵装置１
７に連結されている。

前記ハウジング１の内室３の下面にはスカート
状の集塵スクレーパ１８が設けられている。この
スクレーパ１８は第４図に示すように、両側の接
地面１９，１９と、ワイヤブラシ２の後方のかん
な刃状の２段接地面２０，２１を有し、ワイヤブ
ラシ２の前方は〓間２２を有する。また、被研削
面２３に対して常に正確に接するように１個の前
方ローラ２４と２個の後方ローラ２５，２５を有
し、このうち前方ローラ２４は圧力調整つまみ２
６で上下を調整できるようになつており、これら
前方ローラ２４と後方ローラ２５，２５で研磨厚
さの調整手段３５が構成されている。

前記シリンダ状のワイヤブラシ２は第５図およ
び第６図に示すように、パイプ２７の両端に軸２
８，２８を固着し、このパイプ２７の外周に、帯
状のブラシ２９をろう付け３０により螺旋状に固
着して円筒状に延伸してなるものである。なお、
第３図において、３１は電源スイツチ釦、３２は
電源コードである。

以上のような構成において、スクレーパ１８の
接地面１９，２０，２１よりもワイヤブラシ２が
やや下方に突出するようにセツトする。そして、
第７図に示すように、作業足場３３上に集塵装置
１７を載せて、作業者３４がグリツプ４を片手で
持ち、電源スイツチ釦３１を握りながら被研削面
２３に当てて移動する。すると、ワイヤブラシ２
が回転して被研削面２３の古い塗膜や錆を削りと
る。削られた塵埃はハウジング内室３から集塵筒
１５、集塵ホース１６を経て集塵装置１７に吸引
され、内部のフイルタで集塵が分離収納される。
被研削面２３の研磨厚さは、前方ローラ２４の上
下により調整する。

「発明の効果」 本発明は上述のように構成したので、つぎのよ
うな効果を有する。

作業者が一方の手で持ちながら必要に応じて
他方の手でハウジングの上から被研削面を押圧
しつつ移動することにより、ワイヤブラシは毛
丈を有するので常に一定圧でむらなく研削し、
しかも多少の凹凸があつてもその凹凸なりに一
定厚で研削する。

ワイヤブラシの外周をスクレーパで包囲しつ
つ研削し、かつワイヤブラシで粉塵を吸引方向
にとばしつつハウジングの内室を負圧にして強
制的に吸引するので、塵埃はすべて吸引されほ
とんど外に飛散することがない。

ワイヤブラシの回転動であるから振動がほと
んどない。

ハウジングを被研削面に押圧移動する際被研
削面に接するのはローラであるから、摺動摩擦
がほとんどなく、極めて軽く、従来のように全
体の重量を支え持ちつつ摩擦摺動させる場合に
比し作業者の疲労が極めて少ない。

ワイヤブラシによる研磨厚さは研磨厚さの調
整手段によつて所望の厚さに調整することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

図は本発明による素地調整装置の一実施例を示
すもので、第１図は一部切欠いた正面図、第２図
は一部切欠いた平面図、第３図は正面図、第４図
はスクレーパの底面図、第５図はワイヤブラシの
取付け方法の説明図、第６図はワイヤブラシの一
部切欠いた正面図、第７図は研削作業を示す斜視
図である。 １……ハウジング、２……ワイヤブラシ、３…
…内室、４……グリツプ、５……モータ、１３…
…ベルト、１５……集塵筒、１６……集塵ホー
ス、１７……集塵装置、１８……集塵用スクレー
パ、１９，２０，２１……接地面、２２……〓
間、２３……被研削面、２７……パイプ、２９…
…帯状のブラシ、３０……ろう付け、３１……電
源スイツチ釦、３４……作業者、３５……研磨厚
さの調整手段。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ハウジングの一側部に片手持ち用グリツプを
   形成し、他側部にスカート状で被研磨面と密接す
   る端面を平担にした集塵用スクレーパを設け、こ
   の集塵用スクレーパからわずかに突出するように
   前記ハウジング内室に回転するシリンダ状ワイヤ
   ブラシを設け、前記ハウジングに、このワイヤブ
   ラシによる研磨厚さの調整手段を設け、前記ハウ
   ジング内室に連通して集塵筒を設け、この集塵筒
   に集塵ホースを介して吸塵装置を連結してなり、
   前記集塵用スクレーパはワイヤブラシの両側にお
   ける接地面、後方における２段接地面、前方にお
   ける〓間を有するものからなり、前記研磨厚さの
   調整手段は、前記ハウジングに設けた固定的なロ
   ーラと、上下調節可能なローラとからなることを
   特徴とする素地調整装置。 ２ ワイヤブラシは帯状のブラシを円筒形パイプ
   の外周に螺旋状に巻回してシリンダ状に延伸した
   ものからなる特許請求の範囲第１項記載の素地調
   整装置。