JPH0379139B2 - - Google Patents

Description

請求の範囲 １ コンクリート製の架台とこの架台の表面に張
られた案内路とを含む作業機械用の案内装置にお
いて、前記案内路が焼結前の粒度範囲がコンクリ
ートの粒度の範囲に近いサイズの１〜9μｍ粒度
範囲のセラミツク材料が焼結して形成された案内
路であることを特徴とする作業機械の案内装置。

明細書 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念に示さ
れた作業機械の案内路に関する。

機械的エネルギーで部品を変形させたり、又は
転送させる作業機械にあつては機械の各ユニツト
を案内路に沿つて互に相対的に変位させている。
例えば、工作機械では、こうしてワークホルダー
ならびにツールホルダー、サドル、クロススライ
ド、心押し台、振れどめ等を互に相対的に、ある
いは機械基部に相対的に、移動し得るようになつ
ており、ワークに所望の加工をなすために、工作
機械のサイズにより予め定められている領域で各
ユニツトを互に相対的な位置に何時でも、かつ所
望の頻度で再現性ある正確な走行ができるように
なつている。これらの走行可能のユニツトは案内
路に沿つて変位させられる。

この案合路は、走行可能の所定の運動をうるた
め、なるべくなら通常は直線あるいは平面などの
幾何学的形状とすべきものである。

以上の案内路は、具体的には、機械的な精密加
工たとえば研削およびきさげ加工によつて達成さ
れている。

案内路は、一般に鋼又は鋳鉄、大理石などの天
然鉱物などの材料であり、その案内路を支持する
機械の一部と同じ材料あるいは別の材料のもので
ある。

案内路は、機械基部と一体のものとしても良
く、あるいは複数部品の組合せの構成としても良
い。機械基部用材料としては、鋼ならびに鋳鉄の
他にコンクリートやプラスチツク材料の積層とす
ることができる。工作機械の基部は、工作機械の
運転時に派生する力で案内路が変形するのを回避
し、あるいは最小にとどめるように充分安定なも
のとする必要がある。

前述の従来の案内路および機械基部は、使用さ
れる材料が望ましくない諸特性を有するものであ
つた。

第１に、金属材料は、案内路用として充分に正
確な表面を形成できない。それゆえ、充分理想的
な幾何学的表面を得るためには、複雑な切削加
工、例えば、フライス作業、切削およびきさげ加
工工程を経る必要があつた。この機械的加工は、
時間がかかり、かつコスト高のものであり、また
不良品の確立が高いものであつた。

大きな駆動力を用いずに作業機械の可動ユニツ
トを案内路上で所望通り、正確に走行させるに
は、案内路と変位させる対象物体との間の摩擦が
少ない場合にのみ可能である。油などの潤滑剤を
用いる案内路と対称物体との間を潤滑すれば、摩
擦の低減が可能であるが、材料たる鋼および鋳鉄
は、摩擦係数が高く、相対運動を急激に開始する
と初期摩擦が急上昇し、また潤滑装置が、故障す
ると案内路を損傷させることもあつた。上記材料
の鋼および鋳造は、潤滑が行なわれていても、動
摩擦に較べて静止摩擦が著しく高く、望ましから
ざるものであつた。なぜなら、わずかな区間を頻
繁に移動する場合には、静止摩擦が高いと問題と
なるからである。

使用金属材料の熱膨張が、著しい場合には、温
度変化により、各機械ユニツトの相互の相対的な
位置が変化してしまい、これも問題となつてい
た。

使用材料の鋼および鋳鉄が有する弾性は、それ
によつてワーク加工時の周期的に反復される荷重
付加と荷重除去により、あるいは機械架台の振動
が漸次増幅し、よつてこの増幅振動が、工作機械
の各ユニツトに伝達され、仕上りワークの表面品
質ならびに寸法精度に悪影響を及ぼす場合がある
ので不利であつた。

別の欠点は、上記の使用材料では、高い負荷に
比し材料が低硬度であつたり、潤滑剤に含まれて
いる酸化剤に対する化学的耐性が不十分であつた
り、急な運動特性が原因して摩耗が生じることが
あつた。工作機械の実際の運転に際して、潤滑シ
ステムを完全な状態に保持すること、すなわち、
部分的な故障を防ぐこと、水又は酸を含有する冷
却剤ならびに研削粉塵などの汚染粒子が案内路に
及ぼす影響を完全に避けることはほとんど不可能
であつた。

従来の材料では材料が所定の最大面圧に耐え得
るようにしなければならないので、案内路のサイ
ズ、およびその重量を軽減すること、結果として
案内路を担持する作業機械のサイズならびに重量
を軽減することが困難であつた。

本発明は、上述の種類の作業機械に、熱膨張お
よび弾力性が最小の、きわめて硬く、急な運動特
性に良く対応しうる、しかして簡単かつ精度良く
製作できる案内路を設けることを目的とするもの
である。

以上の目的を達成するために、請求の範囲に記
載の構成が提供される。

本発明によれば、作業機械の案内路はセラミツ
ク材料製である。

焼結セラミツク材料のワークは、一次成形によ
り非常に正確な寸法に製作できるので経費および
時間のかかる機械的および熱的仕上加工、硬化、
研削、きさげ加工などが不要である。

セラミツク材料の案内路の場合においても、各
ユニツトを案内路に沿つて変位させる駆動力を低
減するため潤滑することが好ましい。しかしなが
ら、潤滑システムが故障しても、金属製の案内路
よりも影響が小さい。セラミツク材料の特徴は、
微細な潤滑剤を残留し得るくぼみを有しているこ
と、硬度が高くほとんど摩耗が生じないから急な
運動特性に良く対応し得ることである。

また始動時の静止摩擦ならびに当該静止摩擦と
動摩擦との差も上記理由からの従来案内路の場合
より小さくなる。

セラミツク材料の熱膨張は、非常に小さく、案
内路がかなり長くとも従来の工作機械のように仕
上げるべきワークの寸法精度に影響を及ぼすよう
な、工作機械の各ユニツトの相対変位が生じな
い。

セラミツク材料は、弾性がきわめて低く、振動
および共振を防止することができる。セラミツク
材料は、硬度が高いので、潤滑状態が不充分であ
つても、工作機械運転中による案内路の摩耗が防
止できる。よつて従来問題のなつていた案内路お
よび／もしくは潤滑剤の汚染が解消される。特に
研削盤の場合、研削粉塵が案内路上で集積するこ
とを回避できないので、工作機械の運転中に案内
路表面上で粉塵が擦られて工作機械の各ユニツト
走行の際の摩耗を増大させならびにこれらのユニ
ツトの位置決め寸法精度を低下させてしまう恐れ
があつた。しかし、本発明の案内路は、水や酸化
剤に対してもかなりの抵抗力を有するので、これ
らを含む冷却剤および潤滑剤との接触において問
題が生じない。

セラミツク材料は、鋼又は鋳造に比較してかな
り大きな面圧に耐え得るので、機械架台で充分に
支持されていれば、同じ負荷であれば、かなり小
さな伝達面で支持し得るので小型化が可能であ
り、機械架台全体も小型化および計量化できる。

セラミツク材料の利点は、焼結前の粒度範囲が
鋳鉄又は鋼の粒度と比較して機械架台として使用
されるコンクリートの粒度のサイズに近い範囲、
即ち１〜9μｍの粒度範囲を有していることにあ
る。このためコンクリート製機械架台上にセラミ
ツク材料製の案内路を接着あるいは埋め込む場合
に好適である。