JP2671184B2 - 摺動装置 - Google Patents

摺動装置

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JP2671184B2
JP2671184B2 JP13699293A JP13699293A JP2671184B2 JP 2671184 B2 JP2671184 B2 JP 2671184B2 JP 13699293 A JP13699293 A JP 13699293A JP 13699293 A JP13699293 A JP 13699293A JP 2671184 B2 JP2671184 B2 JP 2671184B2
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Kitamura Machinery Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摺動装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば工作機械には、加工処理の
高速化及び高精度化と同時に耐重切削加工が要求されて
いるが、このような工作機械における摺動部の構造に
は、従来大きくわけて、滑り摺動と転がり摺動との2つ
の方式があった。
【0003】前者、すなわち滑り摺動方式は、摺動部に
耐摩耗性及び低摩擦係数を有する摺動材を使用すると共
にその摺動面に給油しつつ滑り摺動を行うもので、図4
は、このような滑り摺動方式を採用した工作機械の摺動
面の構造を示す断面図である。同図において、41はサ
ドル、42は前記サドル41の左右に設けられた2本の
レールに沿って紙面に垂直な方向に移動するテーブル、
43は当板、44はギブ、45はテーブル42、当板4
3、及びギブ44に貼着された耐摩耗性を有し低摩擦の
滑り摺動材である。
【0004】このような滑り摺動方式は、摺動材45の
表面で荷重負荷を支える所謂面当たりのため、大きな荷
重にも耐えることができ、重切削加工にも耐え得るとの
利点がある。
【0005】一方、後者、すなわち転がり摺動方式は、
前記摺動材の替わりに金属製のローラやボールなどの転
動体により被摺動物を支えるものであるが、この方式は
面当たりによる前記滑り摺動方式に比べ格段に摺動部の
摩擦が小さく、このため迅速な位置決めを行えるなど、
機械の高速化及び高精度化が図れるとの利点を有するも
のである。
【0006】このように、従来の工作機械における摺動
部の摺動方式は、それぞれ特有の利点を有するものであ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
ように、近年、特に工作機械などにおいては、加工処理
の高速化及び高精度化と、耐重切削加工との双方が要求
されているのに対し、前記従来の摺動方式ではこれらの
双方を同時に満足させることができるものではなかっ
た。
【0008】すなわち、前記滑り摺動方式は、前述のよ
うに大きな荷重負荷にも耐え、重切削加工にも耐え得る
との利点があるものの、例えば素早く正確に位置決めを
行う等、高速・高精度の摺動動作を行うという点では劣
るものであり、一方、前記転がり摺動方式は、反対に摺
動動作の高速・高精度化との点では優れるものの、ロー
ラやボールなどの転動体により被摺動物を支えるもので
あるため、重切削加工を行う場合などのように、加工時
の大きな荷重負荷に対する耐性の点で劣るとの欠点を有
する。
【0009】本発明は、このような従来の工作機械など
の摺動部に用いられる摺動装置の問題を解決するもの
で、高速・高精度な摺動動作を行うことができ、且つ大
きな荷重負荷にも耐え得る摺動装置を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成すべく、
本発明は、圧接状態で相対運動を行う部材間に介在さ
れ、両部材の相対運動を円滑ならしめる摺動装置であっ
て、対向する部材に当接して該部材を支持しつつ該部材
の滑り摺動を許容する滑り摺動手段と、該滑り摺動手段
による摺動面より突出した位置と没入した位置との間で
移動可能な転動体、及び該転動体を移動させる移動手段
を備えた転がり摺動手段とを有し、前記移動手段により
前記転動体を突出させた場合には該転動体により転がり
摺動を行わせ、前記移動手段により前記転動体を没入さ
せた場合には前記滑り摺動手段により滑り摺動を行わせ
ること特徴とする摺動装置に係るものである。
【0011】
【作用】前述のように、本発明に係る摺動装置は、圧接
状態で相対運動を行う部材間に介在され、両部材の相対
運動を円滑ならしめるものであるが、本摺動装置は、滑
り摺動手段と転がり摺動手段との双方を備えるものであ
り、前記移動手段により前記転動体を、前記滑り摺動手
段による摺動面より突出させた位置まで移動させれば、
該転動体が対向する部材に当接して該部材を支持しつつ
転がり摺動が行われる。
【0012】一方、前記移動手段により前記転動体を、
前記滑り摺動手段による摺動面より没入させた位置まで
移動させれば、該転動体は前記両部材間の摺動面から解
放され、前記滑り摺動手段が前記両部材間の荷重負荷を
担うと共に、該滑り摺動手段による滑り摺動が行われ
る。
【0013】このように、本発明に係る摺動装置では、
前記移動手段による前記転動体の移動により、転がり摺
動と滑り摺動の双方を行うことができるため、例えば工
作機械における位置決め等、迅速且つ高精度な摺動動作
が必要な場合には、前記転動体を突出させることにより
転がり摺動を行わせ、一方、例えば重切削加工時のよう
な摺動部に大きな荷重負荷がかかる場合には、前記転動
体を没入させて滑り摺動を行わせて該負荷に対応させる
ことが可能となる。
【0014】
【実施例】本発明の実施例を図面に基き説明する。図1
乃至図2は、本発明の一実施例に係る摺動装置を工作機
械の摺動部に装着した場合の構成を示す断面図であり、
これらの図において、1はサドル、2は前記サドル1の
左右に設けられた2本のレールに沿って紙面に垂直な方
向に移動するテーブル、3は当板である。
【0015】5はサドル1上面に対向するテーブル2の
下面に、テーブル2の移動方向(紙面に垂直な方向)に
亙って延在するように貼着された摺動材で、前記滑り摺
動手段を構成するものである。この摺動材としては、摩
擦係数が小さく、且つ耐摩耗性を備えた公知の摺動材を
用いる。
【0016】6は前記転動体を構成するリニアローラベ
アリングで、テーブル2内に埋設されており、摺動方向
に複数個設けられている。また、これらのリニアローラ
ベアリング6は、後述の移動手段によりサドル1の上面
に直交する方向(図の上下方向)に移動可能に構成され
ており、下方に移動した場合には該ローラが前記摺動材
5の下面より下方に突出し、上方に移動した場合にはロ
ーラ下端が摺動材5の下面より上方に位置するようにテ
ーブル内に没入するものである。
【0017】7はシリンダ、8は図の上下方向にストロ
ークを有するピストンで、このピストン8は、前記シリ
ンダ7へのエアの供給により下方に伸びるものであり、
また、前記リニアローラベアリング6に接続されてお
り、これにより該ピストン8の上下動に伴い前記リニア
ローラベアリング6は上下方向に移動される。
【0018】9はシリンダ7にエアを供給するためにテ
ーブル内に設けられた配管、10はテーブル側面部に設
けられたエア供給口であり、これらの構成7乃至10
は、前記移動手段を構成するものである。
【0019】なお、図1乃至図2に示した本実施例で
は、サドル1の2本のレールのそれぞれについて前記リ
ニアローラベアリング6を摺動方向に対して1列づつ設
けたが、図3に示すように、各レールに対してリニアロ
ーラベアリング6を2列づつ設けてもよいことは勿論で
ある。
【0020】このような構成を有する本実施例に係る摺
動装置では、エア供給口10に接続された不図示のエア
供給装置から配管9を通じてシリンダ7にエアが供給さ
れると、ピストン8が下方に伸び、これによりリニアロ
ーラベアリング6が下方に移動して該ローラ6が摺動材
5の下面より下方に突出し、該ローラ6がテーブル2か
らの荷重を支えると共に該ローラ6によりテーブル2が
サドル1のレールに沿って転がり摺動可能とされる。
【0021】一方、配管9及びエア供給口10を通して
シリンダ7からエアを排出すれば、ピストン8及びピス
トン8に接続されたリニアローラベアリング6は、テー
ブル2の重量により上方に押し上げられ、図2に示すよ
うに、摺動材5がサドル1のレール上面に当接してテー
ブル2からの荷重を支えると共に滑り摺動が可能とされ
る。
【0022】このように、工作機械に使用された本実施
例の摺動装置では、例えばテーブル2上に載置された被
加工物の切削加工を行う場合に、前述のようにシリンダ
7にエアを供給して転がり摺動として被加工物の迅速且
つ高精度の位置決めを行い、その後シリンダ7内のエア
を排出して滑り摺動により加工を行うことができるた
め、近年の工作機械などに望まれている、加工処理の高
速化・高精度化と、耐重切削加工との双方を同時に満足
することができる摺動部を構成することができる。
【0023】なお、本実施例では、前記移動手段として
エアシリンダを用い、前記転動体としてリニアローラベ
アリングを用いたが、本発明はこれに限定されるもので
はなく、油圧シリンダや送りネジ機構などの各種の移動
手段を、また、ボールベアリングなどの各種の転動体を
用いた転がり摺動手段を採用することができることは勿
論である。
【0024】また、本発明の摺動装置は、実施例に示し
たような角形摺動面のほか、V形摺動面、逆V形摺動面
等にも使用できるものである。また、実施例では摺動装
置をテーブル側に設けたが、サドル側に設けることもで
きる。
【0025】また、前記実施例の摺動装置は工作機械に
使用するものとして説明したが、本発明はこれに限定さ
れるものではなく、各種の構造物の摺動部に適用するこ
とができるものである。
【0026】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明によれば、
高速・高精度な摺動動作を行うことができ、且つ大きな
荷重負荷にも耐え得る摺動装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の構成を示す断面図である。
【図2】同じく、本発明の一実施例の構成を示す断面図
である。
【図3】本発明の別の実施例の構成を示す断面図であ
る。
【図4】従来の摺動装置(滑り摺動方式)の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1,41 サドル 2,42 テーブル 3,43 当板 4,44 ギブ 5,5a,45 摺動材 6 リニアローラベアリング 7 シリンダ 8 ピストン 9 配管 10 エア供給口 尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧接状態で相対運動を行う部材間に介在
    され、両部材の相対運動を円滑ならしめる摺動装置であ
    って、 対向する部材に当接して該部材を支持しつつ該部材の滑
    り摺動を許容する滑り摺動手段と、 該滑り摺動手段による摺動面より突出した位置と没入し
    た位置との間で移動可能な転動体、及び該転動体を移動
    させる移動手段を備えた転がり摺動手段とを有し、 前記移動手段により前記転動体を突出させた場合には該
    転動体により転がり摺動を行わせ、前記移動手段により
    前記転動体を没入させた場合には前記滑り摺動手段によ
    り滑り摺動を行わせること特徴とする摺動装置。
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