JPH0378997B2 - - Google Patents

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JPH0378997B2
JPH0378997B2 JP18098988A JP18098988A JPH0378997B2 JP H0378997 B2 JPH0378997 B2 JP H0378997B2 JP 18098988 A JP18098988 A JP 18098988A JP 18098988 A JP18098988 A JP 18098988A JP H0378997 B2 JPH0378997 B2 JP H0378997B2
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JP
Japan
Prior art keywords
phosphorus
strain
bacteria
genus
micrococcus
Prior art date
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Expired
Application number
JP18098988A
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English (en)
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JPH0231672A (ja
Inventor
Kazunori Nakamura
Eiichi Mikami
Tomoo Suzuki
Kazunari Masuda
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Separation Of Suspended Particles By Flocculating Agents (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は、高濃度ポリリン酸を蓄積する能力を
有し、更に凝集性を有する新規なミクロコツカス
様NM−2株に関するものである。
本菌株は、現在稼動中の脱リンプロセスの能力
アツプや安定性の確保に、またスタートアツプの
期間短縮等に利用可能と考えられる。更に本菌株
を利用した新規な脱リンリアクターやリン回収リ
アクターの開発にも利用可能である。
〔従来技術〕
生物学的なリン除去プロセスにおいては、嫌気
的な処理条件と好気的な処理条件をうまく組み合
わせ汚泥中のリン含有率を増加させ、この高濃度
リン含有汚泥を水処理系から引き抜くことによ
り、排水中からリン除去を可能ならしめている。
このような汚泥中のリン含有率の増加は、活性汚
泥に存在するポリリン酸蓄積細菌が他の細菌に比
較して優先的に増殖するために起こると考えられ
ているが、ポリリン酸蓄積細菌を優先化させるた
めの処理条件についてはまだ明確にされていない
ところが多い。従つて、現在稼動中の生物学的脱
リンプロセスは、かならずしも、満足のゆく運転
ができているとは言いがたい。
活性汚泥に生息するポリリン酸高濃度蓄積細菌
としては、これまでに、アシネトバクター属、シ
ユードモナス属などの細菌が報告されている。し
かし、これらの分離細菌では、リン除去活性の高
い活性汚泥に特徴的な嫌気条件における有機物の
取り込みを伴つたリン放出や、好気条件下での急
速なリン取り込みなどをかならずしも再現できて
いない。従つて、これまでに分離された上述の細
菌は生物脱リンプロセスでのリン除去に中心的に
かかわつているとは言いがたく、たとえこれ等の
細菌を培養し活性汚泥に添加したとしても活性汚
泥のリン除去活性を大幅に改善できる可能性は低
い。また、これらの細菌を利用した新しいリン除
去リアクターを構築することも難しいものと考え
られる。事実、これ等の細株を添加して成功した
という例も、新しいリアクターを構築したという
例もみあたらない。
〔目 的〕
そこで、本発明者等は、生物学的リン除去プロ
セス、あるいはリン回収プロセスに利用可能な、
高濃度のポリリン酸を蓄積する能力及び凝集性を
有し、しかも、リン除去活性の高い活性汚泥に認
められるような嫌気条件下でのリン放出と好気条
件下での急速なリン取り込みを示すような細菌を
分離すべく研究を行つたところ、活性汚泥を構成
する細菌には、増殖速度の速い細菌のみならず最
大増殖速度が遅く、分離用寒天平板上にコロニー
を形成するに至るまで、1週間から10日程度の日
数を必要とする細菌が多数存在していることが判
明したため、特に増殖速度の遅い細菌に着目し、
ポリリン酸高濃度蓄積細菌の分離を進めた。その
結果、コロニー形成速度が極めて遅く、最大増殖
速度1/day程度の菌群の中から、菌体乾燥重量
当り5〜10%という極めて高い濃度のポリリン酸
態リンを蓄積する能力を有し、しかも嫌気条件下
でのリン(正リン酸)放出と好気条件下での急速
なリン(正リン酸)取り込みを示す菌株の分離に
成功した。また、本細株は強い凝集性をも有して
いた。
なお、分離源としては、嫌気・好気法で運転を
行つている室内生物脱リン実験装置の活性汚泥を
用い、この汚泥を1000mg/程度に希釈した後、
20KHz、100Wで20秒間超音波処理を行い、汚泥
をよく分散させた。次にこの菌液を適宜希釈し、
寒天板上に塗抹した。また分離用平板には表1に
示した組成のものを用いた。出現するコロニーか
ら鈎菌し、表2に示したポリリン酸顆粒の染色試
薬による染色性を参考にしながら分離を進めた。
表−1 培地組成 グルコース 0.50g ペプトン 0.50g 酵母エキス 0.50g グルタミン酸ソーダ 0.50g リン酸一カリウム 0.44g 硫酸アンモニウム 0.10g 硫酸マグネシウム 0.10g 活性汚泥抽出液* 100ml 蒸留水 900ml *5000mg/の活性汚泥をオートクレーブ処理
後、遠心分離により沈澱を除去した上澄水 表−2 ポリリン酸顆粒染色液組成 トルイジンプルー 0.15g メチルグリーン 0.20g 酢酸 1.00ml アルコール(95%) 2.00ml 蒸留水 100.00ml 〔構 成〕 本菌株は菌体乾燥重量当り5〜10%程度のポリ
リン酸態リンを蓄積するのみならず、リン除去特
性の優れた活性汚泥と同様に、嫌気条件における
リン放出と好気条件下におけるリン取り込みを示
す上、強い凝集性を有することから、実用上、極
めて有望な菌株であると推定される。
本菌株の菌学的性質は以下に示すとおりであ
る。
(a) 形態等 (1) 細胞形態:径1.6〜2.4μmの球菌 (2) 胞子形成能:無 (3) グラム染色性:陽性 (4) 運動性:無 (5) 莢膜形成:無 (6) 細胞のならび:単独もしくは2連もしくは塊
状 (b) 生育状態等 (1) 寒天平板での形成形態:クリーム色、丸山
形、堅い、光沢有 (2) 空気存在下での生育:+ (3) 嫌気条件下での生育:(生育が認められると
しても極めて弱い) (4) 無酸素、硝酸存在下での成育:+ (5) 最大増殖速度:0.9/day (6) 凝集性 空気存在下:有 硝酸存在下:有 (c) 生理学的性質等 (1) カタラーゼ:+ (2) オキシターゼ:− (3) 硝酸塩還元(NO3 -→NO2 -):+ (4) 脱窒素反応:− (5) OFテスト:明確でない (6) グルコースからの酸の生成:+ (7) フランゾリドン寒天での生育:+ (8) ポリリン酸蓄積能:+ (9) キノンタイプ:メナキノン、MK−10 以上(a),(b),(c)の菌学的性質から、バージエイ
ズ、マニユアル オブ システマテイツク バク
テリオロジー,ボリユーム2,1986(Bergey,s
Manual of Systematic Bacteriology,
Volume2,1986)に徴して検討を行つたところ、
胞子形成能を持たないグラム陽性球菌は15属に分
類されている。この中で生育に対する酸素の要求
性から10属にしぼられ、更に、カタラーゼを有す
るかどうかにより、ミクロコツカス属、スタフイ
ロコツカス属、プラノロコツカス属、デイノコツ
カス属、ストマトコツカス属にしぼられる。次
に、デイノコツカス属は放射線耐性を有する特殊
な菌属であること、プラノコツカス属は運動性を
有すること、ストマトコツカス属は莢膜を有する
ことから、本菌株はミクロコツカス属かスタフイ
ロコツカス属に属するものと考えられる。前記2
属の中では、嫌気条件下で生育ができないかもし
くは生育しても極めて微弱であること、フラゾリ
ドン寒天で生育することから、本菌株は、ミクロ
コツカス属に最も近い菌株と言える。しかし、近
年、微生物の分類に広く用いられるようになつて
きた化学分類法の一つであるキノンタイプを測定
した結果、本菌株はキノンの主成分としてメナキ
ノン、MK−10(メナキノンの側鎖のイソプレン
ユニツトが10ユニツトつながつているもの)を有
し、MK−7をわずかに含んでいることがわかつ
た。前述のバージエイス マニユアル オブ シ
ステマテイツク バクテリオロジーとマイクロバ
イオロジカル レビユー,ボリユーム45316〜354
頁(Microbiological Reviews,Volume45,
P.316〜354,1981)に徴し、検討したところ、キ
ノンしてMK−10を主成分として含有する菌種
は、ミクロコツカス属にはなく、コリネフオーム
バクテリアの中のアルスロバクター属、および
コリネバクテリユーム属に認められるのみであ
る。キノンタイプあるいは核酸中のG−G含量と
いつた化学分類指標は、近年、微生物の分類に極
めて重要な指標とされつつあることから、キノン
タイプの分析結果からは本菌株をミクロコツカス
属細菌と決定するには末だ問題が残つている。ま
た、アルスロバクター属細菌はグラム陽性の不規
則な形をした桿菌の中に分類されており、菌の増
殖のサイクルによつて球菌にも桿菌にもなること
がその特徴とされている。このようなアルスロバ
クター属の細菌の中には菌の形態変化がわずかと
なり、ほとんどミクロコツカス属細菌の一部の種
と判別困難なものや、あるいは逆にミクロコツカ
ス属細菌に分類されているものでも、アルスロバ
クター属の一部の細菌と極めて近い性質を有する
ものなどが報告されている(Current
Microbiology,Volume2,317〜322頁(1979)
及びVolume5197〜202頁(1981),FEMS
Microbiology,Letters,Volume9223〜226頁
(1981))。
以上のように、本菌株は形態的にはミクロコツ
カスに極めて近いが、キノンタイプを重要視する
とアルスロバクターに近い性質をも有しており、
いずれに分類すべきか、また、全く新しい属を提
唱すべきかを判然としない。これを明確にするた
めには、更にあらゆる角度から検討する必要があ
ることから、とりあえず、本菌株をミクロコツカ
ス様NM−2と名命した。本菌株はFMRM P−
10115として工業技術院微生物工業技術研究所に
寄託されている。
本菌株は、嫌気的な条件で有機物を含む廃水が
添加されると、ポリリン酸を加水分解し、リン酸
を放出する時の生化学的なエネルギーを利用し
て、廃水中の有機物を取込むことが出来る。ま
た、嫌気的な条件で取り込まれた有機物は、好気
的な条件ではその一部が酸化され、この時に生成
する生物学的なエネルギーが、本菌株の増殖に利
用されるのみならず、リン酸の取り込みとポリリ
ン酸の合成に利用される。従つて、本菌株は、嫌
気的な条件で廃水が添加され、その後好気的な条
件設定がなされる生物学的リン除去プロセスにお
いて、他の細菌に比較し有先となる特性を有して
いる。また、本菌株は強い凝集性を有しているこ
とから、生物学的リン除去プロセスに組み込む際
に有利であると共に新しいリン処理にリアクター
あるいはリン回収リアクターの構築にも利用でき
るものと考えられる。
〔実施例〕 以下、実施例により、本発明を具体的に説明す
る。
実施例 1(リン取込み実験) 前記表1に示す組成の培地から寒天のみを除い
たものを液体培地として使用し、ミクロコツカス
様NM−2株(FERM P−10115)と振とう培養
した後、遠心分離により集菌した。この菌株を蒸
留水で洗浄した後、以下の実験を行つた。
洗浄菌株を菌体濃度、5000mg/となるよう
200mlのシリンダーに取り、約0.5/minの速度
で通気しながら正リン酸を添加し、リンの取り込
みを測定した、添加した正リン酸の溶液は
KH2PO4の溶液にカリウムとマグネシウムのモル
比で3:1となるようにMgSO4・7H2Oを加え、
NaOH水溶液をPHを6.8に調整したものを使用し
た。
第1図に示すように、添加した正リン酸は速や
かに取込まれ、14時間で合計350mg/の正リン
を取り込んだ。従つて取り込んだリン酸態リン
は、NM−2株の乾燥菌体重量当り、7.0%と極
めて高い値となつた。また、本菌株の最終的なリ
ン含量は10%であつた。
実施例 2(リン放出実験) 次に、実施例1によりリンを取り込ませたNM
−2株に、窒素ガス通気(0.5/min)により
嫌気的な条件としながら、グルコースをTOCと
して250mg/となるよう添加した。添加したグ
ルコースの取り込みをTOCの減少により測定し
た結果とリン放出を第2図に示した。添加したグ
ルコースは速やかに取り込まれ、これに伴つたリ
ン放出が観察された。また、本菌株の30分間自然
沈降後の汚泥容積指標(Sludge Volume
Index:SVI)は30と極めて低い値を示し、凝集
により沈降性を極めて良好であることが明らかと
なつた。
〔発明の効果〕
本菌株を利用した新規な脱リンリアクターの開
発及びリン回収リアクターの開発へへの利用が可
能となり産業上の利用が期待される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、好気条件下での本菌株によるリン酸
態リンの取り込みを示すグラフである。第2図
は、嫌気条件下での本菌株によるリン酸態リンの
放出とグルコースの取り込みを示すグラフであ
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 菌体中に高濃度ポリリン酸態リン蓄積能を有
    し、且つ嫌気条件下で、正リン酸を放出し、好気
    条件下で正リン酸取込み能を有し、更に凝集性を
    有する新規なミクロコツカス様NM−2株。
JP18098988A 1988-07-20 1988-07-20 凝集性を有する新規なミクロコッカス様nm‐2株 Granted JPH0231672A (ja)

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JPH0788498A (ja) * 1993-09-24 1995-04-04 Agency Of Ind Science & Technol 微生物を利用したリン含有水溶液のリン除去及び回収方法

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